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関連ワード 周知表示混同惹起行為(2条1項1号) /  周知性 /  広く認識 /  需要者 /  特段の事情 /  商品等表示 /  出所表示性(出所表示) /  類似性(類似) /  外観 /  混同のおそれ(混同) /  商品の形態(商品形態) /  差止請求(差止) /  非類似 /  デザイン /  侵害 /  特別顕著性 /  代理人 /  商品表示性 /  混同のおそれ(混同) /  損害賠償 /  推定 / 
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事件 平成 15年 (ワ) 16294号 不正競争行為差止等請求事件
原告 株式会社アネビー
同訴訟代理人弁護士 北村行夫
同 中島龍生
同 大井法子
同 吉田朋
同 雪丸真吾
同 芹澤繁
同 亀井弘泰
同補佐人弁理士 樋口盛之助
被告 株式会社ジャクエツ
同訴訟代理人弁護士 上野進
同 片山一光
同 三村藤明
同 榎本久也
同 粟田口太郎
同補佐人弁理士 西出眞吾
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2004/08/23
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
1 被告は,別紙被告製品目録1ないし5記載の屋内遊具及び別紙被告部品目録1ないし13記載の部品を付した屋内遊具を製造し,販売してはならない。
2 被告は,その本店,支店,営業所,工場及び倉庫に保有する別紙被告製品目録1ないし5記載の屋内遊具(半製品及び部品単体を含む。)及び別紙被告部品目録1ないし13記載の部品を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,金1397万5500円及びこれに対する平成15年7月29日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
事案の概要
原告は被告に対し,主位的に,@原告の販売する幼児用屋内遊具及びその製品の構成部品の形態が,原告の商品表示として需要者の間に広く認識されているものであり,被告の製品及び製品の構成部品の形態がそれらに類似し,原告の製品との混同のおそれがある旨主張して,不正競争防止法2条1項1号,3条に基づいて,被告の製品等の製造及び販売の差止及び廃棄並びに損害賠償を求め,予備的に,A原告の製品等と類似する形態の製品等を販売する被告の行為は不法行為を構成する旨主張して,民法709条に基づいて損害賠償を求めた。
1 前提となる事実等(争いがない事実以外は証拠を末尾に記載する。) (1) 当事者 原告は,遊技器具,家具の販売を主たる業務としている株式会社であり,後記のとおり,輸入した屋内遊具等を販売している。
被告は,教育用品の製造,販売を主たる業務としている株式会社である。
(2) 原告製品等 別紙原告製品目録1ないし5記載の屋内遊具(以下,順に「原告製品1」,「原告製品2」という。これらを併せて「原告各製品」という。)は,「GEMINO」というシリーズ名(以下「ゲミノシリーズ」という。)で販売される幼児用屋内遊具に含まれるものである。
別紙原告部品目録1ないし13記載の部品(以下,順に「原告部品1」,「原告部品2」という。これらを併せて「原告各部品」という。)は,ゲミノシリーズの屋内遊具を構成する部品である(以下,原告各製品及び原告各部品を併せて「原告各製品等」という。)。
ゲミノシリーズの屋内遊具は,支柱,枠組,パネルという3種類の規格化された部品から構成されており,需要者の希望に応じて,多様な組合せができるようになっている(甲1,2,20)。
ゲミノシリーズの屋内遊具及びその構成部品は,ドイツ連邦共和国(以下「ドイツ」という。)のハーベルマース社が製造,販売,輸出するものである。原告は,平成9年ころから,ゲミノシリーズの屋内遊具等の輸入を開始し,日本国内で,原告製品3ないし5及び原告各製品等の販売を開始した。そして,原告は,平成10年に,ハーベルマース社から,原告の名で,原告独自の製品名を付けるなどして,日本国内で販売する地位を与えられ,以降,ゲミノシリーズの屋内遊具等を輸入し,日本国内で販売している。平成12年ころからは,原告製品1及び2についても販売を開始した(甲4の3,弁論の全趣旨)。
(3) 被告製品等 被告は,別紙被告製品目録1ないし5記載の屋内遊具(以下,順に「被告製品1」,「被告製品2」という。これらを併せて「本件被告製品」という。)を含む,「ミニプレイ・イン」とのシリーズ名で,幼児用屋内遊具を販売している。
別紙被告部品目録1ないし13記載の部品(以下,順に「被告部品1」,「被告部品2」という。これらを併せて「被告各部品」という場合がある。)は,ミニプレイ・インシリーズの屋内遊具を構成する部品である(以下,本件被告製品及び被告各部品を併せて「被告各製品等」という。)。
2 争点 (1) 原告各製品等の形態は,周知な商品等表示といえるか。
(2) 被告各製品等の形態は,原告各製品等に類似するか。
(3) 原告各製品等との混同を生じるおそれがあるか。
(4) 不法行為の成否 (5) 原告の損害 3 争点についての当事者の主張 (1) 争点(1)(原告各製品等の周知商品表示性)について (原告の主張) ア 原告各製品等の形態の特徴と商品等表示性 原告各部品は,以下のような特徴的形態を備え,従来の屋内遊具の部品としては類を見なかったもので,原告各部品の特徴的な形態により,原告の製品であることを識別することができる。
原告各製品は,以下のような形態的特徴を備えた原告各部品の組合せによって構成されるものであり,これらの組合せにより生ずる特徴的な形態により,原告の製品であることを識別することができる。
(ア) 原告各部品の特徴的な形態 原告各部品は,それぞれ,aないしm記載のとおりの特徴的な形態を有している。
原告各部品は,木材の自然色を基調としているが,このうち,原告部品1,2,5ないし8,10及び11の枠材(縁取り)部分,原告部品3の格子部分,原告部品4並びに原告部品9のドア部分については,自然色を含めて8色のカラーバリエーションでの着色が可能であり,原告部品1,2,5,6及び8については,パネル平面に,一定間隔で,細い溝が目地のように設けられ,細い板材を貼り合わせたような形状である。
a 原告部品1(窓(長方形)付き屋根形パネル) 原告部品1は,ホームベース形の5角形のパネルであり,屋根形の上部の2辺は,棒材によって縁取りされている。同パネルには窓が2つ付いており,それらの窓は,いずれも大きさ及び形状が同じであり,下から約5分の2の高さのところを底辺とする縦長の長方形で,棒材による窓枠及び窓の中途部分の仕切が設けられている。
b 原告部品2(窓(逆U字形)付き屋根形パネル) 原告部品2は,ホームベース形の5角形のパネルであり,屋根形の上部2辺は,棒材によって縁取りされている。同パネルには,下から約2分の1の高さのところを底辺とする逆U字形の窓が1つ設けられ,その窓の周囲は棒材による枠が施されている。
c 原告部品3(円筒状の棒材からなる格子付きパネル) 原告部品3は,円筒状の棒材複数本からなるパネルであり,いずれも等間隔で規則正しく設けられた格子を内部に備えている。
d 原告部品4(支柱上部のかまぼこ形部品) 原告部品4は,支柱上部に装着された部品であり,上部が丸みを帯びたかまぼこ形をしている。
e 原告部品5(窓付きパネル) 原告部品5は,やや縦長の長方形のパネルであり,下から約2分の1の高さのところを底辺とする縦長の長方形の窓が設けられている。その窓には,観音開きの扉が備えられ,扉には,棒材により,窓枠及び窓の中途部分の仕切が設けられている。
f 原告部品6(カウンターパネル) 原告部品6は,下から約5分の2の高さのところにカウンターが備えられているパネルである。
g 原告部品7(カウンターパネル) 原告部品7は,下から約5分の2の高さのところにカウンターが備えられているパネルであり,カウンターは,凹形の曲線状で,棒材による縁取りが設けられている。
h 原告部品8(ドア付きパネル) 原告部品8は,縦長の長方形のドアが設けられたパネルであり,ドアには,4本の棒材により,縦長の長方形の枠が,上下に2つ設けられており,上方の枠は下方の枠よりも縦長である。また,上記長方形の枠の中間には,ドアノブが設けられている。
i 原告部品9(ドア付きパネル) 原告部品9は,縦長の逆U字形のドアが設けられたパネルであり,ドアの上部中央に円形の窓が設けられ,窓の下に,両端が半円状になった縦に細長い板が装着されている。
j 原告部品10(レンズ形プラスチック製窓付きパネル) 原告部品10は,着色された円形の枠で囲まれた,半球体状の透明プラスチック製窓が備えられたパネルである。
k 原告部品11(透明プラスチック製窓付きパネル) 原告部品11は,着色された円形の枠で囲まれた,円形の透明プラスチック製窓が備えられたパネルである。
l 原告部品12(連続模様付きパネル) 原告部品12は,鮮やかな色で彩色が施された同一の菱形の模様が縦方向に複数連続して付されているパネルである。
m 原告部品13(アーチ形バルコニー) 原告部品13は,半円筒状又は4分の1円筒状の着色された鋼材からなるアーチ形バルコニーであり,上下左右の辺が棒材によって固定されている。
(イ) 原告各製品の特徴的な形態 原告各製品は,それぞれ,aないしe記載のとおりの特徴的な形態を有している。
a 原告製品1 原告製品1は,2階建ての家形の屋内遊具であり,原告部品1ないし5及び8並びに全体の高さの約2分の1の高さのカウンターが備えられたパネルから構成されている。
b 原告製品2 原告製品2は,2階建ての家形の屋内遊具であり,原告部品1,3ないし6及び8から構成されている。
c 原告製品3 原告製品3は,2階建ての家形の屋内遊具であり,原告部品1,3ないし5及び8から構成されている。
d 原告製品4 原告製品4は,2階建ての家形の屋内遊具であり,原告部品1,3ないし6及び8から構成されている。
e 原告製品5 原告製品5は,2階建ての家形の屋内遊具であり,原告部品1,3ないし6及び8から構成されている。
周知性 (ア) 販売実績 原告各製品等の販売実績は,以下のとおりである。
@ 年間販売数 20〜30台 A 累積販売総数 110台 (イ) 宣伝・広告状況 原告やその販売代理店は,原告各製品等に関し,雑誌,専門誌などに広告を掲載するとともに,全国約4万か所の保育園すべてに,毎年,パンフレットを持参するなどして営業活動を行った。
また,原告各製品等の形態は,原告各製品等の主な需要者である保育園,幼稚園などに向けて教材,遊具等を販売する業者の取扱品カタログに掲載されて,それらの業者の営業活動を通じて広告,宣伝され,遅くとも平成14年ころまでには需要者の間で広く認識されるようになっていた。すなわち,原告各製品等は,平成12年から,前記業者のうち,特に,全国を網羅する大手業者である株式会社チャイルド本社(以下「チャイルド社」という。)のカタログ(隔年で3万5000部余発行されて全国の保育園,幼稚園に配布される。)に掲載されるようになり,平成14年からは,「大型室内遊具」という独立の項目で4ページにわたって掲載され,同種商品の中で主要商品として広告,宣伝された。このほかにも,各商品コンセプトに応じたチャイルド社の種々のカタログにも掲載され,全国の需要者に配布された。チャイルド社は,全国に直営店及び販売代理店を有するが,これらにより全国の保育園,幼稚園に対し,原告のカタログ,パンフレットも持参した上での原告各製品等の営業活動がされている。
さらに,原告は,1年間に全国の主要都市において30から40回(1回当たり2日間)行われる製品展示会に参加しており,各回,30から60の保育園,幼稚園などが来場している。
ウ 小括 以上からすれば,原告各製品等の形態は,平成14年ころまでには,原告の商品等表示として需要者の間で周知となっていたといえる。
(被告の反論) ア 原告各製品等の形態の特徴 原告各製品等には,他の商品と識別し得る特別顕著性ないし特異性はない。
(ア) 原告各製品等と同様に家屋や店舗を模した幼児用の2階建て組合せ式木製屋内遊具は,原告以外の業者も販売している。現に被告は,平成3年に,グループ会社である株式会社ジャクエツ環境事業あるいは被告の製造した,家屋や店舗を模した幼児用の2階建て組合せ式木製屋内遊具である「わんぱくユニット」及び同様の商品を販売した実績がある。これらの製品は,木目調又は彩色された木製パネルを組み合わせ,自由に出入りして遊べる2階建ての幼児遊具であり,出入口,階段,格子,カウンター窓,店舗用ショーケースや軒先テント等を備えたものである。このほか,家屋や店舗の形態をかたどった同種の幼児用2階建て屋内遊具は,海外の4社が製造又は販売しており,うち1社の製品は,国内における販売も行われている。
また,原告各製品等の配色は極めて単純であり,色彩,配色などの点で特徴はない。原告各製品等は,いずれも木目を基調とし,窓枠,屋根枠等について赤色で着色するなど,単色による統一的な塗装を施している。これは,幼児用の遊具としての教育的・情操的配慮から,色彩上,奇抜な配色は困難であること,自然な木目を活かしつつ,赤,青,黄色等の原色を用いるのが適切であることなどに依拠していると解される。このように,色彩の多様性,配色の独自性などの特色はみられない。
(イ) 原告各部品の形態 原告各部品について,以下のとおり,特徴的な形態は存在しない。
すなわち,屋根の形状として3角形(原告部品1,2),窓枠の形状として4角形(原告製品1,5,6)や逆U字形(原告製品2),ドアの形状として縦長の長方形(原告部品8)を用いること,屋上等に格子を設けること(原告部品3)などは,現実の家屋や店舗においてよくみられ,これを模した他の幼児用屋内遊具にもよくみられるところであるから,何ら独特の形態ということはできない。
また,格子(原告部品3)の形態は,死角をなくすために幼児用の遊具で多用されるものであるし,格子を構成する棒を,けがを防ぐために角棒ではなく丸棒とすること,各丸棒の幅を,幼児の落下防止のために幼児の足が通らない幅で整列させること,丸棒の組み方を,幼児がよじ登れないよう横列ではなく縦列とすることは,いずれも機能的な理由から選択される形態である。
支柱のキャップ(原告部品4)の形態も,けがを防ぐために採用される形態である。
さらに,原告部品1,2,5,6,7,9,10,11などの窓等の形態も,外を覗きたがるという幼児の習性を考慮すると,幼児用の遊具の本質的な目的を満たすための形状であり,特異な形状とはいえない。
(ウ) 原告各製品の形態 原告各製品形状について,以下のとおり,特徴的な形態は存在しない。
原告製品1は,別荘及び店舗を,原告製品2は,都会風の家を模したものであり,その形状は,いずれも,一般の家屋や店舗のデザインにすぎず,特別顕著なものではない。原告製品1の店舗用ショーケースや軒先テント,原告製品2の時計パネルは,被告の先行商品や他社製品にも存在する。5角形のパネルも,他の屋内遊具に実例がある。
原告製品3は,縁台や折れ階段の踊り場が目をひくが,かかる縁台のような一定の広さをもつ遊び台は,幼児遊具としてはありふれた形態であるし,折れ階段や踊り場は,他の屋内遊具に同種の実例が存する。
原告製品4は,正面パネルをV字形に組んだ点に工夫がみられるが,幼児遊具として格別奇抜な形態とまでは考えられないし,他の屋内遊具に実例が存する。
原告製品5は,ありふれた家屋の模造である。
イ 原告各製品等の形態の使用態様等 以下のとおり,原告各製品等の商品形態は,長期間継続的かつ独占的に使用されたものではないし,強力な宣伝,広告がされたともいえない。
(ア) 原告各製品等の商品形態は独占的に使用されたものではない。
原告各製品は,幼児用の2階建て組合せ式木製屋内遊具であり,原告各部品は,これを構成するための部品であるところ,被告は,既に,平成3年より,幼児用の2階建て組合せ式木製屋内遊具を販売している。これらの製品は,木目調又は着色された木製パネルを組み合わせた屋内遊具である点,幼児が自由に出入りして遊べる点,出入口,階段,格子,カウンター窓,店舗用ショーケースや軒先テント等を備えている点において,原告各製品等と共通している。
その他にも,原告各製品等の本格的な販売開始時期である平成12年に先立って,幼児用2階建て組合せ式木製屋内遊具は複数存在している。
したがって,原告各製品等の商品形態が,原告によって独占的に使用されたことはない。
(イ) 原告各製品等の商品形態の使用は,非常に短期間である。原告が,原告各製品等の販売を本格的に開始したのは,平成12年からであり,以降,現在まで,3年余程度しか経過していない。
(ウ) 原告各製品等について原告が行った広告や宣伝についても,原告各製品等を見た需要者が,その形態から出所を直ちに識別できる程度に強力にされたとはいえない。
周知性 原告各製品の年間販売台数は,わずか20ないし30台,累積販売総数が約110台にすぎない。全国の認可保育所数及び認可幼稚園数の合計(3万6543件)の約0.003パーセントにすぎないのであり,原告各製品が高額であって販売台数が限られることを最大限考慮しても,原告各製品の形態が周知になることは考え難い。また,原告各製品等についての原告の広告や宣伝は,その質・量において,小規模である。さらに,原告各製品等は,前述のとおり,形態上の特異性が存在せず,一見して出所を需要者に識別させるに足りるだけの訴求力を有しない。
以上から,原告各製品等の形態が原告の出所を示すものとして,需要者の間に広く認識されているとはいえない。
(2) 争点(2)(類似性)について (原告の主張) ア 被告各部品と原告各部品との類似性 被告各部品と原告各部品とは,以下のとおり類似する。
被告各部品は,屋根及び窓の縁取り部分,ドアの飾り縁部分,支柱飾り部分について,彩色を施している点において,原告各部品と同一である。
また,被告各部品は,パネル平面に一定間隔で細い溝が目地のように設けられている点において,原告各部品の形態と同一である。被告各部品では,溝が横方向であるのに対して,原告各部品では,溝が縦方向である点で異なるが,遊具全体を眺めた際に,目地様の溝が設けられていることに特徴があり,溝の方向は些細な違いにすぎない。
(ア) 被告部品1の形態及び原告部品1との類似性 被告部品1は,ホームベース形の5角形のパネルであり,屋根形の上部2辺は,棒材によって縁取りされている。同パネルには窓が2つ付いており,それらの窓は,いずれも大きさ及び形状が同じであり,下から約5分の2の高さのところを底辺とする縦長の長方形で,棒材による窓枠及び窓の中途部分の仕切が設けられている。これらの形態は,原告部品1の形態と同じであり,両者の形態は同一又は類似である。
(イ) 被告部品2の形態及び原告部品2との類似性 被告部品2は,ホームベース形の5角形のパネルであり,屋根形の上部の2辺は,棒材によって縁取りされている。同パネルには,下から約2分の1の高さのところを底辺とする逆U字形の窓が1つ設けられ,その窓の周囲は棒材による枠が施されている。これらの形態は,原告部品2の形態と同じであり,両者の形態は同一又は類似である。
(ウ) 被告部品3の形態及び原告部品3との類似性 被告部品3は,円筒状の棒材複数本からなるパネルであり,いずれも等間隔で規則正しく設けられた格子を内部に備えている。この形態は,原告部品3と同じである。両者の形態は同一又は類似である。
(エ) 被告部品4の形態及び原告部品4との類似性 被告部品4は,支柱上部に装着された部品であり,上部に丸みのない直方体をしている。原告部品4は,上部が丸みを帯びているが,同様の形状であり,支柱に置かれている状態において,被告部品4の形態は原告部品4の形態と類似している。
(オ) 被告部品5の形態及び原告部品5との類似性 被告部品5は,やや縦長の長方形で,下から約2分の1の高さのところを底辺とする縦長の長方形の窓が設けられたパネルである。その窓には,観音開きの扉が備えられ,扉には棒材による窓枠及び窓の中途部分の仕切が設けられている。これらの形態は,原告部品5と同じであり,両者の形態は同一又は類似である。
(カ) 被告部品6の形態及び原告部品6との類似性 被告部品6は,下から約5分の2の高さのところにカウンターが備えられているパネルであり,原告部品6と同じである。両者の形態は同一又は類似である。
(キ) 被告部品7の形態及び原告部品7との類似性 被告部品7は,下から約5分の2の高さのところにカウンターが備えられているパネルであり,カウンターは,凹形の曲線状で,棒材による縁取りが設けられている。これらの形態は,原告部品7と同じであり,両者の形態は同一又は類似である。
(ク) 被告部品8の形態及び原告部品8との類似性 被告部品8は,縦長の長方形のドアが設けられたパネルであり,ドアには,4本の棒材により,縦長の長方形の枠が,上下に2つ設けられており,上方の枠は,下方の枠よりも縦長である。また,上記長方形の枠の間には,ドアノブが設けられている。これらの形態は,原告部品8と同じであり,両者の形態は同一又は類似である。
(ケ) 被告部品9の形態及び原告部品9との類似性 被告部品9は,縦長の逆U字形のドアが設けられたパネルであり,ドアの上部中央に円形の窓が設けられ,窓の下に,上端が半円状になった縦に細長い板が装着されている。原告部品9とは,ドアの窓の下に施された細長い板の形状が異なるのみで,その他は同じである。両者の形態は同一又は類似である。
(コ) 被告部品10の形態及び原告部品10との類似性 被告部品10は,着色された円形の枠で囲まれた半球体状の透明プラスチック製窓が備えられたパネルであり,原告部品10と同じである。両者の形態は同一又は類似である。
(サ) 被告部品11の形態及び原告部品11との類似性 被告部品11は,着色された円形の枠で囲まれた,円形の透明プラスチック製窓が備えられたパネルであり,原告部品11と同じである。両者の形態は同一又は類似である。
(シ) 被告部品12の形態及び原告部品12との類似性 被告部品12は,鮮やかな色で彩色が施された同一の形状の模様が縦方向に複数連続して付されているパネルである。原告部品12とは,模様の形状が異なるが,鮮やかな色で彩色が施された同一の形状の模様が縦方向に複数連続して付されているという点において,共通している。両者は類似している。
(ス) 被告部品13の形態及び原告部品13との類似性 被告部品13は,半円筒状又は4分の1円筒状の着色された鋼材からなるアーチ形バルコニーであり,上下左右の辺が棒材によって固定されている。原告部品13と同じであり,両者の形態は同一又は類似である。
イ 被告各製品と原告各製品との類似性 被告各製品と原告各製品とは,以下のとおり,類似する。
(ア) 被告製品1の形態及び原告製品1ないし5との類似性 被告製品1は,2階建ての家形の屋内遊具であり,被告部品1ないし6及び8から構成されている。
被告部品1ないし6及び8は,原告部品1ないし6及び8と順次類似するものであること,原告部品については,枠材(縁取り)部分,格子等について着色することも可能であることから,前記の部品で構成される被告製品1は,原告部品1ないし6及び8のいずれかの組合せで構成される原告製品1ないし5と類似する。
(イ) 被告製品2の形態及び原告製品1ないし5との類似性 被告製品2は,2階建ての家形の屋内遊具であり,被告部品1及び3ないし6から構成される。
被告部品1及び3ないし6は,原告部品1及び3ないし6と順次類似するものであること,原告部品については,枠材(縁取り)部分,格子等について着色することも可能であることから,前記の部品で構成される被告製品2は,原告部品1及び3ないし6のいずれか並びにその他の部品の組合せで構成される原告製品1ないし5と類似する。
(ウ) 被告製品3ないし5の形態及び原告製品1ないし5との類似性 被告製品3ないし5は,被告部品の組合せで構成され,原告製品1ないし5と類似する。
被告製品3は,被告部品3,4,7,9及び11で構成されている。
被告製品4は,被告部品3,4,10ないし13で構成されている。
被告製品5は,被告部品3,4,6,7,9及び11で構成されている。
(被告の反論) ア 被告各部品と原告各部品の非類似性 (ア) 被告部品1と原告部品1の非類似性 被告部品1は,@窓に透明なポリカ板が入っている点,A窓枠の仕切が中央に設けられている点,B窓の縦横の比率,Cパネルの目地様の溝が横方向に入っている点,D屋根枠が支柱部分と交差している点,E屋根枠の太さの各点において,原告部品1と相違する。被告部品1と原告部品1の共通点は,一般的な家屋における通常の形態に由来するもので特徴的な形態とはいえない。両者は類似しない。
(イ) 被告部品2と原告部品2の非類似性 被告部品2は,小窓が1つだけ,中部中央に付されているのみであるのに対し,原告部品2は,小窓が3つ付されている点,それぞれ位置,形状,大きさ,木枠の有無,開閉ドアの有無,配色等の点,パネルの目地様の溝の方向,窓のポリカ板の有無の点において,原告部品2と相違する。また,そもそも,原告部品2は,「Burggiebel」と題するパネルの右半分であって,左半分の四角い木枠で囲まれた窪んだ壁面をも含めて1つのパネルを形成しているので,被告部品2とは,全体の形状において異なる。両者は類似しない。
(ウ) 被告部品3と原告部品3の非類似性 原告部品3は,格子を囲む四角い木枠が二重構造になっている点,四角い木枠の下に縦方向の目地様の溝が見える点において,被告部品3と相違する。
両者は,一般的な屋上等の格子の形状を模した点で共通するが,全体として類似しない。
(エ) 被告部品4と原告部品4の非類似性 被告部品4は,上面が平面で全体として四角い形状であるのに対して,原告部品4は,上面が凸状に隆起し,丸い形状をしている点で相違する。両者は類似しない。
(オ) 被告部品5と原告部品5の非類似性 被告部品5は,@目地様の溝が横方向に入っている点,A窓枠の仕切がほぼ中央に入っている点,B窓の蝶番が壁面の内側に設けられ,窓を閉めた状態で蝶番が外側から見えない点において,原告部品5と相違する。両者は類似しない。
(カ) 被告部品6と原告部品6の非類似性 被告部品6は,@窓の形が逆U字形である点,A全体に占める窓の大きさが半分に満たない点,B窓の上部にカーテンなどの細工がない点,C窓の下部は木枠だけでなくウィンドウテーブルが施されている点,D目地様の溝が横方向に入っている点において,原告部品6と相違する。
両者は,カウンターの高さにおいてほぼ一致するが,平均的な対象児童の胸の高さを想定したもので,カウンターパネル(又は窓パネル)としての機能に由来するものである。両者は類似しない。
(キ) 被告部品7と原告部品7の非類似性 被告部品7は,支柱部分に配色されていない点,目地様の溝が5,6列しかない点において,原告部品7と相違する。両者は類似しない。
(ク) 被告部品8と原告部品8の非類似性 被告部品8は,ドアが左開きである点,ドア中央部の郵便受け及び外側に付されたドアノブを覆う赤色の鍵や開閉用部品が付されていない点において,原告部品8と相違する。両者は類似しない。
(ケ) 被告部品9と原告部品9の非類似性 被告部品9は,ドアが左開きである点,ドア中央部を除いて木目調で着色されていない点,ドアの模様は片方だけ半円形をしたものであり,ビス止めされていない点において,原告部品9と相違する。両者は類似しない。
(コ) 被告部品10と原告部品10の非類似性 被告部品10は,窓枠がビス止めされていない点において,原告部品10と相違する。両者は類似しない。
(サ) 被告部品11と原告部品11の非類似性 被告部品11は,窓枠がビス止めされていない点において,原告部品11と相違する。両者は類似しない。
(シ) 被告部品12と原告部品12の非類似性 被告部品12は,模様の形状,模様の個数,配色,模様の位置の点において,原告部品12と相違する。両者は類似しない。
(ス) 被告部品13と原告部品13の非類似性 被告部品13は,メタル部分の形状が丸穴である点,バルコニー部分の床が木製である点において,原告部品13と相違する。両者は類似しない。
イ 被告製品1ないし5と原告各製品の非類似性 被告製品1ないし5は,原告製品1ないし5と,全体の形状,大きさ及びパネル数,階段の位置,背面パネルの有無,パネル形状等の点で,相違する。両者は類似しない。
(3) 争点(3)(混同のおそれの有無)について (原告の主張) 原告各製品等と被告各製品等との前記類似性に照らすならば,原告各製品等と被告各製品等とは,商品の出所について,混同を生じるおそれがある。
(被告の反論) 原告各製品等と被告各製品等とは,商品形態類似しないこと,販売形態,販売対象が異なること,両者とも幼児用遊具であり,高価品であって,需要者は慎重に選別すると考えられることから,商品の出所について,混同のおそれは生じない。
(4) 争点(4)(不法行為の成否)について (原告の主張) 原告各製品等と全体ないし部分的に酷似する形態の商品を,原告の販売地域と競合する地域において販売する被告の行為は,公正かつ自由な競争原理によって成り立つ取引社会において,著しく不公正な手段を用いて他人の法的保護に値する営業活動上の利益を侵害するものとして,不法行為を構成する。
(被告の反論) 被告には,前記のとおり,不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為が存在しない以上,同一の行為が,違法な行為と評価されることはない。したがって,不法行為は成立しない。
(5) 争点(5)(原告の損害)について (原告の主張) 被告は,平成15年1月ころから,被告各製品等を含む,被告各部品の付された製品を販売しており,その販売単価は平均で266万2000円である。
被告による被告各製品等の販売数は,本件訴訟提起時である同年6月までの6か月間で少なくとも15台あると推認され,被告における被告各製品等の利益率は販売価格の35パーセントであると推認される。
したがって,以下の計算式で求められる被告の利益1397万5500円が原告の損害と推定される(不正競争防止法5条2項)。
266万2000円×15台×35パーセント (被告の反論) 原告の主張は,否認ないし争う。
争点に対する判断
1 争点(1)(原告各製品等の商品等表示性及び周知性)について (1) 事実認定 前記前提となる事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によれば,原告各製品等の形状及び販売,広告の状況について,以下の事実が認められ,これを覆すに足りる証拠はない。
ア 原告各製品等の形状(甲1〜3) 原告各製品の各部分の形状は,第2,3,(1)(原告の主張)アの(ア)aないしm及び(イ)aないしe記載のとおりである。
イ 販売,広告の状況(甲4の3,6〜20,弁論の全趣旨) 原告は,平成9年ころから,ゲミノシリーズの屋内遊具等の輸入を開始し,平成10年から,ハーベルマース社の許諾を受け,ゲミノシリーズの屋内遊具等を,原告の名で,原告独自の製品名を付して販売を開始した。
原告は,ゲミノシリーズの屋内遊具等について,全国の保育園等に対する営業活動を行うとともに,平成11年10月からは,チャイルド社が開催する幼児用品等の展示会に出展するなどしている。
そして,ゲミノシリーズの屋内遊具等は,平成12年から,チャイルド社の総合カタログに掲載されるようになった。チャイルド社のカタログは,隔年で毎回3万5000部余発行され,全国の保育園及び幼稚園のほとんどすべてに配布されている。平成14年に発行されたチャイルド社のカタログには,「大型室内遊具」との分類が設けられて掲載された。また,その他の保育雑誌やカタログ,アミューズメントビジネス情報誌などにも掲載された。原告は,ゲミノシリーズの屋内遊具等について,日本国内での販売開始から累積数として100台以上を販売した。
(2) 判断 ア 以上認定した事実を基礎として,原告各製品等の商品形態が,原告の出所を表示する商品等表示と解されるか否か等について検討する。
商品の形態は,必ずしも商品の出所を表示することを目的として選択されるものではないが,商品の形態が他の商品と識別し得る独特の特徴を有し,かつ,商品の形態が長期間継続的かつ独占的に使用され,又は,その使用が短期間であっても商品形態について強力な宣伝等が伴う場合には,商品の形態が,商品自体の機能や美観等の観点から選択されたという意味を超えて,自他識別機能又は出所表示機能を有するに至り,需要者の間で広く認識されることがあり得るので,この観点から判断する。
(ア) 原告各製品等の形態的特徴について 原告各製品等の形態は,いずれも,幼児向けの家屋を模した室内遊具の部品として通常有する,ありふれたものであり,特徴的な形態ではなく,原告各製品等の広告や販売の実情等に照らしても,その形態が,原告の商品又は営業を示す機能を有する商品等表示であると認めることはできない。
以下,原告各製品等の形態について個別的に検討する。
a 原告各部品1及び2のうち,ホームベース形の5角形のパネルである点,同じ大きさ,形状の長方形の窓が2つ付されている点,逆U字形の窓が1つ付されている点,屋根状に棒材で縁取りする点,棒材で窓枠や窓の仕切を設ける点,縁取りや棒材の枠等を着色する点は,家屋を模した屋内遊具の部品としてごく一般に採用される形態であること,ドイツのベカ社の平成10年版のカタログ(乙7)において,ほぼ同様の形状がみられることに照らすならば,特徴的な形態とはいえない。
b 原告部品3のうち,円筒状の棒材が等間隔に並べられた格子状である点は,家屋や店舗を模した屋内遊具の部品としてごく一般に採用される形態であること,平成10年版のドイツやアメリカ合衆国の会社のカタログ(乙6,7),被告が平成3年に販売した製品(乙1〜5)にもみられることに照らすならば,特徴的な形態とはいえない。また,原告部品3のうち,格子を構成する棒材が円筒状である点,等間隔に並べられる点,各棒材の間隔を幼児の足が通らない幅にする点は,幼児の安全確保の観点から通常選択される形態であることに照らすならば,いずれも特徴的な形態とはいえない。
c 原告部品4のうち,支柱等の上部に丸みを帯びたキャップを設ける点は,幼児の安全確保の観点から一般に採用される形態であること,被告の販売する幼児用の遊具において平成3年ころから採用されていたこと(乙14の1,14の2,17,18)に照らすならば,特徴的な形態といえない。
d 原告部品5には,何ら特徴的な形態はない。
e 原告部品6及び7のうち,カウンターを備えた点は,家屋や店舗を模した屋内遊具の部品としてごく一般に採用される形態であること,前記ベカ社のカタログ(乙7)にも同様の形態がみられることに照らすならば,特徴的な形態とはいえない。原告部品7のうち,カウンター上部が凹形である点は,幼児用の遊具に,曲線を用いた形や飾りが設けられる点は,一般に採用される形態であることに照らすならば,特徴的な形態とはいえない。
f 原告部品8及び9のうち,パネルにドアが付されている点,ドアの形状が長方形や逆U字形である点,ドアに丸みを帯びた形や長方形等の飾りが付されている点,中央付近にドアノブが設けられている点は,家屋や店舗を模した屋内遊具の部品において,ごく一般に採用される形態であることに照らすならば,特徴的な形態とはいえない。
g 原告部品10のうち,パネルに半球体状の透明プラスチック製の窓を備えた点は,幼児用の遊具において,身を乗り出して外を眺めることを可能にしつつ,幼児の落下を回避するために,一般に採用される形態であること,被告の販売する幼児用の遊具において平成3年ころから採用されていたこと(乙14の1,14の2,17,18)に照らすならば,特徴的な形態とはいえない。
h 原告部品11のうち,透明プラスチック製の円形の窓を備えた点は,外を眺めることを可能にしつつ,幼児の落下を回避するために,一般に採用される形態であることに照らすならば,特徴的な形態とはいえない。
i 原告部品12のうち,同一形状の模様を連続して付する点は,ごく一般に採用される形態であること(乙13)に照らすならば,特徴的な形態とはいえない。
j 原告部品13のうち,バルコニーがアーチ形をしている点,着色され,編み目状に穴のあいた鋼材で構成されている点は,幼児用の遊具において,ごく一般に採用される形態であること,被告の販売する遊具においても平成7年時に既に採用されていた形態であること(乙20)に照らして,特徴的な形態とはいえない。
k その他,原告部品のいくつかに共通する,木材の自然色を基調とし,枠材部分や格子部分の着色が可能である点,パネル平面に目地様の溝が設けられている点も,特徴的な形態とはいえない。
(イ) 原告各製品の形態的特徴について 原告各製品は,上記のとおり特徴的な形態を備えない原告各部品等を組み合わせたものであり,パネルの組合せ,パネルの組み方で形成される全体の形状,階段の位置,縁台や階段踊り場の配置などに,それぞれデザイン的に考慮された工夫がみられるが,それらは,通常の家屋や店舗あるいは遊具において,ごく一般に採用される形態にすぎず,特徴的な形態とはいえない。
イ 原告は,原告各製品等は,構成部材を規格化することで,需要者の要求に応じて,部材を組み合わせ,外観上の多様な組立てを可能にするという特徴を有する旨主張する。しかし,この点は,機能的な工夫や使用方法を述べるものにすぎず,他に特段の事情がないことに照らせば,このことをもって形態的な特徴があるということはできない。
以上に,原告各製品等についての前記広告,販売状況を併せて検討すれば,原告各製品等の形態について,商品表示性を認めることはできない。
(3) 小括 以上のとおり,原告各製品等の形態は,原告の商品又は出所を表示する機能を有するものとはいえない。
2 争点(4)(不法行為の成否)について 原告は,原告各製品等と全体ないし部分的に酷似する形態の商品を,原告の販売地域と競合する地域において販売する被告の行為は,公正かつ自由な競争原理によって成り立つ取引社会において,著しく不公正な手段を用いて他人の法的保護に値する営業活動上の利益を侵害するものとして,不法行為を構成する旨主張する。
しかし,前記1で検討したとおり,原告各製品等の形態は周知な商品等表示であるとはいえず,被告が被告各製品等を販売する行為は不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争行為には当たらないのであるから,特段の事情のない限りは,被告の上記行為は自由競争の範囲内の行為として不法行為を構成しないものというべきである。そして,本件において特段の事情があるとは認められない。
したがって,被告の行為について不法行為は成立しない。
結論
以上のとおり,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,主文のとおり判決する。
追加
(別紙)被告製品目録1被告製品目録2被告製品目録3被告製品目録4被告製品目録5被告部品目録1被告部品目録2被告部品目録3被告部品目録4被告部品目録5被告部品目録6被告部品目録7被告部品目録8被告部品目録9被告部品目録10被告部品目録11被告部品目録12被告部品目録13原告製品目録1原告製品目録2原告製品目録3原告製品目録4原告製品目録5原告部品目録1原告部品目録2原告部品目録3原告部品目録4原告部品目録5原告部品目録6原告部品目録7原告部品目録8原告部品目録9原告部品目録10原告部品目録11原告部品目録12原告部品目録13
裁判長裁判官 飯村敏明
裁判官 榎戸道也
裁判官 山田真紀
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