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事件 平成 25年 (ワ) 30183号 発信者情報開示請求事件
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京地方裁判所 
判決言渡日 2014/06/04
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
判例全文
判例全文
平成26年6月4日判決言渡 同日原本交付 裁判所書記官

平成25年(ワ)第30183号 発信者情報開示請求事件

口頭弁論終結日 平成26年4月25日

判 決

埼玉県川越市<以下略>

原 告 株 式 会 社 エ ス プ リ ラ イ ン

同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 神 田 知 宏

大阪市<以下略>

被 告 さくらインターネット株式会社

同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 小 栗 久 典

主 文

1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せ

よ。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

主文第1項と同旨

第2 事案の概要

本件は,原告が,別紙ウェブページ目録記載1のURLにより表示されるウ

ェブページ(以下「本件サイト」という。)に掲載された同目録記載2のタイ

トル部分及び同目録記載3の説明部分の各表示(以下,これらを併せて「本件

表示」という。)は,原告と競争関係にある本件サイトの管理者が原告の営業

上の信用を害する虚偽の事実を記載したものであって,同表示の掲載は,不正

競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項14号所定の不正競争に該当

するとともに,原告の名誉・信用等の社会的評価その他法律上保護されるべき

利益(以下「原告人格権」という。)を侵害するものに当たることが明らかで

1
あるから,上記管理者に対し侵害の予防請求権又は損害賠償請求権を行使する

ために上記管理者に係る発信者情報の開示を受ける正当な理由があると主張し

て,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関

する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づき,被告

に対し,別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める事案である。

1 前提事実(争いのない事実以外は,証拠等を末尾に記載する。)

(1) 当事者等

ア 原告は,外国語教材の企画・開発及び販売等を業とする株式会社であり,

「スピードラーニング」との商品名の英会話教材(以下「原告教材」とい

う。)を販売している(甲1の1,甲2の1・2,甲2の5,弁論の全趣

旨)。

イ 被告は,レンタルサーバサービスを提供する法人であり,「特定電気通

信役務提供者」(プロバイダ責任制限法2条3号)に該当する。

(2) 本件サイトは,被告が提供するレンタルサーバサービスを利用してイン

ターネット上で公開されているものである(甲1の1,乙1)。

本件サイトのタイトル部分及び説明部分には,平成25年7月15日以降

同年12月8日より前 までの間に(少な くとも同年10月28 日頃の時点

で)本件表示が掲載されていたことがある(甲1の1,甲2の1,乙1,弁

論の全趣旨)。

(3) 被告は,本件サイトの管理者に係る別紙発信者情報目録記載の発信者情

報(以下「本件発信者情報」という。)を保有している。

2 争点

(1) 権利侵害の明白性の有無

ア 本件表示の掲載が不競法2条1項14号所定の不正競争に該当するか。

イ 本件表示の掲載は原告人格権を侵害するものか。

(2) 発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無

2
第3 争点に対する当事者の主張

1 争点(1)ア(本件表示の掲載が不競法2条1項14号所定の不正競争に該当

するか。)

(原告の主張)

(1) 本件サイトの管理者が原告と競争関係にあること

ア 不競法2条1項14号にいう「競争関係」とは,必ずしも双方が販売競

争を行っているというような現実の商品販売上の具体的競争関係にあるこ

とを要するものではなく,広く同種の商品を扱い,あるいは同種の役務を

提供するという業務関係にある場合でよく,顧客獲得のため競争関係にあ

れば足りる。とりわけ,プロバイダ責任制限法4条1項に基づく発信者情

報開示請求における不競法2条1項14号の「競争関係」の判断に当たっ

ては,プロバイダ責任制限法の趣旨に照らし,競争関係の外形が明白であ

れば足りると解するべきである。

イ 本件サイト管理者は,株式会社チカラインターナショナルの販売する英

会話教材である「リスニングパワー」(以下「他社教材」という。)の販

売等により成果報酬を得る,いわゆるアフィリエイターである。これは,

次の事情から明らかである。

(ア) 本件サイトには,平成25年7月15日付けで「楽天で高評価の英

会話教材リスニングパワーをレビュー!」との記事が投稿されている。

(イ) 上記記事には,「リスニングパワー到着レビュー」,「リスニング

パワー実践1回目レビュー!」,「リスニングパワー実践2回目レビュ

ー!」,「リスニングパワー実践3回目レビュー!」と表示されたハイ

パーリンクが掲載されているところ,上記ハイパーリンクをクリックす

ると,「英会話教材口コミランキング」(http://www.jonlynnjonlynn

.com/listeningpower/toutyaku.html)と のサイト( 以下「本 件ラン キ

ングサイト」という。)が表示される(甲1の2)。そして,同サイト

3
内の「【当サイト限定特典】レベッカ先生の3ヶ月レッスンを無料で受

講!」と表示されたハイパーリンクをクリックすると,他社教材のサイ

トが表示される(甲1の3)。上記リンク(「…レベッカ先生の3ヶ月

レッスンを無料で受講!」と表示されたリンク)は,アフィリエイトリ

ンクであるから,本件ランキングサイトはアフィリエイトサイトである。

上記リンクがアフィリエイトリンクであることは,同リンクをクリッ

クする と,ま ず「http://www.jolynnjolynn.com/coupon/」 にリ ンクし

た後(甲1の4),同ディレクトリのデフォルトファイルである

「index.html」により,「http://www.infotop.jp/click.php?aid=152

44&iid=45270&pfg=1」 へリ ダ イ レ ク ト ( 自 動 的 にジ ャ ン プ ) す る こと

(甲1の5)から明らかである。すなわち,インフォトップ社のアフィ

リエイトリンクは,「http://www.infotop.jp/click.php?aid=00000&

iid=00000&pfg=1」の形式(「00000」の部分には任意の数字が入る。)

で表示されるものであり,「aid」の後に表示される番号がアフィリエ

イターの識別番号となっているからである(甲1の5,甲6)。

(ウ) 本件サイトの構造,ハイパーリンクの手法等に照らし,本件サイト

と本件ランキングサイトの管理者は同一人である。

本件サイトの「リスニングパワー到着レビュー」等の記事は,いずれ

も「http://framelinks.net/listningpower/」というサイトの内容を,

インラインフレームタグで取り込んだ形で掲載されている(甲7)。上

記掲載方法は,上記サイトの管理者でなければ採り得ないところ,上記

ドメイン名である「framelinks.net」は,本件ランキングサイトでレビ

ューを書いている人物と同じ「Kana」が作成した家庭用脱毛器等の

アフィリエイ トサイト でも使わ れている ものである( 甲8の1 ないし

3)。すなわち,「framelinks.net」は,アフィリエイトパーツに使わ

れているドメインということになるところ,本件サイトが,このような

4
アフィリエイトパーツを埋め込んでいることからも,本件サイトが本件

ランキングサイトと同様にアフィリエイトサイトであり,両サイトの管

理者が同一人であることを裏付けるものである。

ウ 本件サイト管理者が原告と「競争関係にある他人」に該当すること

(ア) アフィリエイトプログラムとは,インターネットを用いた広告手法

の一つであり,ブログその他のウェブサイトの運営者(アフィリエイタ

ー)が当該サイトに当該運営者以外の者が供給する商品・サービスのバ

ナー広告等を掲載し,当該サイトを閲覧した者がバナー広告等をクリッ

クしたり,バナー広告等を通じて広告主のサイトにアクセスして広告主

の商品・サービスを購入したりした場合等に,アフィリエイターに対し,

広告主から成功報酬が支払われるものである。アフィリエイトプログラ

ムは,広告主自らシステムを構築してアフィリエイターとの間で直接実

行する場合もあるが,広告主とアフィリエイターとの間を仲介してアフ

ィリエイトプログラムを実現するサービスを提供するアフィリエイトサ

ービスプロバイダーが存在する場合もある。

本件においては,広告主が他社教材の販売元,アフィリエイトサイト

が本件ランキングサイト,アフィリエイターが本件ランキングサイトの

管理者,アフィリエイトサービスプロバイダーが株式会社インフォトッ

プである。

(イ) 以上のとおり,アフィリエイターである本件ランキングサイトの管

理者は,リンク先の広告主の商品である他社教材が売れると成果報酬を

得ることができるものである一方,原告は,原告教材を販売するもので

あるから,本件ランキングサイトの管理者と原告は,英会話教材の顧客

獲得のため競争関係にある。そして,上記イ(ウ)のとおり,本件ランキ

ングサイトの管理者と本件サイトの管理者は同一人であるから,原告と

本件サイトの管理者は競争関係にあるものである。

5
なお,仮に本件ランキングサイトと本件サイトの開設者が同一人であ

ると認められないとしても,本件サイトは,同サイト中に本件ランキン

グサイトのリンクを貼ることにより,本件ランキングサイトによる営業

誹謗行為を幇助しているものであり,これにより,原告と競争関係にあ

ると判断されるものである。

(2) 本件表示が「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を記載したもの

であること

ア 本件表示は,原告教材の口コミは「ステマ」であり,「嘘」である旨を

表示したものである。

イ 「ステマ」とは,「ステルスマーケティング」の略であり,一般消費者

に宣伝と気付かれないよう宣伝する手法であって,例えば自社商品の宣伝

を口コミや感想の形であたかも一般消費者の評判が良いかのように表示す

る行為等を指すものである。このような行為は,当該事業者の商品又はサ

ービスの内容等が実際のもの等よりも著しく優良又は有利であると一般消

費者に誤認されるものである場合には不当景品類及び不当表示防止法(以

下「景表法」という。)違反ともなり得るものであるところ,一般読者が

通常の注意と読み方をもって本件表示に接した場合,原告が,原告教材に

ついて,口コミサイトで自ら嘘としか思えない高評価を投稿するという,

ステルスマーケティングを実施しており,呆れるものと読めるものであり,

本件表示は,原告の営業上の信用を害するものに当たる。しかるに,原告

は,ステルスマーケティングを実施しておらず,「スピードラーニング」

の口コミを原告の指示で作らせたものでもないのであって,上記口コミは

「嘘」ではないから,本件表示は虚偽の事実を記載したものである。

したがって,本件表示は「他人の営業上の信用を害する虚偽の事実」を

記載したものに当たる。

(3) 以上によれば,本件表示を掲載する行為は,不競法2条1項14号所定

6
の不正競争(営業誹謗行為)に該当する。

(被告の主張)

(1) 原告の主張は争う。

(2) 原告は,本件サイトと本件ランキングサイトの管理者が同一人であるこ

とを前提として,原告と本件サイトの管理者が競争関係にあると主張する。

しかし,原告の主張は,本件サイト内に本件ランキングサイトへのハイパー

リンクが貼られていることを理由とするものであるところ,あるサイトの管

理人が,自己のサイトで商品を紹介するに当たり,当該商品を紹介している

別の管理人によるサイトへのリンクを設けることは一般的に行われているこ

とであり,リンクが貼られていることをもって,両管理人が同一人であると

推認することはできない。

(3) また,本件サイトは,匿名人による英会話教材の評価を掲載しているも

のであるところ,このようなサイトにアクセスして閲覧する者が,通常の注

意力及び理解力をもって本件表示に接した場合,本件表示を,口コミの内容

が本当ではないのではないかとの投稿者の意見を述べているものと理解し,

高評価が付いていることについての投稿者の批判を述べているものと理解す

るにとどまるものであって,本件表示が事実についての記載であり,原告が

ステルスマーケティング等を行っている等と考えることはないものと解され

る。

したがって,本件表示は事実の記載ではなく,かつ,原告の社会的評価を

低下させるものとも考えられないのであるから,本件表示は原告の「営業上

の信用を害する虚偽の事実」を記載したものに当たらない。

(4) よって,本件表示の掲載は,不競法2条1項14号所定の不正競争に当

たらない。

2 争点(1)イ(本件表示の掲載は原告人格権を侵害するものか。)

(原告の主張)

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(1) 本件表示が,一般読者の普通の注意と読み方を基準にした場合に,原告

が口コミサイトで自ら嘘としか思えない高評価を投稿するという,景表法違

反ともなるステルスマーケティングを行っており,呆れるものと読めるもの

であることは争点(1)アで主張したとおりである。

したがって,本件表示は,原告の名誉,信用を含む社会的評価を低下させ

るものであり,原告人格権の侵害を構成する。

(2) 被告は,@本件表示は意見論評を表示したものであって事実を摘示した

ものではなく,原告の信用を毀損するものに当たらない,A本件表示の掲載

には違法性阻却事由があると主張する。

しかし,@意見論評と事実摘示の区別は,客観的証拠をもって立証できる

か否かを基準とすべきところ,原告がステルスマーケティングを実施してい

るか否かは客観的証拠をもって立証できるから,本件表示は事実を摘示した

ものであり,原告の信用を毀損するものである。また,A原告はステルスマ

ーケティングを行っていないのであるから,本件表示は真実を記載したもの

ではなく,違法性阻却事由はない。さらに,原告人格権の侵害に基づく差止

等請求については主観的要件を問わないから,本件サイトの管理者において,

本件表示が真実であると信ずるにつき相当の理由があったとしても,権利侵

害の明白性は否定されない。

したがって,被告の主張はいずれも理由がない。

(被告の主張)

(1) 原告の主張は争う。

(2) 本件サイトの内容等に照らし,本件サイトにアクセスする読者として想

定されるのは,検索サイト等を用いて英会話教材についての情報を広く収集

しようとする者である。そして,英会話教材が比較的高価な商品であること,

上記読者はこのような教材を用いて英語を学ぼうという姿勢を有する者であ

ることに照らし,上記読者は,相当高い水準の知識,読解力及び注意力をも

8
って本件サイトに接するものと解される。また,上記のとおり,上記読者は

検索サイトを通じて本件サイトに到達するため,本件サイトが,検索サイト

によって多数表示される,英会話教材関連サイトの一つとして存在するにす

ぎないことも当然に認識しているものである。

そうすると,上記読者は,本件表示を,匿名の一個人が,原告教材は原告

が宣伝広告するほどの効果はないとの個人的見解を述べたものと理解するに

とどまり,これにより,原告がステルスマーケティングや虚偽の宣伝をして

いると判断することはない。

以上のとおり,本件表示は,事実を摘示したものではなく,単なる意見又

は論評を表示したものであって,信用毀損に至るようなものではないから,

本件においては,信用毀損行為が存在しない。

(3) 仮に本件表示が信用毀損に該当するとしても,本件表示は,高価な英会

話教材につき,消費者に予めその特徴等について様々な情報を提供するもの

であるという点で公益性及び公共利害関係性が認められ,本件サイトの管理

者は,専ら公益を図る目的で本件表示をしたものと認め得る。また,本件サ

イトの管理者は,原告教材を購入した上で本件表示をしたものであることが

うかがわれ,本件表示の前提となる事実の重要な部分を真実と信ずるにつき

相当の理由があったと考え得る。さらに,本件表示が意見論評の域を逸脱し

たものとはいえない。したがって,本件において,違法性阻却事由の存在を

うかがわせるような事情が存在しないとはいえない。

(4) したがって,本件において,原告の信用が毀損されたことが明白である

とはいえない。

3 争点(2)(発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無)

(原告の主張)

原告は,本件サイトの管理者に対し,営業誹謗行為及び原告人格権の侵害

為の予防請求並びに上記侵害を理由とする損害賠償請求を予定しており,その

9
ために,本件サイト管理者に係る発信者情報が必要であって,上記情報の開示

を受けるべき正当な理由がある。

(被告の主張)

原告の主張は争う。原告の主張する正当理由のうち,妨害予防請求について

は,本件サイトの管理者が将来,営業誹謗行為又は原告人格権の侵害行為を行

うおそれがあることの立証がないから,プロバイダ責任制限法4条1項の要件

を満たさない。

第4 当裁判所の判断

1 争点(1)(権利侵害の明白性の有無)

事案の内容に鑑み,争点(1)イ(本件表示の掲載が原告人格権を侵害するも

のか)から判断する。

(1) 本件表示は,「スピードラーニングの口コミって嘘でしょ。効果の無い

英会話教材」と表示したタイトル部分と,冒頭に「スピードラーニングの口

コミって嘘でしょ。効 果の無い英会話教 材」と大きく表示し, その下部に

「スピードラーニングの口コミは嘘としか思えません。今話題のステマと言

わんばかりの高評価に呆れます。」とやや小さく表示した説明部分を含むも

のである(甲1の1)。ここで,「ステマ」とはステルスマーケティングの

略であり,消費者に宣伝と気付かれないように宣伝行為を行うことを意味す

るものである(甲2の3)。

(2) 上記(1)の表示は,本件サイトの管理者において,原告教材が口コミにお

いて高評価であるにもかかわらず,原告教材に効果を感じられなかったこと

及び上記高評価はステルスマーケティングによるものとも思われるほどであ

り,呆れる旨を表示したものと解される。

しかし,当該表示が名誉又は信用を毀損するものに当たるか否かは,一般

読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきところ,一般読者の普通

の注意と読み方によった場合,上記(1)の表示は,原告教材の口コミが原告

10
教材を実際に購入し,使用した者によって作成されたものではなく,原告が

ステルスマーケティングによって作成した嘘のもの,すなわち原告が自ら又

は第三者に依頼して意図的に作出したものの可能性があるとの印象を与える

ものであるということができる。原告が外国語教材の企画・開発及び販売等

を業とする法人であることは前記前提事実(1)アのとおりであるところ,原

告が,その販売する商品である原告教材につき,高評価の口コミを自ら作出

している可能性があるということは,原告の名誉,信用等の社会的評価を低

下させるものであるというべきである。

(3) 本件表示は,上記(1)の表示に続けて,「実際の購入者しか分からないと

思いますが,スピードラーニングの教材内容じゃ,英会話は上達しませんし,

効果もありません。」と表示した説明部分をも含むものであるから(甲1の

1),上記(1)の表示は,本件サイトの管理者において,原告教材に効果が

感じられなかったことに基づいて記載されているものと認められるところ,

本件サイトの体裁等(甲1の1)に照らし,本件サイト管理者は一個人であ

ることがうかがわれるのであるから,このような個人において,原告教材に

効果を感じられなかったことは,原告が原告教材につき高評価の口コミを自

ら作成している可能性があることを裏付けるに足るものではない。

したがって,本件において,本件表示が真実であり,又は真実であると信

ずるにつき相当の理由があるものとは認められず,本件表示に違法性阻却事

由の存在をうかがわせるような事情は存在しないものと認められる。

(4) したがって,本件表示の掲載は,原告の名誉・信用等の社会的評価を低

下させるものであって,原告人格権を侵害するものであることが明らかであ

る。

2 争点(2)(発信者情報の開示を受けるべき正当な理由

(1) 原告は,本件サイトの管理者に対し,原告人格権の侵害を理由とする不

法行為に基づく損害賠償請求権を行使する意向を示しているところ(当裁判

11
所に顕著),上記損害賠償請求権の行使のためには,被告の保有する本件発

信者情報の開示を受けることが必要である。

(2) したがって,原告には,本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由

があると認められる。

第5 結論

したがって,その余の点について検討するまでもなく,原告の請求は理由が

あるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。



東京地方裁判所民事第29部




裁判長裁判官



嶋 末 和 秀



裁判官



西 村 康 夫



裁判官



森 川 さ つ き




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