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事件 平成 29年 (ネ) 10004号 不正競争行為差止等請求控訴事件

控訴人(1審被告) 株式会社サンワード
訴訟代理人弁護士 笠原克美
被控訴人(1審原告) 株式会社サンワード
訴訟代理人弁護士 下山和也 岡井将洋 平島有希 福井春菜
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2017/06/28
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
控訴の趣旨
1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2 上記取消しに係る部分につき,被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,第1審,第2審とも,被控訴人の負担とする。
事案の概要
1 控訴人は,ドライマーク衣類を家庭で洗濯するためのドライクリーニング溶剤配合の洗剤を開発し,昭和56年1月頃, 「ハイ・ソープ」という商品名により同洗剤を販売した。その後も,控訴人は,昭和60年8月頃には,同洗剤の商品名を「ハイ・ベック」に変更し, 「ハイ・ベックシリーズ」と称して, 「ハイ・ベックS」,「ハイ・ベックE」「ハイ・ベックW」「ハイ・ベック トリートメントドライ」 , , ,「ハイ・ベック パーフェクトドライ」等の商品名によりドライクリーニング溶剤配合の洗剤,仕上剤その他の洗濯用品の事業を行った。そして,控訴人は,被控訴人に対し,平成19年8月31日,上記商品名等に関する知的財産権を含めて,控訴人の事業全部を譲渡する旨の契約(以下「本件営業譲渡契約」という。 を締結した。
) 他方,控訴人は,本件営業譲渡契約から6年が経過した頃から,化粧品原料を主成分とした,ドライマーク衣類を家庭で洗濯するための洗剤等を開発したなどとして, 「ハイ・ベックS(スペシャル), 」「ハイ・ベックE(エマルジョン), 」「ハイ・ベック洗剤の素」「ハイ・ベックドライS」「ハイ・ベックドライE」などという , ,商品名により洗剤等を販売するようになった。
2 本件は,被控訴人が,控訴人は本件営業譲渡契約を締結して事業全部を被控訴人に譲渡したにもかかわらず,不正の競争の目的をもって同一の事業を行っていると主張して,控訴人に対し,会社法21条3項に基づき,@原判決別紙被告商品等表示目録記載の各表示(以下「控訴人表示」という。)その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示をウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物 2 に掲載すること,A控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示を付した洗剤等を販売すること,B控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示を付した洗剤等を製造し又は第三者に製造させることの各差止めを求め,また,原判決別紙原告商品等表示目録記載の各表示(以下「被控訴人表示」という。は, ) 被控訴人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているところ,控訴人表示は被控訴人表示と類似すると主張して,控訴人に対し,不正競争防止法3条1項に基づき,@控訴人表示をウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物に掲載すること,A控訴人表示を付した洗剤等を販売すること,B控訴人表示を付した洗剤等を第三者に製造させることの各差止めを求めるとともに,同条2項に基づき,Cウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物から控訴人表示を抹消すること,D控訴人表示を付した洗剤及び洗濯活性剤の廃棄を求め,さらに,控訴人が平成26年10月から平成28年3月までに不正競争を行って被控訴人の営業上の利益侵害したと主張して,控訴人に対し,同法4条に基づき,損害賠償金3300万円(同法5条2項による損害賠償金1億5556万6197円の一部である3000万円及び弁護士費用300万円の合計額)及びこれに対する不正競争行為後である平成28年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。これに対し,控訴人は,本件営業譲渡契約は解除されたなどと主張して争っている。
3 原審は,本件営業譲渡契約は解除されたものとは認められないと認定した上,被控訴人の各請求のうち,@洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の販売事業に係るウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物における控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示の掲載の差止請求に係る部分,A控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示を付した洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の販売の差止請求に係る部分,B控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示を付した洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の製造又は第三者にさせる製造の差止請求に係る部分,C控訴人による洗剤,洗濯活性 3 剤その他の洗濯用品の販売に係るウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物からの控訴人表示の抹消請求に係る部分,D控訴人表示を付した洗剤及び洗濯活性剤からの同表示の抹消請求に係る部分,E控訴人に対する803万4148円及びこれに対する平成28年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払請求に係る部分は,いずれもその限度で理由があるとして認容し,被控訴人のその余の請求はいずれも理由がないとしていずれも棄却した。
これに対し,控訴人は控訴した。なお,被控訴人は,控訴も附帯控訴もしていないため,原判決中被控訴人一部敗訴部分は,当審の審理判断の対象となっていない。
4 前提事実 前提事実は,原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要等」の「2 前提事実」の(1)から(3)まで(原判決4頁14行目から6頁4行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
5 争点 争点は,原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要等」の「3 争点」の(1)から(3)まで(原判決6頁6行目から14行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,当審における争点は, 「本件営業譲渡契約は有効に解除されたか」 (原判決の争点1-ア)という点のみであり,控訴人は,当該争点において,当審においても原審と同様に,平成19年9月25日付け覚書(以下「本件覚書」という。乙9)の成立の真正を争っている。
6 争点に対する当事者の主張 争点についての当事者の主張は,下記(1)及び(2)において当審における当事者の主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する当事者の主張」の1から3まで(原判決6頁16行目から18頁25行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 控訴人の補充主張 本件における争点は,被控訴人が本件営業譲渡契約において控訴人の負債約83 4 00万円を引き受けたか否かであり,本件では,これに関する証拠である平成19年9月25日付け覚書(以下「本件覚書」という。乙9)が真正に成立したか否かが,唯一の争点である。
すなわち,控訴人と被控訴人は,本件営業譲渡契約において,平成19年8月31日現在のさわやか信用金庫に対する3口分及び三菱東京UFJ銀行に対する2口分の合計8307万3476円の控訴人の負債(以下「本件金融負債」という。)を営業譲渡の対象から除外していなかったから,被控訴人は,控訴人との関係では,本件金融負債を引き受けていた。そのため,控訴人は,被控訴人との間で,平成20年3月1日付け,平成21年3月1日付け及び平成22年3月1日付けで各コンサルタント業務契約(以下「本件コンサルタント業務契約」という。)を締結し,被控訴人は,控訴人に対し,同契約に基づく顧問料(以下「本件コンサルタント料」という。)の支払として,本件金融負債を支払っていた。それにもかかわらず,被控訴人は,平成23年12月21日付け内容証明郵便により,控訴人に対し,本件コンサルタント業務契約を解除する旨通知して,本件コンサルタント料の支払を停止した。そのため,被控訴人による本件コンサルタント料の不払は実質的に本件金融負債の支払停止を意味するから,控訴人は,被控訴人に対し,上記支払停止は本件営業譲渡契約の重大な債務不履行になると主張して,平成24年3月23日に被控訴人に到達した内容証明郵便により,同契約を解除する旨の意思表示を通知した。
したがって,本件営業譲渡契約は有効に解除されているから,本件営業譲渡契約を前提とする被控訴人の請求は,その前提を欠くものである。
この点につき,被控訴人は,本件金融負債は,本件覚書によって本件営業譲渡契約の対象から除外されていることが確認されている旨主張し,原判決も当該主張を採用して,本件営業譲渡契約が解除されたものとは認められないと判断している。
しかしながら,本件覚書は,控訴人代表者Aの意思に基づくことなく,控訴人及び被控訴人の経理等を担当していたB(被控訴人代表者の母であり,以下,単に「B」という。)が偽造したものである。このことは,本件覚書が本件営業譲渡契約の締結 5 日に作成されたものではなく,本件覚書を作成したとするBの供述は,関係証拠に照らして信用性がないことからも裏付けられる。
したがって,これに反する原審の認定には誤りがあり,当該事実誤認を前提とした原審の上記判断にも誤りがある。
(2) 被控訴人の反論 控訴人は,Bの供述が虚偽であるにもかかわらず,Bの供述から本件覚書の成立の真正を認めた上,本件金融負債が本件営業譲渡契約の対象から除外されていたと認定した原審の判断には誤りがあるなどと主張する。
しかしながら,Bの供述に不自然,不合理な点はないほか,控訴人が本件営業譲渡後も本件金融負債の返済を継続していたことは,控訴人自身が本件覚書における意思表示を有していたことを裏付ける客観的事実であり,これに符合するBの供述には信用性が認められる。のみならず,本件覚書がBによって偽造された趣旨をいう控訴人の主張は,熊本地方裁判所平成24年(ワ)第430号同25年10月9日判決(甲32),同1審判決に係る控訴審判決である福岡高等裁判所平成25年(ネ)第998号,同26年(ネ)第293号同年11月5日判決(甲33),同控訴審判決に係る上告不受理決定である最高裁判所平成27年(受)第273号同年3月26日決定(甲52)によっていずれも排斥されているほか,東京地方裁判所平成27年(ワ)第9476号同年10月29日判決(甲46),同1審判決に係る控訴審判決である知的財産高等裁判所平成27年(ネ)第10133号同28年3月30日判決(甲47)によってもいずれも排斥されているのであるから,控訴人の主張は,訴訟上の信義則に反するものであり,そもそも失当である。
したがって,控訴人の上記主張は理由がない。
当裁判所の判断
当裁判所も,被控訴人の各請求のうち,@洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の販売事業に係るウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物における控 6 訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示の掲載の差止請求に係る部分,A控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示を付した洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の販売の差止請求に係る部分,B控訴人表示その他「ハイ・ベック」という文字を含む営業表示を付した洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の製造又は第三者にさせる製造の差止請求に係る部分,C控訴人による洗剤,洗濯活性剤その他の洗濯用品の販売に係るウェブページ,チラシ,ニュースレターその他の広告物からの控訴人表示の抹消請求に係る部分,D控訴人表示を付した洗剤及び洗濯活性剤からの同表示の抹消請求に係る部分,E控訴人に対する803万4148円及びこれに対する平成28年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払請求に係る部分は,いずれもその限度で理由があり,被控訴人のその余の請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は,下記1のとおり原判決を補正し,下記2のとおり当審における控訴人の主張に対する判断を示すほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第4 当裁判所の判断」の1から4まで(原判決19頁1行目から40頁6行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
1 原判決の補正 (1) 原判決23頁24行目の「原告又は原告代表者」を「控訴人又は控訴人代表者」に改める。
(2) 同24頁17行目の「本件金融債務」を「本件金融負債」に改める。
(3) 同29頁3行目から6行目にかけての「(なお,証拠〔甲33〕によれば,本件覚書の真正が主要な争点の一つとされた別件訴訟の控訴審判決(確定判決)において,概ね上記と同様の認定判断がされたものと認められるところであり,控訴人の主張は,訴訟上の信義則に照らしても,許されない。」を削除し,行を改めて )次のとおり加える。
「イ(ア) 証拠(甲32,33,46,47,52)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
7 a 商標権等移転登録手続請求事件 (a) 被控訴人は,控訴人から商標権及び意匠権を譲り受けたと主張して,本件営業譲渡契約並びに商標権及び意匠権に基づき,控訴人及び控訴人から移転登録を受けたC(控訴人代表者の長女であり,以下,単に「C」という。)に対し,当該商標権及び意匠権の移転登録手続を求めるとともに,控訴人が被控訴人に対する移転登録を怠ったため損害を被ったと主張して,控訴人に対し,債務不履行に基づき100万円及び遅延損害金を求めて,熊本地方裁判所に訴えを提起した(熊本地方裁判所平成24年(ワ)第430号)。これに対し,控訴人は,被控訴人が本件営業譲渡契約において本件金融負債を引き受けていたところ,本件営業譲渡契約は本件コンサルタント料の支払停止により解除されたと主張した。
熊本地方裁判所は,平成25年10月9日,被控訴人が本件営業譲渡契約において本件金融負債を引き受けたものとは認められないとして,控訴人の主張を排斥し,控訴人及びCに対し上記商標権及び意匠権の移転登録手続を命ずるとともに,損害賠償請求に係る部分を棄却する旨の判決を言い渡した。これに対し,控訴人が控訴し,被控訴人が附帯控訴した(福岡高等裁判所平成25年(ネ)第998号,同26年(ネ)第293号)。
(b) 福岡高等裁判所は,平成26年11月5日,本件覚書等に関するBの証言は詳細で信用し得るとして,控訴人と被控訴人は本件金融負債を本件営業譲渡契約の対象から除外する合意をしたものと認められ,被控訴人により本件コンサルタント契約が解除されたとしても本件営業譲渡契約上の債務不履行にはならず,解除事由には当たらないと判断し,また,被控訴人の控訴人に対する商標権の移転登録手続請求は相当と判断したものの,Cに対する移転登録手続請求に係る部分については,商標権の移転登録はその登録をしなければ効力を生じないため,被控訴人は第三者であるCに対し商標権を有することを理由として移転登録手続を求めることはできないと判断して,当該請求部分を取り消し,当該請求を棄却するとともに,控訴人の控訴及び被控訴人の附帯控訴をいずれも棄却した(なお,意匠権に関する 8 部分は,被控訴人の訴えの一部取下げにより失効している旨判断された。 。これに )対し,被控訴人が上告受理の申立てをした(最高裁判所平成27年(受)第273号)。
(c) 最高裁判所は,平成27年3月26日,民訴法318条1項により受理すべきものとは認められないとして,上告不受理の決定をした。そのため,上記控訴審判決は確定した。
b 損害賠償請求事件 (a) Cは,被控訴人及び被控訴人から発注を受けて洗剤を製造販売するキイワ産業株式会社(以下,単に「キイワ」という。)に対し,キイワが被控訴人から発注を受けて「トリートメントドライ」及び「ハイ・ベックドライ」という商標を付した洗剤を製造して被控訴人にこれを販売する行為に加え,被控訴人が当該洗剤を販売する行為が,それぞれCの商標権を侵害すると主張して,民法709条に基づき,損害賠償金205万円及び遅延損害金を求めて,東京地方裁判所に訴えを提起し(東京地方裁判所平成27年(ワ)第9476号),控訴人はCを補助するため補助参加した。これに対し,被控訴人は,控訴人との間で本件営業譲渡契約を締結して上記商標に係る商標権の譲渡を受けたにもかかわらず,控訴人は当該商標権の移転登録手続をすることなくこれをCに移転しているのであるから,当該商標権に基づく権利行使は権利の濫用であると主張し,他方,控訴人は,本件営業譲渡契約は,本件コンサルタント料の支払停止により解除されたと主張した。
東京地方裁判所は,平成27年10月29日,控訴人と被控訴人は本件営業譲渡契約の対象から本件金融負債を除外する旨の合意をしたものと認められるから,本件金融負債の返済に関して被控訴人に本件営業譲渡契約の債務不履行があるとはいえず,控訴人による本件営業譲渡契約の解除は認められないとして,Cの請求をいずれも棄却した。これに対し,Cが控訴した(知的財産高等裁判所平成27年(ネ)第10133号)。
(b) 知的財産高等裁判所は,平成28年3月30日,本件覚書等の成立に 9 関するBの証言は信用することができ,本件覚書の作成時に控訴人代表者がその場に居合わせる可能性がなかったという控訴人の主張についても,当該主張は本件覚書の作成時を平成19年9月25日と特定して初めて成り立つものであり,原判決は本件覚書の作成時を厳密に特定するものではないから,当該主張が事実認定上の問題となるものではなく,かえって,本件覚書の内容は,控訴人が本件営業譲渡契約後も本件金融負債の返済を継続してきた事実にも沿うものであり,本件営業譲渡契約の対象から発生原因の異なる本件金融負債を除外する合理性も認められるから,控訴人による本件営業譲渡契約の解除は認められないとして,控訴をいずれも棄却した。
(イ) 上記認定事実によれば,本件における控訴人の主張は,上記商標権等移転登録手続請求事件及び損害賠償請求事件における主張の実質上の蒸し返しというべきことが明らかなものであり,このように後訴における主張が前訴のそれの蒸し返しにすぎない場合には,後訴における主張は,信義則に照らして許されないものと解するのが相当であるから(最高裁判所昭和49年(オ)第163号,第164号同52年3月24日第一小法廷判決・裁判集民事120号299頁参照) 控訴人の ,主張は,信義則に反し許されない。したがって,控訴人の主張は,失当であるというほかない。」 (4) 同頁7行目冒頭の「イ」を「ウ」に,同17行目冒頭の「ウ」を「エ」に,それぞれ改める。
2 当審における控訴人の補充主張に対する判断 控訴人は,本件覚書がBによって偽造されたものであるにもかかわらず,Bの供述は信用性が高いとして本件覚書の成立の真正を認めた原審の認定には誤りがあり,当該事実誤認を前提として,本件営業譲渡契約が解除されたものとは認められないとした原審の判断にも誤りがあるなどと主張する。
しかしながら,前記引用に係る原判決が説示するとおり,控訴人の主張は,前記商標権等移転登録手続請求事件及び損害賠償請求事件における主張の実質上の蒸し 10 返しというべきことが明らかなものであり,信義則に反し許されないというべきである。そのほかに当審における控訴人の主張を改めて十分検討しても,上記の各事件及び原審の主張を繰り返すものにすぎず,前記判断を左右するに至らない。控訴人の主張は,採用することができない。
結論
以上によれば,原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 清水節
裁判官 中島基至
裁判官 岡田慎吾
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