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事件 令和 1年 (ネ) 10080号 損害賠償請求控訴事件

控訴人 特定非営利活動法人楽市楽画
被控訴人 第一生命保険株式会社 (以下「被控訴人会社」という。)
被控訴人 Y2
上記両名訴訟代理人弁護士 矢作健太郎 和田一雄 片山利弘 星野俊之
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2020/06/30
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人らは,控訴人に対し,連帯して60万円を支払え。
事案の概要等(略称は原判決のそれに従う。)
1 1 本件は,控訴人が,被控訴人らにおいて,共同して,@控訴人の開発した 保険商品の形態模倣した保険商品を販売して,不競法2条1項3号の不正 競争を行った,A控訴人の開発した保険商品に係る控訴人の営業秘密を不正 に取得し,これを使用して保険商品を開発,販売して,不競法2条1項4号 の不正競争を行った,Bこれらの行為などにより,控訴人の業務を妨害した と主張して,被控訴人らに対し,上記@及びAにつき不競法4条に基づき, 上記Bにつき民法709条に基づき,連帯して,損害金60万円の支払を求 める事案である。上記@ないしBに係る各請求は選択的なものである。
2 原判決は,控訴人の請求をいずれも棄却したため,これを不服とする控訴 人が控訴した。
3 前提事実 前提事実は,原判決「事実及び理由」第2の2(原判決1頁22行目から2 頁2行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
4 当事者の主張 本件における当事者の主張は,後記5のとおり当審における補充主張を付加 するほかは,原判決「事実及び理由」第3(原判決2頁3行目から4頁9行目 まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
5 当審における補充主張(控訴人の主張) (1) 請求@(商品形態模倣)について 商品の形態については,知覚による認識のみを重視するのではなく,知覚 によってその効用を認識することを重視して解釈すべきである。
控訴人の「健康増進保険」は,健康アップの「効用を体感」し,その後, 掛け金が安くなった,行動変容につながった,過去の健康関連データも閲覧 できる,と「知覚」を一歩進んで「体感」する仕掛けである。「内容」には 「効用」が含まれ,「知覚によって認識できる」も含まれるべきである。さ 2 らに,形状には「機能」も含まれるべきである。
(2) 請求A(営業秘密不正取得,使用)について 保険は極めて広範な技術的要素を含み,どの部分が営業秘密であるとの特 定は難しい。
認可商品である保険においては,普通保険約款,算出方法書がエッセン スであり営業秘密の根幹であり,控訴人は,商品概要書,普通保険約款,算 出方法書,数理概要書,指標_ポイント付与(割引システム)の指標,指標 _割引のマトリクス表に使用する指標項目案の作成,システム仕様書及びM Y PAGE登録 機能マニュアル(甲10)については経産省(NTTデ ータ)以外に開示していない。
(3) 請求B(業務妨害)について 被控訴人らが,非公開の情報を窃取し,模倣したことは明白である。
また,被控訴人らは,健康少額社と被控訴人会社は関わりのない別法人で あると主張したが,被控訴人会社グループのプレスリリース(甲11)には, 健康少額社が被控訴人会社のグループ会社であることが記載されている。
(被控訴人らの主張) (1) 請求@(商品形態模倣)について 商品のコンセプト及び内容は「商品の形態」に当たらない。
(2) 請求A(営業秘密不正取得,使用)について 控訴人は,被控訴人らの窃取等の具体的な行為態様の主張すらしない。
(3) 請求B(業務妨害)について プレスリリース(甲11)に,健康少額社が被控訴人会社のグループ会社 であることは記載されていない。
当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の請求はいずれも棄却されるべきものであると判断す る。その理由は,次のとおり補正するほかは,原判決「事実及び理由」第4 3 (原判決4頁10行目から6頁8行目まで)に記載のとおりであるから,こ れを引用する。
ア 原判決4頁22行目「きない。」の次に,「控訴人は,商品の形態につ いては,知覚による認識のみを重視するのではなく,知覚によってその効用 を認識することを重視して解釈すべきであることを主張するが,独自の見解 であって採用できない。」と付加する。
イ 原判決5頁16行目末尾に改行の上,次のとおり付加する。
「 控訴人は,営業秘密に関し,商品概要書,普通保険約款,算出方法書, 数理概要書,指標_ポイント付与(割引システム)の指標,指標_割引のマ トリクス表に使用する指標項目案の作成,システム仕様書,MY PAGE 登録 機能マニュアル(甲10)については一切経産省(NTTデータ)以 外に開示していないとも主張するが,このうちどの部分が不競法にいう「営 業秘密」に該当するのかが明らかではない上,不正取得行為の内容も明らか ではない。なお,控訴人の主張する事実経過(原判決の第3の1(1))を考 慮しても,被控訴人らにおいて不競法2条1項4号の不正競争行為に及んだ ことが推認されるものではない。」
結論
以上によれば,控訴人の請求はいずれも理由がないから,控訴人の請求をい ずれも棄却した原判決は,相当である。
よって,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 鶴岡稔彦
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