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事件 |
令和
4年
(ワ)
8439号
請求異議事件
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5原告 株式会社リプロライフ 同訴訟代理人弁護士 松本賢人 能勢章 被告 株式会社北里コーポレーション 同訴訟代理人弁護士 日野修男 10 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 3 当裁判所が令和4年5月13日にした強制執行停止決定(東京地方裁 判所以下事件番号省略)は、これを取り消す。 15 4 この判決は、前項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 被告の原告に対する東京地方裁判所以下事件番号省略間接強制申立事件の執 行力ある決定正本に基づく強制執行はこれを許さない。 20 第2 事案の概要 1 東京地方裁判所は、確定判決(知的財産高等裁判所以下事件番号省略。「本 以下 件判決」という。)に基づき、原告が本件判決により禁止された行為をした場合 に原告に対して間接強制金の支払を命ずる旨の間接強制決定(東京地方裁判所以 下事件番号省略。以下「本件決定」という。)をした。 25 本件は、原告が、本件決定につき請求異議事由があると主張して、本件決定の 正本に基づく強制執行の不許を求める事案である。 12 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の各証拠及び弁論の全趣旨に より認められる事実をいう。) ? 本件判決等(甲3) ア 卵子等のガラス化凍結保存・加温融解に用いる医療関連器具を販売する原 5 告の管理に係るウェブサイト又は原告の作成に係るカタログに表示されて いる「解凍後 100%生存」、「100% survival」、「10 0% Post−warm Survival」、 「achieving 1 00%,literally 100%,survival」等の表示につ いて、被告は、原告が販売する卵子等の凍結保存の技術である「クライオテ 10 ック法」によるガラス化凍結保存容器及びそれと共に用いる凍結液、融解液 (以下「原告製品」という。)の品質及び内容を誤認させる表示であると主 張して、不正競争防止法2条1項20号に基づき、原告製品の広告における 上記各表示の禁止等を求める訴訟を提起した。 これに対し、東京地方裁判所は、平成30年12月20日、被告の請求を 15 棄却する判決を言い渡した(東京地方裁判所以下事件番号省略)。 イ 上記判決に対し、被告が控訴したところ、知的財産高等裁判所は、令和3 年3月30日、被告の請求を一部認容する仮執行宣言付判決(本件判決)を 言い渡した(知的財産高等裁判所以下事件番号省略)。 本件判決は、原告の広告に記載された表示につき、医療関係者がクライオ 20 テック法のプロトコールを遵守し原告製品を使用して正常な卵子等の凍結 保存をした場合に、取引者、需要者である医療関係者において、融解後の生 存率が100%になるという意味であるものと認識するものの、実際には、 上記の場合に、融解後の生存率が100%になるとは限らないとした。その ため、本件判決は、「解凍後100%生存」、「100% surviva 25 l」等の記載部分につき、原告製品の品質及び内容を誤認させる表示である として、原告の広告に上記表示をする行為は、不正競争防止法2条1項20 2号の不正競争に当たるとした。 そして、本件判決の主文第2項の内容は、原告は、ガラス化凍結保存容器 及びそれと共に用いる凍結液、融解液の広告、取引に用いる書類及びウェブ サイトその他の宣伝広告媒体において、「解凍後 100%生存」、「10 5 0%survival」、「100% Post−warm Survi val」、 「achieving 100%,literally 100%, survival」及び「凍結卵を解凍した後の生存率100%を達成でき る」旨の表示をしてはならないというものである(以下、本件判決の主文第 2項記載の不作為義務を「本件不作為義務」という。)。 10 なお、被告は、同月31日、本件判決につき、執行文の付与を受けた。 ? 本件決定等(甲1、2、乙13ないし15) ア 被告は、令和3年12月1日、執行力ある本件判決の正本に基づき、被告 を債権者、原告を債務者として、原告が本件不作為義務に違反するおそれが あるとして、間接強制の申立てをした。 15 東京地方裁判所は、同月21日、上記申立てを相当と認め、本件決定をし た(東京地方裁判所以下事件番号省略)。 本件決定の内容は、@原告は、ガラス化凍結保存容器及びそれと共に用い る凍結液、融解液の広告、取引に用いる書類及びウェブサイトその他の宣伝 広告媒体において、「解凍後 100%生存」、「100% surviva 20 l」、「100% Post−warm Survival」、「achi eving 100%,literally 100%,survival」 及び「凍結卵を解凍した後の生存率100%を達成できる」旨を表示しては ならない(1項)、A原告が本件決定送達の日から2日以内に上記@の債務 を履行しないときは、原告は、被告に対し、上記期間経過の翌日から履行済 25 みまで1日につき2万3737円の割合による金員を支払え(2項)という ものである。 3イ 本件決定に対し、原告は執行抗告をしたところ、知的財産高等裁判所は、 令和4年3月3日、上記執行抗告を棄却する決定をした(知的財産高等裁判 所以下事件番号省略)。 上記決定は、不作為を目的とする債務の強制執行として民事執行法172 5 条1項所定の間接強制決定をするには、債権者において、債務者がその不作 為義務に違反するおそれがあることを立証すれば足り、債務者が現にその不 作為義務に違反していることを立証する必要はないと解されるところ、原告 が平成27年7月26日から令和2年7月31日までの間、原告製品の広告 に「解凍後100%生存」、「100% survival」等の表示をし 10 ていたこと、原告がその後も原告製品に関する事業を継続し、令和3年11 月16日時点において、原告のウェブサイトにおいて、 「クライオテック法」 に関し、「世界100施設・連続する100融解周期・生存率100%達成 を目指す」、「“100% SURVIVAL CLUB”」等の表示をし ていたことが認められることからすれば、原告には本件不作為義務に違反す 15 るおそれがあるものと認められるとした。 ウ 知的財産高等裁判所の裁判所書記官は、令和4年4月25日、本件決定に ついて事実到来執行文を付与した。 ? 強制執行停止決定等(当裁判所に顕著) 原告は、令和4年4月6日、本件訴訟を提起し、同年5月11日、本件決定 20 の執行力ある正本に基づく強制執行の停止を申し立てた。 これに対し、東京地方裁判所は、同月13日、本件決定の執行力ある正本に 基づく強制執行を停止する決定をした(東京地方裁判所以下事件番号省略)。 3 争点 本件の争点は、請求異議事由の有無である。 25 第3 争点に関する当事者の主張 (原告の主張) 41 被告は、原告のウェブサイトに「チャレンジ100(Challenge1 00)」という取組の紹介文があり、その紹介文の中に「生存率100%」及び 「100% Survival」という文言があることから、間接強制の申立て をした。しかしながら、上記表示は、本件不作為義務の対象となるものではなく、 5 原告は、本件不作為義務に違反していない。したがって、本件決定について、請 求異議事由がある。 2 原告のウェブサイトに記載された「チャレンジ100(Challenge 100)」とは、世界連動企画である「ガラス化チャレンジ100」の取組に賛 同してエントリーした施設等によって構成される任意団体の名称のことである。 10 そして、原告のウェブサイトには「チャレンジ100(Challenge 1 00)」の内容が紹介され、その紹介文の中にその目標・目的を説明する文章と して「世界100施設、連続100凍結症例、生存率100%」という表記があ るものの、飽くまでも「チャレンジ100(Challenge 100)」の 目標、目的を説明したにすぎず、いずれも原告製品の品質を示すものではなく、 15 原告製品を用いれば生存率が100%であることを示すものでもない。 3 また、原告のウェブサイトにおける「チャレンジ100(Challenge 100)」の紹介文の中における「生存率100%」は、飽くまでも「生存率1 00%を目指す」との文言の一部にすぎない。これと同様に、「100% Sur vival」も、「100% Survival Club」との文言の一部に 20 すぎない。 そうすると、前後の文脈を見れば、上記各表示は、本件判決の主文第2項で禁 止されたものに当たらないことは明らかである。 4 そして、本件判決においては、「生存率100%」の表示は、医療関係者が原 告製品を使用して正常な卵子等の凍結保存をした場合、融解後の生存率が10 25 0%となる意味であると認識するところ、実際には、融解後の生存率が100% になるとは限らないから、「生存率100%」等の表示が品質等を誤認させる表 5示であるとされている。しかしながら、「チャレンジ100(Challeng e 100)」とは、原告が契約を締結した医療施設に、専任のインストラクター を派遣し、一定のトレーニングを経た後に、卵子、分割胚又は胚盤胞の凍結周期 のいずれかのステージで、連続する100融解周期にて生存率100%を達成す 5 ることを目指す取組にすぎないのであって、生存率100%が達成されることを 保証するものではない。そして、原告のウェブサイトの「チャレンジ100(C hallenge 100)」の説明には「生存率100%を目指す」という取 組の目的が記載されているが、それ自体は生存率100%の達成を確約するもの ではなく、飽くまでも目指すべき方向性を示したものにすぎない。 10 そうすると、「チャレンジ100(Challenge 100)」の説明文を 素直に読めば、医療関係者において、原告製品で当然に生存率100%を達成で きると誤認することはあり得ない。 5 さらに、「100%Survival Club」とは、上記のチャレンジ 100の取組の中で、連続する100融解周期にて、100回連続して生存を確 15 認した症例で達成した施設を認定する制度のことであり、原告製品を使用すれ ば、当然に生存率100%が達成できることを確約したものでもない。 そうすると、「100% Survival Club」の説明文を素直に読 めば、医療関係者において、原告製品で当然に生存率100%を達成できると誤 認することはあり得ない。 20 (被告の主張) 1 原告は、ウェブサイト上に「生存率100%」及び「100%Surviv al」という表示をしているところ、これが本件不作為義務に違反することは明 らかである。 2? 原告は、「チャレンジ100(Challenge 100)」の目標、目 25 的を説明する際に「生存率100%」と表記しているにすぎず、原告製品の品 質を示すものではなく、原告製品を用いれば生存率が100%であることを示 6すものではないなどと主張する。 しかしながら、本件判決は、「チャレンジ100」について「生存率100% を達成したと認めることができない」と認定するものであり、「チャレンジ1 00」における「生存率100%」との表示は、品質を誤認させるものである 5 から、本件判決の主文第2項の「凍結卵を解凍した後の生存率100%を達成 できる」旨の表示に該当する。また、「What is challenge 1 00?」(乙1)における「生存率100%」は、本件判決の主文第2項で禁 止された表示である「100% survival」の日本語訳にほかならず、 上記表示と同義であるから、本件判決の主文第2項が禁止する「100% s 10 urvival」に該当する。 ? 原告は、「チャレンジ100(Challenge100)」の紹介文の 中での「生存率100%」は、「生存率100%」を目指すとの文言の一部に すぎず、「100% Survival」は、「100% Survival Club」との文言に一部にすぎず、前後の文脈を見れば、上記各表示が本件 15 判決の主文第2項の対象に当たらないなどと主張する。 しかしながら、本件判決の主文第2項は、「解凍後 100%生存」、「10 0% survival」、「100% Post−warm Surviv al」、「achieving 100%,literally 100%, survival」 「凍結卵を解凍した後の生存率100%を達成できる」 及び 20 旨の表示を禁止するものであって、上記各文言がある文言の一部として用いら れた場合を許容するような例外を認めていないことは明らかである。 そうすると、「チャレンジ100(Challenge 100)」の紹介 文の中での「生存率100%」及び「100% Survival」という表 示は、本件判決の主文第2項が禁止する表示であることは明らかである。 25 ? 原告は、「チャレンジ100(Challenge100)」の説明文を 素直に読めば、医療関係者において、原告製品で当然に生存率100%を達成 7できると誤認することはあり得ないなどと主張する。 しかしながら、本件判決が、“THE 100% SURVIVAL CLU B”の文脈における「100% SURVIVAL」との記載の抹消を命じて いることからすれば、 “100% SURVIVAL CLUB”における「1 5 00%survival」が本件判決の主文第2項が禁止する表示に該当す ることは明らかである。 ? 原告は、「100%Survival Club」の説明文を素直に読め ば、医療関係者において、原告製品で当然に生存率100%を達成できると誤 認することはあり得ないなどと主張する。 10 しかしながら、「100% SURVIVAL CLUB」は、「凍結卵を 解凍した後の生存率100%を達成できる」旨の原告の宣伝広告のツールにほ かならず、本件判決の主文第2項が禁止する「100% survival」 の表示の範囲にあることは明らかである。 3 さらに、原告は、以下のとおり、ウェブサイト、ツイッター及びその他の宣伝 15 広告媒体において、「生存率100%」、「100% Survival」の表 示をしており、本件不作為義務に違反している。 ? 原告は、令和3年11月16日頃、原告のウェブサイトにおいて、メダル中 央部に「100%」、「SURVIVAL」が二段表示され、その下に「CL UB」が表示されたメダル(別紙記載のもの。以下「本件メダル」という。) 20 を表示した。 ? 原告は、令和3年7月20日頃から令和4年4月11日頃まで、ツイッター 上に、次のとおり表示した。 ア 原告は、「A」を「卵子の凍結融解100%生存達成された素晴らしいク リニック」と紹介し、 「凍結卵を解凍した後の生存率100%を達成できる」 25 旨の表示をした。 また、原告は、本件メダルが表示されたトロフィーをAに交付し、同施設 8内に本件メダルを表示させた。 そして、原告は、令和3年7月20日頃から令和4年4月11日頃まで、 Aに配置されたトロフィーを撮影した写真をツイッター上に表示した。上 記トロフィーには、本件メダルと「Welcome to the “10 5 0%Survival CLUB”」が表示されている。 イ 原告は、「B」を「胚の凍結融解連続100周期100%生存を達成され た凍結技術に優れた医療機関です。」と紹介し、「凍結卵を解凍した後の生 存率100%を達成できる」旨の表示をした。 また、原告は、本件メダルが表示されたトロフィーをBに交付し、同施設 10 内に本件メダルを表示させた。 そして、原告は、令和3年7月20日頃から令和4年4月11日頃まで、 Bに配置されたトロフィーを撮影した写真をツイッター上に表示した。上記 トロフィーには、本件メダルと「Welcome to the “100% SURVIVAL CLUB”」が表示されている。 15 ? 原告は、一般社団法人日本エンブリオロジスト学会発行の雑誌の裏表紙に 「ガラス化凍結保存容器と共に用いる凍結液、融解液」の広告を掲載し、横浜 市内で開催された学会ワークショップ・学術大会の会場等において、参加した エンブリオロジスト(胚培養士)等に配布して広告した。 上記広告には、本件メダルと「Welcome to the “100% 20 SURVIVAL CLUB”」が表示されている。 第4 当裁判所の判断 1 原告は、本件不作為義務に違反していないことを理由として、本件決定につい て請求異議の事由がある旨主張する。 しかしながら、不作為を目的とする債務の強制執行として民事執行法172条 25 1項所定の間接強制決定をするには、債権者において、債務者がその不作為義務 に違反するおそれがあることを立証すれば足りるところ(最高裁平成17年(許) 9第18号同年12月9日第二小法廷決定・民集59巻10号2889頁参照)、 間接強制決定の発令後、進んで、債権者が債務者から金銭を取り立てるためには、 執行文の付与を受ける必要があり、そのためには、間接強制決定に係る義務違反 があったとの事実を立証することが求められているのであるから(民事執行法2 5 7条1項、33条1項)、その不作為義務に違反しているかどうかは、間接強制 決定の発令後、執行文の付与の当否において判断されるべきである。 したがって、上記間接強制決定に対する請求異議の訴えにおいて、その不作為 義務に違反していない事実をもって請求異議の事由とすることはできないもの と解するのが相当である。 10 以上によれば、原告の主張は、失当というほかない。 2 なお、本件訴訟の経過及び事案の内容に鑑み、念のため、請求異議事由の有無 につき、改めて検討したとしても、次のとおり、原告の請求には理由がないこと は明らかである。 ? 証拠(乙1ないし5、8(枝番があるものはこれを含む。))及び弁論の全 15 趣旨によれば、@原告は、本件判決が言い渡された後も、原告製品に関する事 業を継続したこと、A原告は、原告のウェブサイトにおいて、クライオテック 法を実施するなどして生存率100%達成を目指す取組(チャレンジ100、 Challenge 100)を紹介したり、「100% SURVIVAL CLUB」や同表示がある本件メダルを表示したこと、B原告は、令和3年7 20 月20日、原告のツイッターアカウントにおいて、「#不妊治療」、「#リプ ロ」、「#胚凍結」及び「#卵子凍結」のハッシュタグを付けた上で、「We lcome to the “100% SURVIVAL CLUB” と」 の文言や本件メダルが表示されたトロフィーを写した画像と共に、「がん患 者の妊孕性保存に力を入れておられる「A」を取材しました。こちらは、クラ 25 イオテックを使用し、融解後生存が難しいとされる卵子の凍結融解100% 生存達成された素晴らしいクリニックです。」との投稿をしたこと、C原告 10 は、同日、原告のツイッターアカウントにおいて、「#不妊治療」、「#リプ ロ」、「#胚凍結」及び「#卵子凍結」のハッシュタグを付けた上で、「We lcome to the “100% SURVIVAL CLUB” と」 の文言や本件メダルが表示されたトロフィーを写した画像と共に、「素晴ら 5 しい臨床成績を残されている「B」にお邪魔しました。こちらは当社の製品を 使用し、胚の凍結融解連続100周期100%生存を達成された凍結技術に 優れた医療機関です。」との投稿をしたこと、D原告は、一般社団法人日本臨 床エンブリオロジスト学会が令和3年12月10日に発行した学会雑誌にお いて、本件メダルや「Welcome to the “100% SURV 10 IVAL CLUB”」の表示と共に、原告製品を宣伝広告したこと、以上の 事実が認められる。 上記認定事実によれば、原告が本件不作為義務に違反するおそれがあると認 めるのが相当であり、更に原告の主張が仮に請求異議事由としての事情の変動 による権利濫用の成否をいうものとしても、現時点においてその事情の変動が 15 なく、その前提を欠くことは明らかである。 ? これに対し、原告は、「チャレンジ100」は、原告が契約を締結した医療 施設に、専任のインストラクターを派遣し、一定のトレーニングを経た後に、 卵子、分割胚又は胚盤胞の凍結周期、いずれか1つのステージで、連続する1 00融解周期にて生存率100%を達成することを目指す取組であり、その紹 20 介文の中での「生存率100%」や「100% survival」等の文言 は、単に一般的な用語としての意味で用いられているにすぎないから、本件判 決の主文第2項で定められた本件不作為義務とは無関係であるなどとして、本 件不作為義務に違反していない旨縷々主張する。 しかしながら、前記?において認定したところによれば、上記「生存率10 25 0%」や「100% survival」の表示が、原告製品に関する事業と 無関係にされたものであるとはいえず、単に一般的な用語として用いられたも 11 のとも認められないことは明らかである。 したがって、原告の主張は、上記判断を左右するものではなく、採用するこ とができない。 3 結論 5 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却し、本件に係る強制執行停止 決定は民事執行法37条1項を適用してこれを取り消すこととして、主文のとお り判決する。 東京地方裁判所民事第40部 10 裁判長裁判官 中島基至 15 裁判官 古賀千尋 20 裁判官 國井陽平 25 12 (別紙) 13 |
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裁判所 | 東京地方裁判所 |
判決言渡日 | 2022/09/13 |
権利種別 | 不正競争 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
事実及び理由 | |
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全容
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