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関連ワード 差止請求(差止) /  信用回復措置 /  代理人 /  営業誹謗行為(2条1項14号) /  虚偽の事実 /  損害賠償 / 
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事件 平成 15年 (ネ) 1208号 不正競争行為差止等請求控訴事件
控訴人(被告) 株式会社メーソン
訴訟代理人弁護士 堀越靖司,田中恒朗
被控訴人(原告) タカムラ総業株式会社
訴訟代理人弁護士 松岡宏,森本耕太郎
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2003/07/10
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴に基づき,原判決主文第2項を次のとおり変更する。
「2 被告は,別紙(本控訴審判決別紙広告)記載のとおりの謝罪広告を全国の建通新聞及び日本経済新聞の全国版に12ポイントの活字で1回掲載せよ。」2 その余の本件控訴を棄却する。
3 訴訟費用は,第1,2審とも,4分の1を被控訴人の負担とし,その余を控訴人の負担とする。
事実及び理由
控訴人の求めた裁判
控訴人は、「原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。被控訴人の請求を棄却する。」との判決を求めた。
事案の概要
1 控訴人は,平成11年9月ころから,日本道路公団やゼネコンなどに,原判決4頁以下の(5)に記載の本件文書を送付した。本件文書には,擁壁工事に関するPα工法技術に不備があり,放置すると重大な事態を招くことが予想されることなどが記載されているが,ここにおける「Pα工法」とは原告製品の商品名である「プロテロックアルファー」の略称である。被控訴人は,本件文書には事実に反する部分があり,本件文書を工事関係者に配布した行為は不正競争防止法2条1項14号所定の行為に該当するとして,同法所定の差止め等を請求したのに対し,原判決は,謝罪広告の内容を一部修正し,かつ,損害賠償請求の一部を棄却したほかは被控訴人の請求を認容した。
2 事案の概要は、原判決事実及び理由欄の「第2 事案の概要」に示されているとおりである。
当裁判所の判断
1 当裁判所も,控訴人がした本件文書の摘示に係る事実(@原告製品の工法が張り石工事(JASS.9)の規準違反とする点,Aカチオン電着塗装性能に関して性能の詐称行為とする点,及びB将来において重大な事態やPL法及び瑕疵担保責任の訴追の可能性を示唆する点)が虚偽であり,その事実が原告製品及び工法を対象とするものであって,その事実に関する告知又は流布を差し止める必要があり,また,控訴人は被控訴人に対し,この事実を道路公団等に配布して被控訴人の信用を毀損したことによる損害賠償として,500万円を支払うべきものであり,信用回復措置として謝罪広告の掲載を命ずるべきものと判断する。
その前提となる事実認定及び判断は,原判決16頁以下の「第3 争点に対する判断」に示されているとおりである。なお,掲載を命ずべき謝罪広告は,引用に係る事実認定及び判断によれば,その表現について本判決別紙のとおりに一部変更するのが相当である(ただし,縦書きの場合は,算用数字は漢数字に改められる。)。
2 控訴人が当審において主張するところにかんがみ,以下のとおり補足して判断する。
(1) 控訴人は,原告製品あるいは日本ハーモス株式会社の製品(被控訴人がその技術を承継した製品)による工法結果には,結合金具の腐蝕による落下例があるなどと主張するが,この事実を認めるべき証拠はない。
乙32の1,2は日本建築学会編著「建築工事標準仕様書・同解説9 張り石工事」(第3版,1996年)であり,甲6の1〜4はその抜粋であるが,そこには,原判決20頁のキの前段の事実,すなわち同仕様書における石先付けプレキャストコンクリート工法の意義,同工法におけるシアコネクター及びかすがいの材質をステンレスとすることの規準が記載されている。控訴人がその主張において前提とするところは,「石先付け工法」製品の結合金具の品質をステンレスと定めたJASS.9の基準を遵守することが,その業者において自然的義務であるというものである。しかしながら,原告製品の工法が石先付け工法と異なるものであることは,原判決25頁1〜16行において認定されているとおりである(控訴人もこの認定自体を当審において争う理由を明確に述べているものではない。)。
(2) 控訴人は,本件文書においては,原告製品及び原告工法にはJASS.9の直接適用があるとの指摘はないなどとも主張する。しかしながら,本件文書には「プロテロック工法の工事仕様書(JASS.9)違反と製品性能の詐称行為」と題して,擬石結合用の金具材質などがJASS.9の規準に違反することなどの記載があるから,控訴人のこの主張は理由がない。
(3) 控訴人は,JASS.9の規準が原告製品及び原告工法の施工者として遵守すべき原則原理であると信じて,本件文書による警告に及んだと主張する。しかしながら,原告製品及び原告工法にJASS.9の規準が適用されるものでないことは前記のとおりである。そして,原判決31頁の4(1)の項で認定されているように,擁壁工事に係る製品を製造販売している控訴人としては,原告製品及び原告工法にJASS.9の規準が適用されないことを知りつつ,本件文書の配布をしたものであるものと認めることができる。控訴人の上記主張は,前提を欠くものとして理由がない。
(4) 控訴人は,原告製品の金網及び形鋼がステンレスでないと,長期間の強度確保がなく,擬石パネルの剥離・落下の危険性があるなどと主張するが,本件文書の摘示内容に,原告製品及び原告工法にJASS.9の規準が適用され,あるいは工事規準以前の技術的常識を逸脱していることを前提として,これに違反することにより製造物責任や瑕疵担保責任が発生する可能性があるというものであるから,そこに不正競争防止法2条1項14号所定の虚偽の事実があったか否かの認定判断に際しては,控訴人主張に係るこれらの点によってその有無が左右されるものではない。また,控訴人主張の点に係るこれらの事実を認めるべき証拠もない。
結論
以上のとおりであって、原判決主文第1項のとおり差止請求を認容し,第3項のとおり損害賠償請求を認容した原判決は相当であって,この部分についての本件控訴は理由がない。主文第2項の謝罪広告掲載を命じた原判決部分を,本判決主文第2項のとおり一部変更することとする。
追加
(平成15年(ネ)第1208号判決別紙)広告当社は、平成11年9月ころから、多数の土木業者に対し、貴社の製造販売する残存型枠(商品名:プロテロックメーク)及びその工法が日本建築学会制定の建築工事標準仕様書にある張り石工事工法の規準違反であるとか、工事規準以前の技術的常識を逸脱しているとし、このため製造物責任や瑕疵担保責任に問われる可能性があるなどと記述した書面を配布又は送付しましたが、これは当社の誤った認識によるものでした。
当社は、ここに前記書面による記述を撤回するとともに、貴社の信用を害したことを謝罪します。
平成年月日東京都千代田区株式会社メーソン代表取締役A静岡県御殿場市タカムラ総業株式会社殿
裁判長裁判官 塚原朋一
裁判官 塩月秀平
裁判官 古城春実
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