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関連ワード 周知表示混同惹起行為(2条1項1号) /  周知性 /  広く認識 /  登録商標 /  需要者 /  商品等表示 /  出所識別機能 /  出所表示性(出所表示) /  品質保証機能 /  類似性(類似) /  混同のおそれ(混同) /  表示の使用 /  一般名称(一般的名称) /  差止請求(差止) /  ただ乗り(フリーライド) /  侵害 /  代理人 /  混同のおそれ(混同) /  品質等誤認表示(誤認) / 
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事件 平成 14年 (ワ) 10309号 不正競争防止法に基づく名称使用禁止請求事件
原告 株式会社白寿生科学研究所
訴訟代理人弁護士 下山博造
同 石川道夫
同 石井光穂
被告 有限会社メディカルプラザ
訴訟代理人弁護士 岡田康夫
同 廣政 純一郎
同 宮下 幾久子
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 2003/03/20
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
被告は「ヘルストロン」との名称を使用してはならない。
事案の概要
1 本件は、後記2(2)記載の商標権を有し、「ヘルストロン」という名称の電位治療器(以下「原告商品」という。)の製造販売を行っている原告が、「ヘルストロン」という表示を付した広告を行って中古の原告商品を販売している被告に対して、商標法2条3項8号36条1項37条1号又は不正競争防止法2条1項1号3条1項に基づき、「ヘルストロン」という名称の使用差止めを請求した事案である。
2 基礎となる事実 (1) 原告は、医療用具及び健康機器の製造、販売、修理を業とする株式会社であり、原告商品を製造販売している。
被告は、平成14年7月4日に設立された、中古医療用具及び中古健康機器の販売を業とする有限会社であり、各地の展示会場等で、中古の原告商品を販売している。
(当事者間に争いがない。) (2) 原告は、次の商標権(以下「本件商標権」といい、その登録商標を「本件登録商標」という。)を有している。
登録番号 第683757号 出願年月日 昭和39年5月21日(昭39-22484号) 出願公告年月日 昭和40年4月12日(昭40-8579号) 登録年月日 昭和40年8月16日 商品の区分 第10類 指定商品 医療機械器具、その他本類に属する商品 登録商標 別紙1(登録商標目録)記載のとおり (当事者間に争いがない。) (3) 原告商品は、本件登録商標の指定商品である「医療機械器具」に該当する。
(甲第2、第3号証) (4) 被告は、中古の原告商品の販売のために、新聞、インターネットなどに、
「ヘルストロン」の表示を付した広告を掲載している。
(当事者間に争いがない。) (5) 本件登録商標は、片仮名の太字で「ヘルストロン」の文字を横書きにして成るものであり、一方、被告が広告に付した「ヘルストロン」の表示は、いずれも片仮名の「ヘルストロン」の文字を横書きにして成り、一部は文字の周囲に縁取りをしたものであるから(甲第84、第85号証、第87ないし第89号証、第91ないし第93号証)、本件登録商標と同一又は少なくとも類似する。
3 争点 (1) 商標権侵害 被告が、中古の原告商品の販売のために、新聞、インターネットなどに「ヘルストロン」の表示を付した広告を掲載することは、商標法2条3項8号37条1号に該当し、本件商標権を侵害するか。
(2) 不正競争防止法2条1項1号 ア 「ヘルストロン」の表示は、原告の商品等表示として周知か。
イ 被告が中古の原告商品の販売のために、新聞、インターネットなどに「ヘルストロン」の表示を付した広告を掲載することは、被告と原告の間に密接なつながりがあるのではないかと誤信させ、混同を生じるか。
争点に関する当事者の主張
1 争点(1)(商標権侵害)について (1) 原告の主張 被告は、商品の販売のためではなく、専ら集客手段として「ヘルストロン」の表示を利用しており、被告の販売している原告商品は、品質が不明な中古機であるから、被告による「ヘルストロン」の表示の使用は、本件登録商標品質保証機能を害する。
真正品の販売に伴って行われる広告が商標法違反とならないのは、登録商標出所表示機能及び品質保証機能が害されない場合に限られるから、その広告は、商標の付された商品を販売する行為にのみ限定される。
したがって、被告が、中古の原告商品の販売のために、新聞、インターネットなどに「ヘルストロン」の表示を付した広告を掲載することは、商標法2条3項8号37条1号に該当し、本件商標権を侵害する。
(2) 被告の主張 被告は、実際に中古の原告商品を販売しており、単なる集客手段として「ヘルストロン」の表示を利用しているものではないし、被告は3年間の品質保証をして中古品を販売しており、未だ消費者とのトラブルは1件もないから、商標の品質保証機能を害することはない。
原告の商標権は、原告が対価を得て原告商品を販売したときに消尽したものと解すべきであり、その後の販売や、販売のために登録商標と同一又は類似の標章を使用する行為は、商標権の侵害とはならない。
被告は、中古の原告商品を、中古品と明示して販売しているから、商品の出所混同を招くおそれがなく、登録商標出所識別機能を害することはない。
2 争点(2)(不正競争防止法2条1項1号)ア(周知性)について (1) 原告の主張 別紙2(周知性の基礎事実)のような営業活動及び宣伝活動により、「ヘルストロン」の表示は、需要者の間で、原告の商品等表示として広く認識されている。
(2) 被告の主張 原告主張の事実は不知であり、主張は争う。
3 争点(2)イ(混同)について (1) 原告の主張 被告は、電位治療器という一般名称が存在するにもかかわらず、殊更に、
原告商品の名称であり登録商標と同一である「ヘルストロン」の名称を大々的に目立つような態様で使用しており、これは、商品販売のために商品の名称又は製造者を表示するものではなく、「ヘルストロン」の名称を、販売活動の宣伝用の集客手段として使用するものである。
このような被告の行為は、需要者に、被告が原告の正規代理店又は原告と特別な関係を有する販売業者であるかのように誤認させるものであり、原告が長年にわたる営業宣伝活動の中で培ってきた信頼や信用にただ乗りするものであって、
不正競争防止法2条1項1号の不正競争に該当する。
(2) 被告の主張 被告は、原告商品だけではなく、「ドクタートロン」、「パワーヘルス」など、他の中古品も取り扱っている中古品販売業者であり、しかも、被告がこれらの中古品を、不要品を買い取る方式で調達していることは、買取広告を出していることからも明らかである。
したがって、需要者において、被告が原告の正規代理店又は原告と特別な関係を有する販売業者であると誤認するおそれはない。
当裁判所の判断
1 争点(1)(商標権侵害)について (1) 甲第84、第85号証、第87ないし第89号証、第91ないし第93号証によれば、被告が、中古の原告商品の販売のために新聞、インターネットなどに掲載した広告は、「中古」又は「中古品」の文字が記載されており、その態様からして、それを見た者は、販売されている原告商品が中古品である旨を認識し、したがって、広告主である被告が、原告を出所とする中古の原告商品を販売していることを認識するものであって、広告主である被告が原告商品の出所であると認識することはないものと認められる。
(2) そうすると、被告がこのような広告を行うことは、形式的には、本件登録商標の指定商品に関する広告に本件登録商標と同一又は類似の標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はそのような広告を内容とする情報に本件登録商標と同一又は類似の標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法2条3項8号37条1号)に該当するが、商品の出所混同を招くおそれがなく、登録商標出所表示機能を害することがないから、実質的違法性を欠くものというべきである。
したがって、被告が、中古の原告商品の販売のために、新聞、インターネットなどに「ヘルストロン」の表示を付した広告を掲載していることは、商標法との関係では違法ではないというべきである。
2 争点(2)(不正競争防止法2条1項1号)ア(周知性)について 甲第2ないし第82号証及び弁論の全趣旨によれば、別紙2(周知性の基礎事実)記載の事実が認められ、「ヘルストロン」の表示は、原告の商品等表示として周知であることが認められる。
3 争点(2)イ(混同)について 被告が、中古の原告商品の販売のために新聞、インターネットなどに掲載した広告は、前記1(1)のとおりであり、中古品の販売業者と新品の製造販売業者の間に資金又は組織などの密接なつながりがあるのが通常であるとする根拠はないから、上記広告は、被告と原告の間にそのような密接なつながりがあると誤信させるものとは認められない。
したがって、被告が中古の原告商品の販売のために、新聞、インターネットなどに「ヘルストロン」の表示を付した広告を掲載していることは、被告と原告の間に密接なつながりがあるのではないかと誤信させることはなく、混同を生じることはないというべきである。
4 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却する。
追加
別紙1登録商標目録別紙2周知性の基礎事実(1)原告商品は、昭和38年、家庭用及び理学診療用機器として、頭痛・肩こり・慢性便秘・不眠症の効能効果を有するものとして厚生大臣の製造承認を受け、その後も部分的な改良を加えつつ、製造承認を得ている。
(2)原告は、全国に6箇所の支店、4箇所の統括営業所、18箇所の営業所、4箇所の出張所、4箇所の工場を有し、全国的に営業を行っている。
(3)原告商品は、平成9年6月30日当時、全国約60万世帯の家庭、2175箇所の福祉施設、1351箇所の治療院、90箇所の病院施設に設置され、使用されている。
(4)原告の販売店は、「ハクジュプラザ」の名称を使用しており、全国509箇所にあり、388箇所の直営店、121箇所の販売代理店で構成されている。原告商品の販売方法は、販売店の無料体験コーナーで約3か月ないし1年間無料体験してもらい、原告商品の効能効果の納得を得た上で販売する方法を採っている。
(5)原告の販売店においては、来所者にパンフレットを配付している。
原告は、原告の販売店を利用している顧客を対象として、平成7年ごろから「ハクジュプラザ友の会」を運営しており、会員数は、平成14年2月現在で、ユーザー会員が7万0494人、ファミリー会員が12万5297人に上っており、
これらの会員には、年4回、機関誌「ヘルシーメイツ」を送付している。「ヘルシーメイツ」は、現在、通巻82号となっている。
(6)原告は、テレビコマーシャル、雑誌広告、新聞広告、ホームページ、相撲の懸賞広告、立て看板などの宣伝広告も継続して実施している。
(7)原告の平成3年7月1日から平成13年3月31日までの宣伝広告費は、別紙3(宣伝広告費一覧表)記載のとおりであり、年間平均2億2779万8817円を支出し、売上高に対する比率は平均1.83%である。
(8)原告は、現在でも、家庭用医療機器市場において、約4割のシェアを有している。
別紙3
裁判長裁判官 小松一雄
裁判官 中平健
裁判官 前田郁勝
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