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関連審決 審判1996-2011
この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
平成17ワ10073損害賠償請求事件 判例 不正競争防止法
平成12ワ11657損害賠償等請求事件 判例 不正競争防止法
平成14ワ1943営業誹謗行為差止等請求事件 判例 不正競争防止法
平成17ラ10006不正競争仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件 判例 不正競争防止法
平成17ワ3056損害賠償等請求事件 判例 不正競争防止法
関連ワード 他人の営業 /  差止請求(差止) /  侵害 /  代理人 /  営業秘密 /  品質誤認惹起表示(2条1項13号) /  競争関係 /  虚偽の事実 /  損害賠償 /  営業上の信用 / 
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事件 平成 13年 (ネ) 5555号 不正競争による損害賠償等請求控訴事件
控訴人 同和鑛業株式会社
訴訟代理人弁護士 近藤惠嗣
被控訴人 バイエル・アクチエンゲゼルシャフト
訴訟代理人弁護士 花岡巌
同 阿部正幸
補佐人弁理士 小田島 平吉
同 江角洋治
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2002/08/29
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 当審における訴訟費用は,控訴人の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 控訴人 (1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は,控訴人に対し,650万円及びこれに対する平成12年7月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3) 被控訴人は,控訴人に対し,全国において発行される日本経済新聞に,縦2段,横9センチメートル以上の大きさで,別紙「謝罪広告」記載の広告を掲載せよ。
(4) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
2 被控訴人 主文と同旨
事案の概要
控訴人は,磁気信号記録用金属粉末の製造・販売等を事業目的とする株式会社であり,被控訴人は,ドイツに本拠を置く世界有数の化学企業である。本件は,被控訴人が,平成6年3月17日付け書簡(以下「本件書簡」という。)によって,控訴人の取引先である訴外ソニー株式会社(以下「ソニー」という。)に対し,控訴人の製造・販売する磁気信号記録用金属粉末(以下「控訴人製品」という。)が被控訴人の有する日本国第1733787号特許(以下「本件特許」という。)を侵害すると考える旨を告知したこと(以下「本件告知」という。)は,競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布する行為(不正競争防止法2条1項13号)に当たる,仮に,上記行為が不正競争行為に当たらないとしても,不法行為(民法709条)に当たるとして,控訴人が,被控訴人に対し,不正競争防止法4条あるいは民法709条に基づき損害賠償を求めるとともに,不正競争防止法7条あるいは民法723条に基づき謝罪広告の掲載を求めている事案である(不法行為に当たるとの予備的主張は,当審において追加されたものである。)。
当事者の主張は,次のとおり付加するほか,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」欄記載のとおりであるから,これを引用する(以下,「近藤弁護士」との語を,原判決の用法に従って用いる。)。
1 控訴人の当審における主張の要点 (1) 不正競争行為 (ア) 注意義務違反 原判決は,「特許権者が競業者の取引先に対して行う前記告知は,競業者の取引先に対して特許権に基づく権利を真に行使することを前提として,権利行使の一環として警告行為を行ったのであれば,当該告知は知的財産権の行使として正当な行為というべきであるが,外形的に権利行使の形式をとっていても,その実質がむしろ競業者の取引先に対する信用を毀損し,当該取引先との取引ないし市場での競争において優位に立つことを目的としてされたものであるときには,当該告知の内容が結果的に虚偽であれば,不正競争行為として特許権者は責任を負うべきものと解するのが相当である。そして,当該告知が,真に権利行使の一環としてされたものか,それとも競業者の営業上の信用を毀損し市場での競争において優位に立つことを目的としてされたものかは,当該告知文書等の形式・文面のみによって決すべきものではなく,当該告知に先立つ経緯,告知文書等の配布時期・期間,配布先の数・範囲,告知文書等の配布先である取引先の業種・事業内容,事業規模,競業者との関係・取引態様,当該侵害被疑製品への関与の態様,特許侵害争訟への対応能力,告知文書等の配布への当該取引先の対応,その後の特許権者及び当該取引先の行動等,諸般の事情を総合して判断するのが相当である。」(原判決10頁9行〜24行)と判断した。
原判決の上記判断の前段は正しい。しかし,後段については,問題がある。現に,特許権者が,競業者の取引先に対し,特許権を侵害しない製品について,侵害であるとの虚偽の事実を告知して,競業者に損害を与えている以上,当該告知に至るまでに,特許権者として,対象製品について必要な調査,分析等をすべき注意義務を果たしたといえるかどうかも,検討すべきである。原判決は,被控訴人が本件告知をする前にこのような注意義務を十分に果たしたかどうかを検討しておらず,そのために誤った結論を導いている。すなわち,次のとおりである。
近藤弁護士が,被控訴人に対する平成5年9月27日付けの書簡において,被控訴人が提示した写真自体においても,非侵害の根拠となる空孔が示されていると反論したのに対し,被控訴人は,この反論に正面から答えず,答えをはぐらかしている(この指摘は,東京地方裁判所平成8年(ワ)第2803号特許権に基づく差止請求権等不存在確認請求事件の東京地裁判決(以下「本件地裁判決」という。)が「電子顕微鏡写真(倍率12万倍)においては,金属粉末粒子中に微細な白点が多数観察でき,これらが「孔」に該当すると認める余地も十分にある。」(甲20・37頁3行〜5行)と指摘したことと軌を一にしており,正当な指摘である。)。また,近藤弁護士が,被控訴人に対する平成5年11月10日付けの書簡において,本件特許において,ある顔料が孔やコアを含むかどうかを決定するための基準について質問をしているのに対し,被控訴人は,平成5年11月19日付けの書簡において,「特許請求の範囲は明細書に基づいて解釈されなければならない」という抽象論を述べるばかりで,この質問に直接答えることをしていない(この質問は,東京高等裁判所平成9年(行ケ)第320号審決取消請求事件の東京高裁判決(以下「本件高裁判決」という。)が「本件明細書の発明の詳細な説明の欄には,「金属コア」に関して,当業者が容易にその実施をすることができる程度には本件発明の構成が記載されていないといわざるを得ない。」(甲21・29頁末行〜30頁3行),「本件明細書の発明の詳細な説明の欄には,「孔」に関して,当業者が容易にその実施をすることができる程度には本件発明の構成が記載されていないといわざるを得ない。」(同31頁10行〜13行)と認定していることと軌を一にしており,的を射た質問である。)。被控訴人のこれらの対応は,被控訴人が,本件告知前に,特許権者として前記注意義務を果たしていなかったことを示すものである。
また,被控訴人は,1985年にソニーに採用された控訴人製品が,1981年9月に発行された米国特許第4290799号(本件特許に対応するもの。以下「本件米国特許」という。)を侵害するものではないことを知っていた。
しかし,1985年当時の控訴人製品は,DS-18又はDS-18Sであり,その後,DS196又はDS-196Sと呼ばれる製品が加わっているものの,控訴人製品の特性は,1985年以来変わっていない。そうである以上,被控訴人は,1985年当時の見解と異なる見解に達した理由を明らかにすべきであるのに,この点の理由が明確にされていない。
以上の経緯からすれば,被控訴人は,本件告知の時点において,控訴人製品が本件特許を侵害しているとの結論について,確たる根拠を持っていなかったことが明らかであり,そうである以上,控訴人製品が本件特許を侵害しているか否かについて必要な調査,分析等を更にすべきであったのである。そして,通常人の注意を払ってこれを行えば,本件告知を行う前に,本件告知の内容が虚偽であることを容易に認識できたはずである。したがって,本件告知は,仮に,被控訴人がソニーに対し本件特許を行使する意図を有していたとしても,控訴人に対する関係において,必要な調査,分析等をすべき義務を果たさないままになされたものとして,違法となることを免れない,というべきである。
(イ) 米国での訴訟提起の意味 原判決は,被控訴人が米国でソニーの子会社及びソニーに対し訴訟を提起したことを根拠に,本件告知は,「真にソニーに対して本件特許等の権利を行使することを前提として,訴訟提起に先立って直接の交渉を持つために行ったものと認めるのが相当である。」(原判決11頁13行〜15行)と認定した。
しかし,この認定は,米国で訴訟が提起されたことを過度に重視するものである。米国のディスカバリー制度は,多大な時間と費用を要し,いやがらせや和解等を強要するための訴訟戦術として利用される等の弊害があることは,我が国でも周知となっている事柄である。そして,本件における被控訴人の意図が,正にいやがらせによる和解の強要にあったことは,被控訴人が,米国における訴状の送達前においても,和解金の支払いを迫るだけで,侵害の証拠を明示しなかったことと,被控訴人の平成5年12月21日付けの近藤弁護士あての書簡における「米国における特許権者の強い地位,並びに審理前ディスカバリィ手続の利点のため,我々は,まず同和の米国における顧客に通知することにしました。」(甲12)との記載から垣間見ることができる。
以上のとおりであるから,米国で訴訟が係属したことは,被控訴人による本件告知が正当な権利行使の一環であることを認める理由とは,何らならないのである。
(ウ) 牛歩戦術との非難(権利行使に必要な限度を超えた事実の告知) 本件書簡には,ソニーに対する本件特許の行使に必要な限度を超えて控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実が記載されている。すなわち,被控訴人は,本件書簡の第4段落において,控訴人が明白な侵害を否定して牛歩戦術を行ったと述べている。しかし,控訴人が行ったことは,上述のとおり,正当な疑問の提起である。誠実な交渉を拒否したのは,被控訴人の方である。それにもかかわらず,上記のように一方的に控訴人の対応を非難することは,それ自体も,控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実の告知に該当する,というべきである。仮に,被控訴人がソニーに対する権利行使の意図を有していたとしても,本件書簡には,このように,その権利行使に必要な限度を超えて,控訴人の営業上の信用を害する事項が記載されているのであるから,本件告知の違法性が阻却されることはあり得ないのである。
(エ) 本件米国特許の非侵害の立証の不要性 原判決は,米国における訴訟が終了していないことを理由に,「米国特許の侵害の点についての本件書簡の記載は,現時点においては,いまだこれを虚偽の事実ということはできない。したがって,この点からも,本件書簡の送付をもって,直ちに不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に該当するということはできない。」(原判決12頁6行〜10行)と認定した。しかし,本件告知が本件特許(日本特許)に関して虚偽であったことは明らかな事実である。したがって,控訴人は,本件米国特許についてまで,虚偽の主張立証責任を負うものではない。
(2) 不法行為 仮に,被控訴人の本件書簡の送付行為が不正競争防止法における不正競争行為に該当しないとしても,被控訴人の同送付行為が違法であり,控訴人の営業上の信用を害するものである以上,不法行為(民法709条)に該当することは明らかである。
2 被控訴人らの当審における反論の要点 (1) 不正競争行為について (ア) 注意義務違反について 被控訴人は,控訴人製品を分析した上で,本件特許を侵害すると判断し,本件書簡をソニーに送付しているのであり,特許権者としての注意義務に違反していないことは明らかである。
(イ) 米国での訴訟提起の意味について 米国の裁判所は,被控訴人及びソニー及びその子会社の意見を聴取し,被控訴人のディスカバリーの手続の申立てが適切か否かを判断した上で,その申立の大部分を認めているのであり,米国における手続に何の問題もない。
米国の連邦民事訴訟法は,訴え提起から120日の期間を,訴状送達の猶予期間として認めており,この間に当事者間で和解交渉をすることはよくあることである。
被控訴人は,控訴人製品を写した多数の電子顕微鏡写真を控訴人に交付している。被控訴人が最初から侵害の証拠を有していなかったとする控訴人の主張は誤りである。 (ウ) 牛歩戦術との非難について 被控訴人は,控訴人との交渉の経過において,控訴人の求めに応じて,控訴人製品の化学的分析結果とその分析方法を示し,また,控訴人製品を使用した磁気テープ中の金属粉末の電子顕微鏡写真を示し,控訴人製品が本件特許を侵害していることを立証する具体的な根拠を示した。これに対し,控訴人は,ただ,侵害の事実を否認し,本件特許の解釈について釈明を求めるだけで,自ら控訴人製品の具体的な分析データやサンプルを示す等の問題解決のための積極的な姿勢を示すことはなかった。このように具体的な資料の開示をしないことにみられるように,技術論争を避けたのは控訴人の方である。被控訴人はこの事態を打開すべく本件書簡をソニーに送付したのであって,本件書簡の第4段落の記載に違法性はない。
(エ) 本件米国特許の非侵害の立証の不要性について 本件書簡中の本件米国特許に関する記載は,本件米国特許についての司法判断が下されていない段階では,未だ虚偽とはいえない。
(2) 不法行為について 特許権を行使する前提としての本件書簡の送付行為について,不正競争行為には該当しないにもかかわらず,一般不法行為には該当する,ということはあり得ない。
当裁判所の判断
当裁判所は,控訴人の主張は当審において追加されたものも含めていずれも理由がなく,控訴人の請求は理由がない,と判断する。その理由は,以下のとおりである。
1 不正競争防止法2条1項13号は,「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布する行為」を不正競争行為の一類型として規定する。この規定は,競争関係にある者が,虚偽の事実を挙げて,競業者にとって重要な資産である営業上の信用を害することにより,競業者を不利な立場に置き,自ら競争上有利な地位に立とうとする行為が,不公正な競争行為の典型というべきものであることから,これを不正競争行為と定めて禁止したものである。
そうである以上,競業者に特許権等を侵害する行為があるとして,競業者の取引先等の第三者に対して警告を発し,あるいは競業者が特許権等を侵害している旨を広告宣伝する行為は,その後に,特許庁又は裁判所の判断により当該特許権等が無効であることが確定し,あるいは,競業者の行為が当該特許権等を侵害しないと判断された場合には,一応は,不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に該当するというべきである。
他方,特許権等を有する者が,特許権等を侵害すると疑われる者に対し,十分な調査及び法的検討を経た上で,特許権等侵害に基づく訴えを提起する場合に,その前に,文書等により,特許権等を侵害している旨の警告を発する行為は,特許権等の権利行使の一環としてなされる正当行為であり,許容されるものというべきである(一般には,訴訟に要する費用,労力等を考慮し,事前の話合いによる解決の可能性を考えると,いきなり訴えを提起するよりも,このような事前の警告等の手続を取るのが望ましいと考えられているところである。)。そして,特許法は,物の発明について,その物を生産する行為のみならず,その物を使用し,あるいは譲渡する行為等をも,発明の実施としているのであるから(特許法2条3項1号),特許権者は,その競業者が当該特許権を侵害する製品を製造し,これを譲渡している場合において,その譲受人が業として当該製品を使用し,あるいは再譲渡しているときには,競業者たる譲渡人のみならず,譲受人に対しても,その行為が特許権を侵害するものであるとして,当該譲受人に対し,事前に文書等により警告をした上で,特許権侵害訴訟を提起することは,同様に正当行為として許容されるものというべきである。
結局,競業者が特許権侵害を疑わせる製品を製造販売している場合において,特許権者が競業者の取引先に対して,競業者が製造し販売する当該製品が自己の特許権を侵害する旨を告知する行為は,後日,特許権の無効が審決等により確定し,あるいは,当該製品が侵害ではないことが判決により判断されたときには,競業者との関係で,その取引先に対する虚偽事実の告知に一応該当するものとなるものの,この場合においても,特許権者によるその告知行為が,その取引先自身に対する特許権等の正当な権利行使の一環としてなされたものであると認められる場合には,違法性が阻却されると解するのが相当である。
そこで,次に,特許権者による,このような告知行為が,どのような場合に,特許権等の権利行使の一環としてなされた正当行為として評価され,違法性が阻却されると解すべきかについて検討する。
最判昭和63年1月26日(民集42巻1号1頁)は,「民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において,右訴えの提起が相手方に対する違法な行為といえるのは,当該訴訟において提訴者の主張した権利又は法律関係が事実的,法律的根拠を欠くものであるうえ,提訴者が,そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である。けだし,訴えを提起する際に,提訴者において,自己の主張しようとする権利等の事実的,法律的根拠につき,高度の調査,検討が要請されるものと解するならば,裁判制度の自由な利用が著しく阻害される結果となり妥当でないからである。」と判示している。
この判決に示されたところが,民事訴訟の一類型である特許権侵害訴訟についても適用されるべきであることは,当然というべきである。したがって,特許権者が競業者の取引先に対して行う特許権侵害訴訟の提起は,当該取引先との関係では,特許権者が,事実的,法律的根拠を欠くことを知りながら,又は,特許権者として,特許権侵害訴訟を提起するために通常必要とされている事実調査及び法律的検討をすれば,事実的,法律的根拠を欠くことを容易に知り得たといえるのにあえて訴えを提起したなど,訴えの提起が特許権侵害訴訟という裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限って違法となるものと解すべきである。そして,特許権者が競業者の取引先に対する訴え提起の前提としてなす警告も,それ自体が競業者の営業上の信用を害する行為でもあることからすれば,訴え提起と同様に,特許権者が,事実的,法律的根拠を欠くことを知りながら,又は,特許権者として,特許権侵害訴訟を提起するために通常必要とされている事実調査及び法律的検討をすれば,事実的,法律的根拠を欠くことを容易に知り得たといえるのにあえて警告をなした場合には,競業者の営業上の信用を害する虚偽事実の告知又は流布として違法となると解すべきであるものの,そうでない場合には,このような警告行為は,特許権者による特許権等の正当な権利行使の一環としてなされたものというべきであり,正当行為として,違法性を阻却されるものと解すべきである。
競業者の取引先に対する前記告知行為が,特許権者の権利行使の一環としての外形をとりながらも,社会通念上必要と認められる範囲を超えた内容,態様となっている場合,すなわち,権利行使に名を借りているとはいえ,その実質が,むしろ,競業者の取引先に対する信用を毀損し,当該取引先との取引ないし市場での競争において優位に立つことを目的としてされたものであると認められる場合には,当該告知の内容が結果的に虚偽であれば,もはやこれを正当行為と認めることができないことは明らかであるから,不正競争行為となり,特許権者がこれに対して責任を負うべきことは当然である。そして,競業者の取引先に対する警告が,特許権の権利行使の一環としてされたものか,それとも特許権者の権利行使の一環としての外形をとりながらも,社会通念上必要と認められる範囲を超えた内容,態様となっているかどうかについては,当該警告文書等の形式・文面のみならず,当該警告に至るまでの競業者との交渉の経緯,警告文書等の配布時期・期間,配布先の数・範囲,警告文書等の配布先である取引先の業種・事業内容,事業規模,競業者との関係・取引態様,当該侵害被疑製品への関与の態様,特許侵害争訟への対応能力,警告文書等の配布への当該取引先の対応,その後の特許権者及び当該取引先の行動等の,諸般の事情を総合して判断するのが相当である。
2(1) 注意義務違反について 本件において,特許権者である被控訴人が,事実的,法律的根拠を欠くことを知りながら,又は,特許権者として,特許権侵害訴訟を提起するために通常必要とされている事実調査及び法律的検討をすれば,事実的,法律的根拠を欠くことを容易に知り得たといえるのに,あえてソニーに対し,本件告知をなしたかどうか,について検討する。
被控訴人は,本件特許に係る出願について,平成元年2月17日に出願公告,平成5年2月17日に特許権の登録を得たものであり,この間,控訴人製品については,X線蛍光分光法,磁気測定及び電子顕微鏡写真の評価を含む方法で分析した上で,控訴人製品が本件特許を侵害していると判断し,その上で,平成5年5月26日付けの書簡で,競業者である控訴人に対し,本件特許を侵害する旨の警告をしたものの,その後,控訴人との書簡による交渉が期待どおりに進展せず,膠着状態となったため,平成6年3月に,控訴人の取引先であり,控訴人製品を使用して磁気テープを製造販売しているソニーに対し,本件書簡により本件特許を侵害している旨の警告をしたものである(甲1の1・2,甲2,4,甲20)。
控訴人は,平成8年2月16日,被控訴人を相手方として,本件特許に基づく差止請求権等の不存在確認を求める訴えを東京地方裁判所に提起し(同裁判所平成8年(ワ)第2803号事件),同裁判所は,平成12年1月25日,ソニー・メタルMPビデオ8P6等に使用されている控訴人製品が,「孔」を平均1個より多くは含有しないと認めることはできず,本件特許を侵害するものではないこと等を判断内容とする本件地裁判決を言い渡した(甲20)。本件地裁判決に対しては,被控訴人が控訴したものの,平成12年11月21日,被控訴人の控訴取下により,同判決が確定した(弁論の全趣旨)。
控訴人は,本件特許につき無効審判を請求し,特許庁が「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をしたものの(平成8年審判第2011号事件),東京高等裁判所は,この審決の取消訴訟(東京高裁平成9年(行ケ)第320号事件)において,平成12年7月4日,本件特許の特許権請求の範囲の「該粒子は孔を平均1個より多くは含有せず」との構成等について,当業者が容易にその実施をすることができる程度に本件特許の構成が記載されていない,特許請求の範囲には,本件特許の「孔」を特定するために必要な事項が記載されておらず,したがって,特許請求の範囲には,発明の構成に欠くことができない事項が記載されていない,等を判断の内容として,特許庁の前記審決を取り消す旨の本件高裁判決(甲21)を言い渡し,同判決は,上告及び上告受理期間の経過により,同年8月17日に確定した(弁論の全趣旨)。
以上のとおり,本件特許の特許請求の範囲に構成要件として記載されている「孔」に関しては,控訴人が主張するように,その内容を明確に特定することができないことが,本件高裁判決により確認され,また,被控訴人による控訴人製品の分析の結果も,侵害を立証するものとしては十分なものではないことが,本件地裁判決により確認されている。
しかし,本件特許は,特許庁による審査及び出願公告後の異議等の手続を経て,特許権として登録されたものであり(甲2),また,本件特許に対応する外国特許も米国,ヨーロッパ,カナダ及びオーストラリアにおいてそれぞれ特許登録されているものであり(甲1の2),さらに,上記各判決も,それぞれ相当な審理期間を経た上で,各判決がなされているものである(甲20,21)。このような,本件特許が登録されるに至った経緯,対応する外国特許の存在,並びに,上記各判決の内容とその審理期間等からみても,特許権者である被控訴人が,特許権者として必要な法律的検討を経れば,本件特許について無効理由があることを容易に知り得たといえるものでないことは明らかというべきであり,また,被控訴人による控訴人製品の分析の結果も,裁判所において十分なものであるとは認められなかったとはいえ,特許権者である被控訴人が,必要な事実調査,法律的検討をすれば,事実的,法的根拠のないものであることを容易に知り得たものであったとまではいうことができない。
控訴人は,近藤弁護士が,平成5年9月27日付けの書簡において,被控訴人が提示した写真においても,非侵害の根拠となる空孔が示されていると反論したのに対し,被控訴人は,この反論に正面から答えず,答えをはぐらかした,と主張する。しかし,近藤弁護士は,被控訴人に対し,平成5年9月27日付け書簡において,@被控訴人が控訴人の顔料を分析したことを確認するための資料の開示,A電子顕微鏡写真の撮影条件の開示,B本件特許の特許請求の範囲の解釈を明確にすることを要求したのに対し(Bに関しては,被控訴人が提示した電子顕微鏡写真においても空孔が示されていると考えられる,との指摘が付されている。),被控訴人は,平成5年10月19日付け書面において,近藤弁護士に対し,@顔料はソニー等によって販売された磁気テープから分離したものであるとの事実を伝え,A電子顕微鏡写真の撮影条件を具体的に開示し,B日米欧の特許庁が本件特許の特許請求の範囲の解釈について困難を伴わずに特許を付与したものであるとの反論をするなどしているものである(甲7,8)。確かに,近藤弁護士の上記Bに関する指摘は,前記各判決において判断された部分と密接に関連するところである。しかし,被控訴人は,近藤弁護士の@,Aの指摘については誠実にこれに返答しているのであり,また,Bの指摘に対する,特許請求の範囲の解釈には困難を伴わない,との被控訴人の対応も,本件特許に対応する外国特許が,当時,米国,ヨーロッパ,カナダ及びオーストラリアで,それぞれの特許請求の範囲の記載に基づき,特許登録を認められていたことを考慮すると,このような場合に特許権者として考え得る通常の対応の範囲内のものということができる。したがって,被控訴人のこの時点における上記対応について,特に不自然な点は見られないというべきであるから,控訴人の指摘したところに直接答えなかったことをもって,被控訴人が,この時点で,控訴人製品が本件特許を侵害するものではないことを知っていたとか,あるいは,これを容易に知り得た状況であったものとまでいうことはできない。
控訴人は,近藤弁護士が,被控訴人に対し,平成5年11月10日付けの書簡において,本件特許において,ある顔料が孔やコアを含むかどうかを決定するための基準について質問をしているのに対し,被控訴人は,平成5年11月19日の書簡において,「特許請求の範囲は明細書に基づいて解釈されなければならない」という抽象論を述べるばかりで,この質問に直接答えていない,と主張する。
確かに,証拠(甲9,10)によれば,近藤弁護士と被控訴人との間でほぼこのような書簡のやりとりがなされているものと認められる。しかし,交渉全体の経過からみれば,近藤弁護士は,この時点においても,上記のような質問をしただけであり,本件特許の「孔」について,控訴人側の明確な見解を積極的に述べていたわけでもないのであるから,被控訴人が上記の質問に対し直接答えなかったとしても,その対応が特段不自然なものであったとみることはできず,これらの交渉経緯からすれば,控訴人主張の上記事実も,被控訴人が,この時点で,控訴人製品が本件特許を侵害するものではないことを知っていたとか,あるいは,これを容易に知り得る状況であったとかする根拠にはなり得ないというべきである。
被控訴人は,1985年にソニーに採用された控訴人製品が,1981年9月に発行された本件米国特許を侵害するものではないことを知っていた,しかし,1985年当時の控訴人製品は,DS-18又はDS-18Sであり,その後,DS196又はDS-196Sと呼ばれる製品が加わっているものの,控訴人製品の特性は,1985年以来変わっていない,そうである以上,被控訴人は,1985年当時の見解と異なる見解に達した理由を明らかにすべきであるのに,この点の理由が明確にされていない,と主張する。確かに,証拠(甲26,弁論の全趣旨)によれば,被控訴人は,1985年当時のソニーの磁気テープに含まれていた控訴人製品については,その電子顕微鏡写真から,本件米国特許の侵害はないと判断していたことが推認される。しかし,控訴人は,控訴人製品の特性は,1985年以来変わっていないと主張するものの,被控訴人の方では,控訴人製品の品質が1980年代と1990年代とで変更されているかどうかについては何の情報も有していないのが通常である。また,被控訴人は,1990年代に入って,ソニーの磁気テープに使用されている控訴人製品を分析した結果,控訴人製品が本件米国特許を侵害しているとの判断に至り,控訴人との交渉を経た後に,本件告知に至ったものであることは前記認定のとおりである。1980年代の控訴人製品と1990年代の控訴人製品の分析結果が,分析方法及び電子顕微鏡写真の撮影条件等により,異なった結果であったため,被控訴人が異なる判断に至ったものであるのか,控訴人製品の品質が変更されていたのか,その詳細は不明であるものの,少なくとも,被控訴人が1985年当時のソニーの磁気テープに含まれていた控訴人製品については侵害はないと判断していたことから,直ちに,被控訴人が,本件告知の時点で,控訴人製品が本件特許を侵害するものではないことを知っていたとか,あるいは,これを容易に知り得る状況であったとまで認めることはできない。
(2) 本件告知に至る経緯,その内容,態様等について 本件において,被控訴人の競業者の取引先であるソニーに対する本件告知が,特許権者の権利行使の一環としての外形をとりながらも,社会通念上必要と認められる範囲を超えた内容,態様となっているかどうかについては,当裁判所も,原判決の10頁下から2行ないし11頁15行と同様の理由により,控訴人の主張は理由がないものと判断する。すなわち,@被控訴人は,当初,控訴人製品をソニーに対し製造販売していた控訴人との交渉を行い,相当な期間をかけて,文書により,控訴人製品が侵害であることの根拠となる資料を示すなどして,和解による解決のための交渉を行ったものの,最終的に交渉が進展せず,膠着状態となったことから,ソニーに本件書簡を送付したものであること,A本件書簡等のソニーあての書簡において,被控訴人は,本件特許及び対応外国特許の内容を示した上で,ソニー自身の行為が特許権侵害に該当するので,自身の行為についての対応として自らの判断により交渉に応じてほしい旨を繰り返し述べていること,Bソニーは控訴人製品を用いて磁気テープを自ら製造販売しているのであって,単に侵害被疑製品の流通に関わるか又はこれを使用するかするだけの者とは異なること,Cソニーは,世界有数の大企業であり,高度の技術陣を擁し,特許権侵害訴訟に対処する能力・経験を十分に有すること,Dソニーは,被控訴人あての書簡(乙8)において,特許侵害の有無について被控訴人と直接議論しないことによる自身の危険を十分に承知していると述べていること,E現に,被控訴人は,ソニー・エレクトロニクス・インク社及びソニーを相手として,米国において訴訟を提起していること,といった事情が存在するものであって,これらの事情に照らせば,被控訴人がソニーに対して本件書簡を始めとする一連の書簡を送付したのは,ソニーに対して本件特許等の権利を行使することを前提として,社会通念上必要と認められる範囲の内容,態様で,訴訟提起に先立って直接の交渉を行うために行ったものと認めるのが相当である。
したがって,被控訴人がソニーに本件書簡等を送付した行為は,本件特許又は本件米国特許の権利行使の一環としてなされた正当行為と評価すべきものであって,特許権者の権利行使の一環としての外形をとりながらも,社会通念上必要と認められる範囲を超えた内容,態様となっている行為とみることはできず,結局のところ,不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に該当するということはできない。
控訴人は,米国のディスカバリー制度が多大な時間と費用を要し,いやがらせや和解等を強要するための訴訟戦術として利用される等の弊害があり,本件における被控訴人の意図が,まさにいやがらせによる和解の強要にあった,と主張する。しかし,本件米国特許の侵害の問題について,米国の訴訟制度を利用することは当然であり,これをもって被控訴人が和解を強要したとする控訴人の主張は,失当である。また,控訴人は,被控訴人が米国における訴訟において,訴状の送達の前に和解金の支払を迫るだけで,侵害の証拠を明示しなかったことを,和解強要の根拠として主張するけれども,民事紛争においては,手続のどの段階において和解の可能性を探るかについては訴訟当事者の自由な判断に委ねられているのであるから,被控訴人が米国において,訴状の送達前に和解の可能性を打診したことをもって,控訴人の主張するような,いやがらせによる和解の強要に該当するものということもできない。控訴人が引用する甲12の書簡も,単に,米国における訴訟手続を利用することを述べただけであり,控訴人の主張の根拠となるものではあり得ない。
(3) 牛歩戦術との非難について 控訴人は,本件書簡の第4段落において,控訴人が侵害を否定して牛歩戦術を行ったと記載したことが,ソニーに対する本件特許の行使に必要な限度を超えた記載であり,控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実の告知に該当する,と主張する。
本件書簡の第4段落の記載は,「同和は,…今のところ友好的な解決に向かうための提案を出さず,代わりに解決を避けるための牛歩戦術(原文 delaying tactics)を行っています。」というものである(甲1の1)。本件書簡におけるこの記載は,ソニーによる磁気テープの販売が,被控訴人の本件特許を侵害するものである,との第3段落における被控訴人の見解表明に続く第4段落中にあり,本件のような場合には顔料(控訴人製品)の製造者である控訴人と連絡を取り,解決するのが被控訴人の通常の方針であることを述べた上,それにもかかわらず,ソニーと連絡を取ることにしたのは,本件では控訴人と交渉して解決することが不可能であるためであるとして,その理由を述べる部分の一部としてなされたものである。
控訴人と被控訴人との間の本件特許侵害の有無についての交渉は,平成5年5月から平成6年3月までの間において多数回にわたり書簡のやりとりがなされたものの,途中からは交渉が進展しなくなり,膠着した状態となったことは証拠(甲2ないし19)から明らかである。この状態をどのようにとらえるかは,立場によって異なり得る。特許権者である被控訴人の側から見れば,被控訴人は,控訴人製品についての電子顕微鏡写真等の証拠を開示しているのに対し,控訴人の方からは,積極的な反論及び反証がなされなかったため,交渉が行き詰まった,ととらえることが十分に可能である。控訴人の側から見れば,控訴人製品等のサンプルを積極的に開示し,反論等することは,控訴人の営業秘密を開示することになり,安易にできることではなく,また,被控訴人が本件特許についての明示的な解釈及び控訴人製品について分析した適切な証拠を示さなかったことが,交渉が膠着状態となった主たる原因である,ととらえることが十分に可能である。
このように,被控訴人の本件書簡における「牛歩戦術(delaying tactics)」との表現は,被控訴人からみた控訴人の交渉態度ないしは戦術についての評価を含むものであって,そのような評価自体が不適切であるかどうかについては,それぞれの立場の違いがあり,一概にはいえない面があること,この表現は,被控訴人がソニーを相手方として本件特許を行使するに至った経緯及び理由を示すために記載されたものであり,本件米国特許に基づく訴えを提起する前に,この権利行使の一環としてなされたソニーに対する警告行為に付随して記載されたものにすぎないことからすれば,前記のとおり,正当行為と認め得るソニーに対する警告行為に一体として含まれるものと解するのが相当であり,仮に,表現自体として不相当な要素があるとすることが許されるとしても,本件特許の権利行使に必要な限度を超えてなされた,控訴人の営業上の信用を害する虚偽の事実であるとすることまでは,許されないというべきである。
(4) 本件米国特許の非侵害の立証の不要性について 控訴人は,本訴において,被控訴人が,ソニーに対し,本件書簡を送付し,ソニーが控訴人製品を使用して磁気テープを製造販売する行為は,被控訴人の本件特許(日本特許)を侵害するものである,と警告した行為が,不正競争防止法2条1項13号に該当する,と主張しているのであり,本件書簡中の,ソニーによる磁気テープの製造販売行為が被控訴人の本件米国特許を侵害するとの本件書簡中の記載部分については,本訴において不正競争行為であるとは主張していない(この記載部分は本訴の請求原因に含まれていない)ことは,記録上明らかである。したがって,ソニーの子会社による磁気テープの製造販売行為が,被控訴人が有する本件米国特許を侵害するかどうかを,本訴における判断の対象とする必要はないというべきである。控訴人の指摘するところは,この限りにおいて正当である。しかし,原判決も,この点は予備的に判示しているものにすぎないのであるから,この点についての控訴人の指摘は,原判決の結論には影響しないことが明らかである。
3 不法行為について 控訴人は,本件書簡の送付行為が不正競争防止法における不正競争行為に該当しないとしても,被控訴人の同行為が違法であり,控訴人の営業上の信用を害するものである以上,不法行為(民法709条)に該当する,と主張する。しかし,本件書簡の送付行為は,被控訴人の本件特許の権利行使の一環としてなされたものであり,その結果として,控訴人の営業上の信用を害するに至ったとはいえ,正当行為として,その違法性が阻却されるものであることは,上記説示のとおりである。このように,被控訴人による本件書簡の送付行為を違法なものであるとすることができない以上,同行為について不法行為が成立する余地はない,という以外にない。
4 以上のとおりであるから,控訴人の主張は,当審において追加されたものも含め,いずれも理由がない。控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がない。そこで,本件控訴を棄却することとし,当審における訴訟費用の負担につき民事訴訟法67条,61条を適用して,主文のとおり判決する。
追加
(別紙「謝罪広告」)謹告弊社は,1994年3月17日付けのソニー株式会社宛の書簡において,同和鑛業株式会社の製造販売する磁気信号記録用金属粉末が特許第1733787号を侵害する旨告知致しましたが,この告知は事実に反することが判明致しました。ここに,弊社は,右告知を撤回し,右告知により,同和鑛業株式会社にご迷惑をお掛け致しましたことを陳謝致します。
****年*月*日ドイツ連邦共和国レーフェルクーゼンバイエル・アクチェンゲゼルシャフト
裁判長裁判官 山下和明
裁判官 設樂隆一
裁判官 高瀬順久
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