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関連ワード 信義則 /  他人の商品 /  類似性(類似) /  印象 /  記憶 /  先使用 /  商品の形態(商品形態) /  模倣 /  意匠出願 /  意匠登録 /  差止請求(差止) /  利益額(利益の額) /  権利濫用(権利の濫用) /  デザイン /  ただ乗り(フリーライド) /  侵害 /  代理人 /  代表者 /  正当な理由 /  商品形態模倣行為(2条1項3号) /  損害賠償 /  損害額 /  推定 /  販売数量 / 
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事件 平成 11年 (ワ) 7300号 不正競争行為差止請求事件
平成 12年 (ワ) 7670号 売掛金等請求事件
平成 12年 (ワ) 23050号 損害賠償請求事件
甲事件原告(乙・丙事件被告) 株式会社ソシエテアペックス
訴訟代理人弁護士 小南明也甲事件被告(乙事件原告) 株式会社パール無線
訴訟代理人弁護士 小村享
同 内藤満
同 増田利昭丙事件原告 D
訴訟代理人弁護士 増田利昭
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2001/08/30
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 甲事件原告(乙・丙事件被告)株式会社ソシエテアペックスは,甲事件被告(乙事件原告)株式会社パール無線に対し,1020万0034円及びこれに対する平成10年8月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
2 甲事件被告(乙事件原告)株式会社パール無線のその余の請求並びに甲事件原告(乙・丙事件被告)株式会社ソシエテアペックス及び丙事件原告Dの請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,全事件を通じて,これを11分し,その6を甲事件原告(乙・丙事件被告)株式会社ソシエテアペックスの,その4を甲事件被告(乙事件原告)株式会社パール無線の,その1を丙事件原告Dの各負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。
ただし,甲事件原告(乙・丙事件被告)株式会社ソシエテアペックスが1000万円の担保を供するときは,上記仮執行を免れることができる。
事実及び理由
請求
1 甲事件 甲事件被告(乙事件原告。以下,単に「被告」という。)は,甲事件原告(乙・丙事件被告。以下,単に「原告」という。)に対し,1億円及びこれに対する平成11年12月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 乙事件 原告は,被告に対し,1億1020万0034円並びにうち1020万0034円に対する平成10年8月1日から支払済みまで年6分の割合による金員及びうち1億円に対する同年10月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 丙事件 原告は,丙事件原告に対し,2000万円及びこれに対する平成10年10月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
事案の概要
本件は,原告が,@被告の製造販売する携帯電話機用アンテナは,原告の製造販売に係る携帯電話機用アンテナ(後記「第1アンテナ」及び「第2アンテナ」)の形態を模倣した商品(不正競争防止法2条1項3号)である,A原告と被告との間には携帯電話機用アンテナについての継続的商品供給契約が締結されていたところ,被告が正当な理由なく商品供給を停止したことは債務不履行又は不法行為に当たると主張して,被告に対し,@又はAを理由とする損害賠償(選択的請求)を求めた(甲事件)のに対し,被告が,反訴として,原告に対し,@原告の製造販売に係る携帯電話機用アンテナは丙事件原告の有する意匠権を侵害するものであるとして,この意匠権の独占的通常実施権及び専用実施権に基づく損害賠償1億円,及び,A被告が原告に供給した上記アンテナ等の売掛金残金1024万0034円の各支払を求める(乙事件)とともに,丙事件原告(D)が,原告に対し,意匠権侵害に基づき損害賠償(被告への専用実施権設定前の期間についてのもの)を求めている(丙事件)事案である。
1 当事者間に争いのない事実等 (1) 原告は,家庭用電気製品等の製造販売を主たる目的とする株式会社であり,近年は携帯電話機の販売及びその附属品の開発,製造販売等を行っている。
(2) 被告は,家庭用電気製品の販売,電気工事業を主たる目的とする株式会社である。
(3) 丙事件原告であるD(以下「D」という。)は被告の取締役である。別紙意匠権目録記載の意匠権(以下「本件意匠権」といい,その意匠を「本件登録意匠」という。)については,平成10年10月30日,Dを意匠権者とする設定登録がされ,同11年4月1日,被告を権利者とする専用実施権の設定登録がされている。
(4) 原告は,別紙原告製品形態図(1)記載の携帯電話機用アンテナ(商品番号SA-20。以下「第1アンテナ」という。),同図(2)記載の携帯電話機用アンテナ(商品番号SA-50。以下「第2アンテナ」という。)を製造し,販売した。
また,原告は,平成10年9月から「ピカッテナ・スパークリングタイプ」という商品名の携帯電話機用アンテナ(商品番号SA-60,SA-61。以下「第3アンテナ」という。)を製造,販売した。この第3アンテナには,製造時期等により,反訴イ号,同ロ号,同ハ号,同ニ号の4つのタイプがある(ただし,反訴イないしニ号の具体的な形状を表現した図面については,当事者間に争いがある。)。
(5) 被告は,原告提出に係る別紙物件目録(1)記載の携帯電話機用アンテナ(商品名「PEARL・JACK」,以下「被告製品」という。)を製造し,平成10年7月ころから販売している。
(6) 被告は,原告に対し,平成10年5月8日から6月4日までの間に,シグナルインジケーター(携帯電話機用アンテナの光る先端部分)390本を代金92万6100円(消費税込み)で売り渡した。
被告は,原告に対し,平成10年5月12日から6月3日までの間に,原告から供給を受けたアンテナの先端部分に光る部分を組み込んで第2アンテナとして加工した商品を納品し,その代金(消費税込み)は合計で927万3834円であった。
2 争点及びこれに関する当事者の主張 (1) 被告製品は原告の第1アンテナの形態を模倣した商品に当たるかどうか。
(原告の主張) 第1アンテナは原告が最初に開発し,製品化したものであり,その形態は原告の商品形態である。
そして,第1アンテナは2段折れ収納形状であることを特徴とするが,被告製品は2段折れのアンテナの先端に光る部分を取り付けたものであるから,その形態は実質的に同一である。しかも,被告は,被告製品を販売する約8か月以上前から第1アンテナの存在を認識していたから,模倣の意思も認められる。
したがって,被告製品は,第1アンテナを模倣した商品であり,被告によるその販売は,不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争行為に該当する。
(被告の主張) 第1アンテナと被告製品の形態が実質的に同一であるという主張は,争う。第1アンテナには,第2アンテナと被告製品に共通の光る先端部分が存在せず,この点で基本的構成を異にするから,その形態は実質的に同一であるとはいえない。
(2) 第2アンテナは原告と被告のどちらが開発し,製品化したものか。
(原告の主張) ア 第2アンテナは,原告が開発し,製品化したものである。
原告は,第1アンテナを最初に開発し,製造,販売したものであるが,被告のアルバイト店員であったE(以下「E」という。)は,平成9年10月ころ,第2アンテナのもとになる第1アンテナの先端に被告の商品であるピューラントアンテナの光る先端部分を取り付けた商品を最初に試作した。それを被告の店舗を訪れた原告の契約社員のF(以下「F」という。)が見つけ,原告代表者のIに報告した。
IはEが試作したアンテナはヒット商品になると考え,原告が被告にSA-20の先端の円盤状部材のないトップレスアンテナ(以下,単に「トップレスアンテナ」という。)を供給し,被告がその先端部分に光る部品を取り付けて,これを再度原告会社に納品するという形の業務提携を進めることとし,担当者レベルで具体的な交渉を開始させた。それとともに,試作品の一部(80本)が被告から原告に納品された。そして,その後の交渉により,原告と被告は,平成9年12月末ころには,上記の業務提携を内容とする製作物供給契約を締結した。
イ 第2アンテナは,原告が最初に販売したものである。
すなわち,原告は,平成10年2月4日から6日にかけて,東京ビッグサイトで開催された「98年ギフトショー」で,被告から納品された前記80本のトップレスアンテナの一部を展示出品し,同年2月末から販売する旨を公表した。
ウ 第2アンテナは,上記ギフトショーの参加者から好評を得たのはもちろん,平成10年3月以降の本格的な販売開始と同時に市場においても極めて好評を博し,原告に対する注文が殺到し,追加注文に即時に対応できないほどであった。
このように極めて好調な販売成績を収めることができたのは,第2アンテナの形態が2段折れ収納形状を有する第1アンテナの基本的な形態を維持しつつ,その先端部分に透明キャップが突起状に付属されるという特異な形態を採っているためであり,そのような形態の携帯電話機用アンテナが従来は市場に存在しなかったところ,この形態の斬新性が市場に受け入れられたためである。
エ 以上によれば,第2アンテナの形態は,不正競争防止法2条1項3号によって保護すべき原告の商品形態である。
(被告の主張) ア 被告製品の形態は,Dが創作し,意匠登録出願した本件意匠に基づくものである。
すなわち,Dは,かねてから携帯電話機用のアンテナとそのキャップに関する意匠登録出願を行い,それらに係る製品(発光式携帯電話機用交換アンテナ,商品名「シグナルインジケーター」)の製造販売を行っていたが,平成9年8月下旬,原告やその他の業者による2段折れ式アンテナが市場に出回っているのをみて,これと発光部分を有するアンテナキャップを組み合わせるアイディアを思いつき,同月末ころ,これを具体化した意匠を創作した。
イ Dは,同月下旬ころ,弁理士事務所に本件意匠の出願を依頼するとともに,2段折れ式のアンテナ部分の供給先を探した。Dは,被告の従業員で原告を担当していたG(以下「G」という。)から,原告がこれを引き受ける旨を聞き,Gを通じて担当者レベルで交渉をさせた上,平成9年11月10日ころ,Iと会談した。
その席では,被告が本件意匠に係るアンテナを製造,販売するに当たり,原告からトップレスアンテナの納入を受けるという形態,すなわち,被告が製造,販売の主体となり,原告からアンテナ部品の供給を受けるという内容で話が進められていた。そして,この話合いに基づき,平成9年11月13日,原告から被告に対してトップレスアンテナ220本が納入された。
ウ 被告は,原告に対し,平成9年12月10日,78本の加工済みのアンテナ(色はブラックシルバー)を納品した。その後,原告から,被告に対し,Gを介して,業務提携の内容を,「原告が製造・販売主体となり,原告が供給するトップレスアンテナ(ただし,ネジ部分は加工済み)に,被告においてアンテナキャップ部分(発光回路を含む。)を取り付け,原告に納品し,原告が販売する」という内容に変更したいという申入れがあった。被告としては,最終的には担当者であるGの判断に任せることとし,上記申入れに従い,業務提携の内容を変更することとした。
エ 以上の経緯によれば,被告製品は第2アンテナに基づくものではなく,Dの創作に係る本件意匠に基づき,その意匠出願人の承諾の下で製造・販売されたものである。
(3) 被告製品は原告の第2アンテナの形態を模倣した商品に当たるかどうか。
(原告の主張) 被告製品は,後記のとおり第2アンテナの模倣品である。
ア 形態の同一性 第2アンテナと被告製品を比べると,その形態(客観的形状)はほとんど同じである。
模倣の主観的要件 原告と被告は,前記(2) のとおり業務提携契約を締結していたものであるが,第2アンテナを製品として開発したのは原告であり,被告はトップレスアンテナの先端部分の加工委託を受けていたにすぎなかった。しかるに,被告は,後記のとおり平成10年5月ころ原告がしたトップレスアンテナの追加注文を不当に拒絶し,同年7月自ら第2アンテナに類似する被告製品を販売したのであるから,模倣の意思が認められることは明らかである。
(被告の主張) ア 形態の同一性 第2アンテナと被告製品を比べると,両者は,透明頭部分の円筒部との比率及び透明度,アンテナ部分の色彩(コントラストを含む。),寸法及び具体的構造等において異なっている。特に,アンテナキャップの透明頭部分については,第2アンテナでは透明頭部分が円筒部分よりも比率的に大きく,クリアな部材により内部のLED等の回路もよく見通せるのに対して,被告製品では透明頭は円筒部分よりも小さく,また磨りガラス様の半透明の部材を用いているため,内部の構造をはっきり見通せないという相違がある。
両者は,その基本的な構成が共通することから「類似」するとはいえても,具体的な細部の構成,色彩等の違いからすれば,同一でないことはもちろん,実質的に同一であるともいえない。
模倣の主観的要件 被告は,前記(2) で主張したとおり,Dの許諾のもと,本件意匠に基づいて被告製品を製造販売したものであって,第2アンテナに依拠したことはない。
被告に模倣の意思が認められないことは当然である。
(4) 被告が,原告に対して第2アンテナの供給を停止した行為は債務不履行, 又は不法行為に当たるか。
(原告の主張) ア 前記(2) のとおり,原告と被告の間には,原告が被告に第1アンテナの先端の円盤状部材のないトップレスアンテナを供給し,被告がその先端部分に光る部品を取り付けて,これを再度原告会社に納品するという形の製作物供給契約(以下「本件契約」という。)が成立していた。そして,本件契約の条項(乙5)によれば,被告には契約が成立した平成9年12月から1年間は原告の発注に応ずる義務(受注義務)があるとされていた。
イ しかるに,被告は原告が発注済みである合計2万0681本につき,供給義務を履行していない。
@ 原告は被告に対して平成10年2月3日,1万4000本の発注を行い,アンテナ本体部分を被告に供給した。これに対して,被告は同年6月までに第2アンテナ1万3319本を供給したにすぎなかった。よって,被告は,681本につき供給義務を履行していない。
A 原告は,被告に対して,平成10年5月,2万本の追加発注を行った。ところが,被告はこれ以降の追加注文に対する応諾を拒絶した。よって,被告は2万本につき供給義務を履行していない。
ウ 本件契約においては,1年間という期間も合意の対象となっているから,契約期間内に契約を一方的に解消するためには,これを正当化する事情,すなわち「やむを得ない事由」が必要である。しかし,本件で被告には何ら「やむを得ない事由」はなく,原告を販売不能に陥れ,もっぱら自己の利益を図るために商品の供給を停止した。
エ 被告による商品の供給停止は,何らやむを得ない事情はないにも関わらず,自らが被告製品を販売して原告に帰属するはずの利益を自己に帰属させようとの不正目的のために行われたものであり,極めて違法性の強い行為である。しかも,被告は,原告に事情を説明することなく,株式会社フジモトから原告の第1アンテナの形態を模倣した商品を購入し,被告製品の大量製造を企図していたものであり,取引社会において到底是認できるものではない。
オ 以上によれば,前記一連の被告の行為は,債務不履行であると同時に不法行為にも該当する。
(被告の主張) ア 原告は,原被告間で,製作物供給契約書(乙5)に記載されている内容で契約が成立したことを前提に債務不履行の主張をしている。
しかし,上記契約書は原告のみが記名捺印しているものであって,被告において上記契約書に記載されているとおりの合意をしたものではない。 ただし,平成10年1月以降に,原被告間で,上記契約書及び製作物供給契約書(甲10)に概ね沿った内容で,製作物供給取引が行われたこと自体は,認める。
イ 原告は,被告が平成10年6月,約2万本のアンテナの追加発注に応じなかったことが債務不履行に当たると主張する。
しかし,仮に,原告主張の内容の契約が成立しているとしても,これは基本契約であり,個別契約の成否は,原告による申込みと,これに対する被告の承諾をもって決せられるのが原則である(12条1項)。ただし,上記契約書では,契約期間中に原告は製品を最低1万本発注することを保証すると定められているので(10条),その限度では原告に発注義務,被告に受注義務があることになる。
そうすると,1万本を超える分については,原則のとおり契約当事者は発注も受注も自由意思で決めることができるところ,被告は,平成10年2月,原告からの発注を受けて,これを承諾し,同年5月までに約1万4000本を納品した。それゆえ,それ以降の注文に対しては,被告はその都度諾否の判断をすれば足りることから,これを承諾しなかったにすぎない。
したがって,被告による追加発注の拒絶は,契約上の合意に沿ったものであり,何ら債務不履行責任を問われることはない。
ウ 被告による追加発注の拒絶が不法行為に当たる旨の主張については,争う。前記イで述べたとおり,上記追加発注の拒絶は,あくまでも私的自治の範囲内での被告側の自由意思に基づく判断の結果であり,何ら違法・不当との評価を受けるものではない。
(5) 原告が第3アンテナを製造,販売する行為は本件意匠権を侵害するか。
(被告及び丙事件原告の主張) ア 丙事件原告は,被告との間で,平成8年11月14日,独占的ノウハウ実施契約を締結し,被告は,この契約に基づき,同10年10月30日,本件意匠権につき独占的通常実施権の許諾を受け,さらに,その後,専用実施権の設定を受けて,同11年4月1日,その旨の登録を得た。
イ 原告の第3アンテナ(反訴イ号ないしニ号)の具体的な形状は被告提出に係る別紙物件目録(2)のとおりであるところ,これらと本件意匠を対比すると,いずれも本件意匠と同一かそうでなくても本件意匠に類似している。
すなわち,本件意匠の要部は,2段折れのロッドアンテナにドーム型の透明頭を有する円筒形のトップピースを組み合わせたという構成それ自体にあるが,例えば反訴イ号を例にとると,透明頭と円筒下部の比率,アンテナキャップの太さ,LED下部の回路のバネ部分が見えるかどうかといった細かい点では本件意匠と違いがあるが,それらはわずかな改変や仕様の変更にすぎず,その基本的構成は同一であるといえる。このことは,反訴ロ号からニ号についても同様である。
原告は,後記のとおり,第3アンテナは本件意匠に類似しない旨主張するが,原告は,被告製品は第2アンテナの形態を模倣した製品であるとして,本訴を提起しているのであるから,後になって第2アンテナと基本的な構成を同じくする第3アンテナにつき本件意匠に類似しないと主張することは,訴訟上の信義則(禁反言)により許されない。
ウ 以上によれば,原告が第3アンテナを製造,販売する行為は,被告の本件意匠についての独占的通常実施権及び専用実施権並びに丙事件原告の意匠権(専用実施権設定前の期間につき)を侵害する。
(原告の主張) ア 第3アンテナは,本件意匠に類似しない。
本件意匠は,@ ロッドアンテナ部分と,A 上端部が透明材質で形成されているキャップ部分を含む円筒状の先端部分(被告主張の「トップピース」)とから構成される。
しかし,前記@部分は,原告の第1アンテナとほぼ同一の形態であるから,@部分に本件意匠の要部があるならば,本件意匠は出願前公知の意匠と類似ということで意匠登録要件を欠くことになる。そして,携帯電話機用アンテナについては,(A) 線状のアンテナ本体部,(B) 携帯電話のアンテナ取付部に固定されるアンテナ支持部,(C) アンテナ本体部の上端に取り付けられた先端部の3つの部分から構成されるところ,公知意匠を精査すると,携帯電話機用アンテナにおいては,上記(C) の部分を変えることで他の商品と識別していることが明らかである。
そうすると,携帯電話機用アンテナにおける意匠の要部は,(C) アンテナ本体部の上端に取り付けられた先端部の具体的形状であるということになる。
ところが,この(C) 部分に発光ダイオードを設け,先端部分を光らせるアンテナの意匠が存在するから,これらの意匠においては,(C) 部分のうち少なくとも一部を透明(あるいは半透明)の材質にせざるを得ないことが明らかである。
これに,携帯電話機用アンテナに関する他の公知意匠を斟酌すれば,本件意匠の要部は,透明材質カバーの上端部分の形状が滑らかな曲線を描いていること,透明材質カバー部分と下部非透明部分の比率が約4:7であること,透明材質カバー内部にLEDの表面を覆うように6つに分けられたカットが施されていること,透明材質カバー内部にLEDの球面先端が看取されること,といった細部の具体的な構成にあるものというべきである。
この観点から,本件意匠と別紙原告製品形態図(3)の形状を有する第3アンテナ(反訴イ号からニ号まで)を対比すると,いずれも上記の具体的な構成を備えていないから,原告の第3アンテナは本件意匠に類似しない。
イ 本件意匠は,次の理由から明らかに無効なものであるから,本件意匠権に基づく被告及び丙事件原告による権利行使は,権利の濫用に当たり許されない。
(ア)本件意匠は,前記(2) で主張したとおりDが創作したものではないから,その意匠登録は,冒認出願によるものとして無効である(意匠法48条1項3号)。
(イ)本件意匠は,意匠法3条1項の登録要件を欠いている。すなわち,本件意匠のうち,アンテナキャップ部分の意匠はDの出願にかかる携帯電話機用のアンテナとそのキャップに関する意匠(乙3,甲34)と同一であり,出願前公知である。そして,2段折れ部分(第1アンテナ)の形状が公知意匠であることからすれば,本件意匠は意匠の登録要件を欠き,その意匠登録が無効であることは明らかである(意匠法48条1項1号)。
(ウ)本件意匠の実施品であるE作成に係るトップレスアンテナの試作品につき,原告は,平成9年10月ころ,複数の取引先に示して,次期商品として説明し,展示した。したがって,本件意匠は,意匠登録出願時(平成9年12月1日)より前に公知になっていたものであり,その意匠登録は無効である(意匠法48条1項1号,3条1項1号,3号)。
(エ)本件意匠は,当業者が,周知意匠である第1アンテナと被告の商品の光る先端部分を組み合わせることによって容易に創作することができるものであるから,進歩性を欠き,その意匠登録は無効である(意匠法48条1項1号,3条2項)。
ウ 原告は,前記(2) で主張したとおり,本件意匠の出願を知らないで本件意匠と類似する意匠の創作をした者(E)から第2アンテナの形態を知得して,本件意匠の出願より1か月前である平成9年11月から,本件意匠の実施である第2アンテナの事業の準備を行ったものであるから,先使用による通常実施権を有する(意匠法29条)。
(被告及び丙事件原告の反論) ア 原告は,本件意匠に係る意匠登録が明らかに無効である旨主張するが,以下のとおり理由がない。
まず,冒認出願の点については,前記(2) で主張したとおり,Dが本件意匠を創作したものであるから,失当である。
公知意匠による無効の点については,本件意匠が公知部分の組合せからなるとしても,その組合せ方(アンテナキャップ+ロッドアンテナ)が第1アンテナとは異なり,それによって機能的にも,形態的にも,別異の美感を看者に与えているから,本件意匠と第1アンテナが類似するとはいえない。
出願前公知の点については,客観的な裏付けを欠くものであり,理由のないことが明らかである。
進歩性の点については,原告自身,LEDアンテナのLED部分を第1アンテナの先端部分に取り付けることで,第1アンテナ以上の人気商品ができると考えていたのであるから,本件意匠には従来の商品にない新規性・創作性が認められる。
先使用の抗弁の主張は,否認する。原被告間の業務提携は,本件意匠に係る(又は類似する)アンテナに関するものであること,Eは被告の従業員であり,しかも被告の業務として本件意匠に係るアンテナの半田付け作業を担当していたことなどからすると,Eが本件意匠を知らないで原告主張の意匠を創作したということは,事実経過に明らかに反し,あり得ない。
(6) 原告に生じた損害の額 (原告の主張) ア 不正競争防止法違反について(後記イと選択的請求) 被告による前記不正競争行為によって,原告は第2アンテナの販売につき損害を被った。
被告は,平成10年7月から現在まで被告製品を約20万本は販売しているとみられるが,被告製品1本当たりの利益は1000円と推定されるから,被告製品の販売による被告の利益は2億円を下らない。この金額は不正競争防止法5条1項により,原告が受けた損害の額と推定されるところ,本訴ではそのうちの1億円及びこれに対する平成11年12月28日(訴え変更申立書の送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
イ 債務不履行又は不法行為について(前記アと選択的請求) 被告による前記商品供給停止によって,原告は第2アンテナと同等の商品(商品名「SA-60,SA-61」)を販売するまでの約3か月間,既に発注済みの2万0681本及び発注予定の4万本の合計6万0681本の第2アンテナの販売ができなくなり,その販売によって得られるはずの利益を喪失するという損害を被った。第2アンテナの1本当たりの利益は2300円であるから,原告の損害額は,1億3956万6300円である。
さらに,被告の受注拒絶により,原告は販売店からの追加注文に応じることができず,その信用は著しく毀損された。これによる損害額は,1000万円を下らない。
したがって,原告は,上記の金額を合計した1億4956万6300円の損害賠償請求権を有するところ,本訴ではそのうち1億円(遅延損害金については前記アと同じ。)の支払を求める。
(被告の主張) 原告の主張は,争う。
(7) 被告及び丙事件原告に生じた損害の額 (被告及び丙事件原告の主張) ア 原告は,平成10年11月1日から同12年3月31日までの間,第3アンテナを合計17万本製造した。第3アンテナの1本当たりの利益は2000円であるから,上記期間における原告の利益は3億4000万円である。したがって,被告は,意匠法39条2項により,独占的通常実施権又は専用実施権の侵害により上記金額の損害を被ったと推定されるところ,本件ではうち1億円及びこれに対する平成10年10月31日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
イ 丙事件原告は本件意匠の意匠権者として,原告に対し,2億8000万円の損害賠償請求権を有するところ(対象期間は専用実施権設定前の期間である平成10年9月10日から同11年3月31日まで,アンテナ1本当たりの利益額を1900円,毎月の販売数を2万本として計算),本件ではうち2000万円(遅延損害金については前記アと同じ。)の支払を求める(被告による独占的通常実施権に基づく損害賠償請求が認められない場合に備えて,丙事件原告自身も意匠権者として損害賠償を請求する。)。
(原告の主張) 被告及び丙事件原告の主張は,争う。
当裁判所の判断
1 争点(1) (第1アンテナの形態模倣を理由とする不正競争)について 不正競争防止法2条1項3号は,他人が資金・労力を投下して開発・商品化した商品の形態模倣して,その成果にただ乗りする行為を不正競争行為と位置付けることにより,先行者の開発利益を模倣者から保護することとした規定である。
同号にいう「模倣」には,先行者の商品の形態と実質的に同一のもの,すなわち,他人の商品の形態に創作性の乏しい微細な改変を加えただけの,いわゆる隷属的模倣も含まれるものである。本件においては,第1アンテナと被告製品とは,2段折収納形状の携帯電話機用のアンテナという点では共通するが,被告製品においてはアンテナの先端部に光る部分が取り付けられているという点で,第1アンテナと相違する。この先端部分は,着信時に先端が光ることで着信があったことを知らせるなどの機能からも,アンテナ全体において重要な部分であって,美感的にも被告製品において見る者の注意を引く部分ということができるから,このような相違点を有する被告製品をもって,第1アンテナの形態と実質的に同一ということは到底できない。
したがって,第1アンテナの形態模倣を理由とする原告の損害賠償請求は,理由がない。
2 争点(2) (第2アンテナの形態模倣を理由とする不正競争)について (1) 証拠(甲4,7,11の1〜3,13の1〜3,26,34,乙1,4,18,19,28,検乙3〜5,証人D,同H)によれば,次の事実が認められる。
ア 被告会社の取締役であるDは,平成元年に被告会社が設立された当初から技術開発,営業において中心的な役割を果たしており,携帯電話の分野では,平成8年11月及び同9年2月に弁理士Cを代理人として携帯電話機用のアンテナ及びそのキャップに係る意匠登録出願をしたことがあった。被告会社は,Dの上記出願意匠に係る発光式の携帯電話機用アンテナ(商品名「ピューラントアンテナ」)を平成9年2月ころから販売していた。
イ Dは,平成9年8月下旬ころ,秋葉原の電気街で2段折れ式の携帯電話機用アンテナが販売されているのを見て,これに被告会社の販売する前記アンテナの光る先端部分を取り付ければ新しい商品になるというアイディアを着想した。
そこで,Dは,前記C弁理士が経営するC国際特許事務所(以下「C事務所」という。)の事務員のH(以下「H」という。)に上記アイディアを簡単なメモと共に口頭で説明し,新たに意匠出願をした方がよいか相談した。その後,Dは9月中旬ころに上記アイディアを具体化したサンプル(検乙3)を持参して再度C事務所を訪ね,Hと打合せをした。その席では,上記サンプルのロッドアンテナ部分は既に公知であることから,アンテナの先端部分が意匠の要部となると解するとすれば,Dの前記出願意匠の権利範囲に含まれる可能性はあるものの,全体的に見れば前記出願意匠とは別個の意匠となるとみる余地もあるから,念のため意匠登録出願をしておいた方がよいという結論になった。そこで,Dは,意匠登録出願の手続を進めることとし,同年10月中旬ころC事務所に正式に意匠登録出願を依頼した。Hは同月末ころから出願に必要な図面の作成を始め,同年11月中旬ころには出願に必要な書類が整った。その後,Hは,Dの同意を得て,同年12月1日,上記Dの創作に係るアンテナにつき意匠登録出願をした。
ウ Dは意匠登録出願と並行して,上記アンテナの商品化も進めることとし,部品としての2段折れ式アンテナの供給先を探したところ,被告会社の従業員で原告会社との取引を担当していたGがDに原告会社を勧めた。Dは,Gに対して原告会社との取引の具体的な条件等について話を詰めるように指示し,平成9年11月10日ころ,顔合わせを兼ねて原告代表者のIと会った。その席では,被告会社が主体となって上記Dの創作に係るアンテナを製造販売すること,その部品となる2段折れ式のトップレスアンテナを原告会社が被告会社に供給することが話し合われた。そして,この合意に基づき,同月13日,原告会社から被告会社に対してトップレスアンテナ220本が納品された。
エ 被告会社では,その直後から,Gとアルバイト店員のEが上記220本のアンテナにアンテナキャップを固定するためのねじを半田付けする作業を始めた。
この作業は位置決めなどに時間を要するため,1日に多くても約20本のアンテナを完成させるのがやっとの状態であった。それでも,平成9年12月上旬ころまでには納品を受けた220本全部について半田付けの作業は完了し,前記イのとおり意匠登録出願もされたことから,被告会社は,意匠登録出願後から,店頭において上記アンテナのうち数本をアンテナキャップを取り付けた状態で展示し販売した。
B社を自営する傍ら原告会社の手伝いをしていたFはこれを見てそのうち「ブラックシルバー」の2本をサンプルとして原告会社に持ち帰った。その直後,原告会社から被告会社に対し「ブラックシルバー」80本を購入したいとの申入れがあり,同年12月10日,被告会社は先渡しの2本を除く78本を原告会社に納品した。
オ この商品を見た原告会社は,これに興味を示し,Gを介して,被告会社に対し,従前の合意の内容を変更して,原告会社が製造販売の主体となるように,すなわち,原告会社が供給するトップレスアンテナに被告会社において光るアンテナキャップの部分を取り付けて,原告会社に納品し,それを原告会社が販売するという内容にしたいと申し入れた。Dは,担当者であるGの勧めもあって,この申入れを受け入れ,契約内容を変更することにした。
そこで,被告会社において契約書の案文を作成し,平成9年12月末ころ,原告会社に送付したところ,原告会社はこれに記名押印して被告会社に返送した。なお,この製作物供給契約書(乙5)の納入価格(11条)の欄は空欄のままになっている。
カ 被告会社は,平成10年2月2日,原告会社に対し,光るアンテナキャップの部分についての見積書を送付した。原告会社は,これを受けて,同月3日,原告会社からトップレスアンテナを無償で提供するという条件で,これに光るアンテナキャップを付けた製品(第2アンテナ)を合計1万4000本注文した。
被告会社は,同年3月17日から同年6月3日にかけて合計1万3319本の上記アンテナを原告会社に納品した。しかし,同年5月ころ,下請けとして光るアンテナキャップの部分とその中の発光回路の製造をさせ,その供給を受けていたA社(以下,単に「A社」という。)との間で紛争を生じ,被告会社は,A社との取引を停止することとなった。そのため,被告会社は,原告会社が同年6月上旬にした上記アンテナ2万本の追加注文に応じることが不可能となり,この注文を断った。
これに対し,原告会社は既に取引先から商品の注文を受けており,納品できないことになると会社の信用に関わるとして,追加注文に応じるように被告会社に対し数回にわたり要請したが,被告会社はGが退社したこともあって原告会社との取引を打ち切ることとし,この要請には応じなかった。
(2) この点に関して,原告は,第2アンテナは被告会社のアルバイト店員のEが着想し,原告代表者のIが商品化したものであると主張し,これに沿う証人Gの証言及び原告代表者の供述並びに同人らの陳述書(甲41,45,46)があるので,これらについて検討する。
ア Eが創作したとする点について Eは被告会社のアルバイト店員という立場にあった者であるから,被告会社の職務と関係なくアンテナの形態又はその意匠を創作するということは一般に想定し難いといえる(意匠法15条3項,特許法35条参照)。 仮に,そのようなことがあれば,異例な出来事であるから特に記憶に残っているのが当然であるが,Eの陳述書(甲46)では,「この二段折れアンテナの先端を光らせたら,面白い商品になるのではないか思いつきました。」とあるだけで,2段折れのアンテナの先端に光る部分を取り付けるという発想をするに至る具体的な状況については記載されていない。
また,原告は,Eが製作したとする上記アンテナの試作品(検甲3,同4)を証拠として提出するが,この試作品のアンテナが真実Eが製作したものであることを裏付けるに足りる証拠はない。
イ 平成9年10月から同年12月までの交渉経過について 証人Gの証言及び原告代表者の供述によれば,平成9年10月の交渉開始当初から,原告会社が主体となって第2アンテナを製造販売する前提で話が進められ,同年11月ころには,原告会社が被告会社に対して80本の試作品の製作を依頼した,この試作品はEとGが製作し,でき上がったものから順次原告会社に納品された,というのである。
しかし,これらの証言等は客観的な証拠と整合しない。まず,被告会社に試作品80本の製作を依頼したという点については,原告会社発行の納品書(乙28)によれば,該当する80本のアンテナ(ブラックシルバー)の他に,ゴールド(110本)及びブルー(30本)のトップレスアンテナが同じ日に納品されており,しかもそれらの単価は同一で代金額もまとめて計上されていることから,80本のブラックシルバーのアンテナのみが試作品であるとは考え難い。また,でき上がった試作品から順次原告会社に納品していったという点については,平成9年12月10日付けの納品書(甲4)に,手書きで「今回78本(2本納品済)です。」と記載されていることと明らかに矛盾する。しかも,証人Gはこの2本についてFに交付したサンプルであると供述しながら,これが前記80本のサンプルに含まれるかどうかという点については,明確に供述していないし,原告代表者も,80本のサンプルにFに交付した2本のサンプルが含まれるかは覚えていないと供述しており,供述の内容に混乱がみられる。
ウ Dの冒認を容認する趣旨の発言を聞いたとの供述について E及びGの陳述書には,Dが被告会社の事務所において,同人らに対して,第2アンテナについて原告会社の創作に係る製品であることを認識しながら,「先にやっちゃおうか。」「ぱくっちゃおうかな。」と表現で被告会社が先に製品化する意向であるという趣旨の発言をしたとの記載がある。
しかし,被告会社において工業所有権関係の書類の作成,弁理士事務所との相談等はすべてDが行っており,意匠等の出願に際して従業員であるGやEに相談することはなかった(証人Gの証言により認められる。)というのであるから,本件意匠の意匠登録出願に限って,DがGらに話を向けるということは不自然であるし,前記陳述書の記載以外にDの上記発言を裏付ける証拠はない。
エ Gの被告会社における立場について 証拠(甲41,乙26,証人G)によれば,Gは昭和56年から平成2年8月までと同7年5月から同10年6月までの2回被告会社に勤務していたこと,Gは1回目の勤務の後会社を経営したがうまくいかず負債を抱えたため,再び被告会社に勤務するようになったこと,GはDに対し給料の値上げを再三要求したが,Dが応じなかったため不満を抱いていたこと,Gは在勤中被告会社から合計約145万円を借り受けていたが,これにつき被告会社はGを相手方として貸金返還請求訴訟を提起し(当庁平成11年(ワ)第1710号事件),平成11年4月28日,被告会社の請求を認容する判決がされたこと,の各事実が認められる。これらの事実によれば,Gは被告会社及びDに対して悪感情を抱いている可能性を否定できない。
オ まとめ 以上によれば,Gの証言,原告代表者の供述等の原告の主張に沿う供述証拠は,他の証拠との関係,証拠自体の価値の両面からみて,信用できないものと言わざるを得ない。
(3) なお,念のため,証人D,同Hの証言についてみるに,日時等の細部についてはあいまいな部分が残るものの,主要な点では客観的な証拠とも符合しており,信用できるものということができる。
原告は,DとHは,平成7年5月同じ病院に入院していた当時からの知り合いであり,HがC事務所に就職したことを契機に,Dが意匠等の出願を依頼するようになったなど個人的に親しい関係であること(証人Hの証言により認められる。)を挙げて,Hの証言には信用性がないと主張する。しかし,証人Hは,本件意匠の意匠登録出願に要する図面の作成において苦労した点や作成の方法について具体的かつ詳細に証言しており,証言全体をみても別段不合理な点や矛盾する内容はみられないから,Dと個人的に親しい関係にあるからといって,Hの証言が直ちに信用できないということにはならない。
(4) 前記(1) に認定した事実経過によれば,原告会社の製造に係る第1アンテナの先端に被告会社の製造に係るピューラントアンテナの光る先端部分を取り付けた商品である第2アンテナは,Dの創作によるものであるから,この商品の形態は,原告の商品の形態であるということができない。
すなわち,不正競争防止法2条1項3号の趣旨につき考察するに,他人が資金・労力を投下して開発・商品化した商品の形態につき,他に選択肢があるにもかかわらずことさらこれを模倣して自らの商品として市場に置くことは,先行者の築いた開発成果にいわばただ乗りする行為であって,競争上不公正な行為と評価されるべきものであり,また,このような行為により模倣者が商品形態開発のための費用・労力を要することなく先行者と市場において競合することを許容するときは,新商品の開発に対する社会的意欲を減殺することとなる。このような観点から,模倣者の右のような行為を不正競争として規制することによって,先行者の開発利益を模倣者から保護することとしたのが,同規定の趣旨と解するのが相当である。これによれば,不正競争防止法2条1項3号所定の不正競争行為につき差止めないし損害賠償を請求することができる者は,形態模倣の対象とされた商品を,自ら開発・商品化して市場に置いた者に限られるというべきである。
本件においては,前記認定のとおり,原告会社による第2アンテナの販売に先行して,被告会社の取締役であるDが平成9年8月に2段折れ式の携帯電話用アンテナの先端に発光式の先端部分を取り付ける形態を着想し,これを具体化したサンプル(検乙3)を作成した上で,平成9年12月には,デザインを本件意匠として意匠登録出願するとともに,被告会社において商品として販売していたのである。したがって,第2アンテナの形態をもって原告の商品の形態ということはできないし,また,被告製品の形態はDないし被告会社において独自に開発したものであるから,被告製品が第2アンテナの模倣であるということもできない。
したがって,第2アンテナの形態模倣を理由とする原告の損害賠償請求も,理由がない。
3 争点(3) (債務不履行又は不法行為の成否)について (1) 2万本の追加注文を拒絶した点について 前記認定のとおり(1(1) カ),原告と被告との間では,平成9年12月末ころ,代金額の点を除き製作物供給契約書(乙5)に記載された内容の継続的供給契約が成立し,同10年2月にはこの契約に基づき1万4000本の第2アンテナの発注がされた。この点につき,原告は,同年5月に原告が被告に2万本のアンテナの追加注文をしたのに被告がこれを拒絶したのは,債務不履行又は不法行為に当たると主張する。
そこで検討するに,上記契約の12条によれば,この契約書の契約条項は原被告間の第2アンテナに関する個々の取引契約に共通に適用されるものであって,個別の契約は,原告が被告に対し注文書を発行し,被告がこれを承諾することにより成立するとされている。そして,同10条によれば,原告は被告に対し1年の契約期間中最低1万本の製品を発注することを保証するとされている。これによれば,被告会社においては,原告が最低発注数として保証する1万本の限度では,受注義務を負うというべきである。
そうすると,被告は平成10年2月原告からの1万4000本の注文に応じて同年6月までに合計1万3319本のアンテナを原告に納品したのであるから(なお,この681本の数量不足が債務不履行又は不法行為に当たるかどうかは,次項で検討する。),既にこの注文に応じた時点で上記契約上の1万本の受注義務は果たしているものであって,その後にされた2万本の追加注文については,上記契約により受注義務を負うものではなく,これに応ずるかどうかは,通常の商取引における注文に対するのと同様,被告において任意に選択することができたものというべきである。
そして,前記認定のとおり(前記1(1) カ),原告から追加注文を受けた時点では,被告は下請けのA社との間での紛争から同社との取引を停止したため,従来同社から納品されていた光るアンテナのキャップ部分及びその中の発光回路につき不足を来し,原告の追加注文に係る第2アンテナを供給することは事実上不可能な状態であった。
以上によれば,被告が2万本の追加注文を拒絶したことは,契約上の義務に違反するものではなく,また,ことさら原告会社に損害を与えることを意図して行った行為ということもできないから,債務不履行に該当せず,不法行為を構成するということもできない。
(2) 1万4000本の注文に対681本の数量不足があった点について 前記認定のとおり(前記1(1) カ),被告は平成10年2月原告からの1万4000本の注文に応じて同年6月までに合計1万3319本の第2アンテナを原告に納品したが,原告は最終的に681本の数量不足があった点をとらえて,債務不履行又は不法行為に当たると主張する。
しかしながら,1万4000本のうちの681本という数量は,注文数全体の5パーセントに満たない割合である上,原告会社の販売数量に照らせば軽微な数量である。上記注文に係る商品についての最終的な納品は平成10年6月ころに行われているが,原告会社は,当時,被告会社に対して,上記納品につき681本の不足があることを指摘してその納品を求めるといったことをしないまま,2万本の追加注文を行っているものであり,この追加注文が拒絶された後に,特に前記不足分を問題としてその履行を求めるといったこともしていない。原告の注文において,1万4000本という数量に特別の意味があって,この数量の商品がそろわないと特別の支障が生ずるといった事情は存在せず,681本の納品不足によって原告会社が殊更損害を被ったといった事情も認められない。また,1万4000本の注文に係る第2アンテナについて,681本の不足分を含めて原告会社においてそのころ代金の全額を弁済し,あるいは弁済の提供をしたといった事情は何ら認められず,かえって原告会社は,被告会社から納品を受けた1万3319本についても,その大部分(9421本)の代金(本件反訴請求に係る代金)をいまだ支払っていないものであるから,仮に不足分681本を含めた原告会社の注文に係る1万4000本につき契約上一応の履行期が定められているにしても,この不足分につき平成10年6月ころには納品及び代金支払の双方の履行期が到来した後,双方未履行のまま特にこの点を問題とすることなく年月を経過したものと認められる。以上の事情を総合すれば,この不足分681本については,原告会社の注文に係る1万4000本の第2アンテナの供給契約全体との関係においては,微細な一部分としてその不足は債務不履行を構成しないというべきであり,加えて,被告会社においてこの不足分681本につき履行遅滞があり,また,原告会社においてそれにより具体的な損害を被ったとの事実は,いずれも認めるに足りない。
また,このような不足分681本をめぐる経緯並びに原告会社及び被告会社の対応に照らせば,原告会社の681本の納品不足が不法行為を構成するということもできない。
(3) 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,債務不履行又は不法行為を理由とする損害賠償請求は,理由がない。
4 争点(4) (意匠権侵害の成否)について (1) 本件意匠について Dの本件意匠は,別紙意匠公報(甲5)記載のとおりであって,2段折れのロッドアンテナと透明な材質で形成されるキャップを含む円筒状の先端部分を組み合わせたという構成のものである。
(2) 第3アンテナについて 証拠(検甲7〜10,乙30)及び弁論の全趣旨によれば,第3アンテナ(反訴イ号からニ号まで)の具体的な構成等は次のとおりであることが認められる。
ア 反訴イ号について この商品は,原告会社が平成10年9月から同11年3月ころまで販売していたものであるが,具体的な構成は平成13年5月25日付け物件目録補充書添付の写真及び写真撮影報告書(乙30)添付の写真1,2のとおりであり,これによれば,その形状は,別紙物件目録(2)記載のとおりと認められる。なお,反訴イ号には,SA-60とSA-61の2つの商品番号の商品があるが,両者の違いは先端キャップ内部のLEDの発光色が異なる点のみであり(前者は青色,後者は白色),意匠としては同一である。
イ 反訴ロ号について この商品は,原告会社が平成10年9月から同11年3月ころまで販売していたものであるが,具体的な構成は平成13年5月25日付け物件目録補充書添付の写真のとおりであり,これによれば,その形状は,別紙物件目録(2)記載のとおりと認められる。
反訴イ号との相違点は,アンテナ取付金具のうち,螺合部よりも下にある先端部のデザインが異なることであるが,これは,NEC製の携帯電話機のアンテナ取付部に合うようにデザインを変更したためであり,従来のタイプと区別するため,原告会社内部では「NSタイプ」と呼んでいた。
ウ 反訴ハ号について この商品は,原告会社が平成11年4月以降販売したものであるが,具体的な構成は平成13年5月25日付け物件目録補充書添付の写真及び写真撮影報告書(乙30)添付の写真3,4のとおりであり,これによれば,その形状は,別紙物件目録(2)記載のとおりと認められる。
反訴イ号,ロ号との相違点は,先端のキャップ部分の内部にスプリングを入れたことであり,このスプリングによりLEDの光を散乱させ,透明のキャップ全体がより明るく光るようにしたものである。
エ 反訴ニ号について この商品は,原告会社が平成11年4月以降販売したものであるが,具体的な構成は平成13年5月25日付け物件目録補充書添付の写真のとおりであり,これによれば,その形状は,別紙物件目録(2)記載のとおりと認められる。
反訴ハ号との相違点は,アンテナ取付金具のうち,螺合部よりも下にある先端部のデザインが異なることである。これは,前記反訴イ号と反訴ロ号との関係と同じであり,反訴ロ号についてと同様,原告会社内部では「NSタイプ」と呼んでいた。
(3) 本件意匠と第3アンテナとの類否について ア 意匠の要部について 本件意匠は,携帯電話機用アンテナに関するものであるところ,携帯電話機用アンテナのデザインは,線状のアンテナ本体部,携帯電話のアンテナ取付部に固定されるアンテナ支持部及びアンテナ本体部の上端に取り付けられた先端部の3つの部分から構成される。
携帯電話機用アンテナの意匠としては,本件意匠以外に,登録番号第1046436号(甲99),第1046436号の類似1(甲100),第974698号(甲101),第1029356号(乙3),第1076357号(甲134),第1080628号(甲135),第1080629号(甲136),第1080630号(甲137),第1080631号(甲138),第1083287号(甲139)といったものがあるところ(ただし,甲134〜139は後願の意匠である。),これらの意匠を対比すると,特許庁における審査の過程において,上記3つの部分のうち先端のキャップ部分の相違により異なる意匠として識別されていることが明らかである。
例えば,登録番号第1046436号の類似意匠1(甲100)と同第1029356号の意匠(乙3)を比べると,アンテナ本体部及びアンテナ支持部の形状はほとんど同じであり,異なる点は,@先端のキャップ部分を覆っているカバーの形状(丸みを帯びているか,角張っているか),Aカバーで覆われた部分とそうでない部分との比率,Bカバー内部に見える発光部分の形状,C先端のキャップ部分の下部にある板状部材の有無,に限られる。
そして,前記登録意匠のうち,第1046436号(甲99)及び第974698号(甲101)を除くものは,先端のキャップ部分がLED等により発光する点で共通するから,キャップ部分の外部構造が発光機能を前提とした構造となっていること自体もこれらの意匠を識別する基準にはなり得ない。
これらの点を総合考慮すれば,結局のところ,携帯電話機用アンテナに関する本件意匠においては,2段折れのアンテナ部分と先端の光るキャップ部分を組み合わせたという全体的な構成のみならず,先端のキャップ部分の構成,すなわち,それを覆っているカバーを通して見える内部の形状,カバー上端部分の形状,カバー部分とそれ以外の部分との比率等の細部の具体的構成が,本件意匠を他の意匠と識別する上での重要な役割を果たしているというべきである。
この点について,被告及び丙事件原告は,本件意匠の要部は2段折れのアンテナ部分と先端の光るキャップ部分を組み合わせたという基本的な構成自体にあると主張する。しかし,2段折れのアンテナ部分は原告が販売した第1アンテナにより,先端の光るキャップ部分は被告が販売したピューラントアンテナにより,本件意匠の意匠登録出願時に公知となっていたものであり,加えて携帯電話用アンテナに関しては,アンテナ先端のキャップ部分のみが異なる複数の意匠がそれぞれ別個の意匠として既に知られていたのであるから,本件意匠の出願時には,2段折れのアンテナ部分と組み合せるべき先端のキャップ部分としては複数の異なる意匠のものが存在したものである。このような点を考慮すれば,本件意匠は,2段折れのアンテナ部分に本件意匠において表されている具体的な先端キャップ部分を組み合せた構造のものとして,理解すべきである。仮に被告の主張に従えば,それぞれ異なる意匠として登録されている前記登録意匠(甲100,134〜139)の先端のキャップ部分を2段折れのアンテナに装着すると,本来類似しないはずのこれらの意匠がすべて類似することになるという不合理な結果を来すこととなる。本件意匠の要部の理解に関する被告及び丙事件原告の主張は,採用できない。
イ 本件意匠と反訴イ号の類否について 前記アを前提に本件意匠をみるに,先端キャップ部分の具体的な構成,すなわち,@先端のキャップ部分を覆っている透明材質カバーの上端がなだらかな曲線形状となっていること,A透明材質カバー部分と下部非透明部分の比率が約4:7であること,B透明材質カバーの内部にLEDの表面を覆うように6つに分けられたカットが施されていること,C透明材質カバー内部にLEDの球面の先端が見えることが,全体的な構成と共に,本件意匠を見た者にその美感を印象づける重要な要素を構成しているものというべきである。
他方,反訴イ号は,2段折れのアンテナ部分と先端の光るキャップ部分を組み合わせたという全体的な構成の限度では本件意匠と共通するものであるが,その先端のキャップ部分は,@透明材質カバーの上端が半球状であり,カットが施されている,A透明材質カバー部分と下部非透明部分の比率が約8:3である,B透明材質カバーの内部にはLEDの球面部分のみならず全体が見える,C透明材質カバーの内部にはLEDを支えるコイルが見える,という特徴を有する(検甲7により認められる。)。
そうすると,本件意匠と反訴イ号とは先端キャップ部分の構成を異にし,特に透明材質カバー部分と下部非透明部分の比率が異なることから,看者に対して,本件意匠については発光部分が少ないという印象を与えるのに対し,反訴イ号については発光部分がより大きく目立つという印象を与えるものである。また,全体の形状についてみても,本件意匠では先端のキャップ部分の直径がアンテナ本体部分に比べて太く,やや頭でっかちな印象を与えるのに対し,反訴イ号ではキャップの部分とアンテナ本体部分の太さがほぼ同じで細身の印象を与えるという違いがある。
以上によれば,反訴イ号は本件意匠に類似しないというべきである。
ウ 本件意匠と反訴ロ号の類否について 前記イと同様の理由で,反訴ロ号は本件意匠に類似しない。
なお,全体の形状については,前記のとおり(前記(2) イ),アンテナ取付金具の螺合部よりも下にある先端部のデザインが本件意匠と異なり細長の形状となっているから(検甲8により認められる),この点においても本件意匠に類似しない。
エ 本件意匠と反訴ハ号及び反訴ニ号の類否について 反訴ハ号及び反訴ニ号は,前記のとおり(前記(2) ウ,エ),前記反訴イ号の特徴@からBまでを備えているが,これに加えて,先端のキャップ部分につき,LEDを透明材質カバー中央部に配置し,その周囲を覆うように,透明材質カバー内壁に接するようにスプリングを配置した点(C′)に特徴を有する。
反訴ハ号及び反訴ニ号は,前記反訴イ号の特徴@からBを備えている点において,本件意匠とは異なるものであるが,これに加えて,このC′の特徴を有することにより,反訴イ号以上に本件意匠とは異なる印象を看者に与えるものであり,本件意匠には類似しないものというべきである。
オ まとめ 以上によれば,第3アンテナ(反訴イ号から二号まで)はいずれも本件意匠に類似せず,その権利範囲に属しないものと認められる。
この点につき,被告及び丙事件原告は,原告は被告が第2アンテナの形態を模倣した商品を販売したことを理由として本訴を提起したのであるから,反訴請求に関して第2アンテナと基本的な構成を同じくする第3アンテナにつき本件意匠と類似しないと主張することは,訴訟上の信義則(禁反言)に反し許されないと主張する。しかし,不正競争防止法2条1項3号の趣旨が,前記のとおり,他人が資金・労力を投下して開発・商品化した商品の形態模倣して,その成果にただ乗りする行為を不正競争行為と位置付けることにより,先行者の開発利益を模倣者から保護することとしたものであるのに対して,意匠権制度は,視覚的な美感上の創作物である意匠の保護を通じて,意匠の創作を奨励し,産業の発達に寄与することを意図したものであって,両者は,制度趣旨が異なるものであるから,不正競争防止法上,自他の商品の形態が実質的に同一かどうかの判断と,意匠法上の自他の意匠の類否の判断は,それぞれ,その制度趣旨に照らして行われる異なる観点からの判断である。したがって,不正競争防止法上,実質上同一の形態と評価される商品であっても,当該商品の分野における既存の公知意匠等との関係から美感上は異なる印象を与えるものとして,意匠の類似の範囲に属しないと評価されることもあり得るものというべきであるから,本件本訴及び反訴において,原告が不正競争防止法上の形態の同一性と意匠の類否の点について,それぞれの観点からの主張をしていることをもって,訴訟上の信義則に反するということはできない。被告及び丙事件原告の前記主張は,採用できない。
(4) 以上によれば,被告の反訴請求のうち,本件意匠権の独占的通常実施権及び専用実施権の侵害を理由とする損害賠償請求並びに丙事件原告の意匠権侵害を理由とする損害賠償請求は,いずれも理由がない。
5 被告の反訴請求のうち売掛代金請求について 被告が原告に対し,シグナルインジケーター(アンテナの光る先端部分)390本を代金額合計92万6100円で,第2アンテナ合計9031本を代金額合計927万3934円でそれぞれ売り渡したことは当事者間に争いがない。
そして,証拠(甲7,11の1〜3)及び弁論の全趣旨によれば,上記各売掛代金の履行期は遅くとも平成10年7月31日には到来していたことが認められる。
したがって,被告の反訴請求のうち,上記各売掛代金及びこれに対する平成10年8月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求める部分は理由がある。
6 結論 以上によれば,原告及び丙事件原告の請求はいずれも理由がないから棄却し,被告の請求は,売掛代金及び遅延損害金を請求する部分についてのみ理由があるからこれを認容し,その余の請求は理由がないから棄却することとする。
よって,主文のとおり判決する。
追加
意匠権目録別紙図面で示される携帯電話機用アンテナに係る意匠意匠登録番号第1029366号意匠に係る物品携帯電話機用アンテナ意匠権者D意匠の創作をした者D登録年月日平成10年10月30日別紙図面別紙原告製品形態図(1)図1図2図3別紙原告製品形態図(2)図1図2図3別紙原告製品形態図(3)反訴イ号反訴ロ号反訴ハ号反訴ニ号別紙物件目録(1)図1図2図3別紙物件目録(2)反訴イ号反訴ロ号反訴ハ号反訴ニ号
裁判長裁判官 三村量一
裁判官 村越啓悦
裁判官 和久田道雄
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