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事件 平成 10年 (ワ) 14101号 損害賠償等請求事件
原告 ミノル工業株式会社右代表者代表取締役 【A】 右訴訟代理人弁護士 若原俊二
同 小野田学
被告 ジェフコム株式会社右代表者代表取締役 【B】 右訴訟代理人弁護士 深井潔右補佐人弁理士 【C】
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 1999/12/21
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 一 被告は、原告に対し、金五〇万円及びこれに対する平成一一年一月八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを二分し、その一を原告の負担とし、その余を被告の負担とする。
四 この判決は第一項に限り仮に執行することができる。
事実及び理由
全容
事実及び理由は、別紙事実及び理由記載のとおりであり、原告の被告に対する請求は主文掲記の限度で理由があるから、主文のとおり判決する。
(口頭弁論終結日 平成一一年一一月二日)
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事実及び理由第1請求主文同旨第2事案の概要(争いのない事実)1当事者原告は、電設工具・機械工具・金属製品等を製造、販売する会社である。
被告は、電設工具・電気機材・照明器具を製造、販売する会社である。
2原告と被告は、ともに電設工事用呼び線を製造、販売している。
呼び線とは、電線・通信等の電線類の(主として)屋内配管への挿通の便に供せられるものである。その使用方法は、先ず、呼び線を配管の一端から、真っ直ぐあるいは屈曲した管の内壁に沿って押進・挿通させて、他端に出た呼び線の先端部に電線類を取り付け、しかる後、挿入開口部の外に残存する呼び線の残部を、挿入開口部側に逆方向に引っ張り出して呼び線を引き戻すことによって、電線類を配管内に引き入れて配設するものである。
原告は、別紙呼び線一覧表及び呼び線一覧図記載の原告商品ABC(以下、「原告商品A」などといい、まとめていう場合には「本件原告商品」という。)を、被告は、同表及び同図記載の被告商品BないしG(以下、「被告商品B」などといい、これらのうち被告商品CないしGをまとめていう場合には「本件被告商品」という。)を、それぞれ同表及び同図記載の各時期から製造、販売している。
本件原告商品及び本件被告商品は、いずれも撚り線形状の呼び線であるが、原告と被告の商品以外に撚り線形状の呼び線は市場に現れていない。
そして、本件原告商品は3本の撚り線を線条体に使用しているのに対し、本件被告商品は1本の形断面線条をその軸心回りに捻回して撚り線の外観を形成している点に、両者の違いがある。
3被告は、別紙表示文言一覧表記載のとおり、掲載媒体欄記載の媒体に表示文言1及び2欄記載の表示(以下それぞれ「本件表示1」、「本件表示2」といい、本件表示1については、同表左端欄の記号に従い「本件表示1a」などと区分していうことがある。)を掲載した。
(原告の請求)本件表示1は、被告と競合関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽事実の表示に該当するから、被告が本件表示1を掲載した行為は、不正競争防止法2条1項13号に該当し、また、本件表示1及び2は本件被告商品の品質・内容について誤認させるような表示に該当するから、被告が本件表示1及び2を掲載した行為は、
同法2条1項12号に該当するとして、原告は、被告に対し、原告がこれら不正競争行為により被ったとする営業上の損害の賠償を求めている。
(争点)1被告が本件表示1を掲載した行為は、不正競争防止法2条1項13号に該当するか。
2被告が本件表示1及び2を掲載した行為は、不正競争防止法2条1項12号に該当するか。
3損害の額第3争点に関する当事者の主張1争点1(13号該当性)について【原告の主張】(1)撚り線からなる呼び線を市場に出しているのは原告しかなく、撚り線形状の単線ツイストタイプの呼び線メーカーは被告だけしかない状況の下において、本件表示1のように、本件被告商品は、1本の線条からなるので、撚り戻り、撚りたわみ、押したわみ、キンク、中ぶくれ等が全くないとの表示をすることは、裏を返せば、3本を撚ってなる本件原告商品には撚り戻り、撚りたわみ、押したわみ、キンク、中ぶくれ等が見られると表示していることにほかならない。とりわけ、「撚り線特有のキンク」の表示は、複数線を撚っている本件原告商品には、「撚り線特有のキンクが必ず発生する」ことを印象づけようとするものである。
(2)本件表示1中、「撚り戻り」とは、複数線の撚りが戻ることなので、撚りがなくなる、撚りが元通りになる、撚り線がばらばらに解けた状態になることである。
また、「撚りたわみ」及び「押したわみ」とは、押されて撚りが戻って解けた状態になることであり、撚り線からなる呼び線自体がたわんでしまう、つまり曲がってしまうことを意味する。また、「中ぶくれ」とは、押されて撚りが戻って、所々が解けた状態になることであり、そのため撚られていた撚り線の中に、空隙が生じるため、呼び線自体が膨らむことである。また、「キンク」とは、よじれることである。撚り線がよじれれば、その限りで破断荷重を喪失し、究極において破断することになる。
しかしながら、本件原告商品は、発売以降今日に至るまで、通算50万本以上を販売しており、この間、線条体をなす撚り線が変形したり折れたりして通線不能になったという苦情はただの1件も発生していない。すなわち、本件表示1に記載されているような現象を来したことはないのである。
(3)したがって、被告が、本件表示1を掲載したことは、不正競争防止法2条1項13号に該当する。
【被告の主張】(1)被告は、本件被告商品を本件原告商品との対比において虚偽の事実を挙げたことはなく、原告を誹謗中傷したこともない。
本件表示1の記載は、被告自らが認識した本件被告商品の特徴を説明しているにすぎず、本件原告商品がそうではない旨の表示にはなってはいない。
なお、本件表示1が掲載された広告等に、本件被告商品の断面図と3本の撚り線の断面図とを掲げたのは、被告自ら昭和62年春ころまで3本の撚り線を線条体に使用した呼び線(被告商品B)を製造、販売していたため、被告の従来品と対比したにすぎず、両者の構造を単に明示したにすぎない。
(2)撚り線は、複数線を撚っている以上、理屈の上でも、撚り戻り、撚りたわみ、
押したわみ、キンク、中ぶくれは、当然考えられる事柄である。
(3)したがって、被告が本件表示1を掲載したことは、原告の営業上の信用を害するものでもなく、虚偽の事実を流布するものでもない。
2争点2(12号該当性)について【原告の主張】本件表示2は、被告商品EFGについて掲載され、特許実用新案8件申請済みとの表示があるが、同商品について、特許実用新案の申請は8件もないはずである。
被告は、被告商品EFGに関連して、被告代表者と被告の関連会社が出願又は登録済みの工業所有権として別紙工業所有権一覧表記載の権利を主張するが、そのうち特許は(1)(2)の2件、実用新案は(3)の1件しかなく、うち(2)は、被告商品EFGに用いられていない。また、同表(4)ないし(8)は意匠であるが、(6)は(5)の類似、(8)は(7)の類似であるから、全部で3件しかない(しかも、(5)(6)は、呼び線用先端金具を、(7)(8)は呼び線を、それぞれ物品とする意匠にして、前者は後者に包含されている。)。さらに、(4)は、被告商品EFGに用いられていない。
これら虚偽の表示は、本件表示1の虚偽の商品属性表示と相まって、本件被告商品の品質・内容が本件原告商品のそれに優越することを、不当にも過大に見せようとするもので、不正競争防止法2条1項12号に該当する。
【被告の主張】被告商品EFGに関連して、被告代表者と被告の関連会社が出願又は登録済みの工業所有権は別紙工業所有権一覧表記載のとおりである。また、被告は、本件被告商品に関し、栗原工業株式会社と、同社の有する実用新案権(登録第1827094号)の実施契約を締結している。
本件表示2の特許実用新案8件申請済みとの文言は、特許権、実用新案権という独占的実施権を保有していることの表示と異なり、何ら権利主張をしたものでもなければ、被告商品EFGの品質・内容が本件原告商品のそれに優越することを表示したものでもない。
3争点3(損害額)について【原告の主張】被告が本件表示1及び2を掲載することは、原告の営業上の利益、信用を侵害するものであり、被告には故意又は過失があるところ、これによって原告の被った損害は金90万円を下らない。
【被告の主張】争う。
第4争点に対する判断1争点1について(1)本件表示1aについて証拠(甲1)によれば、本件表示1aが掲載された広告には、「ポリエチレンテレフタレート異形単線タイプの開発を発表」、「複数線を撚っていない為、撚り戻りが全くなく、又撚線特有のキンクがない。(当社従来品比)」、「異形単線ツイストシステムの為、押し込み作業中の線の中ぶくれによる力の吸収低減がない。(押込力の有効値が高い)」、「撚線と異なり、剛性(バネ性)が強くよく通る。(同サイズ比)」との記載があり、「新断面」として形状の図面が、「従来品複数撚り線断面」として3本の撚り線の線条体断面図が、それぞれ掲載されている。
ところで、証拠(甲1、10)と弁論の全趣旨によれば、被告は、「シルバーエース」という同じ商品名で、昭和61年末ころから昭和62年春ころまで、3本の撚り線を線条体とする呼び線(被告商品B)を、昭和62年春以降は、断面形状の線条をその軸芯廻りに捻回した1本の線条体を用いた呼び線(被告商品C)を、順次製造、販売していたことが認められるところ、本件表示1aが掲載された広告は、
いずれも、被告商品Cの広告であったことが認められる。
上記事実からすると、本件表示1aは、それまで製造、販売していた、3本の撚り線を線条体とする被告商品Bと同じ商品名で、断面形状の線条をその軸芯廻りに捻回した1本の線条体を用いた被告商品Cを新たに製造、販売するに当たって、被告商品Bとの違いを明確にするために用いられたものと認められ(このことは、とりわけ本件表示1a中の「当社従来品比」との記載から明らかである。)、本件原告商品の性能等について言及したものとは認められない。
したがって、本件表示1aは、原告の営業上の信用を害するおそれがあるものとは認められず、被告が、本件表示1aを掲載したことは、その余の点について検討するまでもなく、不正競争防止法2条1項11号所定の不正競争に該当しない。
(2)本件表示1bについて証拠(甲2)によれば、本件表示1bは、平成2年4月に販売が開始された商品名「ブルーエース」の呼び線(被告商品D)の広告に掲載されたものであるが、同広告には、「単線の為(より戻りがない)剛直性に優れよく通る」、「※形状の似た類似品との性能の差をお確かめください。」との記載があることが認められる。
そして、(争いのない事実)2記載のとおり、原告と被告の商品以外に撚り線形状の呼び線は市場に現れておらず、本件表示1bが掲載された平成5年11月から同6年3月までの間、市場に供給されていた複数の撚り線を線条体とする呼び線は、
原告商品ABのみであったことからすると、上記「形状の似た類似品」とは、原告商品ABのことを意味しているものと考えられ、「単線の為(より戻りがない)剛直性に優れよく通る」との記載と「性能の差をお確かめ下さい。」という記載は、
呼び線の取引者又は需要者に対し、原告商品ABは、「複線を撚っているため(撚り戻りがあり)剛直性に劣りよく通らない。」ものであると認識させるおそれがあったものといえる。
そして、「撚り戻り」とは、複数線の撚りが戻ること、即ち撚りがなくなる、撚りが元通りになる、撚り線がばらばらに解けた状態になることを意味するものと解されるが、証拠(甲10、原告代表者)によれば、原告商品ABは、3本の撚り線を切断しても、撚り線が撚りを戻す方向に逆回転しない撚り線の材質と撚りの強度が選択され、3本の撚り線を熱で固定しており、撚り戻りが起こらないような構造になっていたものであり、原告の取引先又は需要者から、その点についての苦情はなかったことが認められる。
なお、被告は、撚り線は、その構造上、理論的には撚り戻りが生じ得るものであると主張するが、理論的に考えられたとしても、上記事実からすると、現実の挿通作業において、原告商品ABについて、撚り戻りが生じることはなかったと解される(被告は、現実の挿通作業において、原告商品ABに撚り戻りが生じていないことについて、特に反証しない。)。
したがって、被告が、本件表示1bを、別表b欄の掲載媒体欄記載の広告に掲載した行為は、被告と競争関係にある原告の営業上の信用を害するおそれがある虚偽の事実を流布した行為に当たるから、不正競争防止法2条1項13号に該当する。
(3)本件表示1cについて証拠(甲3)によれば、本件表示1cが掲載された広告には、「撚りたわみなし」「剛直性No.1」「最もよく通る呼び線」との記載があることは認められるが、
3本の撚り線を線条体とする呼び線と比較して、断面形状の線条をその軸心回りに捻回した1本の線条体を用いた呼び線が優れていることを示す記載の存在は何ら認められない。
上記事実からすると、本件表示1cは、本件原告商品の性能等について言及したものとは認められない。
したがって、本件表示1cは、原告の営業上の信用を害するおそれがあるものとは認められず、被告が、本件表示1cを掲載したことは、その余の点について検討するまでもなく、不正競争防止法2条1項11号所定の不正競争に該当しない。
(4)本件表示1dについてア証拠(甲4ないし7)と弁論の全趣旨によれば、本件表示1dは、被告商品EFGの平成9年9月以降の広告、被告商品FGの平成10年カタログ及び表示札に記載されたものであり、同各媒体には、「単線ツイストだから・・・・押したわみや押し込み作業中に線の中ぶくれがないため、力の低減なく先端まで力が加わり長尺・曲がりがよく通る。」、「単線ツイストタイプのため、撚りたわみがなく剛直性抜群」(広告、カタログ)、「撚りたわみなし剛直性抜群」(表示札)との記載があるとともに、「当社製品単線」として断面・形状の線条をその軸心回りに捻回した1本の線条体の断面図が、「撚り線との相違」として3本の撚り線の線条体の断面図が、比較対照できるように掲載されていることが認められる。
前記のように、被告が、「シルバーエース」の商品名で、3本の撚り線を線条体とする呼び線を製造、販売していたのは、昭和62年春ころまでであったこと、本件表示1dが掲載された当時、市場に供給されていた3本の撚り線を線条体とする呼び線は、本件原告商品のみであったことからすると、前記媒体に「撚り線との相違」として掲載されている3本の撚り線の線条体の断面図は、本件原告商品を指しているものと認められ、「単線ツイストだから・・・・押したわみや押し込み作業中に線の中ぶくれがない為、力の低減なく先端まで力が加わり長尺・曲がりがよく通る」、「(単線ツイストタイプのため、)撚りたわみなし剛直性抜群」との記載を読んだ呼び線の取引者又は需要者は、本件原告商品を、「複線を撚ったタイプだから・・・・押したわみや押し込み作業中に線の中ぶくれがある為、力の低減があり先端まで力が加わらず長尺・曲がりがよく通らない」、「(複線を撚ったタイプのため、)撚りたわみがあり剛直性抜群でない」ものと認識するおそれがあるものと認めるのが相当である。
イ「撚りたわみ」及び「押したわみ」とは、撚り線からなる呼び線自体がたわんでしまう、つまり曲がってしまうことを意味するものと解される。
ところで、呼び線は、電線・通信等の電線類の(主として)屋内配管への挿通の便に供せられるものであるから、管の真っ直ぐな箇所では真っ直ぐ通り(直進性)、曲がった箇所では管の内面に沿って曲がりながら通ること(可撓性)が要求される。
したがって、本件表示1dは、単線ツイストタイプであるから、現実の挿通作業に支障を来すほどの押したわみや撚りたわみはない、という趣旨であると解される。
しかしながら、原告の取引先又は需要者から、本件原告商品が押したわみや撚りたわみを生じているとの苦情はなかったものと認められ(甲10、原告代表者)、本件原告商品は、現実の挿通作業に支障を来すほどの押したわみや撚りたわみは生じないものと認められる(被告は、現実の挿通作業で本件原告商品に押したわみや撚りたわみが生じていないことについては、特に反証しない。)。
ウ「中ぶくれ」とは、押されて撚りが戻って、所々が解けた状態になることであり、そのため撚られていた撚り線の中に、空隙が生じるため、呼び線自体が膨らむことであると解される。
しかしながら、証拠(甲10、原告代表者)によれば、原告は、東レ・モノフィラメント株式会社と本件原告商品の線条体に使用されている3本の撚り線を共同して開発した際、中ぶくれの発生の有無を含む種々の試験を経て、中ぶくれ等が生じないように、線条体の素材、太さ、撚り数が選択され、三本の撚り線を熱で固定するなどの工夫も施されたものと認められ、原告の取引先又は需要者から、その点についての苦情はなかったものと認められる。
なお、被告は、撚り線は、その構造上、理論的には中ぶくれが生じ得るものであると主張するが、理論的に考えられたとしても(甲10添付資料4、5にも、撚り線の撚りのピッチ等によっては、作業時に中ぶくれが生じる可能性のあることを指摘する記載がある。)、上記事実からすると、現実の挿通作業において、本件原告商品について、中ぶくれが生じることはなかったものと認められる(被告は、現実の挿通作業で本件原告商品に中ぶくれが生じていないことについては、特に反証しない。)。
エ以上より、被告が、本件表示1dを、別表掲載媒体欄のd欄記載の広告、カタログ、表示札に掲載した行為は、原告の営業上の信用を害するおそれがある虚偽の事実を流布した行為に当たるから、不正競争防止法2条1項13号に該当する。
2争点3(損害の額)について(1)既に判示した事情によれば、被告が前記不正競争を行うにつき少なくとも過失があったものと認められるから、被告は、前記不正競争行為により原告に生じた営業上の損害を賠償する責任を負う。
(2)そして、被告が、本件表示1b及び1dを、別表媒体欄のうちb欄又はd欄にそれぞれ掲載した行為は、原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為であるから、これにより、原告には信用毀損が生じたものと認められる。もっとも、本件表示1b及び1dの表示は、原告又は本件原告商品を名指ししたものではなく、被告の商品と類似する商品又は3本の撚り線形上の線状本体を有する呼び線との違いを表示したものであるところ、同表示を見た者の間に、被告の商品と類似する形状の呼び線又は3本の撚り線形状の線状本体を有する呼び線は、原告の商品であるとの認識が浸透していたと認めるに足る証拠はないこと、その他上記表示が付された期間、回数、掲載された媒体の種類など、本件に現われた一切の事情を総合考慮すれば、信用毀損を賠償するための損害額は、金50万円とするのが相当である。
なお、被告の上記行為により、本件原告商品の売上が、いくらかでも減少した可能性は否定できないが、原告の逸失利益を具体的に認めるに足りる証拠はない。
(3)原告は、被告が本件表示1及び2を掲載した行為が、不正競争防止法2条1項12号に該当する旨主張するが(争点2)、仮にそのような事実が認められるとしても、それと因果関係のある原告の逸失利益の額は全く明らかでないのみならず、
それは本件被告商品の品質が現実のものよりも優れたものであるとの印象需要者に与えたことを意味するにすぎないから、同行為により、原告に信用毀損が生じたとも認められない。
裁判長裁判官 小松一雄
裁判官 高松宏之
裁判官 安永武央
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