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事件 平成 7年 (ワ) 501号
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裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 1996/09/26
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 一 被告株式会社ワイ・エス・パークニューヨーク及び被告株式会社五力工業は、
別紙商品目録1ないし26記載の各表示を商品ヘアピンに付し、右各表示を付した商品ヘアピンを販売してはならない。
二1 被告株式会社井田両国堂及び被告株式会社高島屋は、別紙商品目録1ないし26記載の各表示を付した商品ヘアピンを販売してはならない。
2 同被告らに対し、右各表示を商品ヘアピンに付することの差止を求める原告の請求を棄却する。
三 原告の被告らに対する金員請求を棄却する。
四 訴訟費用はこれを二分し、その一を原告の、その余を被告らの各負担とする。
事実及び理由
請求の趣旨
一 被告らは、別紙商品目録1ないし26記載の各表示を商品ヘアピンに付し、右各表示を付した商品ヘアピンを販売してはならない。
(訴状には、請求の趣旨として、別紙商品目録1ないし26記載の各商品を「製造」、販売してはならない、と記載されているが、右にいう「製造」とは、商品たるヘアピンを作ることではなく、商品たるヘアピンに各表示をすること[不正競争防止法2条1項10号参照]を意味することが明らかである。)二 被告らは、連帯して、原告に対し、二〇〇〇万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(被告株式会社五力工業[以下「被告五力工業」という。]及び同株式会社高島屋[以下「被告高島屋」という。]については平成七年一月二八日、被告株式会社ワイ・エス・パークニューヨーク[以下「被告ワイ・エス・パーク」という。]については平成七年一月二九日、被告株式会社井田両国堂[以下「被告井田両国堂」という。]については平成七年一月三一日)から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。
三 仮執行の宣言
事案の概要
一 事実関係1 当事者(争いがない)(一) 原告 原告は、美容室などで使用する特殊へアピンを除く、一般市場向けヘアピンを製造、販売している(但し、右製造、販売につき、被告ワイ・エス・パーク、被告五力工業、被告井田両国堂は、特定業者から製造委託を受けて製造し、供給しているにすぎないと主張する。)。
(二) 被告ら(1) 被告ワイ・エス・パークは、別紙商品目録1ないし26記載の各表示(以下、全体を「本件表示」という。)を付した商品ヘアピン(以下、総称して「本件商品」という。)の企画・立案を行い、総発売元として本件商品を販売してきた。
(2) 被告五力工業は、本件商品を製造してきた。
(3) 被告井田両国堂は、本件商品の卸売を行ってきた。
(4) 被告高島屋は、本件商品を、被告ワイ・エス・パークから仕入れて販売してきた。
2 原告の請求 原告は、本件商品に付された本件表示は不正競争防止法2条1項10号に規定する「商品の原産地について誤認させるような表示」(以下「原産地誤認表示」という。)に該当し、本件表示のうち外国国旗の使用は同法9条(外国の国旗等の商業上の使用禁止)にも違反し、被告らによる本件商品の販売により原告は営業上の利益侵害されていると主張して、本件表示の使用及び本件表示を使用した本件商品の販売の差止を求めるとともに、損害金二〇〇〇万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みまで年六分の割合による遅延損害金を連帯して支払うことを求めるものである。
3 なお、被告ワイ・エス・パークは、平成七年一月一〇日、公正取引委員会から口頭で、商品の原産国に関する不当な表示(昭和四八年一〇月一六日公正取引委員会告示第三四号。以下「告示第三四号」という。)に該当するおそれのある表示をしているとして、警告を受けた。被告らは、平成七年一月三一日をもって、本件表示のうち外国国旗の表示の使用を中止し、その後は、これらの表示を変更した表示を付した新商品を販売している。
二 争点1 本件表示は、原産地誤認表示に当たるか。
2 原告は、被告らによる本件商品の販売によって損害を被ったか。被ったとすればその額いかん。
争点に関する当事者双方の主張
一 争点1(本件表示は、原産地誤認表示に当たるか)について【原告の主張】1 本件表示は、@外国国旗が付され(不正競争防止法9条により禁止されている。)、A表示の主要部分が外国語(英語)で表記され、B「PIN OF THE WORLD・・・COLLECTION」、「世界のヘアピンコレクション 世界で初めて……世界中のピンを集大成」、「PIN OF THE WORLD 世界のヘアーピン」と表記されている、というものであるところ、このような表示は、消費者に世界各国で使用されているヘアピンを世界中から輸入して集めたものであるとの誤認を生じさせるに十分なものである。しかも、本件商品については、「日本製」であることを明記した表示を確認することはできない。
以上を総合すると、本件表示は原産地誤認表示に当たることが明らかである。
被告らは、本件表示はヘアピンの「タイプ」を示す表示である旨弁解するが、
「アメリカンタイプ」のように「国名+タイプ」の表示だけであるならともかく、
本件表示は、右@ないしBのようなものであるから、右のような弁解が通用する余地はない。
2 不当景品類及び不当表示防止法4条3号は、「・・・商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認させるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの」の表示を禁止し、これを受けて告示第三四号は、商品の原産国に関する不当な表示として、
「国内で生産された商品についての次の各号の一に掲げる表示であって、その商品が国内で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であると認められるもの@ 外国の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの表示A 外国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示B 文字による表示の全部又は主要部分が外国の文字で示されている表示」と規定している。
不正競争防止法と不当景品類及び不当表示防止法は、ともに公正な競争を確保することを立法目的としているから、告示第三四号は、不正競争防止法2条1項10号(原産地誤認表示)を解釈するに当たってもそのままあてはまるものと解される。
そして、前記第二の一3のとおり、被告ワイ・エス・パークは、平成七年一月一〇日、公正取引委員会から口頭で、本件表示は告示第三四号が規定する商品の原産国に関する不当な表示に該当するおそれがあるという理由で、警告を受けた。
被告らは、口頭での警告は軽微な違反被疑事件に対して行われるものであると主張するが、公正取引委員会による違反行為の認定と中止を求める意思表示が存することは疑いがない。
3 被告ワイ・エス・パークは、平成七年一月三一日をもって本件表示を付した本件商品の販売を中止したが、本件表示が原産地誤認表示に当たらないと考えるなら売行きがよかった本件商品の販売を中止するはずがないから、この販売の中止は、
被告ワイ・エス・パーク自身、本件表示が原産地誤認表示に該当することを認めたからにほかならない。
【被告らの主張】1 本件表示中、外国国旗は、原産地を示す表示ではなく、それぞれのヘアピンの「タイプ」を示す表示である。
すなわち、ヘアピンの形状は、国・地域によって特徴があり、それぞれの特徴に応じて、「アメリカンタイプ」「ヨーロピアンタイプ」と呼ばれており、このようにヘアピン業界においては、ヘアピンのタイプを表示する方法として国名を使用することは通常行われているところであり、国旗も同様の趣旨で使用されているものである。特に、本件商品のうち、商品目録1、3、4、7ないし10、18、21ないし25の各商品については、「イタリアンタイプ」「ブリティッシュタイプ」「アメリカンタイプ」「フレンチタイプ」というように「・・・タイプ」という表記も併せてしている(いわゆる「打消表示」)から、外国国旗を表示していても、
これが原産地を表示するものではなく、ヘアピンのタイプを表示するものであることは明確である。商品目録2、5、6、11ないし17、19、20、26の各商品については、右のような「・・・タイプ」という表記がないが、右の「・・・タイプ」という表記のある商品と同一の商品棚において販売されているので、外国国旗の表示をみて、これらの商品だけ当該外国産であると判断する者はいない(「アメリカピン」について検乙第二ないし第四号証)。
更に、本件商品を収納した透明の包装袋内に「能書き」(説明書)が入れられており(各商品目録の裏面)、その説明書のほとんどのものには、製造元として被告五力工業が英語で表記されており、しかも、「工業」の部分はそのままローマ字で表示されているし、記載された被告五力工業の電話番号も一見して日本の電話番号であることが分かるから、製造地が日本であることは自明になっている。
したがって、本件表示は、原産地誤認表示には当たらない。
2 被告らは、公正取引委員会の警告を真摯に受け止めて、本件表示を付した本件商品の販売を中止したにすぎず、原告が主張するように本件表示が原産地誤認表示に該当することを認めたから販売をやめたというものではない。
公正取引委員会の右警告は、口頭によるもので、軽微な違反被疑事件に対して行われるものであって、文書警告や排除命令などとは程度が異なる。
3 被告らは、平成七年一月三一日をもって、本件表示を付した本件商品の製造販売を止めたから、原告の差止請求は理由がない。
二 争点2(原告は、被告らによる本件商品の販売によって損害を被ったか。被ったとすればその額いかん)について【原告の主張】1 平成元年度から平成七年度にかけての、原告製造の一般市場向けヘアピンの売上高の変遷は、次のとおりである。
平成元年度 一億二八一四万三五八四円平成二年度 一億三二三六万〇二八二円平成三年度 一億〇九六四万三七〇七円平成四年度 九六二三万〇二九三円平成五年度 八二五六万五一二〇円平成六年度 七六〇〇万六八九〇円平成七年度 八七四五万八〇九三円2 被告らが本件表示を付した本件商品の販売を開始したのは平成二年ころであり、原告製ヘアピンの売上高がこのころを境に極端に落ち込んできていることが分かる。
もともと、ヘアピンの製造業界は、大阪の少数の業者で全国シェアのほとんどを独占してきたもので、その中で、本件商品が出回るまでは、原告が約六〇パーセント、訴外川北ヘアピン(八尾市)が約二〇パーセント、被告五力工業が約一〇パーセント、その他の一ないし二社で約一〇パーセントという割合で分け合ってきた。
そして、このシェアの割合は、長期間さしたる変動がなかった。ところが、本件商品の販売によって、被告五力工業のシェアは約四〇パーセントに急上昇したのに対し、原告のシェアは急下降しており、原告は一般市場向けヘアピンの製造販売ではすでに利益を上げることができなくなった。
したがって、被告らによる本件商品の販売によって、原告に損害が発生していることは明らかであり、その損害額は、二〇〇〇万円を上回るものである。
3 被告ワイ・エス・パーク、被告五力工業及び被告井田両国堂は、原告は他社からの製造委託を受けてヘアピンを製造しているにすぎず、自社ブランド製品の販売により利益を得ているものではないから自らの販売利益は存しないというが、原告は、自己の企画及び方針でヘアピンを製造しており、当然新製品の開発もするし、
販売のための営業活動も行っている。
【被告ワイ・エス・パーク、被告五力工業及び被告井田両国堂の主張】1 原告は、他社(株式会社ラッキーコーポレーション等)からの製造委託を受けてヘアピンを製造しているにすぎず、自社ブランド製品の販売により利益を得ているものではないから、自らの販売利益は存しない。
2 また、原告の主張するとおり原告製ヘアピンの売上げが減少し被告らの本件商品の売上げが増加したとしても、以下のとおり、被告らが本件表示を使用した行為との間に因果関係はない。
(一) 本件は、類似の商品表示による商品の混同が問題になっているのではないから、本件商品の販売により、直ちに原告に損害が生ずるということにはならない。原告製ヘアピンの売上げが減少したとしても、それはひとえに原告の営業努力の不足の結果であり、本件商品とは関係がない。
(二) 本件商品が人気商品となった原因は、本件表示にあるのではなく、被告ワイ・エス・パークの商品販売企画の独創性、優秀性にある。すなわち、被告ワイ・エス・パークは、@個々のヘアピン毎に、「横ずれしにくい」とか「ピン先の浮かない」とかいう、髪の質や長さ、頭の形等に応じた要求を有する顧客に対して具体的個別的にアピールする商品スローガンを表示した「アテンションシール」、及びヘアピンの用法・特徴・使用法についてイラスト入りで説明をした「能書き」を添付し、Aヘアピンの単品をばらばらに販売するのではなく、五七種類にもわたるコレクションとして商品展開をし、店舗における販売に際してもその一五種類ないし三五種類をワンセットにして一度に展示できるディスプレイ資材を使用して大々的に販売を開始した。このような商品販売企画の独創性、優秀性により、従来マイナーな商品でしかなく、雑貨店の片隅で販売されているにすぎなかったヘアピンが、
本件商品の場合はバラエティーショップの真ん中で堂々と展示販売されるメジャーな商品になり、人気商品となって売上げが増加したのである。消費者が本件商品を購入する動機は、商品自体の企画の優秀性からくる魅力、多くの商品の中から自己に一番適したヘアピンを選択できることにある。
(三) そもそもヘアピンの場合、そのほとんどが低廉なものであるため、外国製と銘打っても、特にそのことで商品の付加価値が高まるということはない。バッグや化粧品とは異なり、外国製ということによる商品の魅力は存在しないのであり、
消費者は、ヘアピンの原産国がどこの国であるかということで選択しているものではない。
【被告高島屋の主張】 本件表示が原産地誤認表示に該当しないことは別として、少なくとも本件商品の販売と原告の売上高の減少との間には相当因果関係がないことが明らかである。
1 被告高島屋が、本件表示を付した本件商品を被告ワイ・エス・パークから仕入れて販売したのは、平成四年五月から平成七年一月末日までであり、その間の本件商品の仕入数量及び金額は、次のとおりである。
平成四年五月〜一二月 八五個 一万八八八六円 平成五年一月〜一二月 七一七個 一五万〇六〇八円 平成六年一月〜一二月 五七三個 一一万四五五二円 平成七年一月 三三個 六八四〇円 合計 一四〇八個 二九万〇八八六円 このように、被告高島屋による本件商品の取扱量は極少量であるから、被告高島屋が本件商品を取り扱ったことは原告の営業実績に何らの影響も与えていないことが明らかである。
2 被告高島屋は、平成七年二月からは、新商品を被告ワイ・エス・パークから仕入れて販売しており、その仕入数量及び金額は次のとおりである。
平成七年三月〜一二月 五〇一個 九万六一五六円 平成八年一月〜 五月 二四六個 四万九二五五円 この新商品の仕入数量及び金額と右1の本件商品の仕入数量及び金額との間に大きな差異はない。被告高島屋は、従前より本件商品の在庫がなくなる毎に一〇個内外ずつ仕入をしてきており、販売数量は仕入数量とほぼ等しいから、本件商品の仕入数量と新商品の仕入数量に大きな差異がないということは、表示の変更があっても販売数量に変化がないことを示しており、したがって、本件表示が本件商品の購買誘因の大きな要素であるとする趣旨の原告の主張は理由がない。
当裁判所の判断
一 争点1(本件表示は、原産地誤認表示に当たるか)について1 本件商品(商品目録1ないし26の各商品)に付された本件表示は、(1)透明の包装袋の表面に貼られたシール、(2)商品であるヘアピンを入れた缶容器の蓋及び(3)透明の包装袋の裏面側に入れられた説明書に表示されており、その内容は次のとおりである。
(一) 商品目録1の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「イタリアンタイプ L 横ずれしにくい ボブピン」という文言とイタリア国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 「Y.S.PARK」、そのすぐ右下に小さく「NEW YORK」と記載され、更に下に「PIN OF THE WORLD・・・・・COLLECTION」、小さく「FROM INTERNATIONAL PROFESSIONAL HAIR ARTIST MANUFACTURE BY 555・・・IS A BEST」といずれも英語で記載されている。
(3) 裏面側に入れられた説明書 「Y.S.PARK世界のヘアピンコレクション」、
そのすぐ下に小さく「世界で初めて・・・・・・世界中のピンを集大成―57種類―」と記載され、そして、「このピンは・・・」「特徴」と題してピンの特徴が詳しく記載されているほか、ピンの具体的な使用方法がイラスト入りで説明されている。右下に、「Produced by Y.S.PARK NEW YORK CO.,LTD.Tel△△-△△△△-△△△△(代)」「Manufacture by 555(GORIKIKOGYO CO.,LTD.)Tel△△△△-△△-△△△△(代)」と記載されている。
(二) 商品目録2の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「ビッグサイズ 568 ピン先の浮かない ドイツピン ぬけにくい(マロン&ゴールド)」という文言とドイツ国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(三) 商品目録3の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「汗をかく時でもOK 27 絶対サビナイ ブリティッシュタイプ<エクササイズ用>」という文言とイギリス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(四) 商品目録4の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「アメリカンタイプ R ぬけにくい ボブピン <太い髪・硬毛用>」という文言とアメリカ国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、
ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(五) 商品目録5の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「開かずに・・・押すだけで・・・頭皮にそって止まる (55) 大発見 イタリアンピン 黒・栗毛色用」という文言とイタリア国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(六) 商品目録6の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「17 超強力 スペシャル ボブピン」という文言が印刷されたシール、左上方にフランス国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 「Y.S.PARK」、そのすぐ右下に小さく「NEW YORK」と記載されている。
(3) 裏面側に入れられた説明書 「Y.S.PARK PIN OF THE WORLD」「Professional hair stylist Young―soo Park scientifically formulated total hair care products for proven results.」「Y.S.PARK 世界のヘアーピン」「ピンは、髪を止める為に有り、その上ピンを見せる場合とかくす場合が有りますので、小さなアクセサリーとしても使えます。目的に応じて、あなたが上手に世界のピンを使い分けてください。」と記載されているほか、品名、商品説明、特徴、使い方、相談(アドバイス)の案内が記載されている。
最下段に「発売元(株)ワイ・エス・パーク ニューヨーク 〒106東京都港区<以下略> Tel△△-△△△△-△△△△(代)」「Produced by Y.S.PARK NEW YORK」「Manufactured by GORIKI」と記載されている。
(七) 商品目録7の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「フレンチタイプA―7 ぬけにくい ボブピン〈細い髪用〉」という文言とフランス国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 「Y.S.PARK 世界のヘアーピン」「世界で初めて・・・・世界中のピンを集大成―35種類―」と記載され、そして、「このピンは・・・・・」「特徴」と題してピンの特徴が詳しく記載されているほか、ピンの具体的な使用方法がイラスト入りで説明されている。右下に、「発売元 Y.S.PARK NEW YORK CO.,LTD」「Produced by Y.S.PARK Beauty Salon」と記載されている。
(八) 商品目録8の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「ブリティッシュタイプA―1 ぬけにくい ボブピン 〈ショートサイズ〉」という文言とイギリス国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録7の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(九) 商品目録9の商品について(1)包装表面のシール 右上に「ブリティッシュタイプA―2 ぬけにくい ボブピン 〈ショートサイズ・4色〉」という文言とイギリス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録6の商品と同じ記載がある(但し、品名、商品説明、特徴として記載されている内容は異なる。)。
(一〇) 商品目録10について(1) 包装袋表面のシール 右上に「9 アメリカンタイプ ぬけにくい ボブピン 〈太い髪・硬毛用〉」という文言が印刷されたシール、左上方にアメリカ国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録7の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(一一) 商品目録11の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「43 アミカラーローラーを止める為のピン」という文言が印刷されたシール、左上方にイタリア国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録6の商品と同じ記載がある(但し、品名、商品説明、特徴として記載されている内容は異なる。また、「Manufactured by GORIKI」との記載を除く。)。
(一二) 商品目録12の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「D.PAT.P A―34 パーティシニオン アップができる 11種類のピンゴム付セット イタリアンピン」という文言とイギリス、日本、イタリア、フランス、アメリカ、デンマークの各国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録7の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(一三) 商品目録13の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「44 アミカラーローラーを止める為のピン〈6色〉」という文言が印刷されたシール、左上方にイタリア国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録6の商品と同じ記載がある(但し、品名、商品説明、特徴として記載されている内容は異なる。また、「Manufactured by GORIKI」との記載を除く。)。
(一四) 商品目録14の商品について(1) 包装袋表面のシール 右上に「43 アミカラーローラーを止める為のピン」という文言が印刷されたシール、左上方にイタリア国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録6の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録6の商品と同じ記載がある(但し、品名、商品説明、特徴として記載されている内容は異なる。)。
(一五) 商品目録15の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「(72) アップ 一本止用 〈6色〉」という文言とアメリカ国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(一六) 商品目録16の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「538 かくしピン 止めると見えません まげ・おくれ毛用 マロン&ブロンズ」という文言とフランス国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(一七) 商品目録17の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「D.PAT.P(46) パーティーシニオン アップができる 11種類のピン ゴム・ネット付セット 34ピース入り」という文言とイギリス、日本、イタリア、フランス、アメリカ、デンマークの各国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(一八) 商品目録18の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「アメリカンタイプ519 抜けにくい ボブピン 〈太い髪・硬毛用〉」という文言とアメリカ国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(一九) 商品目録19の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「D.PAT.P542 パーティーシニオン アップができる 9種類のピンゴム付セット 30ピース入り」という文言とイギリス、日本、イタリア、
フランス、アメリカ、デンマークの各国旗が印刷されたシール、左下に「パーティアップ&シニオンができるイラスト展開図入り」と印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二〇) 商品目録20の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「(23)イタリアン ファッションピン ぬけにくい ホワイト」という文言とイタリア国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3)裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二一)商品目録21の商品について(1)包装袋表面のシール 左上に「ブリティッシュタイプJ ぬけにくい ボブピン 〈ショートサイズ〉」という文言とイギリス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二一) 商品目録22の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「ブリティッシュタイプK ぬけにくい ボブピン 〈ショートサイズ・4色〉」という文言とイギリス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二三) 商品目録23の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「ブリティッシュタイプN ぬけにくい ボブピン 〈太い髪・栗毛色用〉」という文言とイギリス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二四) 商品目録24の商品について(1)包装袋表面のシール 左上に「ブリティッシュタイプO ぬけにくい ボブピン 〈太い髪用・4色〉」という文言とイギリス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二五) 商品目録25の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「フレンチタイプQ ぬけにくいボブピン 〈細い髪用・4色〉」という文言とフランス国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
(二六) 商品目録26の商品について(1) 包装袋表面のシール 左上に「ピン先が浮かない(35) ドイツピン ぬけにくい 〈黒・栗毛色用〉」という文言とドイツ国旗が印刷されたシールが貼られている。
(2) 缶容器の蓋 商品目録1の商品と同じ記載がある。
(3) 裏面側に入れられた説明書 商品目録1の商品と同じ記載がある(但し、ピンの特徴として記載されている内容及びピンの具体的な使用方法の説明の内容は異なる。)。
2(一) 本件表示の内容について、右1に説示したところによれば、本件商品には、いずれも、透明の包装袋の表面に、外国国旗が端的にセールスポイントを示す文言とともに又は単独で印刷されたシールが貼られており、しかも、右シールは、
その色彩、貼付位置により消費者の注意を惹くものであるところ、商品に右のような態様で外国国旗が表示されている場合、当該商品が当該外国製であることを容易に想起させるものであり、本件商品に接した消費者をして当該外国において製造されたものと誤認させる可能性が高いものといわなければならない(それ故、告示第三四号も、商品の原産国に関する不当な表示の一類型として外国の国旗を表示する場合を指定しているものと解される。)。
加えて、商品であるヘアピンを入れた缶容器の蓋には、被告ワイ・エス・パークの商号の要部が「Y.S.PARK」「NEW YORK」というように英語で記載され(商品目録1ないし5、15ないし26の各商品については、更に下に「PIN OF THE WORLD・・・COLLECTION」「FROM INTERNATIONAL PROFESSIONAL HAIR ARTIST MANUFACUTRE BY 555・・・IS A BEST」と英語で記載されている。)、更に、透明の包装袋の裏面側に入れられた説明書には、「Y.S.PARK 世界のヘアピンコレクション」、「世界で初めて・・・世界中のピンを集大成―57種類―」(商品目録1ないし5、15ないし26の各商品)、
「Y.S.PARK PIN OF THE WORLD」「Professional hair stylist Young―soo ParK scientifically formulated total hair care products for proven results.」「Y.S.PARK 世界のヘアーピン」(商品目録6、9、11、13、14の各商品)、又は「Y.S.PARK 世界のヘアーピン」「世界で初めて・・・世界中のピンを集大成―35種類―」「商品目録7、8、10、12の各商品)と記載されており、
これらの記載は、消費者の前記のような誤認をいっそう強めるものというべきである。
この点について、被告らは、外国国旗は原産地を示す表示ではなく、それぞれのへアピンの「タイプ」を示す表示であるとし、ヘアピンの形状は国・地域によって特徴があり、それぞれの特徴に応じて、「アメリカンタイプ」「ヨーロピアンタイプ」と呼ばれており、このようにヘアピン業界においては、ヘアピンのタイプを表示する方法として国名を使用することは通常行われているところであり、外国国旗も同様の趣旨で使用されているものである旨主張する。
確かに、ヘアピンについて、従来から「アメリカピン」等の呼び名があったことが認められるが(甲第一〇号証、検乙第二ないし第四号証)、これはピンの名称として一つの言葉を構成しているのに対して、外国国旗は国そのものを示すものであって、ヘアピンのタイプを表示するものとして外国国旗を使用することが一般的に行われていると認めるに足りる証拠はないから、右主張は採用することができない。
(二) もっとも、本件商品のうち、商品目録1の商品についてはイタリア国旗の表示のほかに「イタリアンタイプ」との文言が、同3、8、9、21ないし24の各商品についてはイギリス国旗の表示のほかに「ブリティッシュタイプ」との文言が、同4、10、18の各商品についてはアメリカ国旗の表示のほかに「アメリカンタイプ」との文言が、同7、25の各商品についてはフランス国旗の表示のほかに「フレンチタイプ」との文言が、それぞれ当該外国国旗が表示されているのと同じ面(表面)において表示されているところ、被告らは、これらの商品については、外国国旗を表示していてもこれが原産地を表示するものではなく、ヘアピンのタイプを表示するものであることは明確であると主張するが、右のような「・・・タイプ」との文言は、例えば、「made in Japan」「日本製」「国産」というような表示とは異なり、ヘアピンが当該外国製であることと相反するものではなくて両立しうるものであり、前示のとおり、ヘアピンのタイプを表示するものとして外国国旗を使用することが一般的に行われていると認めるに足りる証拠はないこと、商品であるヘアピンを入れた缶容器の蓋及び透明の包装袋の裏面側に入れられた説明書における前示のような記載を併せ考えれば、右のように外国国旗の表示のほかに「イタリアンタイプ」「ブリティッシュタイプ」「アメリカンタイプ」「フレンチタイプ」との文言が当該外国国旗が表示されているのと同じ面(表面)において表示されているからといって、外国国旗の表示が前示のとおり消費者をして当該外国において製造されたものと誤認させる可能性を打ち消しあるいは減殺させるものということはできないから、被告らの右主張は採用することができない。したがって、右のような「・・・タイプ」という表記のない商品目録2、5、
6、11ないし17、19、20、26の各商品についてのこの点に関する被告らの主張を採用することができないことは明らかである。
また、被告らは、本件商品を収納した透明の包装袋内に入れられた説明書のほとんどのものには、製造元として被告五力工業が英語で表記されており、しかも、
「工業」の部分はそのままローマ字で表示されているし、記載された被告五力工業の電話番号も一見して日本の電話番号であることが分かるから、製造地が日本であることは自明になっている旨主張する。
しかし、前記1に説示したところによれば、商品目録1ないし5、15ないし26の各商品の説明書には、「Manufacture by 555(GORIKI KOGYO CO.,LTD.)Tel△△△△-△△-△△△△(代)」と記載されているが、これは本件商品の裏面側に入れられた説明書の右下に小さく、
しかも英語で表記されているにすぎないのみならず、右記載自体日本製であることを明確に表示しているとはいいがたいのに対して、外国国旗は透明の包装袋の表面に貼られたシールに印刷されていて、右の表面を消費者に見えやすいように陳列すると考えられる通常の陳列状態においては、外国国旗の表示がその色彩、貼付位置により、右のような説明書の記載と比べて格段に強く消費者の注意を惹くものであることは明らかであるから、右のような説明書の記載が外国国旗の表示による前記誤認を打ち消しあるいは減殺させることはないというべきである。したがって、右被告らの主張も採用することができない。
(三) 以上によれば、本件商品に付された本件表示は、いずれも、不正競争防止法2条1項10号にいう原産地誤認表示に該当するというべきである(なお、原告は、同法9条違反をも問題にするが、同条は同法3条差止請求の対象たる「不正競争」を規定するものではない。)。
3 前記第二の一3記載のとおり、被告らは、平成七年一月三一日をもって、本件表示のうち外国国旗の表示の使用を中止し、その後はこれらの表示を変更した表示を付した新商品を販売しているところ、被告らは、平成七年一月三一日をもって本件表示を付した本件商品の製造販売を止めたから、原告の差止請求は理由がないと主張し、乙第二号証には被告ワイ・エス・パークが本件表示を付した本件商品を復活製造販売する可能性は全くない旨の同被告専務取締役飯室好造の陳述が記載されているが、本件表示は原産地誤認表示に当たらないとして争うその応訴態度等に照らし、被告らが本件表示を使用するおそれは、依然存するものといわなければならない。
そして、原告は、被告らの競争事業者であり、公正な条件の下で営業活動を行う利益を侵害されるおそれがあるものとして不正競争防止法3条にいう「営業上の利益侵害されるおそれがある者」に当たるというべきである。
したがって、被告らに対し、本件表示を商品ヘアピンに付し、本件表示を付した本件商品を販売することの差止を求める原告の請求は理由があるというべきである。但し、被告ワイ・エス・パークは本件表示を付した本件商品の企画・立案を行い、被告五力工業はその製造をしているので、本件表示を付する行為をしていると評価できるが、被告井田両国堂及び被告高島屋が本件表示を付する行為をし、あるいはそのおそれがあると認めるに足りる証拠はないから、同被告らに対し、右行為の差止を求める請求は理由がない。
二 争点2(原告は、被告らによる本件商品の販売によって損害を被ったか。被ったとすれば、その額いかん)について1 原告は、ヘアピンを製造して株式会社ラッキーコーポレーションやツバキ株式会社等に販売し、これらの会社がパッケージを施して商品として完成したうえ自社の名前で問屋から小売店を通じて消費者に販売しているところ(したがって、原告が完成した商品を原告の名前で販売したり、原告のブランド名を付けたりすることはない。)、証拠(甲第八号証の1ないし13、第三ないし第六号証の各1ないし12、第七号証の1ないし14、第九号証の1ないし26)によれば、平成元年から平成七年までの間の各一年間における原告製造の一般市場向けヘアピンの売上高の変遷は、第三の二【原告の主張】1記載のとおりであることが認められる。
2 これによれば、原告製ヘアピンの売上高は平成二年を境に年々減少していることが認められる。そして、弁論の全趣旨によれば、被告高島屋を除く被告らが本件表示を付した本件商品の販売を開始したのは、原告主張のとおり平成二年ころであると認められる(被告高島屋を除く被告らは、本件商品の販売開始時期を明らかにしない。)ので、本件商品の販売が開始された後に原告製ヘアピンの売上げが減少しはじめたということができる。
しかしながら、もともとヘアピン業界は、原告のほか被告五力工業を含む数社が市場を分けあっており、(証人【A】)、消費者が本件商品を選択していなければ原告製ヘアピンを選択していたはずであるという関係にあると認めるに足りる証拠はない(証人【A】は、平成二年までのシェアは、原告が約六〇%、川北ヘアピンが約二〇%、被告五力工業が約一〇%で長期間一定していたと認識していると証言し、甲第二二号証にも同証人による同旨の陳述の記載があるが、これを裏付ける的確な証拠はない。)。
また、本件全証拠をもってしても、本件商品に付されていた外国国旗を含む本件表示により消費者が本件商品を当該外国産と誤認したが故に本件商品を選択、購入したとの事実を認めることはできない。むしろ、原告製ヘアピンの場合は、株式会社ラッキーコーポレーションやツバキ株式会社等がケースに入れて自社の名前で販売しているにすぎず(甲第一〇号証、検乙第二ないし第四号証)、原告自身、営業活動はほとんどしていない(証人【A】)のに対し、前記一1認定の事実及び弁論の全趣旨によれば、本件商品の場合、個々のヘアピンの種類毎に、端的にそのセールスポイントを示す文言を目立つように表示したシールを貼付し、ピンの特徴を詳しく記載し具体的な使用方法をイラスト入りで説明した説明書を透明の包装袋の裏面側に外から見えるように入れているとともに、単品をばらばらに販売するのではなく、多くの種類のヘアピンを集めて、店舗において一五種類ないし三五種類のものをワンセットにして一度に展示できるディスプレイ資材を使用して消費者が選択しやすいように展示していることが認められ、これらの点は、従前のヘアピン業界にはなかったことであり(証人【A】)、企画の独創性が認められる(乙第三、第四号証)ので、本件商品の購入動機はこれらの点にあるということも可能である。
したがって、本件商品の販売が開始された後に原告製ヘアピンの売上げが減少しはじめたからといって、直ちに、本件商品に本件表示が付されていたことと原告製ヘアピンの売上げの減少との間に相当因果関係があるということは困難である。
3 以上のように、被告らが本件表示を付した本件商品を販売したことによって現実に原告が損害を被ったと認めるに足りる証拠はないから、被告らに対し損害賠償を求める原告の請求は理由がないといわざるをえない。
結論
よって、主文のとおり判決する。
裁判官 水野武
裁判官 田中俊次
裁判官 小出啓子
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