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事件 昭和 56年 (ワ) 15482号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 1989/12/28
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 一 被告は、別紙被告商品目録(三)ないし(五)、(七)及び(八)記載の商品を製造販売し、販売のために展示してはならない。
二 被告は、別紙被告商品目録(三)ないし(五)、(七)及び(八)記載の商品、右商品の製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレツト類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)を廃棄せよ。
三 被告は、原告に対し、一七四万五二〇〇円及びこれに対する昭和六一年六月一二日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
四 原告のその余の請求を棄却する。
五 訴訟費用はこれを五分し、その四を原告、その余を被告の各負担とする。
六 この判決は、原告勝訴部分に限り、仮に執行することができる。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
一 請求の趣旨1 被告は、別紙被告商品目録(一)ないし(九)記載の商品を製造販売し、販売のために展示してはならない。
2 被告は、別紙被告商品目録(一)ないし(九)記載の商品、右商品の半製品及び製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレツト類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)を廃棄せよ。
3 被告は、別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告を、同目録記載の新聞に同目録記載の方法で掲載せよ。
4 被告は、原告に対し、一二三〇万円及びこれに対する昭和六一年六月一二日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は、被告の負担とする。
6 仮執行宣言二 請求の趣旨に対する答弁1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。
当事者の主張
一 請求の原因1(一) 原告は、昭和四〇年九月二二日、組合員のためにする日本電信電話公社等発注のワイヤプロテクタの共同受注等を事業目的として成立した中小企業等協同組合法上の事業協同組合である。
(二) 被告は、電気通信並びに電力用架線金物製造業等を目的とする株式会社である。
2(一)(1) 原告は、別紙原告商品目録(一)ないし(六)記載の配線カバー(以下「原告商品(一)」ないし「原告商品(六)」といい、これらを併せて「原告商品」という。)を販売している。
(2) 原告のような中小企業等協同組合法上の事業協同組合は、その事業により収益を組合員に配分することを目的とするものではないという点において、非営利法人とされているのであつて、同組合が、原告の原告商品販売行為のように、共同経済事業等において第三者と経済行為を行う際、営業主体となり営利行為を行うことは、法の予定するところである。原告組合員は、配線カバーの製造販売を業としている株式会社であるが、原告成立後、その製造に係る配線カバーはすべて原告に販売し、原告は、これを第三者に販売しているのである。
(二) 原告商品の形態は、原告の商品表示としての機能を有するところ、原告商品の外観形状は、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体(以下「梯形六面体形状」という。)である。
(三) 原告商品は、梯形六面体形状によつて画定された外観形状によつて原告商品全体の形態を特徴づけており、これが取引者又は需要者の注意を引きつける、原告の商品表示の要部となつている。原告商品の断面形状は、取引者又は需要者の目に触れにくいので、原告の商品表示の要部とはなりえない。
3(一) 原告は、その成立時から、取扱商品である配線カバーの統一タイプ化を検討し、その形状等について仕様の統一を図り、それまで配線カバーの一般的外観形状となつていたいわゆるかまぼこ形や半円形のものとは違つた、原告商品に似た仕様統一タイプの商品を開発し、更に検討、改良を加えて原告商品を開発するに至り、昭和四一年三月以来一貫して、原告商品を原告組合員であるメーカー各社(以下「原告組合員」という。)に製造させ、原告が販売主体となつて、全国の通信、
電気関係の材料販売店及び通信、電気関係の設備工事業者等に販売してきた。
(二) 原告は、原告商品の販売開始後、各種カタログ類、パンフレツト類、外信新潮等の業界新聞における広告、あるいは原告商品の販売活動を通じての宣伝広告により、原告商品の普及を図つた。その結果、原告商品は、配線カバー市場における唯一の大量販売商品となり、広範な取引先と全国的な需要を獲得した。
(三)(1) 日本電信電話公社及び改組後の日本電信電話会社(以下改組後を含め「公社」という。)は、電話工事に使用する配線カバーとしてすべて原告商品を購入しており、また、電話の設備工事業者も、通信資材会社を通じて、電話工事に使用する配線カバーとしてすべて原告商品を購入している。我が国においては、昭和四二年度末ないし昭和五六年度末の一四年間に、四三六三万台の電話機が増設され、また、一五八一万台の電話機が移転されたが、これらの五〇パーセントに当たる約三〇〇〇万台について一台平均三本の配線カバーが使用され、結局、この間合計約九〇〇〇万本の配線カバーが使用されたことになる。この配線カバーは、全部原告商品である。
(2) 原告は、上記期間中、公社関係の右九〇〇〇万本のほかに、電話配線以外の配線カバーとして三〇〇〇万本の原告商品を販売したが、この販売数は、電話配線以外の配線カバーのシエアにおいて九〇パーセントを超えるものである。
(四)(1) 以上の経過を経て、前述の原告商品の形態は、昭和五六年一〇月当時、既に、配線カバーの取引者又は需要者間において、原告の商品表示として周知となつていた。
(2) 商品にはすべて固有の機能があるから、商品の形態の選択においては、おのずから、この機能に由来する一定の制約があるが、それと同時に、視覚的印象
審美感を高める意図をもつて形状の選択がなされる面もあり、大部分の商品は、両者が渾然一体となつている。原告商品の場合も、配線カバーという用途によつて拘束された長尺筒状体の形状及び電線挿入の便からの二つ割り構造が、配線カバーという商品の機能に由来する形態であるが、その余の形態は、機能に由来するものではなく、原告商品と異なる形状、例えば、かまぼこ形、四角形等の形状も、選択することが可能である。したがつて、原告商品の形態が原告の商品表示として周知性を獲得するについて、原告商品の機能は、その妨げとなることはない。
4 被告は、別紙被告商品目録(一)ないし(九)記載の配線カバー(以下「被告商品(一)」ないし「被告商品(九)」といい、これらを併せて「被告商品」という。)を製造販売し、販売のために展示している。
5(一)(1) 被告商品(一)ないし(六)(以下「イ号商品」という。)の外観形状は、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
(2) 右イ号商品の外観形状は、被告の商品表示の要部となつているところ、前述の原告商品の商品表示の要部と類似している。したがつて、イ号商品の商品表示は、原告商品の商品表示に類似するものである。
(二)(1) 被告商品(七)ないし(九)(以下「ロ号商品」という。)の外観形状は、平坦なやや巾狭な頭頂面と、頭頂面よりやや巾広くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から出隅角面を経て、平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る八面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
(2) ロ号商品は、イ号商品に属する被告商品(四)ないし(六)の平坦頭頂面の両端角部の僅かな部分に半隅角面を施し、八面体としたものであるが、角のある商品形状のものにおいては、よくその出隅部に角落としを施すことがあり、角落とし前のイ号商品と角落とししたロ号商品の形状とは、取引者又は需要者において、
両者同一形態と意識されるものである。したがつて、イ号商品の商品表示が原告商品の商品表示と類似する理由と同じ理由により、ロ号商品の商品表示は、原告商品の商品表示と類似するものである。
(三) 被告商品は、原告商品とその出所を誤認混同するおそれがある。
6 原告は、被告の混同行為により、その得意先を失い、営業上の利益を害されるおそれがある。
7 被告商品及びその半製品は、被告の混同行為組成した物、被告商品の製造用金型並びに被告商品の宣伝、広告、説明用パンフレツト類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)は、被告の混同行為の用に供した物であり、これらの物の廃棄は、被告の混同行為の予防に必要である。
8(一) 被告は、故意又は過失により、別表1記載のとおり被告商品を製造販売し、原告に対して損害を加え、これにより、被告商品の売上額の二〇%に当たる一〇六〇万三二〇〇円の利益を受けたものであるところ、この額は、商標法38条1項の規定の類推適用により、原告が被つた損害の額と推定される。
(二) 被告は、その混同行為により、原告の営業上の信用を毀損し、原告に対して損害を加えたが、その損害の額は、三〇〇万円が相当であり、また、右信用毀損を受けた原告の営業上の信用を回復するために、被告は、別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告をする必要がある。
9 よつて、原告は、被告に対し、不正競争防止法1条1項1号の規定に基づき、
被告商品の製造販売、販売のための展示の差止、右商品、右商品の半製品及び製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレツト類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)の廃棄を、不正競争防止法1条ノ二第一項及び第三項の規定に基づき、損害賠償金一三六〇万三二〇〇円の内金一二三〇万円及びこれに対する不法行為の後である昭和六一年六月一二日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払い並びに謝罪広告を求める。
二 請求の原因に対する被告の答弁1 請求の原因1の事実は認める。
2(一)(1) 同2(一)(1)の事実は否認する。ただし、原告組合員が原告商品を販売していることは認める。
(2) 同2(一)(2)の事実は否認する。原告は、中小企業等協同組合法に基づいて設立された事業協同組合であつて、同法1条所定の組合員の事業を助成する目的をもつて、同法9条の2所定の範囲内で、定款に定めた事業を行う非営利法人である。原告は、同法が別途定める企業組合のように各組合員の事業を協同化して組合自体の事業として行う企業体ではなく、各組合員の事業を助成するために付随的な事業を協同化して行うことを目的とする。原告商品の販売は、正に原告組合員の目的とする事業そのものであつて、前記事業協同組合の法的性格に照らせば、原告がその事業として行うことはできない。
(二) 同2(二)の事業のうち、原告商品の外観形状が原告主張のとおりであることは認めるが、その余の事実は否認する。
(三) 同2(三)の事実は否認する。
原告商品の形態の要部は、次のとおりである。
(1) 原告商品の取引者又は需要者は、電話設備工事業者等特定の業者であるが、右業者は、原告商品を購入する際、その断面形状を見て配線カバーの種類を判別するのである。このように、断面形状は、いわば原告商品の顔であつて、店頭に陳列される場合も、断面形状が見えるように置かれるのである。したがつて、この断面形状が原告商品の形態の要部である。
(2) 原告商品(一)ないし(三)の形態は、その要部である断面形状において、底板部から立ち上がつている嵌合用壁がくの字形の形状となつているところに特徴がある。
(3) 原告商品(四)ないし(六)の形態は、その要部である断面形状において、上蓋内側における山形状の斜面のライン(以下「斜面ライン」という。)が底板の頂頭部まで一直線に到達しているところに特徴がある。
3(一) 同3(一)ないし(三)の事実は知らない。同3(四)の事実は否認する。
(二) 原告は、前述のような法的性格を有する事業協同組合であり、そして、原告商品の販売は、正に原告組合員の目的とする事業そのものである。したがつて、
原告は、その事業として原告商品の販売を行うことはできないのである。原告が原告商品の販売に関して行うことができるのは、定款に目的たる事業として掲げられている事業、すなわち、その名において原告商品の共同受注等をなすことのみである。現に、本件商品の販売は、原告組合員の計算において行われ、その利益も原告組合員に帰しているのであつて、取引者又は需要者も、そのように観念しているのであるから、原告商品の形態は、原告組合員の商品であることを表示しているものではあつても、原告の商品であることを表示しているものではない。
(三) 原告商品の形態は、以下のとおり、出所表示機能を有しない。
(1) 原告商品の梯形六面体という形状は、それ自体極めてありふれた創作性のないものであり、また、同様な形状の配線カバー類は、原告商品以前にも存在したのであつて、その形状は、出所表示機能を有しない。
(2) 商品の形態出所表示機能を有するに至るには、単に実用品の特性や技術的若しくは機能的要請から当然に必要とされる形態であるだけでは足りず、特別な審美的要素や嗜好的要素の追加が必要である。ところが、原告商品は、単なる実用品であつて、嗜好的要素は皆無であるうえ、その形態も、それ自体に何らの商品価値はなく、当時電信電話事業を独占していた公社からの強度等に関する技術的要請に従つて採用されたものにすぎないから、出所表示機能を有しない。
4 同4の事実のうち、被告が別表1記載のとおり被告商品を製造販売した事実は認め、その余の事実は否認する。被告は、昭和六一年三月末日にイ号商品の製造販売を中止し、以後ロ号商品を製造販売している。
5(一) 同5の事実のうち、同5(一)(1)、同5(二)(1)の事実は認め、その余の事実は否認する。
(二) 被告商品の形態は、以下のとおり、原告商品の形態とは断面形状を異にし、原告商品の形態類似しない。
(1) 原告商品(一)ないし(三)は、底板部から立ち上がつている嵌合用壁が、くの字形の形状となつているのに対し、被告商品は、いずれもくの字形を有しない。
(2) 原告商品(四)ないし(六)は、上蓋内側の斜面ラインが、底板の頂頭部まで一直線に到達しているのに対し、原告商品(一)ないし(五)、(七)及び(八)の同ラインは、斜面中腹より、底板底面に対し垂直に線が折れてから、底板の短柱に到達している。
(3) 原告商品(四)ないし(六)は、上蓋内側の斜面ラインが、底板の頂頭部まで一直線に到達しているのに対し、被告商品(六)、(九)の同ラインは、斜面が下方においていつたん内側に斜めに折れ、その後底板底面に対し垂直に折れて底板の短柱に到達している。
(4) ロ号商品は、上蓋内面の上隅部に丸みをもたせ、この部分の割れやすさを防ぎ、その外部上端部の角を斜面とし、これにより左右対称の八面体となつており、六面体の原告商品とは相違している。
6 同6の事実は否認する。
(一) 原告は、前述のような法的性格を有するものであつて、本件商品の販売をその事業として行うことはできないのである。原告商品の販売は、原告組合員の計算において行われ、その利益も原告組合員に帰しているのであるから、原告は、被告の行為により、営業上の利益を害されるおそれはない。
(二) 原告商品は、公社仕様商品として、公社及び関連設備工事会社に独占的に供給されてきたものであるが、その他の民需市場においては、その高価格故に全く競争力を失い、ほとんど需要がなくなつてしまつた。そのため、原告自身、民需市場においては、カラーワイヤプロテクタという新商品を販売している。すなわち、
原告商品と被告商品とは、販売市場を異にし、市場における競合関係が失われているので、原告が被告の行為により営業上の利益を害されるおそれはない。
7(一) 同7の事実は否認する。
(二) 被告は、現在、ロ号商品のみを製造販売している。そして、イ号商品の在庫は、存在せず、また、イ号商品製造用の金型は、昭和六一年三月末日までにロ号商品製造用の金型として改造したため、存在しない。
8(一) 同8(一)の事実のうち、被告が別表1記載のとおり被告商品を製造販売した事実は認め、その余の事実は否認する。
(1) 原告は、被告が被告商品を製造販売して得た利益を原告が被つた損害の額と推定すべきである旨主張するが、商標法38条1項の規定は、不正競争行為の場合に類推適用されるべきではない。
(2) 原告商品は、前述のとおり被告商品とは販売市場を異にし、市場における競合関係が失われているのであるから、被告商品の売上の上昇は、原告商品の売上には影響を及ぼさず、原告には損害が生じない。
(3) 被告商品の売上の上昇は、被告の経営努力による低廉な価格設定によるものであつて、被告商品の形状に起因するものではないから、被告商品の売上が向上したとしても、自由な競争の結果であり、原告に損害を与えていることにはならない。
(二) 同8(二)の事実は否認する。被告商品に品質不良等の事情があれば格別、そうでない以上、被告商品の販売により直ちに原告の信用が毀損されるとは考えられないから、原告の信用毀損による損害の主張は、失当である。
三 被告の主張1 不正競争防止法1条1項1号の規定によつて保護される商品表示は、単に、現在周知であるのみでは足りず、周知性を獲得する過程において、公正な競争に打ち勝つた上でのものでなければならない。原告商品の形態周知性を獲得したのは、
意匠権により新規参入を阻止してきたこと、排他的な原告組合の成立と公社の仕様制定により他業者の新規参入を不可能な状態にしたこと、取扱代理店に競争品の取扱を禁止してきたことという競争外的要因によるものであり、このようにして獲得された周知性は、保護の対象とならない。
2 原告商品と被告商品とは、以下のとおり、混同のおそれは存しない。
(一)(1) 原告商品には、すべて独特な記号とメーカー名が、商品上部の目立つたところに刻印されており、また、被告商品にも、これらに加え「Dプロ」という独特な商品名が、商品上部の目立つたところに原告商品の字体よりも大きく表示されている。そして、両商品の流通は、五〇本ないし一〇〇本単位で段ボール箱に詰められて行われ、また、ロ号商品は、昭和六一年五月末から一〇本単位で袋に入れて販売されているが、両商品の段ボール箱には、商品名、号数、メーカー名等が大きく表示され、被告商品在中の袋にも、被告商品である旨の表示がなされているから、需要者が両商品を誤認する余地はない。
(2) 原告は、原告商品を公社及び関連設備工事業者に段ボール箱単位で販売しているが、その他の取引者又は需要者に対しては販売していない。原告商品は、少なくとも現在はバラ売りされていない。
(3) 仮に原告商品がバラ売りされるとすれば、設備工事業者又は個人が必要の都度店頭で購入する場合であるが、その場合も、店頭における陳列状況を見ると、
商品名の記載された段ボール箱が目にとまるうえ、その箱に表示された略記号及びサイズが、値札にも表示されているのである。
(二) 配線カバーは、使用される電話線等の太さに応じその号数によつて選ばれ、また、一般に店頭販売される性格のものではなく、特定の工事業者が取引者又は需要者である。したがつて、取引者又は需要者は、必ずその商品名と号数によつて指定するのであるから、取引者又は需要者の間において、商品名及び号数の異なつた商品を誤認混同して取引するということはありえない。
(三) 原告商品の底面には、ザグリを設けた釘穴が五か所貫通しており、これは、公社の仕様書により義務づけられているためである。現在、原告商品の取付工事においてほとんど釘は使用されていないにもかかわらず、釘穴が存在していることは、原告商品の特異な特徴である。原告商品を床に取りつけるには両面テープが使用されているので、底板の裏部にテープをつける際、否応なしにその釘穴の存在が目につくし、また、電話線の挿入時に上蓋と底板部を分離したときも、ザグリを入れた釘穴が五か所目にとまる。被告商品には、このような釘穴がなく、両商品に混同のおそれはない。
(四) 前述のとおり、両商品は、販売市場を異にし、市場における競合関係が失われているので、混同のおそれはない。
(五) 被告は、被告商品のカタログにおいて、その特徴を原告商品と比較対照して図示しているから、両商品は、取引者又は需要者誤認されるおそれはない。また、両商品は、その性質上、既設分の上蓋のみの交換がしばしば行われるが、原告商品が既設されれば、被告商品の上蓋を利用することはできない。
四 被告の主張に対する原告の反論1 被告の主張1について 被告の主張は、不正競争防止法1条1項1号の規定の解釈として正当でない。また、原告商品の周知性は、被告が主張するような競争外的要因によつて獲得されたものではない。
2 被告主張2について(一) 両商品について記号とメーカー名が、被告商品について商品名が、それぞれの商品上部に刻印されており、また、両商品の段ボール箱に、商品名、号数、メーカー名等が表示されているが、原告商品の刻印は、出所表示ではなく、製造者責任の所在を明確にするためのものであつて、商品全体に比して小さく目立たないものであるから、取引者又は需要者が取引時に刻印を認識するということは皆無である。
(二) 原告商品は、流通の全過程において段ボール箱単位で販売されるのではなく、店頭バラ売りの機会があるうえ、バラ携帯、現場バラ使用、バラ陳列・展示、
バラ広告掲載等のあらゆる機会において、また、原告商品布設後の現場床面に接する機会等において、需要者の目に触れるところとなるのである。
証拠(省略)
理 由一 請求の原因1の事実は、当事者間に争いがない。
二 請求の原因2について1(一) 原本の存在及び成立に争いのない甲第七七号証、証人【A】の証言(第一回)並びに同証言により真正に成立したものと認められる甲第五二号証、第五三号証の一ないし六、第七三号証及び第七四号証によれば、同2(一)の事実を認定することができる。
(二) 被告は、原告商品の販売は、原告組合員の目的とする事業であつて、事業協同組合の法的性格に照らせば、原告がその事業として行うことはできない旨主張するが、右認定のとおり、原告は、現に、原告商品を販売しているものであるところ、中小企業等協同組合法9条の2第1項の規定及び右当事者間に争いのない原告の事業目的に照らせば、原告は、その事業として原告商品の販売を行うことができるものと認められ、したがつて、被告の右主張は、採用することができない。
2 請求の原因2(二)の事実は、当事者間に争いがない。
3 請求の原因2(三)について(一) 原告は、原告商品は、梯形六面体形状によつて画定された外観形状によつて原告商品全体の形態を特徴づけており、これが取引者又は需要者の注意を引きつける、原告の商品表示の要部となつており、原告商品の断面形状は、取引者又は需要者の目に触れにくいので、原告の商品表示の要部とはなりえない旨主張するので、審案するに、原告商品を表示するものとして争いのない別紙原告商品目録(一)ないし(六)によれば、原告商品の右外観形状は、取引者又は需要者の目に触れやすく、取引者又は需要者の注意を引くものと認められ、また、被告代表者【B】尋問の結果及び証人【A】の証言(第一回)によれば、原告商品の取引者又は需要者は、主として電話設備工事業者等特定の業者であつて、原告商品を購入する際、その断面形状をも見て、これにより、原告商品の種類を判別して購入する事実が認められ、右認定の事実によると、原告商品の断面形状も、原告商品の右のような取引において、取引者又は需要者の目に触れ、注意を引くものというべきであり、また、弁論の全趣旨により秋葉原電気問屋における被告商品の店頭陳列状況を撮影した写真であることが認められる乙第四二号証の一、二、第四三号証及び第四四号証によれば、被告商品の右陳列状況においては、その断面形状を見ることが可能であることが認められ、右認定の事実によると、被告商品が店頭で陳列される場合においても、その断面形状が取引者又は需要者の目に触れるものと認めることができる。
(二) 右認定の事実及び原告商品の見本であることに争いのない検乙第四号証の一によれば、断面形状において、原告商品(一)ないし(三)は、底板部から立ち上がつている嵌合用壁が、くの字形の形状となつている点が特徴的であつて、取引者又は需要者の注意を引きつけ、また、原告商品(四)ないし(六)は、上蓋内側の斜面ラインが、底板の頂頭部まで一直線に到達している点が特徴的であつて、取引者又は需要者の注意を引きつけるものと認められる。
(三) 以上によれば、原告商品(一)ないし(三)は、(1)外観形状において、梯形六面体形状をしている点、(2)断面形状において、底板部から立ち上がつている嵌合用壁がくの字形の形状となつている点が、また、原告商品(四)ないし(六)は、(1)外観形状において、梯形六面体形状をしている点、(2)断面形状において、上蓋内側の斜面ラインが底板の頂頭部まで一直線に到達しているという点がそれぞれの商品表示の要部をなすものと認めるのが相当である。
三 請求の原因3について1 前掲甲第五二号証、第五三号証の一ないし六、第七三号証及び第七七号証、成立に争いのない甲第八号証の一ないし一一、第九号証の一ないし四、第一一号証の一ないし六、第二六ないし第三一号証、第四五号証、第四八号証、第七五号証の一、二、原告訴訟代理人作成部分については成立に争いがなく、その余の部分については弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第四九号証並びに証人【A】の証言(第一回)によれば、請求の原因3(一)ないし(三)の事実が認められ、これらの事実によれば、前示二3(三)の原告商品(一)ないし(六)の各形態が、遅くとも昭和五六年一〇月当時には、公社以外の配線カバーの取引者又は需要者の間においても、原告の商品表示として広く認識されていたものと認められる。
2 被告は、原告商品の販売は、原告組合員の計算において行われ、その利益も原告組合員に帰しているのであつて、取引者又は需要者も、そのように観念しているのであるから、原告商品の形態は、原告組合員の商品であることを表示しているものではあつても、原告の商品であることを表示しているものではない旨主張するが、前認定のとおり、原告は、現に、原告商品を販売しているのであり、また、前掲甲第八号証の一ないし一一、第九号証の一ないし四、第一一号証の一ないし六、
第二六ないし第三一号証及び第四五号証によれば、原告及び原告組合員は、原告商品の販売は原告が行つている旨広告宣伝していることが認められ、以上の事実によると、原告商品の形態は、取引者又は需要者にとつて、原告の商品であることを表示しているものと認められる。したがつて、被告の右主張は、採用することができない。
3 また、被告は、梯形六面体という形状は、出所表示機能を有しない旨主張するが、前認定のとおり、梯形六面体という外観形状も、取引者又は需要者の目に触れやすく、取引者又は需要者の注意を引くものであり、かつ、その形態は、取引者又は需要者の間において、広く認識されているのであるから、原告商品の右形状は出所表示機能を有するものというべきであり、したがつて、被告の右主張も、採用の限りでない。
4 更に、被告は、原告商品の形態は、強度等に関する技術的要請に従つて採用されたものにすぎないから、出所表示機能を有しない旨主張するところ、前掲甲第四八号証、第七四号証、第七七号証及び証人【A】の証言(第一回)によれば、原告商品の長尺筒状体及び二つ割り構造という形態は、その機能に由来するものということはできるが、それ以外の形態は、その機能に由来するものではなく、配線カバーにおいて、原告商品と異なる形状、例えば、かまぼこ形、四角形等の形状も選択することが可能であることが認められる。この点に関して、成立に争いのない乙第一八号証の三、被告代表者【B】尋問の結果及び同尋問の結果により真正に成立したものと認められる乙第一八号証の一、二並びにこれらにより乙第一八号証の一、
二記載の資料であると認められる検乙第二、第三号証の各一、二によれば、梯形六面体構造は、半円形構造に比べ、強度において優れていることが認められるが、前認定のとおり、配線カバーにおいて、かまぼこ形、四角形等の形状も選択することが可能であるのであるから、右のとおり強度の差があつても、梯形六面体構造をもつて、単に強度等に関する技術的要請に従つて採用されたものにすぎないということはできず、したがつて、被告の右主張は、その前提を欠き、採用することができない。
5 更にまた、被告は、原告商品の形態周知性を獲得したのは、競争外的要因によるものであり、このようにして獲得された周知性は、保護の対象とならない旨主張し、被告代表者【B】尋問の結果中、右主張に添う供述部分も存するが、これを裏付けるに足りる的確なる証拠もないから、右供述部分から直ちに右主張事実を肯認することは困難であり、かえつて、前掲甲第七四号証、第七七号証及び証人【A】の証言(第一回)によれば、原告商品の形態は、少なくとも原告商品の前認定のとおりの形態及びその広告宣伝活動が相当程度寄与して周知性を獲得したものと認められるから、被告の右主張は、主張自体の当否はさておき、採用の限りでない。
四 請求の原因4の事実のうち、被告が別表1記載のとおり被告商品を販売した事実は、当事者間に争いがない。
五 請求の原因5について1 同5(一)及び5(二)(1)の事実は、当事者間に争いがない。そして、被告商品を表示するものとして争いのない別紙被告商品目録(一)ないし(九)によれば、被告商品の外観形状は、取引者又は需要者の目に触れやすく、取引者又は需要者の注意を引くものと認められ、また、原告商品の要部の認定に供した前掲各証拠によれば、被告商品の断面形状も、取引者又は需要者の目に触れ、注意を引くものと認められ、以上の事実によると、被告商品においても、その外観形状のみならず、断面形状もまた、その商品表示の要部をなすものと認めるのが相当である。
2(一) 原告商品とイ号商品との類似性について(1) 前認定のとおり、原告商品(一)ないし(三)は、(1)外観形状において、梯形六面体形状を呈している点、(2)断面形状において、底板部から立ち上がつている嵌合用壁がくの字形の形状となつている点が、原告商品(四)ないし(六)は、(1)外観形状において、梯形六面体形状を呈している点、(2)断面形状において、上蓋内側の斜面ラインが底板の頂頭部まで一直線に到達しているという点がそれぞれその商品表示の要部をなすものと認められるところ、被告商品を表示するものとして争いのない別紙被告商品目録(一)ないし(九)によれば、原告商品の全部と被告商品(一)ないし(五)(イ号商品)とは、要部である外観形状において類似するが、原告商品(一)ないし(三)とイ号商品とは、要部である断面形状において類似せず、全体的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。そこで、原告商品(四)ないし(六)とイ号商品とが類似するか否かを要部である断面形状について以下検討する。
(2) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(一)、(二) 別紙被告商品目録(一)、(二)によれば、被告商品(一)の形態は、断面形状において、上蓋内側のラインが、山形状の斜面ラインを形成せず、上蓋内面の上隅部から底板底面に対し垂直に走つており、この点において原告商品(四)ないし(六)の形態と相違しており、また、被告商品(二)の形態は、断面形状において、上蓋内側のラインが、上蓋内面の上隅部から極く短い斜面ラインを経た後、底板底面に対し垂直に折れているが、右斜面ラインは上隅部の角落としを施した程度の形状であり、取引者又は需要者において、角落としのない被告商品(一)とほとんど同じような印象を受けるものと認められ、この点において原告商品(四)ないし(六)の形態と相違するから、原告商品(四)ないし(六)と被告商品(一)、
(二)とは、要部である断面形状において類似せず、全体的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
(3) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(三)ないし(五) 別紙被告商品目録(三)ないし(五)によれば、被告商品(三)ないし(五)は、断面形状において、上蓋内側の斜面ラインが、斜面中腹より底板底面に対し垂直に線が折れてから、底板の短柱に到達しているものと認められるが、斜面中腹より底板底面に対し垂直に折れた右ラインは、底板の短柱内側のラインとほぼ一直線となり、一本の垂直側面を形成するため、取引者又は需要者において、上蓋内側の斜面ラインが底板の頂頭部まで一直線に到達している原告商品(四)ないし(六)の形態と同一形態と意識されるものと認められるから、両者は、要部である断面形状において類似し、全体的に観察しても、形態において類似するものと認められる。
(4) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(六) 別紙被告商品目録(六)によれば、被告商品(六)の上蓋内面のラインは、斜面が下方においていつたん内側に斜めに折れ、その後底板底面に対し垂直に折れたうえ、底板の短柱に到達しているものと認められ、この点において原告商品(四)ないし(六)と相違するから、両者は、要部である断面形状において類似せず、全体的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
(二) 原告商品とロ号商品との類似性について(1) 別紙被告商品目録(七)ないし(九)によれば、被告商品(七)ないし(九)(ロ号商品)は、イ号商品に属する被告商品(四)ないし(六)の平坦頭頂面の両端角部の僅かな部分に出隅角面を施し、八面体としたものであるが、右出隅角面は、出隅部の角落としをした程度のものであつて、ロ号商品の外観形状は、取引者又は需要者において、梯形六面体形状とほとんど同一の印象を受けるものと認められるから、要部である外観形状において、梯形六面体形状を呈している原告商品と類似する。また、ロ号商品は、嵌合用壁がくの字形の形状となつている原告商品(一)ないし(三)とは、要部である断面形状において類似せず、全体的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。そこで、原告商品(四)ないし(六)とロ号商品とが類似するか否かを要部である断面形状について以下検討する。
(2) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(七)、(八) 別紙被告商品目録(七)、(八)によれば、被告商品(七)、(八)は、断面形状において、上蓋内側の斜面ラインが、斜面中腹より底板底面に対し垂直に線が折れてから、底板の短柱に到達しているものと認められるが、斜面中腹より底板底面に対し垂直に折れた右ラインは、底板の短柱内側のラインとほぼ一直線となり、一本の垂直側面を形成するため、取引者又は需要者において、上蓋内側の斜面ラインが底板の頂頭部まで一直線に到達している原告商品(四)ないし(六)の形態と同一形態と意識されるものと認められるから、両者は、要部である断面形状において類似する。また、被告商品(七)、(八)は、上蓋内面の上隅部に丸みを有し、同所に角部を有する原告商品(四)ないし(六)と異なるが、右丸みは極く小さく、
取引者又は需要者において、角部と同一形態と意識されるものと認められるから、
この点は、右類似するとの認定判断の妨げとなるものではない。そして、両者は、
全体的に観察しても、形態において類似するものと認められる。
(3) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(九) 別紙被告商品目録(九)によれば、被告商品(九)の上蓋内面のラインは、斜面が下方においていつたん内側に斜めに折れ、その後底板底面に対し垂直に折れたうえ、底板の短柱に到達しているものと認められ、この点において原告商品(四)ないし(六)と相違するから、両者は、要部である断面形状において類似せず、全体的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
3(一) 以上によれば、被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)は、原告商品(四)ないし(六)と形態において類似するものであるから、特段の事情がない限り、両者は、商品の出所について混同のおそれがあるものといわなければならない。右特段の事情の有無について、被告の主張に即して以下検討する。
(二) 被告の主張2(一)について 同2(一)の事実のうち、両商品について記号とメーカー名が、被告商品について商品名が、それぞれその商品上部に刻印されており、また、両商品の段ボール箱に、商品名、号数、メーカー名等が表示されている点は、原告も、これを認めるところであり、また、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第七一号証の一ないし二〇、第七二号証の一ないし一九、被告代表者【B】尋問の結果によれば、両商品は、段ボール箱単位で流通する場合が多いものと認められ、更に、
前掲乙第四二号証一、二、第四三号証及び第四四号証によれば、原告商品がバラ売りされる場合であつても、店頭における陳列状況を見ると、商品名の記載された段ボール箱が目にとまり、その箱には略記号及びサイズが記載されており、更に、商品の値札にも略記号及びサイズが表示されていることが認められる。しかしながら、前認定の事実によれば、原告商品の取引者又は需要者は、原告商品を購入する際、その断面形状をも見て、これにより、配線カバーの種別を判別して購入するというのであつて、この種商品の使用目的に照らせば、段ボール箱単位で取引される場合であつても、主としてその商品の形態に着目して取引されるものと認められるところであり、また、前掲甲第七一号証の一ないし二〇、第七二号証の一ないし一九及び証人【A】の証言(第一回)によれば、配線カバーは、かなりの量がバラ売りされていることが認められ、その場合、前認定のように、店頭に商品名等が記載された段ボール箱が目にとまるとしても、この種商品の使用目的に照らせば、この場合にはなお更、直接商品の形態を見て取引されることが多いものと認められ、以上の事実によると、段ボール箱に商品名等が記載されているという事実は、原告商品(四)ないし(六)と被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)とが商品の出所について混同するおそれがあるとの前認定判断を左右するものとは認められない。更に、前掲検乙第四号証の一、被告商品(一)ないし(六)の見本でることに争いのない検乙第五号証によれば、両商品上部には記号が刻印されており、また、原告商品断面にはマークが打刻されているけれども、これらは、商品全体からみて目立たないものであつて、取引時にかなり注意して見なければ、これらを認識するのは容易でないことが認められ、右認定の事実によると、両商品にこれら刻印があるということもまた、右商品の出所について混同のおそれがあるとの認定判断を左右するものとは認められない。したがつて、被告の右主張は、採用するに由ないものといわざるをえない。
(三) 被告の主張2(二)について 仮に、配線カバーは、使用される電話線等の太さに応じその号数によつて選ばれることがあるとしても、前認定の事実によれば、取引者又は需要者は、主としてその商品の形態に着目して取引するというのであるから、右事実は、商品の出所について混同のおそれがあるとの前認定判断を左右するものとは認められず、したがつて、被告の右主張も、採用することができない。
(四) 被告の主張2(三)について 原告商品(二)ないし(六)であることに争いのない検甲第一号証の一ないし四によれば、釘穴が存在していることは、
原告商品(二)ないし(六)に特徴的であつて、底板底面の裏部にテープをつける際、その釘穴の存在が目につくし、電話線の挿入時に上蓋と底板部を分離したときも、ザグリを入れた釘穴が目にとまることが認められるが、前認定のこの種商品の取引状況によれば、釘穴の位置や大きさに照らし、取引に際しそれが目にとまり、
注意を引くものとは認められないから、釘穴の存在は、商品の出所について混同のおそれがあるとの前認定判断を左右するものとは認められず、被告の右主張もまた、採用の限りでない。
(五) 被告の主張2(四)及び(五)について 両商品の市場における競合関係が失われているとの事実を認めるに足りる証拠はなく、また、被告主張のカタログの存在から直ちに商品の出所について混同のおそれがあるとの前認定判断を否定することはできない。したがつて、被告の右主張も、採用することができない。
六 請求の原因6について1 前説示のとおり、商品の出所について混同のおそれがある以上、特段の事情がない限り、原告は、営業上の利益を害されるおそれがあるものというべきところ、
特段の事情を認めるに足りる証拠は存しない。
2 被告は、原告商品の販売は、原告組合員の計算において行われ、その利益も原告組合員に帰しているのであるから、原告は、被告の行為により、営業上の利益を害されるおそれはない旨主張するが、前認定の事実によれば、原告は、自らの計算において原告商品を販売しているものと認められるから、被告の右主張は、採用しえない。
3 被告は、原告は、民需市場においては、カラーワイヤプロテクタという新商品を販売しており、原告商品と被告商品とは、市場における競合関係が失われているので、原告が被告の行為により営業上の利益を害されるおそれはない旨主張するところ、原本の存在及び成立に争いのない乙第三五号証の一、二、被告代表者【B】尋問の結果によれば、原告は、現在、カラーワイヤプロテクタという新商品を販売している事実が認められ、更に、被告代表者【B】尋問の結果中には、昭和五七年一一月以降、原告商品は民需市場で全く販売されていない旨の供述部分も存するが、これを裏付けるに足りる的確なる証拠もないから、右供述部分から直ちに原告商品が民需市場で全く販売されていないとの事実を認定することは困難であり、かえつて、前掲甲第七一号証の一ないし二〇及び第七二号証の一ないし一九によれば、原告商品は、民需市場でその後も販売されていることが認められ、右認定の事実によると、両商品は、依然として市場において競合関係にあるというべきであり、したがつて、被告の右主張も、採用することができない。
七 被告は、昭和六一年三月末日にイ号商品(被告商品(一)ないし(六))の製造販売を中止し、以後ロ号商品(被告商品(七)ないし(九))を製造販売している旨主張するが、本件記録に照らし、被告が将来被告商品(三)ないし(五)を製造販売し、販売のために展示するおそれがあることを否定することは困難である。
八 請求の原因7について1 前認定判断によれば、被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)、これら被告商品の製造用金型並びにこれら被告商品の宣伝、広告、説明用パンフレツト類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)の廃棄は、被告の混同行為の予防に必要であると認められる。なお、右商品の半製品の廃棄請求については、半製品がどういうものであるかについて主張立証がないから、被告の混同行為の予防に必要なものとは認定することができない。
2 被告は、イ号商品の在庫は、存在せず、また、イ号商品製造用金型は、現存しない旨主張するが、右主張事実を認めるに足りる証拠はなく、前1の認定を左右しない。
九 請求の原因8について1 前認定の被告の行為の内容に照らせば、被告にはその混同行為について少なくとも過失が存するものと認められる。
2(一) 前認定判断によれば、原告商品(四)ないし(六)と被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)との間において、商品の出所について混同のおそれがあるから、被告が右被告商品の売上によつて受けた利益の額は、特段の立証がない限り、
原告が受けた損害の額と推認することができるものというべきところ、右特段の立証はないから、まず、右被告商品の売上額について検討するに、被告が別表2のとおり被告商品を販売した事実は、当事者間に争いがなく、右争いのない事実によると、右被告商品の売上の合計は、別表2の右被告商品の売上高の合計三四九〇万四〇〇〇円となる。
(二) 次に、利益率について検討するに、成立に争いのない甲第八二号証及び証人【A】の証言(第二回)によれば、被告が右被告商品の販売により受けた利益の額は、売上額の五%であると認められるので、右売上額三四九〇万四〇〇〇円の五%に当たる一七四万五二〇〇円となる。この点に関して、証人【A】(第二回)は、被告が被告商品の販売により受けた利益の額は、売上額の二〇%を下回ることはない旨供述するが、その供述内容に照らし、右供述は、同証人の推測の域を出ないものと認められ、他に同供述を裏付けるに足りる的確なる証拠も存しないので、
右供述は、信用調査会社の報告書である右甲第八二号証に基づく右利益率の認定を左右するものとはいえない。
(三) なお、被告は、原告が受けた損害の額の推定に関する商標法38条1項の規定は、不正競争行為の場合に類推適用されるべきではない旨主張するが、右規定の趣旨に鑑み、本件のような事案においては、右規定を類推適用することは許されるものと解するのが相当である。したがつて、被告の右主張は、採用することができない。
(四) また、被告は、両商品は市場における競合関係を失つているから、被告商品の売上の上昇は、原告商品の売上には影響を及ぼさない旨主張するが、前示のとおり、両商品は市場において競合関係にあるものと認められるから、被告の右主張は、その前提を欠き、採用の限りでない。
(五) 更に、被告は、被告商品の売上の上昇は、被告の経営努力による低廉な価格設定によるものであつて、被告商品の形状に起因するものではない旨主張するが、右主張事実を認定するに足りる証拠は存せず、かえつて、被告に前示混同行為が認められる以上、被告商品の売上の上昇は、右行為によりもたらされたものと推認され、したがつて、被告の右主張も、採用の限りでない。
(六) 原告は、被告の行為により、原告の営業上の信用を毀損された旨主張するところ、証人【A】の証言(第二回)中には、右主張に添うかのような供述部分があるが、これを裏付けるに足りる的確なる証拠もないから、右供述のみから直ちに右主張事実を肯認するのは困難であり、他に右主張事実を認めるに足りる証拠も存しない。したがつて、右主張事実を前提とする原告の請求は、理由がない。
一〇 結論 以上のとおりであるから、原告の請求は、被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)の製造販売、販売のための展示の差止、右商品、右商品の製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレツト類及びサンプルボード(右商品の一種類以上を展示したボード)の廃棄、損害賠償金一七四万五二〇〇円及びこれに対する不法行為の後である昭和六一年六月一二日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるから、これを認容し、その余は、失当として棄却することとし、訴訟費用の負担について民事訴訟法89条及び92条本文の規定を、仮執行の宣言について同法196条1項の規定をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。
追加
原告商品目録(一)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、原告商品図面(一)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、原告商品図面(一)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
原告商品図面(一)<12809-001>原告商品目録(二)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、原告商品図面(二)のように、長手にわたり嵌合せ構造となった底部条件と頭部条件とから成り、両条件の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、原告商品図面(二)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯型筒状態である。
原告商品図面(二)<12809-002>原告商品目録(三)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、原告商品図面(三)のように、長手にわたり嵌合せ構造となった底部条件と頭部条件とから成り、両条件の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、原告商品図面(三)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯型筒状態である。
原告商品図面(三)<12809-003>原告商品目録(四)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、原告商品図面(四)のように、長手にわたり嵌合せ構造となった底部条件と頭部条件とから成り、両条件の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、原告商品図面(四)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯型筒状態である。
原告商品図面(四)<12809-004>原告商品目録(五)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、原告商品図面(五)のように、長手にわたり嵌合せ構造となった底部条件と頭部条件とから成り、両条件の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、原告商品図面(五)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯型筒状態である。
原告商品図面(五)<12809-005>原告商品目録(六)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、原告商品図面(六)のように、長手にわたり嵌合せ構造となった底部条件と頭部条件とから成り、両条件の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、原告商品図面(六)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯型筒状態である。
原告商品図面(六)<12809-006>被告商品目録(一)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(一)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(一)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(一)<12809-007>被告商品目録(二)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(二)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(二)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(二)<12809-008>被告商品目録(三)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(三)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(三)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(三)<12809-009>被告商品目録(四)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(四)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(四)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(四)<12809-010>被告商品目録(五)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(五)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(五)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(五)<12809-011>被告商品目録(六)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(六)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(六)のように、平坦な短い頭頂面と、頭頂面より長くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る六面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(六)<12809-012>被告商品目録(七)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(七)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(七)のように、平坦なやや巾狭な頭頂面と、頭頂面よりやや巾広くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から出隅角面を経て、平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る八面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(七)<12809-013>被告商品目録(八)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(八)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(八)のように、平坦なやや巾狭な頭頂面と、頭頂面よりやや巾広くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から出隅角面を経て、平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る八面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(八)<12809-014>被告商品目録(九)電話線等の屋内配線に使用される長尺配線カバーであり、被告商品図面(九)のように、長手にわたり嵌合せ構造となつた底部条体と頭部条体とから成り、両条体の合体により右配線カバーを形成する。
その外観形状は、被告商品図面(九)のように、平坦なやや巾狭な頭頂面と、頭頂面よりやや巾広くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から出隅角面を経て、平坦底面至近にわたつて左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とから成る八面体であり、各面が長手にわたつて等巾に形成され、左右対称のシンメトリツクな安定形状を備えた梯形筒状体である。
被告商品図面(九)<12809-015>別表1、2及び謝罪広告目録(省略)
裁判官 清永利亮
裁判官 設楽隆一
裁判官 長沢幸男
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