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事件 平成 16年 (ワ) 12723号 損害賠償等請求事件
原告 株式会社ミレーヌ友田
同訴訟代理人弁護士 岩井重一
同 安田隆彦
同 平澤慎一
同 小林真
同 阿久津真也
被告 ラブリークィーン株式会社
同訴訟代理人弁護士 川島和男
同 芝英則
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2005/04/27
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
1 被告は,別紙被告商品目録記載1から3までの各商品を譲渡し,貸し渡し,譲渡・貸渡しのため展示し,輸出し,又は輸入してはならない。
2 被告は,その占有にかかる別紙被告商品目録記載1から3までの各商品を廃棄せよ。
3 被告は,原告に対し,金7340万4576円及びこれに対する平成16年7月6日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
4 被告は,別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告を,朝日新聞,毎日新聞,読売新聞,産経新聞,日本経済新聞の各全国版社会面に2段抜き15センチメートル幅で,繊研新聞及び日本繊維新聞に半5段(5段抜き半頁幅)で,表題部を16ポイント,宛名及び被告の名を12ポイント,その他の部分を10ポイントの各活字をもって,各1回掲載せよ。
事案の概要
本件は,衣料品の製造,販売等を行う原告が,自己の商品の形態模倣した商品が被告によって製造,販売されたものであり,被告の行為は,不正競争防止法2条1項3号に基づく不正競争行為に該当するとして,被告の商品の譲渡等の差止め及び廃棄,損害賠償(訴状送達日の翌日からの民法所定年5分の割合による遅延損害金を含む。)並びに謝罪広告の請求をした事案である。
1 前提となる事実等(争いがない。) (1) 当事者 原告は,衣料品の製造及び販売等を目的とする株式会社であり,「CST LA VIE」(セ・ラ・ヴィ)のブランド名で婦人服の企画,製造,販売をしている。
被告は,各種衣料品,皮革製品及び服装飾品の製造,加工,販売,レンタル並びに輸出入等を目的とする株式会社であり,「prose poem」「Vino Stella」等のブランド名で婦人服の製造,販売をしている。
(2) 原告商品 原告は,平成13年4月15日に,別紙原告商品目録記載1の商品(以下「原告商品1」という。)を価格3万7800円で,平成15年2月13日に,別紙原告商品目録記載2の商品(以下「原告商品2」という。)を価格2万2050円で,同年8月18日,別紙原告商品目録記載3の商品(以下「原告商品3」という。)を価格2万7300円で,それぞれ販売を開始した(以下,原告商品1ないし3を「原告各商品」という。)。
(3) 被告商品 被告は,平成15年8月1日から平成16年1月18日まで,別紙被告商品目録記載1の商品(以下「被告商品1」という。)を価格2万3000円で販売し,同日から現在まで,別紙被告商品目録記載2及び3の商品(以下,それぞれ「被告商品2」「被告商品3」という。)を価格1万9900円,2万3000円で販売している(以下,被告商品1ないし3を「被告各商品」という。)(弁論の全趣旨により認められる。)。
2 争点 (1) 被告各商品は,原告各商品の形態模倣した商品か(争点1)。
(2) 原告各商品の形態は同種の商品が通常有する形態か(争点2)。
(3) 原告の損害はいくらか(争点3)。
(4) 原告の信用回復措置を認める必要性があるか(争点4)。
3 争点についての当事者の主張 (1) 争点1(被告各商品は,原告各商品の形態模倣した商品か)について (原告の主張) ア 原告商品1及び被告商品1について (ア) 原告商品1の形態 原告商品1の形態は,以下のとおりである。
A ノースリーブである。
B 襟は,ロールネックであり,首の後ろでリボンを結ぶ形態になっている。
C 前身頃の左脇ウエスト位置から裾にかけて,左寄りに切替えが入っている。
D 後身頃は,中心部分にはぎがあり,ファスナーが付いている。
E 光沢のある生地(シャンブレーサテン)で,2枚重ねになっている。
F 裾は,2枚重ねの生地の表地が裏地よりもやや短く,前身頃の切替部分の下部は,斜めに丸みを帯びたスリットになっており,裾全体が花びら様の形態になっている。
G 生地がバイアス仕様になっている。
H ワンピースである。
(イ) 被告商品1の形態 被告商品1の形態は,以下のとおりである。
a ノースリーブである。
b 襟は,ロールネックであり,首の後ろでリボンを結ぶ形態になっている。
c 前身頃の左脇ウエスト位置から裾にかけて,左寄りに切替えが入っている。
d 後身頃は,中心部分にはぎがあり,ファスナーが付いている。
e 光沢のある生地で,2枚重ねになっている。
f 裾は,2枚重ねの生地の表地が裏地よりもやや短く,前身頃の切替部分の下部は,斜めに丸みを帯びたスリットになっており,裾全体が花びら様の形態になっている。
g 生地がバイアス仕様になっている。
h ワンピースである。
(ウ) 原告商品1と被告商品1の類似性 被告商品1におけるaないしhの各形状は,原告商品1におけるAないしHの各形状と同一であり,両者の形態は全く同一である。
(エ) 模倣の意図 原告商品1と被告商品1との,前記のような形態の同一性からすれば,被告が,原告商品1を模倣して被告商品1を製造販売したことは明らかである。
イ 原告商品2及び被告商品2について (ア) 原告商品2の形態 原告商品2の形態は,以下のとおりである。
A 胸元がドレープ仕様になっている。
B 袖は,長袖で,袖ぐり部分での取外しが可能であり,袖部分を取り外せばノースリーブで着用できる。
C 表地にソフトシフォン生地が用いられている。
D ブラウスである。
(イ) 被告商品2の形態 被告商品2の形態は,以下のとおりである。
a 胸元がドレープ仕様になっている。
b 袖は,長袖で,袖ぐり部分での取外しが可能であり,袖部分を取り外せばノースリーブで着用できる。
c 表地にシフォン様の生地が用いられている。
d ブラウスである。
(ウ) 原告商品2と被告商品2の類似性 被告商品2におけるaないしdの各形状は,原告商品2におけるAないしDの各形状と同一であり,両者の形態は同一である。
また,原告商品2は,袖を取り外してノースリーブでも着用できるという機能を有しているが,被告商品2は,この点についても模倣している。
(エ) 模倣の意図 原告商品2と被告商品2との,前記のような形態の同一性からすれば,被告が,原告商品2を模倣して被告商品2を製造販売したことは明らかである。
ウ 原告商品3及び被告商品3について (ア) 原告商品3の形態 原告商品3の形態は,以下のとおりである。
A 端がフレア状になった,取外し可能なパレオが付いている。
B 裾にスリットの入ったフレアが付いている。
C マイクロシフォン生地が用いられている。
D パンツである。
(イ) 被告商品3の形態 被告商品3の形態は,以下のとおりである。
a 端がフレア状になった,取外し可能なパレオが付いている。
b 裾にスリットの入ったフレアが付いている。
c シフォン様の生地が用いられている。
d パンツである。
(ウ) 原告商品3と被告商品3の類似性 被告商品3におけるaないしdの各形状は,原告商品3におけるAないしDの各形状と同一であり,両者の形態は同一である。
(エ) 模倣の意図 原告商品3と被告商品3との,前記のような形態の同一性からすれば,被告が,原告商品3を模倣して被告商品3を製造販売したことは明らかである。
(被告の反論) ア 原告商品1及び被告商品1について (ア) 原告商品1及び被告商品1の形態が同一である旨の原告の主張は否認する。
(イ) 原告商品1及び被告商品1は,主に,以下の4点において異なっている。
@ 肩のデザイン 原告商品1及び被告商品1は,いずれもノースリーブであるが,原告商品1は,アメリカンスリーブと呼ばれる,肩が見えるデザインであるのに対し,被告商品1は,肩が隠れるデザインとなっている。この相違の結果,肌の露出部分が異なり,二の腕などの見せ方,インナーに着るものまで異なってくると考えられるため,商品購入の際には決定的な違いとなるものである。
A シルエット 原告商品1は,両脚の腿辺りで絞りを入れているマーメイドラインと呼ばれるシルエットであるのに対し,被告商品1は,絞りを入れておらず,Aラインと呼ばれるシルエットである。この相違は,脚のラインの出方に影響するため,商品購入の際には決定的な違いとなるものである。
B 裾のデザイン 原告商品1の裾は,二重になった生地の表地が裏地よりも,全体的にやや短くなるようにデザインされているが,被告商品1の裾は,両脇の部分について,二重になった生地の表地と裏地が同じ長さとなっている。
C 生地 原告商品1及び被告商品1は,生地の仕入先が異なっており,風合いや色合いが異なる。
イ 原告商品2及び被告商品2について (ア) 原告商品2及び被告商品2の形態が同一である旨の原告の主張は否認する。
(イ) 原告商品2及び被告商品2は,主に,以下の6点において異なっている。
@ 胸元のドレープ 原告商品2の胸元のドレープは,1段となっているのに対し,被告商品2の胸元のドレープは,3段となっている。ブラウスにおいて,胸元の印象は極めて強く,その装飾の違いは,商品購入の際には決定的な違いとなるものである。
A 肩 原告商品2は,両身頃の肩山の先端部分をひもで結ぶデザインであるのに対し,被告商品2は,肩部分が相当の幅のあるデザインであり,同部分にタックが設けられている。
B 袖 原告商品2の袖は,袖山部分にスリットが入っているが,被告商品2の袖は,スリットが入っていない。また,被告商品2の袖は,原告商品2の袖と異なり,袖ぐり部分のみでなく,肘の部分での取外しが可能となっている。
C 後身頃 原告商品2の後身頃の襟ぐりは,V字ラインとなっているが,被告商品2の後身頃の襟ぐりはストレートである。この点も,背部の露出度の違いをもたらし,商品購入の際には決定的な違いとなる。
D 生地 原告商品2及び被告商品2は,生地の仕入先が異なっており,風合いや色合いが異なる。
E 裏地 原告商品2の襟ぐり部分の裏地は,袋状になっているのに対し,被告商品2の襟ぐり部分の裏地はそうではない。
ウ 原告商品3及び被告商品3について (ア) 原告商品3及び被告商品3の形態が同一である旨の原告の主張は否認する。
(イ) 原告商品3及び被告商品3は,主に,以下の4点において異なっている。
@ パレオ 被告商品3のパレオは,下部の取外し機能があるが,原告商品3のパレオにはない。
A 裾 被告商品3の裾は,原告商品3よりも分量感がありラッパ状になっている。
B 裏地 原告商品3及び被告商品3は,裏地の材質が異なっており,伸び方が異なる。この点は,着心地の違いに影響し,商品購入の際の決定的な違いとなる。
C 生地 原告商品3及び被告商品3は,生地の仕入先が異なっており,風合いや色合いが異なる。
(2) 争点2(原告各商品の形態は同種の商品が通常有する形態か)について (被告の主張) ア 原告商品1について 原告商品1がバイアス仕様であること,襟がロールネックであること,後身頃の中心にはぎがありファスナーが付いていること,前身頃の左側ウエスト位置から裾にかけて,左寄りに切替えが入っていることは,いずれも,同種商品が通常有する形態である。
イ 原告商品2について 原告商品2の襟がドレープ仕様であること,袖の取外しが可能であること,袖山にスリットが入っていることは,いずれも,同種商品が通常有する形態である。
ウ 原告商品3について 原告商品3の取外し可能なパレオが付くこと,パンツの裾にスリットの入ったフレアがあることは,いずれも,同種商品が通常有する形態である。
(原告の反論) 被告の主張は争う。
(3) 争点3(原告の損害はいくらか)について (原告の主張) 被告は,被告各商品を,少なくとも原告各商品と同等の数量を販売している。原告各商品の販売数量は,別紙損害額計算表の「生産数量(着)」欄記載のとおりである。
また,原告は,原告各商品1着につき販売価額の20パーセントの利益を有するから,原告各商品の1着当たりの利益額は,同表の「1着当たりの原告利益(円)」欄記載のとおりである。
原告各商品と被告各商品との販売時期のずれなどを考慮すると,原告の損害額は,不正競争防止法5条1項により,上記生産数量に原告の1着当たりの利益額をそれぞれ乗じた金額(同表の「原告利益(円)」欄記載のとおりである。)の合計額9175万5720円の80パーセントに相当する,7340万4576円となる。
(被告の反論) 原告の主張は争う。
(4) 争点4(原告の信用回復措置を認める必要性があるか) (原告の主張) 被告は,平成14年に原告代表者から警告を受けたにもかかわらず,被告各商品の製造,販売を継続していたのであるから,その行為は故意によるものであり,違法性及び有責性が大きい。したがって,原告の受けた営業上の信用侵害の程度は,看過できないものであり,不正競争防止法7条による信用回復措置が認められるべきである。
(被告の反論) 原告の主張は争う。
争点に対する判断
1 争点1(被告各商品は,原告各商品の形態模倣した商品か)について (1) 原告商品1及び被告商品1について ア 原告商品1及び被告商品1の形態 争いのない事実,証拠(甲3,6,乙1,検甲1,2)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(ア) 原告商品1の形態 原告商品1の形態は,以下のとおりであると認められる(甲3,6,検甲1)。
A ノースリーブであり,袖ぐりを,肩が大きく出る(肩山部分がほとんどない),アメリカンスリーブと呼ばれるものとし, B 襟は,ロールネックであり,外側に折り返すようになっている襟部分は,前面部分にはぎがなく,首の後ろ部分でリボンを結ぶことができるように,両端とも,背部のウエスト部分の下辺りまでの長さとなっており, C 前身頃の左脇ウエスト位置から裾にかけて,左寄りに切替えが入り,切替部分の下部は,丸みを帯びたスリットになっており, D 後身頃は,中心部分にはぎがあり,ファスナーが付いており, E 光沢のある生地(シャンブレーサテン)の2枚重ねで,表地がやや透ける素材となっており, F 裾は,2枚重ねの生地の表地が裏地よりも短くなっているほか,後身頃の中心部分は,両脇部分よりもやや長くなっており,全体的にややフレア状になっている, G 両脚の腿辺りの位置から下方に向かって絞られた,マーメイドラインと呼ばれるシルエットとなっている, H ワンピース。
(イ) 被告商品1の形態 被告商品1の形態は以下のとおりであると認められる(乙1,検甲2)。
a ノースリーブであり,袖ぐりを,肩が隠れる(肩山の幅が襟ぐりから腕の付け根辺りまである)ものとし, b 襟は,ロールネックであり,外側に折り返すようになっている襟部分は,前面部分にはぎがなく,首の後ろ部分でリボンを結ぶことができるように,両端とも,背部のウエスト部分の下辺りまでの長さとなっており, c 前身頃の左脇ウエスト位置から裾にかけて,左寄りに切替えが入り,切替部分の下部は,丸みを帯びたスリットになっており, d 後身頃は,中心部分にはぎがあり,ファスナーが付いており, e 光沢のある生地の2枚重ねで,表地がやや透ける素材となっており, f 裾は,前身頃の切替部分下部のスリット付近において,2枚重ねの生地の表地が裏地よりもやや短くなっているほか,後身頃の中心部分は,両脇部分よりもやや長くなっており,全体的にややフレア状になっている, g 両脚の腿辺りの位置から下方に向かって絞ることなく,Aラインと呼ばれるシルエットになっている, h ワンピース。
イ 原告商品1と被告商品1の形態の実質的同一性の有無 証拠(甲3,6,検甲1)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品1の特徴的な点は,襟,袖ぐり,裾の各形態を含む全体のシルエット及び生地の風合いにあると認められる。
そこで,原告商品1と被告商品1とを対比すると,原告商品1及び被告商品1は,@ノースリーブのワンピースである点,A襟が首の後ろ部分でリボンを結ぶことができるロールネックである点,B前身頃の左脇ウエスト位置から裾にかけて,下部が丸みを帯びたスリットになっている切替部分がある点,C光沢のある2枚重ねの生地で,表地がやや透ける素材となっている点,E裾が,全体的にややフレア状になっており,後身頃の裾は,その中心部分が両脇部分よりもやや長くなっている点において共通しており,一見すると類似した印象を与えないではない。
しかしながら,他方,原告商品1は,袖ぐりが,肩の大きく出る(肩山部分がほとんどない)アメリカンスリーブと呼ばれるものであるのに対し,被告商品1の袖ぐりは,肩が隠れる(肩山の幅が襟ぐりから腕の付け根辺りまである)ものである点において相違がある。また,原告商品1は,両脚の腿辺りの位置から下方に向かって絞られた,マーメイドラインと呼ばれるシルエットであるのに対し,被告商品1は,両脚の腿辺りの位置から下方に向かって絞られていない,Aラインと呼ばれるシルエットである点で相違している。
そして,原告商品1や被告商品1のようなノースリーブのワンピースを着用する比較的若い女性の需要者やこれら商品の専門的取引者が,形態上の相違を十分に吟味検討した上で,当該商品の購入・取引に至ることを考慮すると,上記の相違点は,共通点に比して数は多くないものの,与える印象を大きく左右するものであると考えられる。すなわち,袖ぐりについては,肩が大きく出るものであるか,肩が隠れるものであるかによって,着用する下着の形態が異なってくるほか,肌の露出度合の観点での印象が大きく異なるのであって,商品購入の際の重要な考慮要素となる形態の相違である。また,マーメイドラインと呼ばれるシルエットであるか,Aラインと呼ばれるシルエットであるかについても,マーメイドラインでは,着用した女性の腰や脚のラインが強調されるのに対し,Aラインでは,腰や脚の部分にゆとりがあり,身体のラインが強調されないという相違があり,着用時の全体的な印象が大きく左右されることから,前記同様に商品購入の際の重要な考慮要素となる形態の相違である。
そうすると,以上のような需要者・取引者に大きな印象を与える相違点が存する原告商品1と被告商品1とが,実質的に同一であると認めることはできない。
模倣の有無 以上から,被告商品1が,原告商品1の形態を模倣した商品であるとは認められない。
(2) 原告商品2及び被告商品2について ア 原告商品2及び被告商品2の形態 争いのない事実,証拠(甲4,7,乙2,検甲3,4)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(ア) 原告商品2の形態 原告商品2の形態は以下のとおりであると認められる(甲4,7,検甲3)。
A 襟ぐりは,腕の付け根部分まで横に大きく開き,前身頃側がドレープ仕様,後身頃側がV字ラインとなっており, B 袖は,袖口に向けてラッパ状に広がる形態の長袖で,肩山及び腋の下部分の2か所のボタンにより身頃の袖ぐり部分に留められ,取外しが可能であるほか,袖山部分が縫い合わされていない状態で,肩山から袖口までの長さを約3等分する位置に,肩山に付されたボタンと同一のダイヤ様のボタンで留められており, C 袖部分は,シフォン様の生地の1枚仕立て,身頃部分は,表地がシフォン様の生地,裏地がサテン様の生地の2枚仕立てであり,身頃の裾部分は,表地が裏地よりもやや長くなっており, D 両身頃の肩山部分は,それぞれ,大きく開いた襟ぐりと袖ぐりによって鋭角状になっており,ひも状の生地で連結されている, E ブラウス。
(イ) 被告商品2の形態 被告商品2の形態は以下のとおりであると認められる(乙2,検甲4)。
a 襟ぐりは,横に大きく開き,前身頃側がドレープ仕様,後身頃側がストレートラインとなっており, b 袖は,袖口に向けたラッパ状に広がる形態の長袖で,袖口部分は,袖下が袖山よりも長くできており,肩山及び腋の下部分の2か所のボタンにより身頃の袖ぐり部分に留められ,取外しが可能であるほか,肘の部分から先が,切り離されたような形態で,4か所を,肩山に付されたボタンと同一の黒色のビーズ様のボタンで留められ,この部分も取外しが可能となっており, c 袖部分は,シフォン様の生地の1枚仕立て,身頃部分は,表地がシフォン様の生地,裏地がサテン様の生地の2枚仕立てであり,身頃の裾部分は,表地が裏地よりもやや長く,身頃の襟ぐり部分は,裏地が表地の襟ぐりよりも低い位置にストレートなラインとなっており, d 肩山部分は,襟ぐりが広いためにやや細めであり,前身頃側は,両肩山ともタックが2つ設けられている, e ブラウス。
イ 原告商品2と被告商品2の形態の実質的同一性の有無 アで認定した事実によれば,原告商品2及び被告商品2の形態は,前身頃がドレープ仕様となったラッパ状の長袖のブラウスとして共通するものの,後身頃側の襟ぐり,袖,襟ぐり辺りにおいて表地から透けて見える裏地,両身頃の肩山部分の各形態,前身頃肩山部分のタックの有無の点において,いずれも相違している。これらの相違点が需要者・取引者に与える印象は大きく,とりわけ,袖部分の袖山及び肘から先の形態の相違により,需要者・取引者は,原告商品2及び被告商品2を一見して明瞭に区別することができるものと認められる。
このような,需要者・取引者に大きな印象を与える相違点が存する原告商品2と被告商品2とは,実質的に同一であるということはできない。
なお,原告は,被告商品2は,原告商品2の袖の取外し機能を模倣している旨主張するが,不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」とは,物の外観の態様であり,外観の態様に影響しない機能を含むものではないと解されるから,原告の主張を採用することはできない。
模倣の有無 以上から,被告商品2が,原告商品2の形態を模倣した商品であるとは認められない。
(3) 原告商品3及び被告商品3について ア 原告商品3及び被告商品3の形態 争いのない事実,証拠(甲5,8,乙3,検甲5,6)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(ア) 原告商品3の形態 原告商品3の形態は以下のとおりであると認められる(甲5,8,検甲5)。
A 取外し可能なパレオが付いており,パレオは,裾がフレア状であり,左脇をボタンで留める形態で,ボタン留めする部分には細長いカール状になった布が付された形態であり, B 両足の外側下部にスリットが入り,スリット部分の幅が大きく取られているため,フレア状になっており, C シフォン様の生地が用いられている, D パンツ。
(イ) 被告商品3の形態 被告商品3の形態は以下のとおりであると認められる(乙3,検甲6)。
a 取外し可能なパレオが付いており,パレオは,裾に,さらに,帯状でフレア状の裾部分が,10個のボタンによって継ぎ足され,左脇はボタンで留められ,ボタン留めする部分には細長いカール状になった布が付された形態であり, b 両足の外側下部にスリットが入り,スリット部分の幅が大きく取られているため,フレア状になっており, c シフォン様の生地が用いられている, d パンツ。
イ 原告商品3と被告商品3の形態の実質的同一性の有無 証拠(甲5,8,検甲5)及び弁論の全趣旨によれば,原告商品3の特徴的な点は,パンツのフレア状のスリット部分及びパレオにあると認められる。
そこで,原告商品3と被告商品3とを対比すると,原告商品3及び被告商品3は,パンツのフレア状のスリット部分の形態が共通しているが,パレオの形態において相違している。そして,パレオ付パンツの需要者・取引者にとって,パレオの形態は,商品から受ける印象において大きな部分を占めるものと解されるところ,被告商品3のパレオの形態は,上記のとおり,帯状でフレア状の裾部分が継ぎ足された点で,原告商品3に見られない特徴を有するものである。そうすると,パレオの形態の相違は,原告商品3及び被告商品3について,相当異なった印象需要者・取引者に与えるものであるということができる。
そうすると,このような大きな印象を与える相違点が存する原告商品3と被告商品3とが,実質的に同一であると認めることはできない。
なお,原告は,被告商品3は,原告商品3のパレオの取外し機能を模倣している旨主張するが,不正競争防止法2条1項3号の「商品の形態」とは,前記のとおり,物の外観の態様であり,外観の態様に影響しない機能を含むものではないと解されるから,原告の主張を採用することはできない。
模倣の有無 以上から,被告商品3が,原告商品3の形態を模倣した商品であるとは認められない。
2 まとめ そうすると,他の点を論ずるまでもなく,原告の請求はいずれも理由がない。
結論
以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。
追加
(別紙)原告商品目録1商品型番号が21-1755,21-2755又は21-3755である,別紙写真目録A-1記載の商品2商品型番号が24-0330又は24-2330である,別紙写真目録A-2記載の商品3商品型番号が25-1428,25-2428又は25-3428である,別紙写真目録A-3記載の商品(別紙)被告商品目録1商品型番号が13-443152である,別紙写真目録B-1記載の商品2商品型番号が14-437046である,別紙写真目録B-2記載の商品3商品型番号が14-436041である,別紙写真目録B-3記載の商品写真目録(別紙)謝罪広告目録弊社は,不正競争防止法に違反し,貴社商品の模倣商品を製作・販売しました。
貴社からの弊社に対する,不正競争防止法違反事件の訴訟を提起され,貴社には,貴社商品に対する信頼性・信用性を低下させ,大変なご迷惑をおかけしました。一般消費者にも,貴社商品と弊社商品の混乱を生じせしめたことを深くおわび申し上げます。今後,弊社においては,2度とかかる事態が生じないように,十分配慮し,営業して参ります。貴社には,ここに,謹んで,お詫び申し上げます。
平成年月日岐阜県岐阜市〈以下略〉ラブリークィーン株式会社株式会社ミレーヌ友田殿(別紙)損害額計算表原告商品商品型番号生産数量(着)販売価額(円)1着当たりの原告利益(円)原告利益(円)原告商品121-17552,62937,8007,56019,875,24021-27557,96737,8007,56060,230,52021-375511437,8007,560861,840原告商品224-03304022,0504,410176,40024-23301,00622,0504,4104,436,460原告商品325-142843227,3005,4602,358,72025-242860627,3005,4603,308,76025-34289327,3005,460507,780合計91,755,720
裁判長裁判官 清水節
裁判官 山田真紀
裁判官 田公輝