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関連ワード 需要者 /  差止請求(差止) /  営業上の利益 /  過失 /  利益額(利益の額) /  品質等誤認表示(誤認) /  損害賠償 /  推定 / 
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事件 昭和 53年 (ワ) 10316号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 1980/01/28
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
一 原告ら1 被告は、別紙目録(二)記載の各商品に関する広告において、別紙目録(三)(3)及び(4)記載の各表示を使用し、又はこれらの表示と同目録(1)若しくは(2)記載の各表示とを組み合わせて使用してはならない。
2 被告は原告らに対し、各金四五万円宛及び右各金員に対する昭和五三年一一月三日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払をせよ。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言二 被告 主文と同旨の判決
当事者の主張
一 原告らの請求の原因1 原告らは、いずれも化粧品等の製造、販売を目的とする、世界的に著名な会社である。そして、我国においては、原告らの商品の中で最も重要な地位を占めるのは香水であるが、就中、別紙目録(一)記載の各香水は、特に際立つた特徴を有するため格段に著名であり、自他ともに許す世界の名香である。
2 被告は、遅くとも昭和五二年五月から、名称を「スイート・ラバー」又は「SWEET LOVER」とする、別紙目録(二)記載の各香水を訪問販売の方式により販売している。なお、右香水は、その香りに応じて、それぞれ120から136までの番号が付されているものである(同目録参照。但し、「SWEET LOVER No.130」は本件とは無関係である。)。
しかして、被告は、右香水に関する広告物において、別紙目録(三)(1)及び(2)記載の各表示(文章)と同目録(3)記載の表示(対照表)とを合わせ掲載したり、同目録(4)記載の表示(対照表)を掲載したりしている。
3 被告による前項記載の広告中の各表示は、不正競争防止法第1条第1項第5号の規定にいう「商品ノ内容ニ付誤認ヲ生ゼシムル表示」に該当する。
すなわち、香水は一般に一〇〇種類以上の香料(原料)を調合して製造するものであるが、香水の生命ともいうべき香りの良否は、右香料の組み合わせいかんによつて決定されるのである。そして、右香料の調合は極めて創造的な作業であり、これに当たる調香師は、長年の経験に基づく感覚、技術を駆使し、かつ、不断の研究努力を傾けて、漸く右調合作業を完成させうるものである。原告らの前記各香水も同様の経緯により完成されたものであることはいうまでもない。したがつて、原告らの前記各香水と同一の香りを有する香水、換言すればこれと同一の内容の香水を他の者が製造するということは、殆んど不可能なのである。しかるに、被告は、前記広告中の各表示において、被告の各番号の香水に対応させて原告らの前記著名香水名を掲げたうえ、これらは香りの調子又は香りのタイプが同じであるなどと表示し、需要者において被告の香水の番号を指示して注文すれば、対応する世界の名香と同じ香り、すなわち、同じ内容の香水を入手しうる旨宣伝、広告しているものであるが、香水につき同一の内容ということがありえないこと既述のとおりである以上、前記広告中の各表示により需要者間において香水の内容に関する誤認が惹起されることは明白である。
4 原告らの香水と被告の香水とは市場において完全な競合関係にあるため、前記広告中の各表示によつて被告の香水が原告らの香水と同一内容であると誤認され、
その結果、原告らは現にその営業上の利益を害され、また、今後も継続して害される虞れがあるものである。
5 被告は、前記広告中の各表示を用いれば、当然に前述のような香水の内容に関する誤認が生ずることを知りながら、又は過失によりこれを知らないで、遅くとも昭和五二年五月から本訴提起の日である昭和五三年一〇月二三日までの間、前記広告中の各表示を用いてその商品である前記各香水を販売したものであるから、右行為によつて原告らが蒙つた損害を賠償する義務がある。
しかして、被告は、右期間中に少なくとも金五〇〇〇万円相当の前記各香水を販売し(年間売上推定額約金三四〇〇万円)、これによつて右売上額の一割に当たる金五〇〇万円の純利益を得たものと推測されるところ、原告らの香水と被告の香水とは前述のとおり完全な競合関係にあり、被告の香水は原告らの香水の代替品として販売されたものと考えられるから、原告らが蒙つた損害の額は、被告が得た前記純利益の額と同額の金五〇〇万円とみるのが相当である。したがつて、原告ら各自の損害の額は、それぞれの一一分の一に当たる金四五万円(一万円未満切捨)となる。
6 よつて、原告らは被告に対し、不正競争防止法第1条第1項第5号の規定に基づき、前記各香水に関する広告において、別紙目録(三)(3)及び(4)記載の各表示を使用し、又はこれらの各表示と同目録(1)若しくは(2)記載の各表示とを組み合わせて使用することの差止を求めるとともに、同法第1条の2の規定に基づく損害賠償として前記損害金各金四五万円宛及びこれに対する不法行為の後である昭和五三年一一月三日から支払済みまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。
二 請求の原因に対する被告の認否及び主張1(一) 請求の原因1のうち、原告らがいずれも化粧品等の製造、販売を目的とする会社であること、原告らの商品として別紙目録(一)記載の各香水があることは認めるが、その余は不知。
(二) 同2は認める。但し、被告が香水につき訪問販売の方式をとつていたのは過去のことである。
(三) 同3は争う。
(四) 同4及び5は否認する。
2 原告らは、被告の香水に関する広告物中に、被告の各香水とこれに対応して掲げられた原告らの各香水とは、香りの調子又は香りのタイプが同じであるとの趣旨の表示があることを採り上げたうえ、右の表示は需要者をして各対応する香水の香りが同一であるとの誤認をさせると主張する。
しかしながら、右広告中の表示は、原告らの主張自体からも明らかなように、各対応する香水の香りの調子又は香りのタイプが同じであるといつているにすぎないから、右の表示によつて原告ら主張のような誤認が生ずることはありえない。したがつて、原告らの右主張は失当である。
証拠関係(省略)
理 由 原告らがいずれも化粧品等の製造、販売を目的とする会社であること、原告らの商品としてその主張のような各香水があること、被告が原告ら主張の頃からその主張のような各香水を販売していること及び被告がその香水に関する広告において原告ら主張のような各表示を使用していることは、いずれも当事者間に争いがない。
そして、右争いのない広告中の表示に関する事実と成立に争いのない甲第一、第二号証によれば、被告は、その販売する香水の価格表(甲第一号証)において、別紙目録(三)(4)記載のとおり、被告の各香水を掲げる一方、「香りのタイプ」なる表題のもとに、被告の各香水に対応させて原告らの各香水を掲げており、また、その香水に関するパンフレツト(甲第二号証)においては、別紙目録(三)(1)及び(2)記載の各文言を掲げるとともに、同目録(3)記載のとおり、被告の各香水に対応するものとして、「この香りは、世界の名香のタイプで言えば……」との表題のもとに、原告らの各香水を掲げていることが認められ、この認定に反する証拠はない。
右認定事実によれば、被告による右広告中の各表示は、いずれも被告の各香水とこれに対応して掲げられた原告らの各香水とが、香りの調子又は香りのタイプの点において同じであるとの趣旨を表現しているにすぎず、両者の香りそのものが同一であるとまで断じているわけではないことが明らかであるから、これに接する需要者が、直ちに原告らのいう商品の内容に関する誤認、すなわち、被告の各香水とこれに対応して掲げられた原告らの各香水とが同一の香りを有するとの認識をするとは経験則上到底考えることができない。右説示に反する原告らの主張は採用できない。
よつて、原告らの本訴各請求は、その余の点につき判断するまでもなく理由がないことになるから、これをいずれも棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第89条第93条第1項の各規定を適用して主文のとおり判決する。
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目録(一)<12155-001>目録(二)被告の商品(香水)(1)SWEETLOVERNo.120(2)SWEETLOVERNo.121(3)SWEETLOVERNo.122(4)SWEETLOVERNo.123(5)SWEETLOVERNo.124(6)SWEETLOVERNo.125(7)SWEETLOVERNo.126(8)SWEETLOVERNo.127(9)SWEETLOVERNo.128(10)SWEETLOVERNo.129(11)SWEETLOVERNo.131(12)SWEETLOVERNo.132(13)SWEETLOVERNo.133(14)SWEETLOVERNo.134(15)SWEETLOVERNo.135(16)SWEETLOVERNo.136(以上)目録(三)<12155-002><12155-003>
裁判官 秋吉稔弘
裁判官 野崎悦宏
裁判官 安倉孝弘
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