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事件 平成 2年 (ネ) 111号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 1993/02/25
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 一 第一審原告の控訴を棄却する。
二1 原判決主文第二項のうち、原判決別紙被告商品目録(三)ないし(五)記載の商品、右商品の製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレット類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)の廃棄請求を認容した部分を取り消し、第一審原告の右請求に係る部分を棄却する。
2 第一審被告のその余の控訴を棄却する。
三 訴訟費用は、第一、二審を通じてこれを五分し、その一を第一審被告の、その余を第一審原告の各負担とする。
事実及び理由
全容
一 当事者の求めた裁判(平成二年(ネ)第一一一号事件) 第一審原告は、「原判決を次のとおり変更する。第一審被告は、原判決別紙被告商品目録(一)ないし(九)記載の商品を製造販売し、販売のために展示してはならない。第一審被告は、原判決別紙被告商品目録(一)ないし(九)記載の商品、
右商品の半製品及び製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレット類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)を廃棄せよ。第一審被告は、原判決別紙謝罪広告目録記載の謝罪広告を、同目録記載の新聞に同目録記載の方法で掲載せよ。第一審被告は、第一審原告に対し、金一二三〇万円及びこれに対する昭和六一年六月一二日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は、第一、二審とも第一審被告の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、第一審被告は、第一審原告の控訴棄却の判決を求めた。
(平成二年(ネ)第一五三号事件) 第一審被告は、「原判決中、第一審被告の敗訴部分を取り消す。第一審原告の請求を棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも第一審原告の負担とする。」との判決を求め、第一審原告は、第一審被告の控訴棄却の判決を求めた。
二 当事者双方の主張及び証拠関係は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決事実摘示及び当審訴訟記録中の証拠関係目録記載のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決五枚目表二行目の「断面形状は、」の次に「右のような外観形状で画定された内部の形状に過ぎず、それ自体取引上、使用上もさしたる重要な意味をもつものではないから、全体的観察においては」を加え、同三行目の「目に触れにくいので、」を「目に触れにくく、外観形状に比し、識別力は著しく劣り、これらの者の関心の対象にもならないものであるから、」と改める。
2 原判決八枚目表七行目の「要部と」の次に「類似しており、全体的、離隔的に観察しても両者は形態において」を加える。
3 原判決一七枚目表三行目の「意匠権により」の次に「独占的に保護されて」を、同四行目の「仕様制定」の次に「による、独占禁止法に違反するような市場独占」をそれぞれ加える。
4 原判決一七枚目表八行目の「保護の対象とならない。」の次に「特に、意匠権により周知となった形態について、意匠権の存続期間満了後においても不正競争防止法による保護を与えることは、正に一定の意匠権には期限のない永久権を与えることになって不合理であり、この点からいっても原告商品の形態は、同法による保護の対象とはならないものというべきである。したがって、原告商品の形態が周知であったとしても、第一審原告の本件差止請求権の行使は権利の濫用である。」を加える。
5 原判決一九枚目裏五行目の「できない。」の次に行を改めて、次のとおり加える。
「(六) 取引者は、通常単に形状だけではなく、配線しようとする電話線等の大きさに適したサイズの形を予め想定して、使用する付属品の寸法をも考慮に入れ、
その収容力に着目して配線カバーを購入するものであるところ、原告商品と被告商品とは、同じ号数のものであっても断面の面積(大きさ)が異なるのであるから、
誤認混同のおそれはない。」 理 由一 当事者双方の主張に対する当裁判所の判断は、次のとおり付加、訂正するほかは、原判決の理由説示(二一枚目表二行目から四〇枚目表一行目まで)と同一であるから、これを引用する。
1 原判決二一枚目表五行目の「(第一回)」を「(原審第一回・当審)」と改め、同行目の「同証言」の次に「(原審第一回)」を加える。
2 原判決二一枚目表七行目の「によれば、」から八行目の「できる。」までを、
「、弁論の全趣旨によりいずれも真正に成立したものと認められる甲第五七号証の一ないし四、第五八号証の一ないし一〇、第五九号証の一ないし三、第六〇号証、
第六一号証、第六二号証の一ないし九、第六三号証の一ないし六、第六四号証の一ないし一〇、第六五号証の一ないし六、第六六号証の一ないし六及び第六七号証の一ないし一四によれば、第一審原告は、原告組合員である訴外日之出水道機器株式会社、東高通信工業株式会社、マサル工業株式会社及び目黒電機製造株式会社の委託を受けて、原告組合員の製造に係る原告商品を自らの名義及び計算において販売していること、具体的には、第一審原告は、その取引先(公社の電気通信局、公社関係納入代行店及び特約販売店)から原告商品の注文を受けると、メーカーである右組合員に対し、原告商品を右取引先(販売先)に納入するよう指示し、右組合員は直接右販売先に原告商品を納入するが、右納品及び代金の受領は、売買契約の当事者(販売主)として第一審原告の名義で行われており、組合員に対する代金の支払いは右受領代金の中から支払われ、第一審原告は受注販売手数料を徴収していることが認められ、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。」と改める。
3 原判決二一枚目裏一行目の「右認定のとおり、」から同五行目の「したがって、」までを、「中小企業等協同組合法9条の2第1項には、事業協同組合は『販売』を事業として行うことができると規定されており、かつ事業協同組合の行う業務が組合員の相互扶助を目的とし、それによって組合員に直接奉仕することが求められていることに照らし、右にいう『販売』とは、同組合による共同経済事業の一環としての『共同販売』を指すものと解せられること、定款所定の組合の目的たる事業の範囲を、定款に明示的に記載された項目自体に限られるものと解するのは相当でなく、客観的、抽象的にみて、定款所定の事業遂行に必要な行為及び密接に関連する行為をも含むものと解するのが相当であるところ、第一審原告が定款に事業目的として掲げている、組合員のためにする公社等発注のワイヤプロテクタの『共同受注』は、その後の共同販売を前提とし、これをも含むものと解し得るし、少なくとも共同販売は、共同受注と密接な関連を有しているものと認められることからすると、第一審原告が原告商品を販売することをもって、目的外の行為とすることは相当でなく、」と改める。
4 原判決二一枚目裏七行目の「事実は、」の次に、「原告商品の形態が第一審原告の商品表示としての機能を有するものであるとの点を除いて、」を加える。
5 原判決二一枚目裏九行目から二三枚目裏五行目までを、次のとおり改める。
「(一) 証人【A】の証言(原審第一回・当審)及び第一審被告代表者【B】尋問の結果(原審・当審)によれば、原告商品及び被告商品は、ともに電話線等の電線類の屋内配線の機械的保護の用に供せられる配線カバーであること、かかる配線カバーの取引者又は需要者は、主として電気通信関係の資材販売業者、電話設備工事業者等特定の業者であるところ、その用途及び使用態様に照らし、外観形状は、
これらの取引者又は需要者の目に触れやすく、かつ、これらの者の注意を引くものと認められる。
(二) 第一審被告代表者【B】尋問の結果(原審・当審)及び同尋問の結果により配線カバーの店頭販売の状況を撮影した写真であることが認められる乙第四二号証の一、二、第四三号証、第四四号証によれば、取引者又は需要者は、配線カバーの用途及び機能により断面形状についても関心を持ち、断面形状も購入等選択の基準となっていて、購入等の際、その形状を現物もしくはカタログ等により確認すること、配線カバーが店頭に陳列される場合には、断面形状が見えるように置かれていて、自ずと取引者又は需要者の目に触れ、かつ、これらの者の注意を引くものであることが認められる。
第一審原告は、断面形状が単なる内部形状に過ぎず、取引上も使用上も重要な意味を持たず、識別力が劣る旨主張するが、右事実に照らし右主張は採用し難く、現に、成立に争いのない甲第一一号証の一ないし三及び六、第九〇号証によれば、原告商品のカタログにも原告商品の断面形状が詳細に記載されていることが認められるのであるから、第一審原告もその断面形状を取引者又は需要者による購入等の選択基準として重視していることを窺うことができる。
(三) 原告商品を表示するものとして争いのない原判決別紙原告商品目録(一)ないし(六)、原告商品であることに争いのない検甲第一号証の一ないし四及び原告商品の見本であることに争いのない検乙第四号証の一によれば、原告商品の外観形状は、いずれも請求の原因2(二)のとおりの梯形六面体形状であり(この事実は当事者間に争いがない。)、原告商品(一)ないし(三)の断面形状は、電話線等を収容する空胴部が左右を「く」の字の形状とした横長六角形状に形成されている点に共通的特徴があること、原告商品(四)ないし(六)の断面形状は、電話線等を収容する空胴部が上部を梯形、下部を長方形とした上梯下方形状に形成されている点に共通的特徴があることが認められる。
なお、右原告商品目録及び検証物によれば、原告商品(一)ないし(三)においては、上蓋と底板の嵌合部が「く」の字の形状に形成されており、原告商品(四)ないし(六)においては、上蓋と底板の嵌合部がナックル形状(S字形状)に形成されていることが認められるが、右各嵌合部の形状が断面形状全体において占める割合は小さく、さほど目立たないものであって、原告商品の形態全体からみても特徴的なものであるとは認められない。
(四) 右(一)ないし(三)によれば、原告商品(一)ないし(三)においては、梯形六面体形状の外観形状と、空胴部が左右を「く」の字の形状とした横長六角形状に形成されている断面形状とが、特に軽重の差なく、その商品表示の要部をなしているものと認めるのが相当である。また、原告商品(四)ないし(六)においては、梯形六面体形状の外観形状と、空胴部が上梯下方形状に形成されている断面形状とが、特に軽重の差なく、その商品表示の要部をなしているものと認めるのが相当である。
前掲甲第七七号証、成立に争いのない甲第九七号証及び証人【A】の証言(原審第一回・当審)のうち、右認定判断に反する部分は採用できない。」6 原判決二三枚目裏七行目の「前掲甲」の次に「第一一号証の一ないし三、
六、」を、同行目の「第五三号証の一ないし六、」の次に「甲第五七号証の一ないし四、第五八号証の一ないし一〇、第五九号証の一ないし三、第六〇号証、第六一号証、第六二号証の一ないし九、第六三号証の一ないし六、第六四号証の一ないし一〇、第六五号証の一ないし六、第六六号証の一ないし六、第六七号証の一ないし一四」を、同七行目から八行目にかけての「第七三号証」の次に「、第七四号証」を、同一〇行目から一一行目にかけての「第七五号証の一、二、」の次に「第八九号証、」をそれぞれ加える。同九行目の「第一一号証の一ないし六」を「第一一号証の四、五」と改める。
7 原判決二四枚目表三行目の「(第一回)」を「(原審第一回・当審)」と改める。同四行目の「認められ」の次に「(但し、同3(三)(1)の六行目の『すべて』は『ほとんど』と訂正して認定する。)」を加える。同四行目の「前示」から五行目の「各形態が、」までを、「外観形状を梯形六面体形状とし、断面形状において、空胴部が左右を『く』の字の形状とした横長六角形状であることを共通的特徴とする原告商品(一)ないし(三)の各形態、及び、外観形状を梯形六面体形状とし、断面形状において、空胴部が上梯下方形状であることを共通的特徴とする原告商品(四)ないし(六)の各形態が、」と改める。同七行目の「商品表示として」の次に「の機能を有するものとして」を加える。
8 原判決二四枚目裏四行目の「現に、原告商品を販売しているのであり、」を、
「定款所定の目的たる事業として原告商品の販売を行うことができ、現に、自らの計算において原告商品を販売しているのであり、」と改める。
9 原判決二四枚目裏七行目の「四五号証」の次に「、第七四号証、第七七号証、
第九〇号証及び証人【A】の証言(原審第一回・当審)」を加える。
10 原判決二五枚目表三行目の「主張するが、」の次に、「梯形六面体形状の配線カバー類が、国内において原告商品の販売前に存在したことを認めるに足りる証拠はなく、梯形の形状自体が周知であるとの理由だけから配線カバーに右形状を採用することが創作性を要しないものとは即断できず、また、」を加える。
11 原判決二五枚目裏一行目の「甲第四八号証、」の次に「第四九号証、」を、
同二行目の「第七七号証」の次に「、第八九号証」をそれぞれ加える。同二行目の「(第一回)」を「(原審第一回・当審)」と改める。同九行目の「被告代表者【B】尋問の結果」の次に「(原審)」を加える。
12 原判決二六枚目表一〇行目から同裏一〇行目までを削る。
13 原判決二七枚目表一行目の「争いがない。」の次に、行を改めて、「第一審被告代表者【B】尋問の結果(当審)及び同尋問の結果により真正に成立したものと認められる乙第五〇号証の一ないし七によれば、第一審被告は、昭和六一年三月末日にイ号商品の製造販売を中止し、以後ロ号商品を製造販売していることが認められる。」を加える。
14 原判決二七枚目表三行目から同三一枚目裏末行までを、次のとおり改める。
「1 同5(一)(1)及び同5(二)(1)の各事実は、当事者間に争いがないところ、配線カバーである被告商品の用途及び使用態様に照らし、被告商品の外観形状は、取引者又は需要者の目に触れやすく、かつ、これらの者の注意を引くものであること、取引者又は需要者は、被告商品の用途及び機能により断面形状についても関心を持ち、断面形状も購入等選択の基準となっていて、購入等の際、その形状を現物もしくはカタログ等により確認すること、また、配線カバーが店頭に陳列される場合には断面形状が見えるように置かれていて、自ずと取引者又は需要者の目に触れ、かつ、これらの者の注意を引くものであることは前記認定のとおりである。
右事実によれば、被告商品においても、外観形状と断面形状は、特に軽重の差なく、その商品表示の要部をなしているものと認めるのが相当である。
2(一) 原告商品(一)ないし(三)とイ号商品との類似性について 前記認定のとおり、原告商品(一)ないし(三)においては、梯形六面体形状の外観形状と、空胴部が左右を「く」の字の形状とした横長六角形状に形成されている断面形状とが、その商品表示の要部をなしているところ、前記争いのない1の事実(イ号商品の外観形状)、被告商品を表示するものとして争いのない原判決別紙被告商品目録(一)ないし(六)、被告商品(二)ないし(五)であることに争いのない検甲第二号証の一ないし四、被告商品(一)ないし(三)であることに争いのない検甲第四号証の一ないし三及び被告商品(一)ないし(六)の見本であることに争いのない検乙第五号証によれば、被告商品(一)ないし(六)(イ号商品)は、原告商品全部と外観形状において類似しているが、断面形状において、空胴部は左右が「く」の字の形状の横長六角形状ではないから、原告商品(一)ないし(三)とは、要部である断面形状において類似せず、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
(二) 原告商品(四)ないし(六)とイ号商品との類似性について(1) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(一)、(二) 前記認定のとおり、原告商品(四)ないし(六)においては、梯形六面体形状の外観形状と、空胴部が上梯下方形状に形成されている断面形状とが、その商品表示の要部をなすものであるところ、原判決別紙被告商品目録(一)、前掲検甲第四号証の一及び検乙第五号証によれば、被告商品(一)は、断面形状において、空胴部が略長方形状に形成されており、この点において、空胴部を上梯下方形状とする原告商品(四)ないし(六)と相違していることが認められる。しかして、被告商品(一)は、原告商品(四)ないし(六)と要部である外観形状において類似するものの、同様に要部である断面形状において類似せず、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
原判決別紙被告商品目録(二)、前掲検甲第二号証の一、第四号証の二及び検乙第五号証によれば、被告商品(二)は、断面形状において、上蓋内側のラインが、
上蓋内面の上隅部から極く短い斜面ラインを経た後、底板底面に対し垂直に折れているものの、右斜面ラインは上隅部の角落としを施した程度の形状であるため、空胴部は略長方形状の印象を与えるものであり、この点において、空胴部を上梯下方形状とする原告商品(四)ないし(六)と相違していることが認められる。しかして、被告商品(二)は、原告商品(四)ないし(六)と外観形状において類似するものの、断面形状において類似せず、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
(2) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(三)ないし(五) 原判決別紙被告商品目録(三)ないし(五)、前掲検甲第二の二ないし四、第四号証の三及び検乙第五号証によれば、被告商品(三)ないし(五)は、断面形状において、空胴部が上梯下方形状にそれぞれ形成されていることが認められ、右によれば、被告商品(三)ないし(五)は、原告商品(四)ないし(六)のいずれもと断面形状において類似しているものと認められる。もっとも、原告商品(四)ないし(六)においては、上蓋内側の斜面ラインが底板の短柱内側に一直線に到達しているのに対し、被告商品(三)ないし(五)においては、上蓋内側の斜面ラインが斜面中腹より底板底面に対し垂直に線が折れてから底板の短柱内側に到達しているため、空胴部の形状が若干相違しているが、全体的にみれば、その差異は微差であって、右類似するとの認定、判断に影響を及ぼすものとは認められない。
右のとおり、被告商品(三)ないし(五)は、原告商品(四)ないし(六)のいずれもと断面形状及び外観形状において類似しており、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似しているものと認められる。
(3) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(六) 原判決別紙被告商品目録(六)及び前掲検乙第五号証によれば、被告商品(六)は、断面形状において、上蓋内面のラインが、斜面が下方において一旦内側に斜めに折れたうえ、底板の短柱内側に到達しているため、空胴部の形状が原告商品(四)ないし(六)のような上梯下方形状になっておらず、この点において原告商品(四)ないし(六)と相違することが認められる。しかして、被告商品(六)は、原告商品(四)ないし(六)と外観形状において類似するものの、断面形状において類似せず、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
(三) 原告商品(一)ないし(三)とロ号商品との類似性について 前記争いのない1の事実(ロ号商品の外観形状)、被告商品を表示するものとして争いのない原判決別紙被告商品目録(七)ないし(九)、被告商品(七)ないし(九)であることに争いのない検甲第四号証の四ないし六によれば、被告商品(七)ないし(九)(ロ号商品)の外観形状は、平坦なやや巾狭な頭頂面と、頭頂面よりやや巾広くかつ平行な平坦底面と、平坦頭頂面から出隅角面を経て、平坦底面至近にわたって左右へ末広がりとなる両流れ斜面と、両流れ斜面と平坦底面間に形成された巾狭の垂直側面とからなる八面体であり、各面が長手にわたって等巾に形成され、左右対称のシンメトリックな安定形状を備えた梯形筒状体であるが、右頭頂面の出隅角面は、イ号商品である被告商品(四)ないし(六)の平坦頭頂面の両端角部を僅かに角落としした程度のものであって、取引者又は需要者において、
梯形六面体形状とほとんど同一の印象を受けるものと認められるから、要部である外観形状において、梯形六面体形状を呈する原告商品のいずれもと類似するものと認められる。しかし、原判決別紙被告商品目録(七)ないし(九)及び前掲検甲第四号証の四ないし六によれば、ロ号商品は、断面形状において、空胴部は左右が「く」の字の形状の横長六角形状ではないから、原告商品(一)ないし(三)とは、要部である断面形状において類似せず、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。
(四) 原告商品(四)ないし(六)とロ号商品との類似性について(1) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(七)、(八) 原判決別紙被告商品目録(七)、(八)及び前掲検甲第四号証の四、五によれば、被告商品(七)、(八)は、断面形状において、空胴部は上部がほぼ梯形で、
下部が長方形の形状であることが認められ、右によれば、被告商品(七)、(八)は、原告商品(四)ないし(六)のいずれもと断面形状において類似しているものと認められる。もっとも、原告商品(四)ないし(六)においては、上蓋内側の斜面ラインが底板の短柱内側に一直線で到達しているのに対し、被告商品(七)、
(八)においては、上蓋内側の斜面ラインが、斜面中腹より底板底面に対し垂直に線が折れてから底板の短柱内側に到達しており、また、原告商品(四)ないし(六)においては、上蓋内面の上隅部が角部を形成しているのに対し、被告商品(七)、(八)においては、上蓋内面の上隅部が極く小さな丸みを有しているため、被告商品(七)、(八)における空胴部の形状は原告商品(四)ないし(六)と若干相違しているが、全体的にみれば、その差異は微差であって、右類似するとの認定、判断に形響を及ぼすものとは認められない。
右のとおり、被告商品(七)、(八)は、原告商品(四)ないし(六)と断面形状において類似しており、前記(三)に説示したとおり外観形状においても類似しており、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似しているものと認められる。
(2) 原告商品(四)ないし(六)と被告商品(九) 原判決別紙被告商品目録(九)及び前掲検甲第四号証の六によれば、被告商品(九)は、断面形状において、上蓋内面のラインが、斜面が下方において一旦内側に斜めに折れたうえ、底板の短柱内側に到達しているため、空胴部の形状が原告商品(四)ないし(六)のような上梯下方形状になっておらず、この点において原告商品(四)ないし(六)と相違することが認められる。しかして、被告商品(九)は、原告商品(四)ないし(六)と外観形状において類似するものの、断面形状において類似せず、全体的、離隔的に観察しても、形態において類似するものとは認められない。」15 原判決三二枚目表八行目から三四枚目表六行目までを、次のとおり改める。
「同2(一)のうち、原告・被告各商品について記号とメーカー名が、被告商品についてはこれに加え「Dプロ」という商品名が、それぞれその商品上部に刻印されており、また、両商品の段ボール箱には、商品名、号数、メーカー名等が表示されていることは、当事者間に争いがない。
前掲甲第五三号証の一ないし六、成立に争いのない甲第九二号証、乙第四一号証の一ないし六、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる甲第七一号証の一ないし二〇、第七二号証の一ないし一九、証人【A】の証言(原審第一回・当審)と同証言(当審)により真正に成立したものと認められる甲第九三号証、第九四号証の一ないし一二五、第一審被告代表者【B】尋問の結果(当審)と同尋問の結果により真正に成立したものと認められる乙第四六号証の一ないし八一を総合すると、原告・被告各商品は、五〇本あるいは一〇〇本を収め、その商品名、号数、
メーカー等が表示された段ボール箱単位で取引される場合と、右各本数に満たないときにはバラ単位で取引される場合があること、配線カバーを取り扱う電気通信関係の資材販売業者及び電話設備業者等工事業者は、それぞれが重層的構造をなしていて、一般的にいえば、上部の業者は原告・被告各商品を段ボール箱単位で購入することが多いが、末端に行くに従い、バラ単位で購入する割合も相当多いこと、段ボール箱単位で購入する場合であっても、バラ単位で購入する場合であっても、いずれの業者も継続的取引においては、電話やファックスで品名やサイズを指定して注文することが多いこと、第一審被告は、バラ売りの場合には、例えば、「八面体のプロテクター D・プロ1号(一〇本)(株)電研社」と記載した半透明のビニール袋に被告商品を入れて販売していることが認められる。
このように、継続的取引においては、段ボール箱単位で取引されたり、電話やファックスで品名やサイズを指定して取引されるとしても、配線カバーの用途及び機能からして、取引の当初においては、主としてその商品の形態に着目し、現物に当たって取引が開始されるのが通常であると考えられ、原告商品の形態が周知のものであることをも勘案すると、その際に、原告商品(四)ないし(六)と被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)とが、商品の出所について誤認混同するおそれが生じるならば、
以後誤認混同に陥ったまま取引が継続されるおそれがあることは否定できないものと考えられる。この点に関して、第一審被告代表者【B】は、当審の第八回口頭弁論期日に行われた代表者本人尋問において、第一審被告は、取引開始の際、顧客にサンプル台帳、カタログ、単価表等を示して、原告・被告各商品の違いなどについて説明しているから、右混同のおそれはないと窺える旨供述し、他方、第九回口頭弁論期日に行われた同尋問において、第一審被告の販売担当者が取引先にサンプル台帳、カタログ等を持参して被告商品を売り込む際、前認定のように既にその形態において周知性を獲得している原告商品を販売する第一審原告と第一審被告が別組織であること等両者の関係について説明をしたことがない旨供述している。このように、被告商品の取引開始の際の説明に関する第一審被告代表者の供述の重要な点に一貫性が欠けるところがあることからみて、第一審被告が、被告商品について原告商品と出所を異にすることを取引先に対し明確に説明したとの心証を形成することは困難というほかない。したがって、第一審被告代表者の本人尋問の結果によるも、原告商品と被告商品の混同のおそれを払拭し去ることはできず、同種系列組織による商品と誤認されるおそれを否定することはできない。また、前掲乙第四六号証の一ないし八一の第一審被告によるアンケートにおいて、「現在販売されている『Dプロ』は、その取引先にカタログやサンプルおよび単価表を提出し、電研社製であることを認識してもらったうえでの取引ですか。」と質問し、「1 認識してもらったうえでの取引である。2 認識してもらっていないが、NTT規格の『ワイプロ』とは区別して販売している。」のいずれかの回答を求めていること、これに対し、取引先は右1又は2のいずれかに回答していることが認められる。しかしながら、その回答結果を仮にそのまま是認するとしても、前記のように、第一審被告による元売りの時点で原告商品と被告商品について混同が生じるおそれが否定し得ない以上、その後の取引段階においても、その商品名の相違にもかかわらず両者の混同のおそれを否定することはできない。更に、前掲乙第四二号証の一、二、第四三号証、第四四号証、第一審原告主張の被写体を撮影した写真であることに争いのない甲第九六号証、証人【A】(原審第一回・当審)及び第一審被告代表者【B】尋問の結果(当審)によれば、原告・被告各商品が、店頭においてバラ単位で販売されることがあることが認められるが、この場合には、主としてその商品の形態に着目して取引されるものと認められ、原告商品の形態が周知であることをも勘案すると、右混同のおそれが生じることは否定できないものと考えられる。
次に、前掲検甲第一号証の一ないし四、第二号証の一ないし四、第四号証の一ないし六、検乙第四号証の一、第五号証によれば、原告・被告各商品の上部にある記号及びメーカー名の刻印は、右各商品の端部の一か所に薄くなされているものであって、商品全体からみてさほど目立たないものであることが認められ、かつ、右各商品の用途及び機能によれば、主としてその形態に着目して取引が行われることを併せ考えると、右のような刻印があるということは、前記商品の出所について混同のおそれがあるとの認定、判断を左右するものとは認められない。
以上のとおりであって、第一審被告の主張2(一)は理由がない。」16 原判決三四枚目裏五行目の「原告商品(二)ないし(六)であることに争いのない」を、「前掲」と改める。
17 原判決三五枚目表末行の「採用することができない。」の次に行を改めて、
次のとおり加える。
「(六) 第一審被告の主張2(六)について 前掲検甲第一号証の三、四、第二号証の二ないし四、検乙第四号証の一、第五号証によれば、原告商品と被告商品のうち類似と判断された商品群において、断面の面積(大きさ)が異なるものがあることが認められるが、原告商品(四)ないし(六)の断面形状が周知のものとして第一審原告の商品表示としての機能を果たすものと認められる以上、これと類似した形状においてその面積が異なるとしても、
その形態に着目する取引者又は需要者が用途に応じた原告商品の改変として認識し、これを原告商品と誤認混同するおそれのあることは否定し得るものではない。
したがって、第一審被告の主張2(六)は理由がない。」18 原判決三五枚目裏五行目の「証拠は存しない。」の次に行を改めて、次のとおり加える。
「そうであれば、第一審原告は第一審被告に対し、不正競争防止法に基づく差止め及び損害賠償請求権を有するものというべきところ、第一審被告は、その主張1において、権利の濫用の主張をするので、以下において検討する。
「(一) 成立に争いのない乙第八号証の一、第三六号証及び証人【A】の証言(当審)によれば、原告商品(一)ないし(三)は、原告組合員であるマサル工業株式会社の代表者【C】が有していた登録第二七四三四四号意匠権(昭和四一年二月一一日出願、昭和四二年九月四日登録)を実施したものであることが認められ、
右事実によれば、右意匠権の存続期間中は、他の業者が原告商品(一)ないし(三)と同一又は類似の配線カバーを製造販売することはできなかったものと認められる。しかしながら、前掲甲第八号証の一ないし一一、第一一号証の一ないし六、第二六号証ないし第三一号証、第五二号証、第五三号証の一ないし六、第七四号証、第七七号証及び証人【A】の証言(原審第一回・当審)によれば、第一審原告は、前記意匠権の存在を前面に出して原告商品(一)ないし(三)の宣伝、広告活動をしたことはほとんどなく、原告商品(一)ないし(三)の形態の周知性は、
多分に、第一審原告及び原告組合員の宣伝、広告活動や第一審原告の販売実績等により形成されたものと認められ(なお、原本の存在及び成立に争いのない乙第三〇号証ないし第三三号証によれば、マサル工業株式会社発行のカタログには前記意匠権の登録番号である「PAT274344」が表示されているが、右カタログは、
同社が住宅公団及び各官公庁の指定品として製造販売している「エフモール」という配線カバーに関するものであって、原告商品とは関係のないものであることが認められる。)、また、原告使用品(四)ないし(六)は、前記意匠権を実施したものではなく、右各商品の形態周知性を獲得するについて前記意匠権は問題とならないことが認められるから、原告商品の形態周知性を獲得したのは、意匠権により独占的に保護されて新規参入を阻止してきたことによるものである旨の第一審被告の主張は採用できない。
(二) 前記認定のとおり、第一審原告の成立後は、公社は、電話工事等に使用する配線カバーはすべて原告商品を購入しており、原本の存在及び成立に争いのない乙第一九号証及び証人【A】の証言(原審第一回・当審)によれば原告商品(一)ないし(五)は、昭和四五年ころから公社の仕様制定品とされていることが認められ、これらの事実によれば、公社との取引が原告商品の形態周知性獲得に寄与していることは否定できないものと認められる。しかし、前記(一)掲記の甲各号証及び証人【A】の証言(原審第一回・当審)によれば、原告商品の形態周知性は、公社との取引のみによって獲得されたものではなく、多分に第一審原告や原告組合員の宣伝、広告活動によるところが大きく、また、公社関連以外の市場での配線カバーの需要量も相当あることが認められること、中小企業等協同組合法に基づく協同組合であっても、不公正な取引方法を用いる場合には独占禁止法の適用を受け、一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為は禁止されているが(同法8条24条)、単に共同事業の結果として競争の実質的制限が生じたとしても、そのことが直ちに同法違反とはならないものと解するのが相当であるところ、
第一審原告が公社への配線カバーの供給を事実上独占するについて、特に不公正な手段、方法によったものであることを認めるべき的確な証拠はないこと(第一審被告代表者【B】は、当審において、第一審原告は、他の業者がこの分野に参入することを阻止するために、公社指導の下に設立されたものである旨供述しているが、
右供述を裏付ける証拠はなく、たやすく措信することができない。)からすると、
原告商品の形態が公社との取引により周知性を獲得するについて、不正競争防止法による保護を受け得ない程度の問題があったとは認め難い。
(三) 原本の存在及び成立に争いのない乙第三七号証及び証人【A】(原審第一回・当審)によれば、第一審原告は、販売特約店六社との間で、販売特約店基本契約において、販売特約店は第一審原告以外のものの製造に関わる製品及びこれに類似する製品を製造又は販売することはできない旨定めていることが認められるところ、仮に、右約定が原告商品の形態周知性獲得に寄与するところがあるとしても、右約定自体が、原告商品の形態周知性を有するものとして不正競争防止法による保護を受けるについて障害になるものとは認められない。
(四) このように、原告商品(一)ないし(三)の形態は前記意匠権に係る意匠によるものであるところ、右意匠権は存続期間の満了により消滅しているが、前記説示のとおり、被告商品(三)ないし(五)、(七)及び(八)は、原告商品(四)ないし(六)と商品の出所について混同のおそれがあることを理由として、
第一審原告は営業上の利益を害されるおそれがあると判断したものであって、原告商品(一)ないし(三)との商品の出所の混同を問題にしているわけではないこと、原告商品(四)ないし(六)は、前記意匠権を含めて意匠権とは何ら関わりのないものであること、前記説示したとおり、原告商品の形態周知性を獲得するについて、不正競争防止法による保護を受け得ない程度に問題があったとは認め難いことからすると、第一審原告の本件差止請求権の行使が権利の濫用であるとは認められず、第一審被告の主張1は理由がない。」19 原判決三五枚目裏九行目の「前認定の事実によれば、」を「前記認定のとおり、」と改める。
20 原判決三六枚目表五行目の「主張するところ、」の次に「成立に争いのない甲第九一号証、乙第二〇号証」を、同六行目の「第三五号証の一、二、」の次に「カラーワイヤプロテクタの見本であることに争いのない検乙第四号証の二」をそれぞれ加える。同六行目の「被告代表者【B】尋問の結果」から同枚目裏四行目の「によれば、」までを、「及び証人【A】の証言(原審第一回・当審)によれば、
第一審原告は、昭和五七年八月ころ以降、カラーワイヤプロテクタという新商品を販売していることが認められる。しかし、前掲甲第七一号証の一ないし二〇、第七二号証の一ないし一九、証人【A】の証言(当審)及び第一審被告代表者【B】尋問の結果(当審)によれば」と改める。
21 原判決三六枚目裏八行目から三七枚目裏二行目までを、次のとおり改める。
「七 前記認定のとおり、第一審被告は、昭和六一年三月末日にイ号商品の製造販売を中止をしており、また、前掲乙第五〇号証の一ないし七及び第一審被告代表者【B】尋問の結果(当審)によれば、イ号商品の製造用金型は右日時までにロ号商品の製造用金型に改造したため存在しないことが認められるが、本件訴訟における第一審被告の応訴経緯及び内容に照らすと、第一審被告が将来被告商品(三)にないし(五)を製造販売し、販売のために展示するおそれがあることを否定することはできない。
イ号商品の製造用金型が存在することは右のとおりであり、イ号商品を右日時以降製造販売していないことに照らすと、イ号商品並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレット類及びサンプルボードの在庫もないものと推認されるから、これらの物の廃棄を求める第一審原告の請求部分は理由がない。
しかして、前記説示したところによれば、被告商品(七)及び(八)、右各商品の製造用金型並びに右各商品の宣伝、広告、説明用パンフレット類及びサンプルボード(右商品を一種以上展示したボード)の廃棄は、第一審被告の混同行為の予防に必要であると認められる。なお、右各商品の半製品の廃棄請求については、半製品がどのようなものであるかについての主張及び立証がないから、第一審被告の混同行為の予防に必要なものと認定することができない。」22 原判決三七枚目裏三行目の「九」を「八」と改める。
23 原判決三七枚目裏末行の「右特段の立証はないから」の次に、「(第一審被告代表者【B】尋問の結果(当審)により真正に成立したものと認められる乙第五一号証の一ないし三は、店頭バラ売りの場合にのみ誤認混同が生ずるとの第一審被告の主張を前提とするもので、右主張が採り得ない以上、右書証により第一審原告が受けた損害額を算定することが相当でないことはいうまでもない。)」を加える。
24 原判決三八枚目表七行目の「及び証人【A】の証言(第二回)」を削る。同九行目のの「五%」を「約五%」と、同末行の「(第二回)」を「(原審第二回)」とそれぞれ改める。
25 原判決三九枚目裏六行目から七行目にかけての「(第二回)」を「(原審第二回)」と改める。
二 以上によれば、第一審原告の本訴請求は、第一審被告に対し、原判決別紙被告商品目録(三)ないし(五)、(七)及び(八)記載の商品の製造販売、販売のための展示の差止め、同商品目録(七)及び(八)記載の商品、右商品の製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレット類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)の廃棄、損害賠償金一七四万五二〇〇円及びこれに対する不法行為の後である昭和六一年六月一二日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないから棄却すべきである。そこで、第一審原告の控訴は理由がないから棄却する。次に、当審の右判断と異なり、原判決がその主文第二項において、原判決別紙被告商品目録(三)ないし(五)記載の商品、右商品の製造用金型並びに右商品の宣伝、広告、説明用パンフレット類及びサンプルボード(右商品を一種類以上展示したボード)の廃棄請求を認容した部分は失当であるから、右認容部分を取り消し、第一審原告の右請求に係る部分を棄却することとし、第一審被告の控訴は右の限度で理由があるが、その余は理由なきものとして棄却すべきである。訴訟費用の負担につき民事訴訟法96条89条92条を適用する。
よって、主文のとおり判決する。
裁判官 松野嘉貞
裁判官 濱崎浩一
裁判官 田中信義
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