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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成15ワ10721損害賠償等請求事件 判例 不正競争防止法
平成14ワ3030不正競争行為の差止等請求事件 平成15ワ230損害賠償請求事件 判例 不正競争防止法
関連ワード 差止請求(差止) /  共同不法行為 /  代理人 /  代表者 /  秘密管理(秘密管理性) /  秘密として管理 /  有用性 /  非公知性 /  営業秘密 /  2条1項4号 /  損害賠償 / 
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事件 平成 16年 (ワ) 18865号 営業差止等請求事件
原告 株式会社わかば
原告訴訟代理人弁護士 本郷亮
同 五島丈裕
被告A
被告B
被告両名訴訟代理人弁護士 川原史郎
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2005/02/25
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
1 被告らは別紙「薬品リスト」記載の各薬品を使用して,別紙「薬局目録」記載の薬局の営業をしてはならない。
2 被告らは,別紙「薬品リスト」及びそのデータを廃棄せよ。
3 被告らは,原告に対し,連帯して金5266万9320円及びこれに対する平成16年9月11日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
事案の概要
1 原告は,薬局を経営する会社である。本件において原告は,原告の元従業員であった被告A(以下「被告A」という。)が,原告経営の薬局(以下「原告薬局」という。)の従業員を引き抜き,同薬局で使用していた別紙「薬品リスト」(以下「本件薬品リスト」という。)を使用して別紙「薬局目録」記載の薬局(以下「被告薬局」という。)を開設したと主張して,被告A及び被告薬局の薬局開設許可申請書上の開設者である被告B(以下「被告B」という。)に対し,不正競争防止法2条1項4号,7号,3条1項,2項に基づき,本件薬品リストを使用して被告薬局を営業することの差止め及び本件薬品リストの廃棄を,同法4条に基づき,損害賠償金5266万9320円及び遅延損害金の支払を求めている。
2 前提となる事実(当事者間に争いのない事実及び証拠により容易に認定される事実。証拠により認定した事実については,該当箇所の末尾に証拠を掲げた。) (1) 原告は,薬局の経営,医薬品の販売等を業とする株式会社である。
被告Aは,薬剤師の資格を有しており,現在,被告薬局の実質的な経営者である。
被告Bは,被告Aの父であり,薬局開設許可申請書上,被告薬局の開設者である。
(2) 原告は,大田区(以下略)において,G薬局(原告薬局)を経営している。同薬局は,近隣に所在するF医院において処方箋を受けた患者を主たる顧客とする調剤薬局である(甲13,弁論の全趣旨)。
(3) 被告Aは,平成9年6月16日,原告に就職し,原告薬局に携わる業務に従事していたが,平成15年12月25日付で原告代表者宛に退職願を提出したところ,原告は,平成16年1月26日付で被告Aを解雇した(甲2,乙1)。
原告従業員であったC(以下「C」という。)は,原告薬局に勤務していたが,平成15年12月18日付で原告代表者宛に退職願を提出したところ,原告は,同人を解雇した(甲8,弁論の全趣旨)。
原告従業員であったD(以下「D」という。)は,原告薬局に勤務していたが,平成16年1月5日付で原告代表者宛に退職願を提出したところ,原告は,同人を解雇した(甲9,弁論の全趣旨)。
(4) 被告らは,平成16年2月7日,原告薬局の近隣(大田区(以下略))において,被告薬局を開設し,経営している(甲3,10,11の1ないし3)。
C及びDは,現在,被告薬局に勤務している(弁論の全趣旨)。
3 争点 (1) 本件薬品リストが営業秘密に該当するか(争点1) (2) 被告薬局において本件薬品リストを使用しているか(争点2) (3) 被告Bの共同不法行為責任の有無(争点3) (4) 損害の内容及び金額(争点4)
争点に関する当事者の主張
1 争点1(本件薬品リストが営業秘密に該当するか)(原告) (1) 非公知性について 本件薬品リストは,原告が,F医院の患者に対して,薬を効率よく調剤,販売するために,原告薬局開設以来約1年間にわたって,F医院の患者が持参する処方箋から,F医院の処方している薬の種類,量及び単価の情報を集積して作成したものである。本件薬品リストはF医院からも薬問屋からも一切開示されていないもので,不特定の者に知られているものではない。
被告らは,本件薬品リストは,F医院の処方している薬に関する情報リスト(乙2。以下「F医院処方薬品リスト」という。)に基づいて作成したものである旨主張するが,原告は,F医院処方薬品リストの存在を知らない。仮に,被告ら主張のとおり,本件薬品リストがF医院処方薬品リストに基づいて作成されたものであったとしても,被告Aは,原告の従業員として,同リストを受け取り,これに基づいて本件薬品リストの基幹部分を作成したものであるから,本件薬品リストないしF医院処方薬品リストは,原告が所有し,管理するものである。
(2) 有用性について 原告薬局は,F医院から処方箋を受け取った患者を主な顧客としており,商品である薬を仕入れ,在庫を管理する上で,本件薬品リストは必要不可欠である。
(3) 秘密管理性について 原告は,原告従業員に対し,本件薬品リストを原告薬局の業務以外に使用,開示してはならない義務を課していた(就業規則13条)。
被告らは,原告本社及び原告薬局にあるコンピュータ端末から本件薬品リストにアクセスすることができたなどと主張するが,会社内部においては,担当者が休業した場合等の緊急時に備えて原告従業員がアクセスできる状態にしていたものであり,就業規則上社外に秘密にする義務を課していたのであるから,このことをもって秘密管理性を欠くということはできない。
(4) 以上のとおり,本件薬品リストは原告の営業秘密である。
(被告ら) (1) 非公知性について 本件薬品リストは,平成15年1月ころ,被告Aが,家族のかかりつけ医院であったF医院のE医師(以下「E」という。)から,F医院処方薬品リストを譲り受け,これを原告に開示し,原告薬局の在庫管理システム(IPC)に入力して作成したものである。原告は,その後,F医院において新たに処方し始めた薬品を追加したり,他院の患者が持参する処方箋の薬品を加えるなどして,現在の本件薬品リストに至っている。
このように,F医院の処方する薬に関する情報として,本件薬品リスト以外にもF医院処方薬品リストが存在する。
(2) 有用性について 上記(1)のとおり,F医院の処方する薬に関する情報として,本件薬品リスト以外にもF医院処方薬品リストが存在し,開示されているから,原告薬局や被告薬局のようにF医院の患者を主な顧客とする薬局の開設,経営において,本件薬品リストが必要不可欠ということはできない。
(3) 秘密管理性について 本件薬品リストは,原告の在庫管理システム(IPC)に収録されて保管されており,原告本社又は原告薬局のコンピュータ端末を操作できる者は,これらの端末から本件薬品リストに随時アクセスしていた。原告は,このようにしてアクセスした者に対して,本件薬品リストを原告薬局の業務以外に使用,開示してはならない義務があることを認識させるような表示を付しておらず,パスワードも設定していなかったから,原告が,本件薬品リストを秘密として管理していたとはいえない。
(4) 上記のとおり,本件薬品リストは原告の営業秘密であるということはできない。
2 争点2(被告薬局において本件薬品リストを使用しているか) (原告) 被告Aは,平成16年1月13日,原告薬局のコンピュータ端末からIPCに収録されている本件薬品リストにアクセスし,本件薬品リストを,いったん,同端末にエクセルファイルとして保存した上,フロッピーディスクに保存して取得した(甲4)。
被告薬局において現在使用されている薬品リストは,甲6と同内容のものであるところ(甲5,7。以下,甲6及び甲6と同内容の薬品リストを「被告薬品リスト」という。),甲6は,被告Aが本件薬品リストを手書きで書き直して作成したものである。
したがって,被告薬局においては,本件薬品リストを使用している。
被告薬品リストが,F医院処方薬品リストではなく,本件薬品リストに基づいて作成されたものであることは,被告薬品リストには,本件薬品リストにしか存在していない薬品名が記載されており,特に漢方薬については,本件薬品リスト最終頁と被告薬品リストの最終頁(27頁)の薬品の配列が同じで,F医院処方薬品リストの配列(6頁)とは異なる(甲18,19)ことからも明らかである。
(被告ら) 被告Aが,本件薬品リストをフロッピーディスクに保存して取得したこと,現在被告薬局で使用している薬品リストが被告薬品リストと同内容のものであることは認める。
しかし,被告Aは,本件薬品リストは,同一の薬品でも包装が異なるものは重複して記載されており(例えば甲4の1頁目のMS温シップ),同一の薬品でもメーカー毎に重複して記載されていたことから,本件薬品リストは被告薬局において用いるのに不向きであると考え,本件薬品リストではなく,F医院処方薬品リスト(乙2)に加除を施して被告薬品リストを作成したものである。
したがって,被告薬局においては,本件薬品リストを使用していない。
被告薬品リストが,本件薬品リストではなくF医院処方薬品リストに基づいて作成されたものであることは,本件薬品リストが内服薬,向精神薬,外用薬の区別なく,原則として五十音順に並べられているのに対し,F医院処方薬品リストは内服薬,向精神薬,外用薬に分類され,被告薬品リストも内服薬(1ないし19頁),向精神薬(20頁),外用薬(21頁以下)に分類されていることから,明らかである。
3 争点3(被告Bの共同不法行為責任の有無) (原告) 被告Bは,娘である被告Aが原告薬局の店長を務めていたこと,原告薬局がF医院から処方箋を受けた患者を顧客とする調剤薬局であること,被告Aが本件薬品リストを不正に取得した上で不正に使用して被告薬局を開設したこと,被告薬局の開設により原告薬局の顧客が奪われ,原告が損害を被ることを知りながら,被告Aに資金援助し,被告薬局の開設者になった。
このように,被告Bは,被告Aと共同して不正競争行為を行ったものであり,共同不法行為責任を負う。
(被告ら) 被告Bは,被告薬局がF医院から処方箋を受けた患者を顧客とする調剤薬局であることは知っていたが,その余の認識はなかった。そもそも,被告Aが原告薬局の店長であった事実や原告の営業秘密を不正に取得した事実はない。
4 争点4(損害の内容及び金額) (原告) 原告薬局及び被告薬局はいずれもF医院から処方箋を受けた患者を主たる顧客とする薬局であり,両薬局の関係は,被告薬局の開設による相乗効果で顧客が増加するような関係になく,被告薬局の売上の分だけ,原告薬局の売上が減少する関係にある。
被告薬局が開設する前の平成15年5月から7月までの3か月間の原告薬局の売上利益は月平均303万5370円であったところ,被告薬局が開設した後の平成16年5月から7月までの3か月間の原告薬局の売上利益は月平均259万6459円であった。したがって,この差額である月平均43万8911円は,被告薬局開設による1か月当たりの損害である。
そして,被告薬局の経営が続く限り,同額の損害が生じると考えられ,少なくとも,10年間,上記と同様の損害が生じると考えるのが合理的である。
よって,被告らの不正競争行為によって,原告が被る損害は,5266万9320円(43万8911円×120か月)である。
(被告ら) 被告薬局の売上の分だけ,原告薬局の売上が減少する関係にはない。原告薬局しかなかったときの原告薬局の売り上げと,原告薬局と被告薬局の売上の合計とでは,後者の方が多い。F医院の近辺には,医療機関が多く,被告薬局には,同医院以外の医療機関の処方箋を持参する顧客がかなり含まれている。
当裁判所の判断
1 争点1(本件薬品リストが営業秘密に該当するか) (1) 証拠(甲7,16,17,19,乙4,5)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
ア 本件薬品リストは,原告薬局において商品として仕入れ,管理すべき薬品の薬品名,メーカー名,包装規格,包装薬価,JANCDが記載されたリストで,1頁に約55種類の薬品情報が記載できるA4用紙で21頁の分量(薬品数にして約1120種類)である。
イ F医院は,被告Aが家族ぐるみでかかりつけとなっている医院であり,同医院のEと被告Aは旧知の間柄であったところ,平成14年11月ころ,被告Aは,Eから同医院の近隣で長年にわたって調剤薬局を営んでいたH薬局が廃業して困っているので,同医院の近くで薬局を開業することを勧められた。しかし,被告Aは自ら薬局を開業する意思がなかったことから,このことを原告に提案し,その結果原告が同医院の近隣に薬局を開業することとなった。これが原告薬局である。
このような経緯から,被告Aは,原告薬局の開業準備を担当することとなったところ,同Aは,上記のとおりEと旧知の間柄であったことから,EからF医院において処方している薬品のリスト(F医院処方薬品リスト。乙2)を入手した。被告Aは,同薬品リストに基づいて原告薬局において商品として仕入れるべき薬品のリストを作成した。さらに平成15年2月の原告薬局開設後,平成16年1月までの約11か月間に,原告従業員が,同リストに,F医院において新しく処方されるようになった薬品や同医院以外の医院の処方箋において処方されている薬品を追加し,F医院で処方されなくなった薬品を削除するなどして作成したのが,本件薬品リストである。
上記のとおり,本件薬品リストは約1120種類の薬品を記載したものであるところ,このうち,上記F医院処方薬品リスト(乙2)に記載されていない薬品は約116種類である(甲19)。
ウ 本件薬品リストは,データとしてコンピュータに保存して保管されており,原告の本社及び原告薬局のすべてのコンピュータ端末からアクセスすることができる。アクセスに際してのパスワードの設定はなく,データのコピーや印刷が禁じられていたという事情も認められない。
原告の就業規則には,次のような記載がある(甲16)。
(13条3項) 社員は,会社の機密,ノウハウ,出願予定の権利等に関する書類,テープ,ディスク等を会社の許可なく私的に使用し,複製し,会社施設外に持ち出し,または他に縦覧もしくは使用させてはならない。
(15条) 社員は,第13条第3項に定めるところの他,業務上機密とされる事項および会社に不利益となる事項を他に漏らし,または漏らそうとしてはならない。社員でなくなった後においても同様とする。
原告は,被告Aが原告に入社する際には,平成9年5月23日付で,「就業規則,その他の諸規定に従い,誠実に勤務する」旨の誓約書を提出させた(甲17)。
(2) 上記認定の各事実を前提として,本件薬品リストが不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するかどうかを検討する。
本件薬品リストは,F医院において処方される薬品を取り扱う薬局にとっては,同医院において診療を受け,薬品を処方された患者に対して販売するための薬品を常時備えておく上で,有用な情報である。なお,本件薬品リストには,F医院において処方される薬品以外の薬品が一部含まれているが,その数はきわめて少数であり(本件薬品リストは約1120種類の薬品を記載したものであるところ,このうち,上記F医院処方薬品リスト(乙2)に記載されていない薬品が約116種類あるが(甲19),そのうちの多くは同医院において処方される薬品のその後の増加・変更等を反映して追加されたものと認められるものであり,同医院の処方薬と無関係な薬品はきわめて少数というべきである。),それが同医院の処方薬と渾然一体として記載されていることに照らしても,同医院の処方薬のリストと離れて,独立して有用性を有するようなものとは,到底認められない。
本件薬品リストは,上記のとおり,そのほとんどの部分をF医院において処方されている薬品のリストが占めているものである(本件薬品リスト中,これ以外の情報は,独立して価値を認めることができない。)。本件薬品リストは,被告AがEから入手したF医院において処方している薬品のリスト(F医院処方薬品リスト。乙2)に,その後に同医院において取り扱うようになった薬品を追加したり,取扱いを止めた薬品を削除したりして,その後の事情を反映する改訂を加えたものであるところ,F医院においても,当然,同医院における取扱薬品の変化を反映した薬品リストが作成され,存在しているものと認められる。
本件薬品リストのうち,そのほとんどの部分を占めるF医院における処方薬のリストについては,F医院に問い合わせることにより同医院から提供を受けることができる情報と認められる。すなわち,一般に,医療機関においては,自ら処方している薬品を秘密にしなければならない理由はなく,むしろ,近隣に薬局が存在することや,当該薬局が自らの処方する薬品を仕入れて常時備えていることは自己の患者への施療上有益なことであるから,近隣において薬局営業し,あるいは営業しようとする者に対しては,むしろ自らの処方する薬品のリストを開示する利益があるからである。そして,本件においては,現に,Eは,原告薬局の開業準備を担当していた被告Aに対して上記F医院処方薬品リスト(乙2)を交付しているものである(被告Aは,Eと旧知の間柄であったが,Eがそのような間柄の者でなければリストを開示しなかったという事情は認められない。また,仮に,Eが被告Aと旧知であるという個人的な事情から,同被告に対して同リストを提供したのであったとしても,被告Aは,被告薬局の業務に関してEから最新の時点におけるF医院の取扱薬品のリストの提供を受けることができるのであるから,被告Aは,本件薬品リストと同様の内容の薬品リストをF医院から入手することが可能と認められる。なお,本件薬品リストのうち,F医院において取扱う薬品以外の薬品を記載した部分は,前記のとおり,それ自体独立して有用性を要するものではないから,その部分のみについて,論ずる意味はない。)。
前記(1)ウにおいて認定のとおり,本件薬品リストは,データとしてコンピュータに保存して保管されており,原告の本社及び原告薬局のすべてのコンピュータ端末からアクセスすることができる状況にあり,これにアクセスできる者が事実上原告本社及び原告薬局においてコンピュータ端末を操作できる者に限られていたとはいっても,アクセスに際してのパスワードの設定はなく,データのコピーや印刷が禁じられていたという事情も認められない。また,原告の就業規則には上記認定のような規定が置かれているが,当該規定はその対象となる秘密を具体的に定めない,同義反復的な内容にすぎず(かえって,例示として,「会社の機密,ノウハウ,出願予定の権利等に関する書類,テープ,ディスク」と規定していることからすれば,単なる,一薬局の在庫管理上の情報にすぎない本件薬品リストは,就業規則上対象とされている事項に当たらないとも解される。),また,被告Aが提出した誓約書も単に入社に当たって従業員として就業規則を遵守することを述べたものにすぎないから,これらをもって本件薬品リストの管理に関するものと認めることはできない。
上記によれば,本件薬品リストについては,これにアクセスする者が同リストが営業秘密であることを認識し得るような措置が講じられていたとは,到底いえない。したがって,本件薬品リストが,秘密として管理されていたということはできない。
また,前記のとおり,本件薬品リストの実質的内容を占めるF医院において処方される薬品(本件薬品リスト中,これ以外の情報は,独立して価値を認めることができない。)については,同医院において同様の情報が管理されているものであり,同医院においてはその情報を自由に第三者に提供し得る状況にあるものであるから,この点においても,本件薬品リストが秘密管理性の要件を満たすということはできない。
(3) 以上によれば,本件薬品リストは不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するものではない。
2 結論 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がない。
よって主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 三村量一
裁判官 古河謙一
裁判官 吉川泉
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