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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成19ネ10063不正競争行為差止等請求控訴事件 平成19ネ10064同附帯控訴事件 判例 不正競争防止法
平成18ワ11437不正競争行為差止等請求事件 判例 不正競争防止法
関連ワード 周知表示混同惹起行為(2条1項1号) /  広く認識 /  需要者 /  営業地域 /  商品等表示 /  混同のおそれ(混同) /  営業上の利益 /  デザイン /  侵害 /  代表者 /  混同のおそれ(混同) /  損害賠償 / 
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事件 平成 19年 (ワ) 18360号 損害賠償等請求事件
仙台市<以下略>
原告A 東京都中央区<以下略>
被告株式会社YKプランニング 東京都北区<以下略>
被告B 横浜市<以下略>
同 C
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2008/01/28
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1原告の請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求被告らは,原告に対し,連帯して,金490万円及びこれに対する平成18年4月7日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
第2事案の概要本件は,原告が,被告らに対し,被告らが,共同して,他人である原告の周, , 知表示を無断で使用して株式を譲渡し 原告の営業と混同を生じさせたことが不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当し,これにより,原告の営業上の利益侵害され,かつ,その信用が毀損されたと主張して,同法4条,民法719条に基づき,財産的損害及び精神的損害の賠償として,連帯して金2490万円及びこれに対する平成18年4月7日から支払済みに至るまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
1前提となる事実等(争いがない事実以外は証拠等を末尾に記載する )。
( )原告は 「YAGINUMAビジネスデザイン事務所」という営業表示1,(以下「原告表示」という )を用いて,主に外食産業を中心に,フランチ 。
, , (, , ャイズ展開 株式公開などの企画立案 営業支援等を行っている 甲5 6弁論の全趣旨 。)( )被告株式会社YKプランニング(以下「被告会社」という )は,建築2。
工事及びその管理業務のほか,企業の合併,提携,営業権,有価証券の譲渡に関する仲介及び斡旋等を目的とする株式会社である(乙3 。)( )原告は,平成18年3月ころ,表紙に原告表示を付した「IPO案件の3ご案内」と題する冊子(以下「本件冊子」という )を作成した(甲8,弁 。
論の全趣旨 。), , ( )被告会社は 平成18年3月下旬ころから同年4月中旬ころまでの間に4本件冊子の写しを作成し,これを用いて株式の譲渡を勧誘した結果,D,E及びF(以下,これら3名を総称して 「本件購入者ら」という )がこれ , 。
に応じたので,同人らに対し,株式会社ビラ・デ・エステ(以下「ビラ・デ・エステ」という )の株式合計14株(以下「本件株式」という )を, 。 。
代金合計420万円で譲渡した(以下「本件譲渡行為」という(甲1,。)4,弁論の全趣旨 。)2争点( )原告表示が周知な営業表示といえるか(争点1)1, () ( )被告B及び被告Cが 被告会社と共に本件譲渡行為を行ったか 争点22( )本件譲渡行為により,原告に損害が発生したか(争点3)3( )原告が,被告会社に対し,本件譲渡行為に際して原告表示を使用するこ4とを承諾したか(争点4)33争点についての当事者の主張( )争点1(原告表示が周知な営業表示といえるか)について1(原告の主張)ア原告は,顧客に対し,株式上場(IPO)やM&Aの計画作成,実行及び仲介並びに業務の代行をしており,本件譲渡行為時までに,原告の顧客のうち3社が株式上場し,原告が同業者の下請けとして関わった企業も3社ほど株式上場した。
イ原告は,現在,岩手県,秋田県,宮城県,山形県,新潟県,東京都,神奈川県,石川県及び大阪府に顧客を有しており,そのほとんどが外食事業者又はその関連事業者である。そして,その顧客は,概ね,複数の店舗を出店,運営しているため,原告の営業地域は広域になる。
ウ原告は,本件譲渡行為当時,ビラ・デ・エステに関し,株式上場及び100店舗の開業を目指した業務を行っていたところ,ビラ・デ・エステの,,,,,,,, 営業地域は 青森県 秋田県 宮城県 山形県 新潟県 福島県 栃木県茨城県,埼玉県,長野県,静岡県,富山県,石川県,福井県,滋賀県,鳥取県といった営業店舗の所在地域及び契約済みの出店予定地域はもとより,その後の出店予定地域にも及んでいた。
また,原告は,ビラ・デ・エステと大和ハウスグループとの業務提携の仲介を行い,大和ハウスグループがビラ・デ・エステの店舗開発を行っていたところ,大和ハウスは,大阪本社,東京支社及び名古屋支社を有し,地域の地主などの富裕層に対して強い影響力がある。
したがって,ビラ・デ・エステの件に関する原告の営業地域は,上記のビラ・デ・エステの出店地域等並びに大阪,東京及び名古屋であるといえる。
,, , エ以上の諸事情に照らせば 原告表示は 上記イ及びウの各地域において需要者の間に広く認識されているといえる。
4(被告らの主張)原告の営業地域については,不知であり,原告表示が需要者の間に広く認識されていることについては,争う。
( )争点2(被告B及び被告Cが被告会社と共に本件譲渡行為を行ったか)2について(原告の主張)ア被告Bは,平成18年6月7日に被告会社の代表取締役に就任したものであり,それまでは被告会社の使用人として,本件譲渡行為において主要な役割を果たしていた。
イ被告Cは,平成17年2月5日から現在に至るまで,被告会社の代表取締役である。
そして,被告会社は,原告に対し,被告Cを代表取締役として記載した「株式譲渡引き受け申込書」と題する書面により,本件株式に関する申込みを行った。
(被告らの主張)被告B及び被告Cは,本件譲渡行為について,被告会社の業務命令に従って業務を遂行したのであり,個人として業務を離れて行ったものではないから,それに関する責任を問われるものではない。
( )争点3(本件譲渡行為により,原告に損害が発生したか)について3(原告の主張)原告は,本件譲渡行為当時,50名以上の者に対して株式取得を勧誘する場合は,証券取引法(現在の金融商品取引法)による規制が及ぶとされていたこと(当時の証券取引法2条3項1号及び同法施行令1条の4第1項)を踏まえて,本件冊子の発行部数が50部を超えないように管理し,原告が,直接,知人又は紹介を受けた人から株式取得の申込みを受け付けるようにしていた。
5それにもかかわらず,被告らにおいて,本件冊子を複写し,相当数の者に対して本件株式取得の勧誘を行い,金員を授受したことから,証券取引法に,, , 抵触するおそれが生じたため 原告は ビラ・デ・エステの代表者と協議し本件株式の譲渡を断念するに至った。
このような被告らの行為により,原告は,財産的な損害に加え,信用失墜及び精神的苦痛に基づく損害を被ったものである。
(被告らの主張)被告会社は,本件株式購入を求めたが,原告は,それを違法かつ不当に拒, , 否したもので 原告が被告会社に対して本件株式の株券を引き渡していれば何の問題もなかったのである。
したがって,被告らの行為によって原告に損害が発生したものではない。
( )争点4(原告が,被告会社に対し,本件譲渡行為に際して原告表示を使4用することを承諾したか)について(被告らの主張)被告会社は,Gを介して原告から依頼を受け,原告から本件株式を1株11万円で購入し,原告表示が付された本件冊子の使用許諾を得た上で,当該株式を本件購入者らに対して1株30万円で売却したものである。
(原告の主張)被告会社が本件譲渡行為に関して,原告から原告表示が付された本件冊子の使用許諾を得ていたとの事実については,否認する。
第3当裁判所の判断1争点1(原告表示が周知な営業表示といえるか)について( )上記前提となる事実等並びに証拠(甲5ないし8)及び弁論の全趣旨に1よれば,次の事実が認められる。
ア原告は,本件譲渡行為当時,主に外食産業を中心として,株式公開などの企画立案,営業支援等の業務と併せて,その企業の株式譲渡の業務にも6携わっていた。
イ原告は,平成18年ころ,ビラ・デ・エステについても,上記の各業務を行っていたところ,同社は,本件冊子が作成された同年3月当時,青森,,,,,,,,, 県 秋田県宮城県山形県 新潟県 栃木県茨城県埼玉県 長野県静岡県,富山県,石川県,福井県,滋賀県及び鳥取県に合計26の営業店舗を有しており,富山県に3店舗,埼玉県,福島県,新潟県,福井県,石川県及び鳥取県に各1店舗を出店する予定であった。また,当時,同社の営業店舗の立地開発については,大和ハウスグループが行うことになっていた。
( )不正競争防止法2条1項1号は,商品等表示が同法による保護を受ける2ためには,同表示が「需要者の間に広く認識されている」ことを要件としているところ,本件においては,上記( )の認定事実を総合しても,ビラ・デ1・エステが広い地域に営業を展開していることが推認されるのみであり,こ, , のことから 同社の営業支援等の業務を行っていた原告の用いる原告表示が本件における需要者,すなわち,原告が不正競争行為と主張する本件譲渡行為の需要者である,株式の譲渡を受けようとする者の間において広く認識されているとまでは到底いえないし,他に原告表示が上記需要者の間に広く知られている営業表示であることを認めるに足りる証拠はない。
したがって,原告表示が需要者の間において広く知られた営業表示であると認めることはできない。
2そうすると,その他の点を論ずるまでもなく,原告の主張は理由がない。
第4結論以上の次第で,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
7
裁判長裁判官 清水節
裁判官 山田真紀
裁判官 國分隆文
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