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事件 平成 20年 (ワ) 12092号 損害賠償等請求事件
埼玉県行田市<以下略>
原告ガクヤ株式会社
同訴訟代理人弁護士佐藤仁志 大阪府堺市<以下略>
被告株式会社玉井商店
同訴訟代理人弁護士野田英二
同 野田邦子
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2009/02/27
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1原告の請求をいずれも棄却する。
2訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求1被告は,別紙被告商品等表示目録記載のデザインの包装を用いた足袋カバーを譲渡し,引き渡し,又は譲渡若しくは引渡しのために展示してはならない。
2被告は,別紙被告商品等表示目録記載のデザインの包装を廃棄せよ。
3被告は,原告に対し,445万8810円及びこれに対する平成19年9月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
,,, , 4被告は 原告に対し 別紙記載の謝罪広告を 標題部分を2倍ゴチック活字その他の部分を1倍明朝活字を用いて,繊研新聞に,1回掲載せよ。
第2事案の概要1本件の概要本件は,原告が,被告に対し,不正競争防止法2条1項1号に基づいて,被告の販売する足袋カバーの包装の譲渡等の差止め及び廃棄を求めるとともに(同法3), (,) 条損害賠償金445万8810円及び遅延損害金の支払 同法4条 5条1項() 並びに信用回復措置として別紙記載の謝罪広告を新聞に掲載すること 同法14条を求めた事案である。
2前提事実(1)当事者ア原告は,足袋や靴下の製造及び販売を主たる目的とする株式会社である。
イ被告は,繊維製品の販売等を主たる目的とする株式会社である。
(争いのない事実)(2)原告商品等表示ア使用原告は,別紙原告商品等表示目録記載のデザインの包装(以下「原告包装」という )を,原告が販売する足袋カバー「優美足袋」の包装に使用している(以下, 。
原告包装を用いたこの商品を「原告商品」という。。)(争いのない事実)イ構成原告包装の構成は,次のとおりである。
【】 ,,., A 足袋カバーを収納するセロファン製の袋であり 大きさは 縦25 5?p横16.6?pであり,表面上部及び裏面が透明になっており,収納されている商品を見ることができるようになっている。
【B-1】表面中央上部に,行書による「優美足袋」との商品名が,周囲を金色線で縁取りされた黒色文字で記載されており,その大きさは,縁取り部分を含めると,縦10.8?p,横3.5?pである。
【B-2】表面右上部に,直径3.0?pの円の中に平安貴族女性の上半身が描かれている原告のロゴマークが,黒色で描かれている。
【】, , , C-1 表面下部は 単色の緑地となっており 同上部の透明部分との境界はU字型に明確に分けられているが,緑地の高さは,中央部分で10.7?p,左右端部分で13.5?pである。
【C-2】表面下部の緑地となっている部分に,左下から右上にかけて6輪のピンク色の花(蘭)の写真があしらわれている。正面を向いて全体が写っているのは1輪であり,その余は,一部しか写っていなかったり正面以外の方向を向いていたりしている。当該花の写真部分の半分程度は,花冠中央部及び裏側の黄色,白色,薄ピンク色及び薄緑色で占められている。
【】 ,「」,, D-1表面右上部のロゴマークの下に五枚コハゼとの文字が黒色で縦0.4?p,横2.6?pの大きさで横書きされている。
【D-2 「五枚コハゼ」の下に 「撥水加工」との文字が,黒色で,縦4.2 】,?p,横1.0?pの大きさで縦書きされている。
【D-3】表面左上部の縦1.7?p,横2.6?pの大きさの金色地の長方形の上に,サイズが黒地で記載されている。
【D-4】表面左部の中央部から下部にかけて 「ひとえたび・タビカバーに」 ,「伸縮性が豊かでお美足にピッタリ」との文字が,黒色で,縦8.5?p,横1.2?pの大きさで,2段に縦書きされている。
(甲1の1,弁論の全趣旨)ウ使用状況(ア)使用開始時期,,, 。 原告は 平成11年ころから 原告商品の包装として 原告包装を使用している(甲19,21,弁論の全趣旨)(イ)原告商品の販売数量原告商品の平成11年から平成19年までの販売数量は,次のとおり,合計14万2803足である。
平成11年340足平成12年2万2045足平成13年2万2172足平成14年2万0238足平成15年1万9653足平成16年1万9351足平成17年1万5562足平成18年1万2870足平成19年1万0572足(甲21)(ウ)原告商品の販売地域平成19年における原告商品の販売先は,北海道,山形,群馬,栃木,埼玉,千葉,東京,神奈川,新潟,富山,石川,長野,静岡,愛知,三重,京都,兵庫,福岡と,北海道から福岡までの18都道府県の54業者及び個人である。ただし,100足以上販売した相手業者は,埼玉,東京,石川,愛知,京都,福岡の6府県の17業者であり,1000足以上販売した相手業者は,東京の業者(株式会社キ),()()。 ンカ堂愛知の業者株式会社大善及び京都の業者株式会社淡交社である最も販売数が多い業者である株式会社淡交社に対する販売数は2320足であり,上記1000足以上販売した3社の販売数合計は5010足であり,この3社だけで半分弱を占めている。
(甲22)(エ)宣伝広告a原告原告は,平成18年7月から,原告ホームページにおいて,原告商品の宣伝広告をしている。
(甲2)b株式会社淡交社原告商品は,平成18年4月から,楽天市場サイトの株式会社淡交社のホームページにおいて,同社の取扱商品の1つとして掲載されている。
平成19年の同社に対する原告商品の販売数は,上記(ウ)のとおり,2320足である。
(甲12,20の1)c有限会社いとはん原告商品は,平成17年4月から,net横丁サイトの有限会社いとはんホームページにおいて,同社の取扱商品の1つとして掲載されている。
また,原告商品は,ぷららサイト中の有限会社いとはんのホームページにおいても,同じころから,同社の取扱商品の1つとして掲載されている。
(甲13の1・2,20の2,弁論の全趣旨)d和装小もの卸岡本原告商品は,平成20年5月から,Yahoo!ショッピングサイト中の和装小, 。 もの卸岡本のホームページにおいて 同社の取扱商品の1つとして掲載されている平成19年の同社に対する原告商品の販売数は,20足である。
(甲14,20の3)e株式会社カカクコム価格.comにおいて,平成20年9月17日時点で,キーワードを「足袋カバー ,検索対象を「すべて」として検索をすると,270件が検索され,先頭から 」254件目に原告商品Mサイズが,同255件目に原告商品Lサイズが,和装小もの卸岡本の取扱商品として登場する。
(甲15)f株式会社ベンチャーリパブリックconeco.netにおいて,平成20年9月17日時点で,ファッション分,「」,, 野について キーワードを 足袋カバー として検索をすると 54件が検索され「おすすめ」順で,原告商品Lサイズが先頭に,原告商品Mサイズが2番目に,和装小もの卸岡本の取扱商品として登場する。
(甲16)g株式会社ぼーぐなん,, , 原告商品は 平成12年6月から 株式会社ぼーぐなんのホームページにおいて同社の取扱商品の1つとして掲載されている。
また,原告商品は,平成12年4月から,同社の和装小物に関するパンフレットに,同社の取扱商品の1つとして掲載されている。
(甲17,19,20の5,弁論の全趣旨)h光永株式会社原告商品は,平成17年4月から,光永株式会社のホームページにおいて,同社の取扱商品の1つとして掲載されている(商品写真は,他社の足袋又は足袋カバーと一緒に撮影されたものである。。)(甲18,20の4,弁論の全趣旨)iその他原告は,原告ホームページ以外で原告商品の宣伝広告をしたことがなく,また,原告商品がテレビ,新聞,雑誌等の媒体で取り上げられたこともない。
(争いのない事実,弁論の全趣旨)(3)被告の行為ア被告商品等表示(ア)使用被告は,別紙被告商品等表示目録記載のデザインの包装(以下「被告包装」という )を被告が販売する足袋カバー「美粧足袋」の包装に使用している(以下,被 。
告包装を使用したこの商品を「被告商品」という。。)(イ)構成被告包装の構成は,次のとおりである。
【】 ,,., a 足袋カバーを収納するセロファン製の袋であり 大きさは 縦23 9?p横16.7?pであり,表面上部及び裏面が透明になっており,収納されている商品を見ることができるようになっている。
【b-1】表面中央部の上部から中央部にかけて,行書による「美粧足袋」との, ,, 商品名が 周囲を金色線で縁取りされた黒色文字で記載されており その大きさは縁取り部分を含めると,縦11.3?p,横3.0?pである。
【b-2 「美粧足袋」の上部に,直径3.1?pの円の中に鳳凰及び菊の絵並び 】に「白鳳」との文字が描かれている被告のロゴマークが,黒色で描かれている。
【】, , , c-1 表面下部は 単色の緑地となっており 同上部の透明部分との境界はほぼ平行であり,かつ,グラデーションになっているが,緑地の高さは,グラデーション部分を含めて,最大で9.0?pであり,グラデーションの幅は2.5?p程度である。
この緑色は,原告包装に使用された緑色と色調がほとんど同一である。
【c-2】表面下部の緑地及びグラデーション部分に,左上から右下にかけて5輪のピンク色の花の写真があしらわれている。正面を向いて全体が写っているのは2輪であり,その余は,一部しか写っていなかったり正面以外の方向を向いていたりしている。当該花の写真部分の2割程度は,花冠中央部及び裏側の白色,薄ピンク色及び薄緑色で占められている。
このピンク色は,原告包装に使用されたピンク色と色調がほとんど同一である。
【d-1】表面左上部の縦1.1?p,横4.0?pの大きさの黒枠の中に 「5枚 ,コハゼ」との文字が黒色で横書きされている。
【d-2 「美粧足袋」の右横の縦4.7?p,横1.5?pの大きさの金色枠の中 】に 「撥水加工」との文字が黒色で縦書きされている。 ,【】.,. , d-3 表面右上の縦1 7?p 横2 5?pの大きさの金色地の長方形の上にLサイズが黒地で記載されている(ただし,Mサイズの場合は,上記Lサイズの表.,. 。)。 示の上に縦2 4cm 横3 5cmのMサイズを表す金色のシールが貼られている【d-4 「美粧足袋」の左横に 「東レナイロン100%」との文字が,縦 】,8.4?p,横1.3?pの大きさで 「東レナイロン100%」の左やや下部に, ,「ひとえたびに・カバーに・・・」との文字が,縦8.0?p,横0.5?pの大きさで,それぞれ黒色で縦書きされている。
(甲1の2,弁論の全趣旨)イ使用状況(ア)被告は,株式会社満洋に対し,平成19年5月〜6月ころ,被告包装の製造を依頼し,1万2290枚の納入を受けた。
(乙9の1〜4,20,弁論の全趣旨)(イ)被告は,上記1万2290枚のうち,30枚を営業用サンプルとして使用し,残り1万2260枚を被告商品の下請製造業者である株式会社キントキ(以下「キントキ」という )に交付した。 。
(乙20,弁論の全趣旨)(ウ)被告は,仲卸業者である木村実業株式会社(以下「木村実業」という )。
から,平成19年6月から同年10月2日にかけて,被告商品330足の注文を受け,木村実業に対し,同製品をキントキから直接納入した。
(乙1,2,12,20,弁論の全趣旨)(エ)原告は,平成19年10月18日到達の平成19年10月16日付け通知書(甲3の1)によって,被告に対し,被告商品の販売中止及び回収,並びに販売中止及び回収の実施状況の報告を求めた。そのため,被告は,被告代表者が出張から帰国した同月23日に,被告商品の出荷を停止するとともに,木村実業に被告商品の返品の要請をして回収作業をした。木村実業は,同年12月中旬までに204足の被告商品を返品した。しかし,出荷された330足のうち126足は,回収できなかった。
(争いのない事実,甲3〜7,乙3,5,8,20)(オ)被告は,キントキに対し,被告包装の廃棄を指示し,キントキは,平成1,( ) 9年12月21日ころまで 被告包装1万2134枚 1万2260枚-126枚を廃棄した。
(乙4,10〜12,20)ウ被告包装の作成経緯, ,,。 (ア)原告社員Aは 平成15年7月に原告を退職し その後 被告に就職したAは,当然,原告包装を知っていた。
(イ)被告担当者であるAは,取引条件の不一致から木村実業と原告との間で原告商品の取引が終了したことを知り,平成19年ころから営業活動をかけ,木村実業との間で,足袋カバー「美粧足袋」を納入する契約を結んだ。この際,Aは,木村実業が従来取り扱っていた商品が原告商品であったことから 「美粧足袋」の包 ,装の候補の1つとして,原告包装を参考として被告包装を作成した。木村実業は,Aが提示した3つの候補の中から,被告包装を選択した。
(争いのない事実,乙13〜15)3争点(1)原告包装の商品等表示性(2)原告包装と被告包装との類似性(3)商品の混同のおそれ(4)営業上の利益侵害又はそのおそれ(5)故意過失(6)損害(不正競争防止法5条1項)(7)謝罪広告の必要性4争点に関する当事者の主張(1)原告包装の商品等表示性ア原告(ア)市場シェア足袋カバーの生産量は全国で約18万足であり,原告商品はその約1割のシェアを占めている。
(イ)まとめ前提事実(2)イの構成を有し,前提事実(2)ウ及び上記(ア)の使用状況にある原告包装は,遅くとも平成11年ころまでには,原告商品を表示するものとして,全国の消費者の間で広く認識されていた。
イ被告(ア)市場シェア原告の主張(ア)は否認する。
足袋カバーの取扱業者には,業界最大手の福助株式会社のほか,主要な業者とし, , (, て被告 原告及びそのほか数社が存在し 更に小規模業者が複数社存在する 乙621 。)(イ)まとめa原告の主張(イ)は否認する。
b原告包装は,商品名「優美足袋」と平安貴族女性のロゴマークを除けば,抽象的な図柄や一般的な品質表示などありふれたもので構成されているにすぎない。
原告商品の販売数(前提事実(2)ウ(イ))や宣伝態様(前提事実(2)ウ(エ))の程度では,このように本来商品識別能力を有しないものが出所識別能力を持ち,更に周知性を有するに至ることはない。
(2)原告包装と被告包装との類似性ア原告(ア)隔離的観察,全体的観察をすると,原告包装と被告包装とは,下半分に緑を使い,ピンクの花をあしらい,商品名が縦書きで書かれているといった共通点において,全体的に類似した印象を与える。
(イ)よって,被告包装は,原告包装に類似している。
イ被告(ア)原告の主張は否認する。
(イ)被告包装及び原告包装には,それぞれの商品名を表示する文字が中央真ん中に大きく記載され,かつ,それぞれのロゴマークがその商品名の近くに大きく掲載されている。したがって,これらの商品名及びロゴマークが需要者の注意を特に引くから,商品の出所について両者は異なったものと認知させる。
また,背景の緑地とピンク色の花についても,それぞれが与える印象は異なる。
そして,その余の要素は,抽象的でありふれたものであるか,品質を表示するものにすぎず,本来的に商品等表示性を有しない。
(3)商品の混同のおそれア原告(ア)原告商品の需要者も被告商品の需要者も,一般消費者である。
(イ)被告包装は,原告包装に類似している。
(ウ)原告包装は,原告商品を表示するものとして,全国の消費者の間で広く認識されている。
(エ)したがって,需要者は,被告商品が原告の製品であるか,又は原告と親子会社又は系列関係など密接な関係にある者の商品であると誤信するおそれがある。
イ被告(ア)原告の主張(ア)は認める。
(イ)同(イ)は否認する。
(ウ)同(ウ)は否認する。
(エ)同(エ)は否認する。
(4)営業上の利益侵害又はそのおそれア原告原告は,被告の不正競争行為によって,営業上の利益侵害されており,また,今後もその侵害がされるおそれが強い。
イ被告原告の主張は否認する。
被告は,平成19年10月23日に被告包装の使用を中止し,未使用の被告包装はすべて廃棄した(前提事実(3)イ(エ)及び(オ) 。今後も,被告包装を使用した被 )告商品を製造,販売するつもりは全くない。
(5)故意過失ア原告前提事実(3)ウによれば,被告には,故意又は過失がある。
イ被告原告の主張は否認する。
(6)損害(不正競争防止法5条1項)ア原告(ア)譲渡数量被告は,被告包装を少なくとも2万3000枚製造し,同数の被告商品を販売した。
(イ)単位数量当たりの利益原告商品は,1足平均409.11円で仕入れ,1足平均585.58円で販売していたから,1足当たりの原告商品販売による利益は,176.47円である。
(ウ)算定したがって,次のとおり,405万8810円を被告の侵害行為により原告が受けた損害の額とすることができる。
176.47円×2万3000足=405万8810円(エ)弁護士費用本件訴訟を追行するために必要な弁護士費用は,40万円を下らない。
(オ)まとめ以上から,原告の損害は,445万8810円である。
ア被告(ア)譲渡数量原告の主張(ア)は否認する。
(イ)単位数量当たりの利益原告の主張(イ)は知らない。
(ウ)算定原告の主張(ウ)は否認する。
(エ)弁護士費用原告の主張(エ)は否認する。
(オ)まとめ原告の主張(オ)は否認する。
(7)謝罪広告の必要性ア原告原告の営業上の信用を回復するためには,請求4項記載のとおりの謝罪広告が必要である。
イ被告原告の主張は否認する。
第3当裁判所の判断1争点(1)(原告包装の商品等表示性)について(1)事実認定ア原告包装の特徴後記2のとおり,原告包装は,表面下部に,緑地の上にピンク色の花の写真があしらわれており,このようなデザインが足袋カバーや着物用品の世界ではありふれたものであることを示す証拠はないから,表面下部に緑地の上にピンク色の花の写真があしらわれている点に特徴がある。
イ原告商品の販売数量等原告包装の使用開始時期,原告商品の販売数量,販売地域及び宣伝広告は,前提事実(2)ウ(ア)〜(エ)のとおりである。
ウ市場シェア原告は,足袋カバーの生産量は全国で約18万足であり,原告商品はその約1割のシェアを占めている旨主張し,原告提出の証拠(甲23)には,その旨の記載がある。
しかし,証拠(乙6,21)及び弁論の全趣旨によれば,業界最大手の足袋カバーの取扱業者として福助株式会社があり,主要な業者として,被告( 薄化粧」の 「みで平成19年に約1万3000足 ,原告(原告商品のみで平成19年に約1万 )足)及び他に数社あり,さらに,小規模業者が複数社存在することが認められる。
この事実によれば,足袋カバーの全国の生産量は原告主張の数量を相当超え,したがって,原告商品の市場シェアは原告主張のものよりも相当低い可能性が高く,原告商品が約1割の市場シェアを占めることの立証はないといわなければならない。
(2)判断ア上記(1)に説示した事実によれば,?@原告包装は,表面下部に緑地の上にピンク色の花の写真があしらわれている点に特徴があり,?A被告商品が販売された当時,約8年の使用実績があり,?B原告商品の販売数量も,年当たり1万〜2万足であって,おおむね全国にわたって販売されていたものである。
, , , イ(ア)他方 年当たり1万足余の販売数量は 人口1万人に1足の計算になりその需要者が相当限定されることを考慮しても,さほど大きな数量ではない。
(イ)宣伝広告についてみても,原告が自ら原告商品を宣伝広告していたのは自社のホームページ上だけであり,原告がテレビ,新聞,雑誌等の媒体を使用した大々的な宣伝広告をしたことや,原告商品がこれら媒体に取り上げられたことはない(前提事実(2)ウ(エ) 。)(ウ)原告商品の取扱業者の宣伝広告をみても,被告商品が販売された当時,原告商品の販売広告をしていたのは,実質的には,株式会社淡交社,有限会社いとはん,株式会社ぼーぐなん及び光永株式会社の4社であり,その後の平成20年5月になって,和装小もの卸岡本も,原告商品をホームページに掲載することを開始したものである(前提事実(2)ウ(エ)。なお,価格.com及びconeco.netでは,原告商品が和装小もの卸岡本の取扱商品として検索されているから,被告商品販売当時に上記両サイトで原告商品を検索しても,原告商品が検索結果に現れなかった可能性が高い。。)株式会社ぼーぐなんを除けば,原告,株式会社淡交社,有限会社いとはん及び光永株式会社がホームページで原告商品の宣伝広告を開始したのは,平成17年〜平成18年であり,被告商品販売当時いまだ1〜2年しか経過していない(前提事実(2)ウ(エ) 。)したがって,原告商品の取扱業者の宣伝広告を含めても,原告製品の宣伝広告の規模は小さかったものであり,その期間も短かったものである。
ウ以上によれば,原告包装は,平成11年ころの時点においても,その後の被告が被告商品の販売をした平成19年6月から同年10月にかけての時点においても,口頭弁論終結の時点においても,原告商品を表示するものとして需要者広く認識されていたものと認めることはできない。
2争点(2)(原告包装と被告包装との類似性)について(1)事実認定, 。 原告包装及び被告包装の構成は 前提事実(2)イ及び同(3)ア(イ)のとおりである(2)判断ア上記認定の事実によれば,原告包装と被告包装との共通点は,(【】【】), ?@セロファン製の袋の表面上部及び裏面が透明になっていることA 及び a?A商品名が表面中央部に大きく黒色文字で縦書きされ,その周囲を金色線で縁取りされていること( B-1】及び【b-1】の各一部 , 【 )?B表面下側が緑色であり,緑色の色調もほとんど同じであること( C-1】及び 【【c-1】の各一部 ,)?C表面下側の緑地にピンク色の花があしらわれ,ピンク色の色調もほとんど同じであること( C-2】及び【c-2】の各一部 , 【 )「 ()」(【】【】), ?D 五 5 枚コハゼ との記載があることD-1 及び d-1 の各一部?E「撥水加工」との記載があること( D-2】及び【d-2】の各一部 , 【 )(【】【】 ?Fサイズが金色地の上に黒色文字で記載されていることD-3 及び d-3の各一部 ,)?G「ひとえたび(に 」の記載があること( D-4】及び【d-4】の各一部) )【である。
イしかしながら,弁論の全趣旨によれば,?@は極めてありふれた構成方法であり,?A及び?Fは極めてありふれた表現手法であり,?D,?E及び?Gは他に選択の余地のない商品説明であり,独創性,新規性のない部分であって,出所識別の機能を有し得る部分ではないと認められる。また,?D〜?Gについては,原告包装と被告包装とでは,その配置位置も異にしている。
しかし,原告包装と被告包装との共通点である表面下側の「緑地の上にピンク色の花」の点(?B及び?C)については,両者に使用された緑色及びピンク色が色調もほぼ同一であり,このようなデザインが足袋カバーや着物用品の世界ではありふれたものであることを示す証拠はないから,この部分のみを観察する限り,被告包装は原告包装に類似していると判断せざるを得ない。
ウ一方,被告包装では 「美粧足袋」との商品名が,縦11.3?p,横3. ,0?pという大きさで,大きさ縦23.9?p,横16.7?pの袋表面の中央部の上部から中央部にかけて,周囲を金色線で縁取りされた黒色文字で記載され,しかも,直径3.1?pの被告のロゴマークが,上記「美粧足袋」との商品名の上に,黒色で描かれている。
そして,商品名の記載の点は,原告包装においてもほぼ同様であり,ロゴマークの記載の点は,記載箇所は異なるが,原告包装においてもほぼ同様である。
エ以上によれば,被告包装は,表面下側の「緑地の上にピンク色の花」の点,, , で 原告包装に類似するが 表面中央部に記載された商品名及びロゴマークを含め離隔的に,かつ全体的に観察すれば,被告担当者が原告包装を参考にして被告包装を作成したことを併せ考慮したとしても,原告包装に類似するとは認められない。
3結論以上のとおり,原告包装には商品等表示性がなく,かつ,被告包装が原告包装と類似しているとも認められない。
,, , よって 原告の請求は その余の点について判断するまでもなく理由がないからいずれも棄却することとして,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 市川正巳
裁判官 大竹優子
裁判官 中村恭
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