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事件 平成 16年 (ワ) 19961号 商号登記抹消登記等請求事件
原告 東京急行電鉄株式会社
同訴訟代理人弁護士 山田忠男
同 沢田訓秀
被告 有限会社東急電化
裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 2004/11/10
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 被告は,その営業上の施設又は活動において「有限会社東急電化」その他「東急」という文字を含む営業表示を使用してはならない。
2 被告は,神戸地方法務局姫路支局平成9年4月1日受付でされた被告の設立登記中,商号「有限会社東急電化」の抹消登記手続をせよ。
3 被告は,「有限会社東急電化」その他「東急」という文字を含む表札,看板,印章,印刷物その他の営業表示物件から「東急」の文字を抹消せよ。
4 訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
請求
主文同旨
請求原因
1 原告の営業表示 (1) 原告は,大正11年9月2日,商号を目黒蒲田電鉄株式会社として設立され,昭和17年5月1日,現商号に変更し,以来,現商号をもって鉄道業などの営業活動を行っている。
(2) 「東急」という営業表示(以下「本件営業表示」という。)は,原告の商号である東京急行電鉄株式会社の略称に端を発したものである。
(3) 原告を中核とする東急グループ各社は,交通事業(東急バス,東急ロジスティック,東急エアカーゴ,東急鯱バス),不動産事業(東急不動産,東急リバブル,東急コミュニティー,東急リゾート),流通事業(東急百貨店,東急ストア,東急ハンズ,東急カード),レジャー・サービス事業(東急観光,東急レクリエーション,東急エージェンシー,東急文化村),ホテル事業(東急ホテル,東急イン,東急リネンサプライ),建設事業(東急建設,世紀東急工業),製造業(東急車輛製造),病院(東急病院)等の諸分野において営業活動を行っており,本件営業表示は,原告及び東急グループ各社の営業表示として使用されている。
2 周知性 (1) 原告は,本店を東京都渋谷区に置き,目的を鉄道事業,住宅地の経営,土地家屋の売買及び賃貸業,娯楽機関の経営,ホテル及び旅館の経営等とする東京証券取引所一部上場の会社であり,全国規模で鉄道業,不動産業,ホテル事業などの営業活動を行っている。
(2) 原告は,大正11年9月2日,商号を目黒蒲田電鉄株式会社として設立され,他の鉄道会社を合併するなどして鉄道業の基盤を固めていき,昭和14年10月に商号を東京横浜電鉄株式会社に変更し,昭和17年5月1日,陸上交通事業調整法に基づき,京浜電気鉄道(現在の京浜急行電鉄株式会社)と小田急電鉄株式会社を合併し,商号を現在の東京急行電鉄株式会社に変更した。昭和19年5月31日には京王電気軌道(現在の京王電鉄株式会社)も合併し,大東急時代として一時期を画した。
(3) 原告は,昭和24年5月16日,東京証券取引所に上場し,新聞紙上などの株式欄では,原告を表示するものとして本件営業表示が使用されている。
(4) 原告のほか,東急グループとして「東急」の名称を冠して上場している会社及び上場していた会社は,別紙「上場企業一覧表」記載のとおりである。
(5) 原告は,田園調布に代表される沿線開発の事業から,流通事業,開発事業,観光サービス事業及び文化事業などに進出し,各事業部門に会社を設立し,これらの会社により東急グループを築いてきた。
(6) 東急グループは,原告を中核とする会社等の集合体であり,前記1(3)のとおり,交通,不動産,流通,レジャー・サービス,ホテル,建設,製造,病院などの諸事業分野において全国的,多角的に事業活動を展開している。
(7) 原告及び東急グループ各社は,昭和30年代には,北海道や上信越での交通事業,ホテル事業及び観光事業などへ進出して事業拡大を図り,昭和40年代には,多摩田園都市の建設とその足となるべき田園都市線の敷設を本格化させた。昭和50年代には,ホテル事業,流通事業を一段と充実させ,海外においても,太平洋地域において,開発事業,ホテル事業,流通事業及び観光事業を展開させた。昭和60年代においては,カルチャーセンター,クレジットカード,ケーブルテレビジョン事業への進出,複合文化施設東急文化村の開業,東急総合研究所の設立などソフト部門への進出も行った。
(8) 東急グループを構成する企業及び法人数は,平成15年3月の時点で,株式公開企業14社を含む356社9法人である。
(9) 原告及び東急グループ各社は,古くから,日刊新聞,テレビ等のマスメディアはもとより,その他大規模な催物を通じて積極的に宣伝活動を行ってきた。
(10) よって,本件営業表示は,原告及び東急グループ各社の営業表示であることを示す表示として,昭和24年ころには既に広く一般に認識されて,現在も,同様に広く認識されており,著名性ないし周知性を獲得している。
3 被告の行為 (1) 被告は,平成9年4月1日,目的を家庭用電化製品の販売及び修理等,資本金を金300万円,本店を肩書地として設立された。
(2) 被告は,会社の商号として,「有限会社東急電化」を登記し,これを電話帳に掲載し,インターネット上で広告するなどして,営業表示として使用している。
4 類似性 被告の商号は,本件営業表示と同一又は類似している。
5 混同のおそれ 本件営業表示と被告の使用する「有限会社東急電化」とは,「東急」という主要部分の名称が同一であるため,被告の顧客をはじめ社会一般に対し,被告があたかも原告の系列会社であるかのような印象を与え,広義の混同を生じさせるおそれがある。
6 よって,原告は,被告に対し,不正競争防止法2条1項1号又は2号,3条に基づき,「東急」という文字を含む営業表示の使用差止め,被告の商号の抹消登記手続及び営業表示物件からの「東急」の文字の抹消をするよう求める。
当裁判所の判断
1 被告は,本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面も提出しないから,請求原因事実を明らかに争わないものと認め,これを自白したものとみなす。
2 以上によれば,本件営業表示は周知性を有すること,本件営業表示と被告の商号及び営業表示である「有限会社東急電化」とは類似していること,被告による同商号及び営業表示の使用により原告の営業と混同を生じさせるおそれがあることが認められるから,被告の行為は,不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争行為に該当し,その侵害差止め及びその停止に必要な措置を求める原告の請求は,いずれも理由がある。
3 よって,主文のとおり判決する。
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(別紙)上場企業一覧表1東京急行電鉄株式会社(1)上場時期昭和24年5月東京証券取引所へ上場(2)上場時商号東京急行電鉄株式会社(3)株式欄表示東急2東急不動産株式会社(1)上場時期昭和31年4月東京証券取引所第2部に上場同36年10月東京証券取引所第1部へ指定換同45年10月大阪証券取引所第1部に上場(2)上場時商号東急不動産株式会社(3)株式欄表示東急不3東急建設株式会社(1)上場時期昭和38年9月東京証券取引所第2部に上場同42年8月東京証券取引所第1部へ指定換同44年4月大阪証券取引所第1部に上場平成15年9月23日大阪証券取引所第1部上場廃止同年9月25日東京証券取引所第1部上場廃止同年10月1日東京証券取引所第1部に再上場(2)上場時商号東急建設株式会社(3)吸収分割TCホールデングズ株式会社は平成15年4月10日東急建設株式会社の建設部門を吸収分割により承継。同年10月1日東急建設株式会社に商号変更,同日東京証券取引所第1部に再上場。旧東急建設株式会社は同日TCプロパティーズ株式会社に商号変更,同年9月24日上場廃止。
(4)株式欄表示東急建4株式会社東急百貨店(1)上場時期昭和24年5月東京証券取引所に上場(2)上場時商号株式会社東横百貨店(3)商号変更昭和42年9月株式会社東急百貨店に商号変更(4)株式欄表示東急百5株式会社東急ストア(1)上場時期昭和57年12月東京証券取引所第2部に上場昭和62年8月東京証券取引所第1部へ指定換(2)上場時商号株式会社東急ストア(3)株式欄表示東急ストア6株式会社東急コミュニティー(1)上場時期平成10年11月東京証券取引所第2部に上場平成12年3月東京証券取引所第1部へ指定換(2)上場時商号株式会社東急コミュニティー(3)株式欄表示コミュニティ7東急リバブル株式会社(1)上場時期平成11年12月東京証券取引所第2部に上場平成13年3月東京証券取引所第1部へ指定換(2)上場時商号東急リバブル株式会社(3)株式欄表示東急リバ8世紀東急工業株式会社(1)上場時期昭和48年9月東京証券取引所第2部に上場昭和57年11月東京証券取引所第1部へ指定換(2)上場時商号世紀建設工業株式会社(3)商号変更昭和57年5月世紀東急工業株式会社に商号変更(4)株式欄表示世紀東急9東急ロジスティック株式会社(1)上場時期昭和60年7月東京証券取引所第2部に上場(2)上場時商号相鉄運輸株式会社(3)商号変更平成14年4月東急ロジスティック株式会社に商号変更(4)株式欄表示東急ロジ10株式会社東急レクリエーション(1)上場時期昭和24年5月東京証券取引所に上場(昭和38年10月市場第2部に指定)(2)上場時商号新日本興業株式会社(3)商号変更昭和44年3月株式会社東急レクリエーションに商号変更(4)株式欄表示東急レク11株式会社ながの東急百貨店(1)上場時期平成3年8月店頭登録銘柄として(社)日本証券業協会(ジャスダック)に登録(2)上場時商号株式会社ながの東急百貨店(3)株式欄表示ながの東急12株式会社東急ホテルチェーン(1)上場時期昭和47年10月東京証券取引所第2部に上場昭和58年6月東京証券取引所第1部へ指定換(2)上場時商号株式会社東急ホテルチェーン(3)株式欄表示東急ホ(4)上場廃止平成13年7月17日東京急行電鉄株式会社との株式交換(完全子会社化)により上場廃止13東急観光株式会社(1)上場時期昭和56年7月東京証券取引所第2部に上場昭和62年6月東京証券取引所第1部へ指定換(2)上場時商号東急観光株式会社(3)株式欄表示東急観(4)上場廃止平成16年1月1日東京急行電鉄株式会社との株式交換(完全子会社化)により上場廃止14東急車輛製造株式会社(1)上場時期昭和34年7月東京証券取引所に上場昭和43年2月大阪証券取引所に上場(2)上場時商号東急車輛製造株式会社(3)株式欄表示東急車(4)上場廃止平成14年10月1日東京急行電鉄株式会社との株式交換(完全子会社化)により上場廃止
裁判長裁判官 市川正巳
裁判官 頼晋一
裁判官 高嶋卓
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