関連ワード | 需要者 / 記憶 / 差止請求(差止) / 逸失利益 / 因果関係 / 競業関係 / 代理人 / 代表者 / 正当な理由 / 秘密管理(秘密管理性) / 秘密として管理 / 有用性 / 営業秘密 / 損害賠償 / 損害額 / 推定 / |
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事件 |
平成
23年
(ネ)
10066号
業務禁止等請求控訴事件
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裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
判決言渡日 | 2012/03/05 |
権利種別 | 不正競争 |
訴訟類型 | 民事訴訟 |
判例全文 | |
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判例全文
平成24年3月5日判決言渡 平成23年(ネ)第10066号 業務禁止等請求控訴事件 (原審・東京地方裁判所平成20年(ワ)第35836号) 口頭弁論終結日 平成24年1月16日 判 決 控 訴 人 ( 被 告 ) X 控 訴 人 ( 被 告 ) オキシーヘルスジャパン株式会社 控訴人ら訴訟代理人弁護士 辻 惠 石 田 亮 石 渡 敏 暁 被 控 訴 人 ( 原 告 ) 日本ライトサービス株式会社 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 田 s 勝 己 片 岡 剛 江 口 公 一 尾 山 祐 介 平 田 香 織 伊 倉 吉 宣 岡 山 大 輔 亀 田 治 男 主 文 1 原判決中金銭支払を命じた部分(主文第2項及び第3項)を次のと おり変更する。 (1) 控訴人らは,被控訴人に対し,連帯して391万2978円及び これに対する平成22年9月4日から支払済みまで年5分の割合に よる金員を支払え。 (2) 控訴人 X は,被控訴人に対し,801万9000円及びこ れに対する平成22年9月4日から支払済みまで年5分の割合によ る金員を支払え。 2 控訴人 X のその余の控訴を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審を通じ,被控訴人と控訴人X との間に生じたものは,9分の2を同控訴人の負担とし,その余を被 控訴人の負担とし,被控訴人と控訴人オキシーヘルスジャパン株式会 社との間に生じたものは,9分の1を同控訴人の負担とし,その余を 被控訴人の負担とする。 4 この判決中金銭支払を命じた部分は,仮に執行することができる。 事 実 及 び 理 由 1 控訴人らは, 「原判決中,控訴人ら敗訴部分を取り消す。被控訴人の請求を棄 却する。」との判決を求めた。 2 被控訴人は,健康器具の販売等を業とし,控訴人X は,その元取締役兼営 業担当部長であった。 原審は,控訴人X が再就職先のバイオネット株式会社(バイオネット社)や自 ら設立した控訴人会社において,原判決別紙ディーラー名簿(本件各名簿)を使用 したと認定し,その使用に正当な理由はないとして,@控訴人X に対し,被控訴 人との間の労働契約上の不開示義務等(就業規則48,49条,秘密管理規定8条, 秘密保持誓約1,4条)に基づく本件各名簿を使用した原判決別紙商品目録記載1 ないし8,10ないし14の商品に係る販売業務行為の差止請求,及び,上記義務 違反(債務不履行)を理由として,控訴人X がバイオネット社在職中に本件各名 簿記載の顧客に対してした販売行為によって得た限界利益相当額861万900円 の損害賠償請求を認容したほか,A控訴人X が控訴人会社において本件各名簿記 載の顧客に対してした販売行為によって得た限界利益相当額440万2099円の 損害賠償請求を,控訴人X に対してと,代表者の行為についての会社の責任(会 社法350条)として控訴人会社に対して認容した(連帯支払命令)。 原審は,被控訴人のその余の請求を棄却したが,被控訴人は控訴及び附帯控訴を しておらず,請求棄却部分は当審における審理の対象ではないので,その説明は省 略する。 本件の前提となる事実は,原判決「事実及び理由」中の第2の1記載のとおりで ある。 3 当審の審理対象となった関係での当事者の主張は,原判決「事実及び理由」 中の第2の2(1)に記載のとおりである。 4 当裁判所も,控訴人X は被控訴人に対し,就業規則48,49条,秘密管 理規定8条,秘密保持誓約書1,4条に基づき, 「被控訴人の許可を得ることなく被 控訴人の顧客情報を開示したり,被控訴人の承諾を得ることなく顧客情報を利用し て競業的行為を行ったりしない」義務(以下「本件不開示等の義務」といい,この 義務に係る控訴人X と被控訴人との間の約定(合意)を「本件不開示約定」とい う。 を負っており, ) 本件各名簿記載の情報は本件不開示等の義務の対象となる被控 訴人の顧客情報に当たるものであり,控訴人X は,本件各名簿を使用して,本件 各名簿記載の被控訴人の顧客に対し,被控訴人を退職・退任後に就職したバイオネ ット社において原判決別紙商品目録記載1ないし9の商品の販売活動をし,退職・ 退任後に自らが設立した控訴人会社において同目録記載1ないし8,10ないし1 4の商品の販売活動をしたものであって,控訴人X による本件各名簿記載の被控 訴人の顧客情報の開示行為やバイオネット社や控訴人会社における上記顧客情報を 使用した販売活動に正当な理由はなく,控訴人X の上記顧客情報開示行為や販売 活動は,控訴人X が被控訴人に対して負う本件不開示等の義務に反するものであ ると判断する。 その理由は,次のとおり附加して判断するほか,原判決「事実及び理由」の「第 3 当裁判所の判断」1,2のとおりである。なお,以下において,控訴理由に即 して判断を補充する。 (1) 控訴人らは,秘密保持誓約書(甲1)で保護される情報は広汎すぎるし, 代償措置が設けられておらず,被控訴人と控訴人X との間の本件不開示約定の有 効性には疑問があるなどと主張する。 しかしながら,控訴人X は秘密保持誓約書を提出する相当以前から被控訴人の 取締役兼営業担当部長であり(取締役の員数は代表者を含めて5名),また,被控訴 人の3つの事業部のうち,高気圧チェンバーに関わる事業を所管するオアシスO2 事業部を統括していたのであって(甲126),被控訴人を退職・退任する以前は被 控訴人の要職にあったことが明らかである。そうすると,秘密保持誓約書1条で不 開示等が要求される情報の範囲が広く,情報不開示等や競業禁止の代償措置が設け られていないことを考慮しても,少なくとも上記のとおり要職にあった控訴人X に適用される限りでみれば,本件不開示約定の有効性に問題はない。 また,控訴人らは,本件各名簿記載の情報の有用性は小さく,秘密として管理さ れていなかったなどとして,上記情報は被控訴人との間の本件不開示等の義務で保 護されるべき秘密に当たらないと主張する。 確かに,原判決が説示するとおり(39,40頁の4の項),本件各名簿記載の情 報は秘密として管理されているとはいえず,不正競争防止法上の営業秘密に当たる とはいえないかもしれないが,本件各名簿には被控訴人の顧客である代理店やエン ドユーザーの名称,住所,電話番号のみならず,商品を販売した年月日,販売した 商品の種類,シリアルナンバー,価格,修理歴等も記載されているのであって,本 件各名簿記載の情報に有用性がなく,本件不開示等の義務によって保護される(顧 客)情報に当たらないということはできない。なお,控訴人X が在職・在任中の 販売活動を通じて独自に本件各名簿に記載された情報を入手したり,これを記憶し たり,メモ等に留めたりしたことがあったとしても,あるいは後に旧知の取引先か ら過去の情報を入手することができるとしても,被控訴人在職中の控訴人X の販 売活動が被控訴人の販売活動の一環にすぎないことからすれば,上記結論は左右さ れるものではない。また,被控訴人が取り扱っていた高気圧チェンバーが,大型で, 高価格であるため,同一のエンドユーザーが繰り返し購入することがまれであると しても,本件各名簿の有用性が否定されるものではない(むしろ,かように需要者 が限られる商品を購入する者に関する情報が重要であるともいい得る。。 ) 結局,被控訴人と控訴人X との間の本件不開示約定の有効性及び本件各名簿記 載の情報がかかる約定で不開示等が要求されるものに該当することを前提とする原 審の労働契約違反の判断に誤りはない。 (2) 控訴人らは,控訴人X が販売活動を行った顧客は,旧知のわずか5件で あって,控訴人X は過去に販売した商品名,修理の内容等を記憶しており,本件 各名簿を使用せずに販売活動を行ったと主張する。 しかしながら,控訴人X がバイオネット社の A に対して本件各名簿のコ ピーで被控訴人に勝てる旨を申し向けた事実(証人 A (調書16頁))や,控 訴人X がA やノースパラマ株式会社の担当者に対して送信したメール中に被控 訴人に内密で取引先と交渉した旨の記載があること(甲20,108,110)に もかんがみれば,控訴人X による本件各名簿記載の情報の使用の事実を推認した 原審の判断に誤りはなく,成約に至った顧客の数が少ないことは上記推認を左右す るものではない。 (3) 控訴人らは,バイオネット社と被控訴人とは単純な競業関係にないし,控 訴人X は,取引先からの申出に応じて,バイオネット社又は控訴人会社において 商品の販売行為をやむなく行ったものにすぎないなどとして,控訴人X がバイオ ネット社及び控訴人会社において行った商品販売行為は悪質,違法なものでなく, これを行う正当な理由があると主張する。 しかしながら,バイオネット社が販売代理店である被控訴人との取引を解消して 自ら商品の販売に乗り出したり,他の業者を販売代理店に採用して取引量を変動さ せたりするときは,バイオネット社と被控訴人が市場で競合するおそれがある。ま た,控訴人X が旧知の取引先から購入の申出を受けたとしても,原判決が判示す るとおり(28頁),被控訴人の承諾を受けて販売するか,被控訴人から購入するよ う促せば足りるだけである。したがって,控訴人らの上記主張を採用することはで きず,控訴人X の販売行為は本件不開示等の義務に違反した違法なものというべ きである。 5 当裁判所は,控訴人X が本件不開示等の義務に違反してバイオネット社及 び控訴人会社において行った販売行為と相当因果関係がある被控訴人の損害は後記 のとおりであって,バイオネット社において行った販売行為につき,控訴人X は 801万9000円及びこれに対する平成22年9月4日(訴え変更申立書送達の 日の翌日)から支払済みまでの遅延損害金の限度で本件不開示等の義務違反の債務 不履行に基づく賠償義務を負い,かつ控訴人会社において行った販売行為につき, 控訴人らは連帯して,391万2978円及びこれに対する平成22年9月4日(訴 え変更申立書送達の日の翌日)から支払済みまでの遅延損害金の限度で,控訴人X については本件不開示等の義務違反の債務不履行に基づき,控訴人会社については 会社法350条に基づき,賠償義務を負うと判断する。その理由は次のとおりであ る。 (1) 原判決が「事実及び理由」第3の3(1)で認定するとおり(30〜33頁), 証拠(証人 B ,被控訴人代表者,甲9ないし11,103,111,115, 116,120ないし123,乙1,2,6,15ないし18)によれば,被控訴 人の売上げは控訴人X がバイオネット社等において被控訴人の顧客に対する販売 活動を行い始めた以前から継続的に減少していたと認められるから,控訴人X が 上記販売行為(本件各行為)を始めた後に生じた被控訴人の販売利益の減少分がそ のまま上記販売行為と相当因果関係のある損害に当たるものではない。しかし,原 判決が同(2)で判示するとおり(33,34頁),控訴人X がバイオネット社にお いて本件各名簿記載の被控訴人の顧客に対して販売した商品の限界利益の限度で, 上記販売行為との間の相当因果関係を認めるのが相当である。 なお,この結論は,控訴人X の行為がなければ,バイオネット社が販売した商 品と同一ないし同等の商品を被控訴人が販売できた蓋然性を認め,控訴人X の義 務違反行為とバイオネット社が取得した販売利益相当額の被控訴人の損害(逸失利 益)との間の相当因果関係を認める趣旨のものであって(控訴人会社における販売 行為についても同様。,不正競争防止法上の損害額推定規定を実質的に類推適用す ) るものではない。 (2) 原判決は, 「事実及び理由」第3の3(2)ア(ア)で控訴人X がバイオネット 社で被控訴人の顧客に対して販売した売上額を合計3444万3600円と認定し たが(34頁) 平成20年6月に松本針灸整骨院及び玉井整骨院から受注したO2 , リキッド及びO2オイル(合計40本,甲107),同年8月に有限会社アプトワー クから受注した高気圧チェンバー「OasisO2」1台(甲110)については (番号@〜D) バイオネット社がこれを松本針灸整骨院らに現実に販売し, , 利益を 得たことを認めるに足りる証拠はないから,損害算定の基礎から除外するべきであ る。そうすると,控訴人X がバイオネット社において本件各名簿記載の被控訴人 の顧客に対して販売した行為に係る損害算定の基礎となるのは,原判決「事実及び 理由」第2の1(前提事実)(3)オ(2077万6000円)と,証拠(甲21,1 10)により認められる,安山整骨院らに対して販売した商品(番号E〜G)の合 計1130万円の合計3207万6000円である。 なお,バイオネット社と被控訴人が交わした覚書(甲13,15)中に,被控訴 人が医療関連施設以外の顧客に対しても販売権を有する旨が明記されていなかった としても,被控訴人が医療関連施設以外の顧客に対しても商品を実際に販売してい た実績に照らせば,被控訴人の損害の算定に際してかかる顧客に対する販売を考慮 するのは当然であるし,原判決が判示するとおり(29頁),バイオネット社は医療 関連施設以外の顧客に対する販売も,後に被控訴人に委託するようになったもので ある。 (3) 原判決が「事実及び理由」第3の3(2)ア(イ)で判示するとおり(35,3 6頁),証拠(甲121)によれば,平成20年3月ないし10月のバイオネット社 の限界利益率は約34%,被控訴人の限界利益率は約25%であると認められるか ら,控訴人X がバイオネット社において本件各名簿記載の被控訴人の顧客に対し てした販売行為と相当因果関係がある被控訴人の損害は,次の計算式のとおり,合 計801万9000円となる。 (計算式)32,076,000×0.25=8,019,000 (4) 前記(1)ないし(3)と同様に,控訴人X が控訴人会社において本件各名簿記 載の被控訴人の顧客に対して販売した商品の限界利益の限度で,販売行為との間の 相当因果関係を認めるのが相当であるが,原判決が判示するとおり(34頁),控訴 人会社の限界利益のうち上記販売行為(本件各行為)に起因するものが占める割合 は,バイオネット社における同様の割合と同様であると推認することができる。 ここで,原判決が認定するとおり(「事実及び理由」第3の3(2)イ,38頁),証 拠(甲121ないし123)によれば,平成20年3月ないし10月のバイオネッ ト社の限界利益は合計9774万6199円(1億2375万3815円−260 0万7616円)であると認められるところ,これに対して前記(3)の控訴人X の 販売行為に起因する損害801万9000円が占める割合は,次の計算式のとおり, 約8%である(小数点以下四捨五入)。 (計算式)8,019,000÷97,746,199≒0.08 (5) 原判決が「事実及び理由」第3の3(2)イで判示するとおり(37,38頁), 証拠(乙16ないし18)によれば,控訴人会社の平成20年11月ないし平成2 1年9月(11か月)の1か月あたりの限界利益は約357万5448円であり, 平成21年10月ないし平成22年9月(12か月)の1か月あたりの限界利益は 約87万1118円であると認められるから,控訴人X が控訴人会社において本 件各名簿記載の被控訴人の顧客に対してした販売行為と相当因果関係がある損害 (平成20年11月〜平成22年8月)は,次の計算式のとおり,合計391万2 978円となる(1円未満切捨て)。 (計算式)3,575,448×0.08×11+871,118×0.08×11≒3,912,978 なお,控訴人らは,被控訴人はもともと原判決別紙商品目録記載10,11の商 品を取り扱っていないから,これらの商品に対応する金額は損害算定の基礎から除 外されるべきであると主張する。確かに,上記目録記載10,11の高気圧チェン バー「Fortius」 「Quamvis」は,控訴人会社が平成22年4月ころ以降から取り扱 , うようになった商品であるが(甲119) 被控訴人が従前取り扱っていた商品との , 差異は不明であるし,控訴人らはこれらの商品の売上げの金額を明らかにしていな い。そうすると,被控訴人が従前取り扱っていた商品と異なる点があるとしても, 被控訴人の商品と競合することは否定できず,また控訴人X が本件各名簿を使用 してかかる商品を販売することが許されないことは否定できないから,原判決別紙 商品目録記載10,11の商品を損害算定において考慮の埒外とすることはできな い。 (6) 結局,控訴人X がバイオネット社において本件各名簿記載の被控訴人の 顧客に対してした販売行為と相当因果関係がある損害は合計801万9000円で あり,控訴人X が控訴人会社において本件各名簿記載の被控訴人の顧客に対して した販売行為と相当因果関係がある損害は合計391万2978円である。 したがって,控訴人X は,バイオネット社における債務不履行に基づく損害賠 償として801万9000円及びこれに対する遅延損害金,控訴人会社における債 務不履行に基づく損害賠償として391万2978円及びこれに対する遅延損害金 の支払義務を負い,後者の損害賠償は控訴人会社との連帯債務である。 6 よって,本件不開示等の義務に基づき,控訴人X は被控訴人に対して本件 各名簿を使用して,同名簿記載の被控訴人の顧客に対して販売活動を行ってはなら ない義務を負うから,控訴人らに対してかかる販売活動の差止を求める被控訴人の 請求は,控訴人X の行為の差止を命ずる限度で理由があり(原判決主文第1項), 控訴人らの本件控訴は,原判決の主文のうち上記差止を命ずる部分の取消しを求め る限度で理由がない。 他方,控訴人らに対して損害賠償を求める被控訴人の請求は,控訴人X のバイ オネット社における債務不履行につき801万9000円及びこれに対する遅延損 害金,控訴人会社における債務不履行につき391万2978円及びこれに対する 遅延損害金の限度で理由があるが,その余の請求は理由がない。したがって,控訴 人らの本件控訴は,かかる金額を超える部分のみ理由があるから原判決をこの限度 で変更する。 7 以上の次第で,主文のとおり判決する。なお,当審の審理対象でない請求も, 当裁判所が変更した金銭支払請求と一体となっているので,訴訟費用負担は第1, 2審の分を合わせて命じるものである。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官 塩 月 秀 平 裁判官 古 谷 健 二 郎 裁判官 田 邉 実 |