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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成18ワ3772不正競争行為差止等請求事件 判例 不正競争防止法
関連ワード 周知表示混同惹起行為(2条1項1号) /  周知性 /  広く認識 /  需要者 /  地域的範囲 /  類似性(類似) /  外観 /  印象 /  記憶 /  連想 /  混同のおそれ(混同) /  誤認混同 /  商品の形態(商品形態) /  模倣 /  技術的形態 /  営業方法 /  差止請求(差止) /  営業上の利益 /  逸失利益 /  利益額(利益の額) /  弁護士費用 /  デザイン /  侵害 /  競業関係 /  代理人 /  デッドコピー /  商品表示性 /  混同のおそれ(混同) /  品質等誤認表示(誤認) /  損害賠償 /  損害額 / 
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事件 平成 16年 (ワ) 14717号 不正競争行為差止等請求事件
原告 サンプラニング工業株式会社
訴訟代理人弁護士 小松陽一郎辻村和彦井口喜久治福田あやこ宇田浩康井崎康孝川端さとみ
被告 ゴイチ株式会社
訴訟代理人弁護士 山上和則冨來真一郎
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 2005/07/28
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求の趣旨
1 被告は,別紙被告商品目録記載の商品を譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示してはならない。
2 被告は,原告に対し,5365万3244円及びこれに対する平成17年1月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
4 仮執行宣言
事案の概要
1 原告は,被告に対して,@原告の製造販売する救急用品セットの形態が,原告の商品表示として需要者の間に広く認識されているものであるところ,被告の商品である救急用品セットの形態はこれと類似し,原告の商品との混同のおそれがあるから,被告の救急用品セットの譲渡等は不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当するとして,同法3条1項に基づき被告の救急用品セットの譲渡等の差止めを求めるとともに,同法4条に基づき平成16年1月から同年12月までの被告の救急用品セットの譲渡等により原告が被った損害の賠償として5365万3244円及びこれに対する平成17年1月21日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を請求し,A損害賠償請求については,予備的に,被告の救急用品セットは,原告の救急用品セットに対する改悪的模倣行為によるもので,その販売は原告の救急用品セットと誤認混同させるものであって,原告に対する不法行為を構成するとして,民法709条に基づき前同額の損害賠償を請求した。
2 前提事実(争いがない。) (1) 原告商品の製造,販売 原告は,プラスチック製小物雑貨製品を製造販売する会社であり,平成7年から現在まで,別紙原告商品目録記載の救急用品セット(以下,同目録記載の原告商品をまとめて「原告商品」という。)を製造販売している。
原告商品のうち,原告商品1ないし3を「第1群」,原告商品4及び7を「第2群」,原告商品5,6及び8を「第3群」という。
(2) 被告商品の製造販売 被告は,平成16年1月ころから,別紙被告商品目録記載の救急用品セット(以下,同目録記載の被告商品をまとめて「被告商品」という。)を販売するために,ギフト総合問屋が発行するギフトカタログに,被告商品を掲載し,展示し,販売している。
被告商品のうち,被告商品1及び2を「第1群」,被告商品3,4及び8を「第2群」,被告商品5ないし7及び9を「第3群」という。
3 争点 (1) 不正競争防止法に基づく請求について ア 原告商品の形態需要者の間に周知の商品表示であるか。
イ 被告商品の形態は原告商品の形態類似するか。
ウ 被告商品は原告商品との混同を生じさせるおそれがあるか。
損害額 (2) 民法709条に基づく請求について ア 被告による被告商品の製造販売が原告に対する不法行為を構成するか。
損害額
争点に関する当事者の主張
1 争点(1)ア(周知商品表示性)について 【原告の主張】 (1) 原告商品の形態の特徴 原告商品の形態は,別紙原告商品目録添付の写真1ないし8のとおりである。
ア 原告商品のすべてに共通する特徴 原告商品は,そのすべてについてアタッシュケースの小型模型様の構成態様を採用している。
これは, @ 本体部材に対して蓋部材が開閉可能にヒンジ連結されていること, A 本体部材上部の中央に可動式把手が付けられていること, B 把手の両側には,蓋部材を本体部材に固定し,ケースを閉じた状態にするために一対の留め具が取り付けられていること, C ケースを開く場合,上蓋が上面になるようにケースを寝かせた上で,把手両側の一対の留め具を外すことで,上蓋を開けることが可能となるとの開閉構造をとっていること, D ケース全体が横長の形状をしていること, という5つの要素に分説できる。
イ 第1群及び第2群に属する原告商品の特徴 第1群及び第2群に属する原告商品の特徴は,(ア)上記アのアタッシュケース型であることの他に,(イ)ケース上蓋部材の内側に救急用品の輪郭を型取った窪みを設け,その窪みに救急用品を収納している点,及び,(ウ)ケース本体部材に区画化された収納皿をはめ込み,その区画に救急用品を収納している点である。
ウ 第3群に属する原告商品の特徴 第3群に属する原告商品の特徴は,(ア)上記アのアタッシュケース型であることの他に,(イ)ケース本体部材にスライド可能な棚部材をはめ込み,その棚部材に組み込み式で救急用品を収納している点,及び,(ウ)スライド可能な棚部材の下部には区画化された収納皿がケース本体部材にはめ込まれており,その収納皿と収納皿の下部に救急用品を収納できるようにしている点,(エ)ケースの上蓋部材内側中央部に鏡が付属しており,ケースの上蓋を開けた場合に,鏡を見ることができる点である。
(2) 原告商品の形態の特徴の顕著性 ア アタッシュケース型であること 従来の救急用品セットでは,いわゆる「救急箱」と呼ばれる製品に代表されるように,その多くが卓上型であり,容易に持ち運べるような商品イメージを有するものではなく,また,携帯型の救急用品セットにおいても,単にナイロン製袋や小型のプラスチックケースに救急用品を収納していたのみであったが,原告商品は,これらとは異なり,アタッシュケースのデザインを模して救急用品のケースとした点に,従来の救急用品セットに存在しない斬新な特徴がある。
アタッシュケースの小型模型様の構成態様を採用していることは,単にアタッシュケースの5つの特徴を充たすというだけではなく,アタッシュケースの「小型模型」(プラモデル)様の形態を救急用品セットの収納ケースとして採用しているということをも意味し,この点が原告商品の極めて重要な特徴となっている。プラスチック製部材を精巧に組み合わせた小型模型(プラモデル)様の形態を採用することにより,アタッシュケースの形態を模しつつも,アタッシュケース型そのものを忠実に再現するのではなく,アタッシュケースが備えている無骨さをなくし,高級感や清潔さとともに,おもちゃのような可愛らしさ・優しさ・やわらかさを具備している。
イ 組み込み式収納方法をとっている点について あらかじめケースそれ自体やケースに装着された棚部材に,収納予定の救急用品の輪郭を正確に型取った窪みを設け,そこに細かな救急用品が整然と組み込まれているという収納態様は,製品それ自体の精巧さ精密さをアピールしている点で,従来の同種製品にはなかった顕著な特徴を有している。
ウ スライド式棚部材への収納 第3群に属する原告商品については,スライド式棚部材に救急用品を収納している点が特徴の一つである。
エ 鏡を付属させている点について 第3群に属する原告商品については,機能的には必ずしも不可欠なものとはいえない鏡を救急用品の収納ケースに付属させた点でも,従前の救急用品セットには認められない顕著な特徴がある。
オ 被告の主張について (ア) 被告は,以上の特徴点がありきたりな形態であるとして種々の商品を指摘するが,それらは工具セット,ソーイングセット,メンズセット,トラベルセットといった異なる商品分野の商品であり,競業する同種の商品ではない。商品形態の特異性はおよそ競業関係にない異なる分野の商品との間で問題とすべきものでないことは当然で,被告の主張は失当である。
また,被告が従来の救急用品セットの形態として指摘するものは,いずれも原告商品のようなアタッシュケースの小型模型様の形態とはかけ離れた商品形態である。
(イ) 原告商品が採用したアタッシュケース型という形状や,組み込み式収納は,携帯性・収納性をある程度は犠牲にしつつも,アタッシュケースを模した救急用品セットという印象を看者に与えようとしたものである。よって,原告商品の形態が,その機能的性格に由来する必然的な技術的形態であるとは到底いえない。
(3) 原告の商品形態周知性 ア 原告商品の流通方法及び需要者 原告商品の販売は,第1に商品を掲載したギフトカタログがギフト総合問屋により発行され,ギフト専門店や,式場,ホテル,葬祭場,百貨店,量販店,販促専門業者に販売され,第2にそのギフトカタログを見たギフトユーザーが商品を購入したり,あるいは,ギフト専門店や百貨店,量販店などが商品の仕入れを行いギフトユーザーに販売することで,商品がギフトユーザーに流通する。
また,ギフト総合問屋が百貨店の外商部にカタログを販売し,百貨店の外商部が有力な顧客にカタログを閲覧させることで商品を販売することも多い。
この点で,原告商品に関する需要者は,ギフトユーザー(ギフトの贈り主),ギフト専門店・百貨店,ギフト総合問屋である。
イ 原告商品の発売時期 原告商品は,平成7年に原告商品5及び6が発売されたことを皮切りに,平成8年には原告商品8が,平成9年には原告商品2,4及び7が,平成10年には原告商品3及び1が発売され,現在に至っている。
ウ 原告商品のギフトカタログへの掲載数,売上数及び売上金額 原告商品を掲載したギフトカタログの冊数及びギフトカタログを通じた原告商品の売上数,売上金額を年度別にあげると,別表1のとおりである。
エ ギフトカタログの流通している地域的範囲と発行部数 原告の商品を掲載するギフトカタログは,全国各地に流通しており,原告商品を掲載したギフトカタログの発行部数は,ギフコ株式会社等の6社のみに限定しても,平成5年度は88万部,平成12年度は122.5万部,平成15年度は151万部にものぼる。
オ 総売上金額と宣伝広告費 このような,大規模かつ組織的な広告宣伝活動により,原告商品の総売上金額は,平成7年1月1日から平成16年12月13日までの間で,7億9952万9753円にも達しており,このような売上金額は,ギフトカタログ販売の中では,異例のヒット商品の部類に属している。
なお,このようなギフトカタログを通じた宣伝活動を実行するための費用については,各ギフトカタログを通じて原告商品が生み出した売上げのうち1.5%をギフトカタログ問屋に納入することとなっているが,その金額は,9年間で,約1200万円にものぼる。
(4) まとめ 以上のように,第1群から第3群に属するすべての原告商品は,その商品形態自体が商品表示として需要者の間で広く認識され,十分に周知性を獲得している。
【被告の主張】 (1) 原告の主張(1)(原告商品の形態の特徴)及び(2)(原告商品の形態の特徴の顕著性)は争う。
ア アタッシュケース型の収納ケースであることについて (ア) アタッシュケース型のデザインによる収納ケースは,原告商品の販売以前から,工具セット,ソーイングセット,メンズセット,トラベルセットなどの収納ケースとして広く利用されてきたものであり,平成元年ころからは救急用品セットにおいても利用されてきた形態であるから,収納ケースとしては特異な形態ではなく,ごくありきたりな形態である。
(イ) また,収納ケースとしては,当然,@持ち運びやすさと,Aコンパクトに収納できる収納性が機能として不可欠といえるところ,アタッシュケースというのは,持ち運びやすく,かつ,コンパクトに収納できることから,古くより物を収納して持ち運ぶ道具として重宝されてきており,様々な装飾がなされたものであっても,その基本構造は普遍的な形状として利用されてきている。このように,アタッシュケース型の収納ケースというのは,収納ケースに要求される機能面から当然導き出される技術的形態であり,このことは救急用品の収納ケースにおいても同様である。
イ 救急用品を蓋部材の内面部に収納する方法について (ア) 収納ケースの蓋部材の内面部に物を組み込み式で収納する点も,原告商品の販売以前から販売されている工具セット,文具セット,メンズセット,グルーミングセット,ソーイングセット,ランチキット及びトラベルセットなどの収納ケースにおいてよくあるありきたりな形態であって,救急用品セットにおいてもありきたりな形態である。
(イ) 救急用品の収納ケースにおいては,コンパクトに整理して収容できる機能が要求されるところ,その要求を満たす収容方法としては,各種の救急用品の形に型取った枠に救急用品を組み込む方法又は救急用品を袋状の収納スペースに差し込む方法が最も効率が良いため,典型的な収容方法として従来から利用されてきている。かかる収容方法は,救急用品の収納ケースに限定されず,収納ケースであればその機能性からどのような商品にでも利用されていることからも明らかなように,収納機能という点から当然に導き出される技術的形態といえる。
ウ 救急用品を本体部材の前後するスライド式棚部材に収納する方法について 救急用品を前後するスライド式棚部材に組み込み式で収納する方法も,小さなスペースを最大限活かして物を収納する機能が要求される収納ケースとしてはありきたりな方法であり,その形状も文具セット等の収容ケースでごく当たり前のように利用されている形状である。このことは,収容ケースが必要な救急用品においても同様であり原告商品に特異な形状ではない。
エ 鏡を収納ケースに付属させたことについて 第3群に属する原告商品では蓋部材に鏡が付属させられているが,これも原告商品が販売される以前から販売されているメンズセット,グルーミングセット,印鑑セット,トラベルセット及びソーイングセットなどの収納ケースにおいてよくあるありきたりな形態である。
救急用品の場合も,顔など自分で見ることが困難な部位に怪我をした際には,鏡を使用することがあるから,必ずしも不必要なものではなく,技術的な形態に過ぎないものである。
また,鏡というのは,ギフトカタログに掲載される商品に高級感を与え購買意欲を高める機能をもつことから,ギフトカタログ業界では,商品の売上げを伸ばすために,必ずしも鏡を必要としない商品に鏡を付属させるというデザイン処方がとられてきている。
オ まとめ 以上のとおり,原告商品の形態は,原告が特徴であると指摘する点はいずれも特異な形状ではなく,それ以外の形状,外寸,色彩,模様及び光沢のいずれの点においても,他の同種の商品と比較して極めて特殊でかつ独自のものを有しているということはできないから,原告商品の形態商品表示性を有しない。
(2) 原告の主張(3)(原告の商品形態周知性)は争う。
ア ギフトカタログの発行部数,売上数の点 カタログギフト業界において最も知名度が高いのは,東証1部上場会社であるシャディ株式会社(資本金約35億円)であり,同社は,ギフトカタログの発行部数,全国的フランチャイズ展開,年間売上高の点で他社とは比較にならないカタログギフト業界の盟主としての地位を確立している。
ところが,原告商品がシャディ株式会社で販売されたのは,これまでわずか240個に過ぎず,原告商品は,カタログギフト業界の盟主であるシャディ株式会社によるギフト販売においては,無名に近く,周知性を有しているとは到底いい得ない。
イ 宣伝広告費の点 (ア) 原告は,平成7年よりギフトカタログに原告商品を掲載して販売を行ってきたことをもって大規模かつ組織的な広告宣伝活動と称している。
しかしながら,ギフトカタログにおいては,各商品に平等なスペースを与えて商品の掲載を行っており,その掲載方法は,同一頁に複数の商品を掲載し,総頁数も数百頁にものぼるものとなっている。すなわち,ギフトカタログにおける商品の掲載方法は,特定の商品を宣伝することを目的としていないことから,特定の商品に周知性をもたせるような宣伝の機能をもっていない。
また,原告から独自の宣伝広告媒体を用いて原告商品の宣伝広告を行ったような主張はなされていない。
(イ) また,原告は,売上げに連動してギフトカタログ問屋へ支払われる歩合金額をもって宣伝広告費用と主張している。
しかし,これはギフトカタログ問屋に対する販売手数料的意味合いをもつ金銭であって宣伝広告の対価的意味合いをもつ金銭ではない。
ウ 以上より,原告商品の形態には,周知性が不存在といえる。
2 争点(1)イ(類似性)について 【原告の主張】 (1) アタッシュケース型であることについて 原告商品は,3つの商品群に属する全商品を通じて,アタッシュケースの小型模型様の構成態様を採用している点が最大の特徴であるが,被告商品は,すべてこの構成態様を採用している点ですべての原告商品と共通している。
特に,商品の寸法についてみると,第1群に属する原告商品と被告商品とは,横の長さ(133o)と高さ(88o)が完全に一致している。
また,第3群に属する原告商品と被告商品とは,原告商品の各寸法に4oを加えたものが,被告商品の寸法と一致している。
(2) 第1群に属する商品について ア ケース上蓋部材への組み込み式収納 第1群の原告商品の形態の特徴のうち,ケース上蓋部材への組み込み式収納という点は,第1群の原告商品に対応する第1群の被告商品においても共通している。
特に注目すべきは,第1群に属する被告商品では,上蓋部材内側の中央部にハサミを配し,その上下にヤスリととげ抜きを配している点であるが,この点は,原告商品2,原告商品3と完全に一致している。持ち手が丸みがかった形状のハサミが中央部に配置されている点は,需要者において最も目に付きやすい特徴といえるが,このような一致点を加味して考えると,第1群に属する原告商品と被告商品における上蓋部材への収納態様には極めて強い類似性が認められる。
イ ケース本体部材にはめ込まれた収納皿への収納 第1群の原告商品と被告商品とは,ケース本体部材にはめ込まれた収納皿に救急用品を収納している点でも共通している。
そして,そこに収納された救急用品が,主として絆創膏・綿棒及び金属製の爪切りで構成されている点で共通している点を加味すれば,第1群に属する原告商品と被告商品における収納態様の類似性はますます強まる。
(3) 第2群に属する商品について ア ケース上蓋部材への組み込み式収納 ケース上蓋部材への組み込み式収納という点は,第2群に属する原告商品及び被告商品において共通している。
そして,収納されている救急用品の数量がいずれも9品目であること,9品目中8品目が同一の救急用品で構成されており,カッターナイフとルーぺの形状が不自然なほどに共通している等の点を加味して考えれば,第2群に属する原告商品と被告商品における上蓋部材への組み込み式収納態様には極めて強い類似性が認められる。
イ ケース本体部材にはめ込まれた収納皿への収納 第2群の原告商品と被告商品は,ケース本体部材にはめ込まれた収納皿に救急用品を収納している点でも共通している。
そして,そこに収納された救急用品が,絆創膏・綿棒・包帯・ガーゼ・テープ・爪切り・電子体温計見本図ないし電子体温計(シチズンCT-412)である点においてまで一致している点は,原告商品と被告商品における収納態様の類似性をますます強めるものである。
(4) 第3群に属する商品について ア スライド可能な棚部材に救急用品を組み込み式で収納する点 スライド可能な棚部材に救急用品を収納するとの構成を採用している点は,第3群に属する原告商品及び被告商品で共通している。
そして,棚部材に収納されている救急用品の種類は8品目であること,8品目中7品目が同一の救急用品で構成されている点,カッターナイフとルーぺの形状が不自然なほどに共通している等の点を加味して考えれば,第3群に属する原告商品と被告商品における上蓋部材への組み込み式収納形態には極めて強い類似性が認められる。
さらに,ヤスリについては,第1群,第2群と異なり,プラスチック製の持ち手が付けられているが,このような細かなディテールに至るまで同一商品群において一致している点は,第3群における原告商品と被告商品の類似性をますます強めるものである。
イ スライド式棚部材の下部に救急用品を収納する点 第3群に属する被告商品においても,第3群に属する原告商品と同様にスライド式棚部材の下部に救急用品を収納する形態を採用している。
また,収納されている救急用品の種類は,被告商品においてマスクが付加されていることを除き,ほぼ完全に一致している。
このような収納態様の共通性やそこに収納されている救急用品の品目の同一性からすれば,第3群の原告商品と被告商品の類似性は強い。
ウ 鏡が付属している点 ケースの上蓋部材内側中央部に鏡が付属している点でも,第3群の原告商品と被告商品とは共通する。また,その鏡の大きさは,原告商品と被告商品とでは縦横ともに3oの違いがあるだけであり,ほぼ同一の大きさといえる。これらの点からしても,第3群の原告商品と被告商品との間には強い類似性が認められる。
(5) 以上のとおり,同じ群の原告商品と被告商品の形態類似する。
(6) 被告の主張について 被告が指摘する相違点は,いずれも些細な点に過ぎず,ケースを閉じた状態での原告商品と被告商品の形態は,全体として,白色・水色・銀色で構成されたアタッシュケースの小型模型様の救急用品セットであるとの印象需要者に与える点で極めて類似しているというべきである。
【被告の主張】 原告の主張は争う。
(1) 争点(1)アについての被告の主張のとおり,原告が原告商品の形態的特徴であると主張する点は,いずれも商品形態による商品表示性を基礎付けるものではなく,その類似性を判断する際に判断要素とすることはできない。以下,このことを前提に類似性を検討する。
(2) 第1群に属する商品について 原告の商品形態に仮に商品表示性が認められるとすれば,その場合の商品形態としては,@本体部材に模様が存在すること,A蓋部材のヒンジ連結形状,B留め金が蓋部材に付属している点及びC留め具の形状が特徴部分となり得る。
しかしながら,このことを前提に原告商品と被告商品とを比較すると,これらの点において両者は明らかにその商品形態を異にしており,類似性は認められない。
なおこの点,原告商品と被告商品との間には,その形状,外寸,色彩,模様,光沢において共通する部分も認められるが,その共通部分は,原告商品に特異な部分ではなく,ごくありきたりな形態や救急用品の機能から当然に導き出される形態であるから,類似性の判断要素とはなり得ない。
(3) 第2群に属する商品について 第2群に属する原告商品と被告商品を比較すると,具体的形状・形態において明らかに異なっており,類似性は認められない。
また,原告指摘のルーペとカッターの形状は,コンパクト用のものにはありきたりの形状であり,これをもって需要者混同するおそれはない。
なお,両者の共通部分から類似性が認められないことについては,第1群に属する原告商品の場合と結論は同じである。
(4) 第3群に属する商品について 第3群に属する原告商品と被告商品を比較すると,具体的形状・形態において明らかに異なっており,類似性は認められない。
また,原告の主張するスライド可能な棚部材についても,原告商品は,前後に一枚の棚部材がスライドする構造を有しているのに対して,被告商品は,左右2つに分かれた棚部材がスライドする構造を有しており,この点でも類似性は認められない。
なお,共通部分から類似性が認められないことについては,第1群及び第2群に属する原告商品と結論は同じである。
3 争点(1)ウ(混同のおそれ)について 【原告の主張】 前記のような商品形態自体の類似性に加え,本件では,以下の事情から,商品の出所あるいは営業主体に誤認を生じさせるおそれがさらに高まる。
(1) 営業方法類似性 まず,被告は,原告と同様にギフトカタログ流通と呼ばれる方法によって,被告商品を展示・販売している。また,被告は,原告商品が広告されているのと同じ数多くのギフトカタログにおいて,被告製品を広告している。
(2) 競合関係 また,被告は,プラスチック用品の企画・製造・販売をその事業内容の一つとしており,その販売方法も原告と同じくギフトカタログ流通の方法を採っていることから,原告と被告との間には直接の競業関係が認められる。
(3) 商品の分類番号・価格・商品構成の類似性 さらに,被告は個々の商品の形態のみならず,そのシリーズに属する商品構成,商品の分類番号,価格設定に至るまでほぼ原告と同一の設定をしている。
(4) 姉妹商品の模倣 原告商品の姉妹商品として,メディカ500という商品が原告により製造販売されている。他方,被告はファミリーエイドキットKFA-050なる製品を製造販売しているが,その形状は原告の製造販売するメディカ500という商品の形態と酷似している。
これは,原告商品の姉妹商品にあたる商品形態までもが被告によって横断的に模倣されていることを意味するもので,かかる異常ともいえる周到な模倣行為により,需要者による営業主体の誤認混同の可能性がますます高まっている。
(5) 広告の形態・状況 また,上記の各ギフトカタログに,営業主体の商号などがまったく表示されていないことは,商品形態類似し,価格設定,商品構成が同一であることと相まって,商品の出所ないし営業主体を誤認させるおそれをさらに高めるものである。
(6) 実際の誤認混同例 被告によるかかる多面的かつ周到な模倣行為によって,被告商品に関する問い合わせや注文が被告商品発売当初から原告に相次いでおり,かかる実際の誤認混同例は,今なお続いている。
【被告の主張】 原告の主張は争う。
(1) 商品シリーズの表示 原告商品と被告商品は,いずれも商品カタログに商品を掲載する際に,原告商品を「レスキューシリーズ」とし,被告商品を「ファミリーエイドシリーズ」と表示しており,この表示を見れば,カタログを見て購入する需要者が原告商品と被告商品がたとえ同一頁に掲載(カタログ販売においては,需要者のニーズに応じるため商品類ごとに掲載されることが当然であり,そのことは被告の意図によるものではない。)されていたとしても,混同するおそれはない。
(2) 原告商品と被告商品が混同されていないことの推測 原告商品と被告商品が混同されていないことは,原告商品の売上個数が被告商品販売開始後に大幅に減少していないことからも,十分に推測することができる。
4 争点(1)エ(損害額)について 【原告の主張】 (1) 逸失利益 平成16年1月から同年10月までの間に,被告が被告商品を製造,販売することによって得た利益の額は,別表2のとおり4054万4370円である。
そして,被告は平成16年10月以降も被告商品の販売を継続していることからすれば,平成16年1月から平成16年12月までの1年間で得られた利益は以下のとおりである。
40,544,370円×12/10=48,653,244円 以上より,不正競争防止法5条2項で算定される損害額は,4865万3244円である。
(2) 弁護士費用 本件は不正競争行為の有無に関する紛争である以上,原告は,専門的知識を有する弁護士に依頼して本件訴訟を提起せざるを得なかったものであり,弁護士費用として500万円を支払うことを約したので,同額の損害を被った。
(3) 損害額合計 以上より,損害額の合計は,5365万3244円である。
【被告の主張】 争う。
5 争点(2)ア(不法行為の成否)について 【原告の主張】 被告商品は,その色彩,救急用品の組み込み式収納の方向,スライド式棚部材のスライド方向について若干の変更が加えられているものの,争点(1)イで指摘した類似性が維持されており,先行商品である原告商品との誤認混同防止措置はまったく講じられていない。むしろ,ケースに収納されている救急用品の品目や数量がほぼ一致することや,原告商品と被告商品との類似点が看者の最も目に付きやすい商品部分であることからすれば,被告は,原告商品のデッドコピーとなることを巧妙に回避しつつも,ことさらに原告商品と誤認混同される被告商品を製造販売していることは明らかである。
さらに,原告商品と被告商品とは,シリーズ商品の種類,シリーズ商品中での形状の分布,価格設定に至るまでもが一致しており,しかも,商品番号までもが酷似している。
そして,被告が被告製品について原告商品と同一の価格設定をしているがゆえに,被告商品がギフトカタログに掲載される場合,価格別ギフトカタログでは原告商品と並んで掲載されることが多くなり,このことも誤認混同の可能性を大幅に高めている。
そして,このような誤認混同をもたらす被告の模倣行為により,原告が長年にわたって形成してきた原告商品の商品形態による自他識別機能が害され,原告の営業上の利益侵害されていることは明らかであり,これは原告に対する不法行為を構成する。
【被告の主張】 原告の主張は否認ないし争う。
6 争点(2)イ(損害額)について 【原告の主張】 ギフトカタログ業界において同種商品が原告商品と被告商品の2種に限定されている状況下では,被告が被告商品によって得た利益は,原告が被告の不法行為によって逸失した利益に他ならないと評価できる。したがって,原告は,被告の不法行為によって争点(1)エと同じく合計5365万3244円の損害を被ったといえる。
【被告の主張】 争う。
当裁判所の判断
1 争点(1)イ(類似性)について (1) まず,ケースを閉じた状態での原告商品及び被告商品の形態類似性について検討する。
ア 弁論の全趣旨によれば,原告商品の形態は,次のとおりであると認められる。
(ア) 基本的形態 a 横長で縦が最も短い六面体の箱状の形状を有しており,各角部に小さなアールが施され,本体部材と蓋部材は開閉できるようにヒンジ連結されている。
b 本体部材の上面に,回動可能な把手が1つ取り付けられている。
c 把手の両側に,蓋部材を閉じた状態を維持するための一対の留め具が設置されている。
(イ) 具体的形態 a 本体部材及び蓋部材は白色で,横方向の両端近くの側面板の上面,前面,底面及び背面に2本の銀色(第1群の原告商品では灰色)の細いラインを周回させている。
b 蓋部材の下方部に,大きく「FMC」の文字が青色の枠取りで,それと並んでやや小さく「RESCUE」の文字が青色(第2群及び第3群の原告商品では赤色)で,さらにそれらの下に小さく収納品を綴った英単語が青色で記載されている。
c 留め具は,白色の長方形状で,表面に4本の直線状と1本のコの字状の銀色の細いラインが施されている。
d 把手は,白色で,銀色の縁取りがされている。
イ 弁論の全趣旨によれば,被告商品の形態は,次のとおりであると認められる。
(ア) 基本的形態 a 横長で縦が最も短い六面体の箱状の形状を有しており,各角部に大きなアールが施され,本体部材と蓋部材は開閉できるようにヒンジ連結されている。
b 本体部材の上面に,回動可能な把手が1つ取り付けられている。
c 把手の両側に,蓋部材を閉じた状態を維持するための一対の留め具が設置されている。
(イ) 具体的形態 a 本体部材及び蓋部材は白色で,本体部材と蓋部材の割線に沿って,上面,両側面及び底面にわたって一周する水色の比較的大幅なベルトラインを周回させている。
b 蓋部材の下方部に,長方形状の青地部分が設けられ,そこに救急箱の絵と共に,赤い縁取りをした白字で,「EMERGENCY」「FAMILY AID KIT」と記載されている。
c 留め具は,全体として銀色の略樽型状で,中央部に水色のベルトライン部の突起が突き出ている。
d 把手は,銀色で,天井部分の下辺部が丸みを帯びている。
ウ 原告は,ケースを閉じた状態での原告商品の形態上の特徴はアタッシュケース型である点であると主張し,被告商品の形態もアタッシュケース型であるから,両者は類似していると主張する。そして,原告がいう「アタッシュケース型」とは,争点(1)アに関する原告の主張(1)アの@ないしDに該当する形状をいうものと解される。
確かに原告が指摘する5点は,いわゆるアタッシュケースが共通して具備する形状であるといえ,この形状は原告商品も被告商品も共に具備していると認められる。そして,被告が指摘する従来の救急用品セットの形状(乙1,2,8,9,11,14の1及び2,15,18,20)として,これらの形状要素をすべて具備するものが見当たらないことも原告が指摘するとおりである(被告は,特に乙14号証の2のミニトラベル救急セットは「アタッシュケース型」であると主張するが,同書証の写真からは,前記A及びBの形状を具備しているとは認められない。)。
しかし,一口にアタッシュケース形状といっても,具体的形態には種々のものがあり得るのであり,現に実物のアタッシュケースについては,世上,種々の形態のものが販売されており,外観から受ける印象を異にするものもある(乙91ないし95,96の1及び2,97の1ないし3)。そうすると,仮に原告商品の形態が商品表示としての周知性を獲得しているとしても,被告商品が前記原告の主張するような「アタッシュケース型」の形状を具備するというだけで,およそ需要者がケースを閉じた状態の商品形態を原告商品と類似のものとして受け取るおそれがあるということはできない。
また,証拠(乙37,38,48,50,57の2,58の2,66の2,67の1,72の2,73の3)によれば,ガーデニング用品のセット,大工用品のセット,防災用品のセットにおいては,原告が主張する「アタッシュケース型」の形状を収納ケースに具備した商品が販売されていることが認められる。このように様々な用品の収納ケースに原告主張の「アタッシュケース型」の形状が採用されていることからすると,同様の形状を同じ収納ケースである救急用品セットの収納ケースにおいて採用したとしても,それに接した需要者は,収納ケースによく見られる形状を採用したものと認識するにとどまり,格別強い印象を受けるとは考えられない。原告は,本件における原告商品の形態の検討に当たって,競合商品でない他の種類の用品セットの形態を斟酌すべきでないと主張するが,需要者は,他の種類の用品セットの形態の記憶印象を有する中で,多数の用品を収納するケースである点において共通する原告商品の形態に接するのであるから,他の収納ケースによく見られる形態については,格別強い印象を受けるとは考えられないというべきである。
以上の検討からすると,原告商品と被告商品とが基本的形態として原告主張の「アタッシュケース形状」を具備する点において共通することは,その類否を検討する上で重要なポイントではあるけれども,それだけで直ちに両者のケースを閉じた状態での形態が類似するということはできず,さらに両者の具体的形態をも踏まえて,その類否を総合的に検討すべきである。
エ 上記観点から検討するに,まず原告商品の具体的形態は,全体として白色をベースとし,各部位に銀色(ないし灰色)の細ラインを縁取りのように施していて,他の色(青色及び赤色)は商品名を示すワンポイント表示としての使用にとどまっていることから,色使いに高級感を醸し出している。また,本体部材及び蓋部材の各角のアールが小さく,このことが両部材の横方向の両端近くに2本の銀色(ないし灰色)の細いラインを周回させていることで強調され,さらに一対の留め具が略四角形状であることも相まって,全体として四角い角張った印象を与える。
そして,これらの点が相まって,アタッシュケースの中でも,乙97号証の2の最下段に見られるような,本格的で高級感を感じさせるものを連想させる形態であると認められる。甲9号証においてA(ギフト業界専門誌出版社の代表取締役)が述べる原告商品の高級感というのも,このような趣旨で理解することができる。
他方,被告商品の形態は,全体として白色をベースとするが,水色の比較的大幅なベルトラインを周回させていることが目立っており,留め具や把手も全体が銀色であることが相まって,色使いに全体として親しみやすさや可愛らしさが感じられる。また,本体部材及び蓋部材の各角のアールが大きく,このことが水色のベルトラインで強調され,さらに留め具も略樽形状であることが相まって,全体として丸みを帯びた印象を与える。そして,これらの点が相まって,全体としてやわらかな印象を与えるものであり,本件での証拠に示されたアタッシュケースの中に的確に該当するものを見いだせないが,強いていえば,乙92号証に見られるようなものを連想させる形態であると認められる。
そうすると,原告商品と被告商品のケースを閉じた状態での形態は,基本的形態において原告主張の「アタッシュケース型」の形状である点は共通するものの,具体的形態において相違があり,それによって上記のような全体的印象の差が生じていると認められるから,両者の形態は類似するとはいえない。
(2) そして,原告商品や被告商品のような救急用品セットにおいては,内部の救急用品の収納形態もさることながら,それ以上に収納ケースの外観の形態が,商品に接した需要者に対して形態上の印象を与える部分というべきであるから,そのような収納ケースの外観の形態が前記のように類似するとは認められない以上,内部の救急用品の収納形態の類否如何にかかわらず,両者の商品形態は全体としても類似するとはいえないというべきである。
(3) 以上より,原告の不正競争防止法に基づく請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がない。
2 争点(2)ア(不法行為の成否)について 被告には営業の自由が認められ,市場における競争は本来自由であることからすれば,原告商品と競合する被告商品の販売行為が不正競争防止法2条1項1号に該当しない場合において,同行為が民法709条所定の不法行為を構成するといえるためには,ことさら相手方に損害を与えることを意図して,法律上保護に値する相手方の営業上の利益を,著しく不公正な方法により侵害するなど,自由競争の範囲を明らかに逸脱したといい得ることが必要であると解される。しかるに,本件において,被告がことさらに原告に損害を与えることを意図して,著しく不公正な方法により被告商品の販売を行って,法律上保護に値する原告の営業上の利益侵害したと認めるに足りる証拠はない。
したがって,原告の民法709条に基づく請求も理由がない。
3 よって,原告の本件請求はいずれも理由がないから,主文のとおり判決する。
追加
(別表1)[第1群に属する原告商品について]【原告商品1】平成10年度18社2万7884個946万7088円平成11年度17社3万2199個1091万1193円平成12年度16社3万4168個1157万3618円平成13年度13社1万6754個569万7720円平成14年度12社1万7490個589万4900円平成15年度13社1万0260個350万2000円平成16年度8社9044個307万4960円(合計売上金5012万1479円)【原告商品2】平成9年度1社72個2万8800円平成10年度21社4万0317個1605万0750円平成11年度19社3万2305個1295万1950円平成12年度18社5万3166個2109万6050円平成13年度17社2万7326個1091万5346円平成14年度13社2万3431個932万2838円平成15年度13社2万3589個931万8892円平成16年度13社1万3019個446万3890円(合計売上金8414万8516円)【原告商品3】平成10年度18社2万4137個1156万0300円平成11年度17社3万3485個1588万7520円平成12年度15社3万2478個1557万4664円平成13年度15社2万5576個1224万1620円平成14年度12社1万7382個832万6920円平成15年度14社1万5447個740万3660円平成16年度9社1万6555個791万7478円(合計売上金7891万2162円)[第2群に属する原告商品について]【原告商品4】平成9年4社200個16万0000円平成10年17社2万1713個1736万1425円平成11年度16社2万2932個1828万3102円平成12年度19社2万5130個1996万5100円平成13年度13社1万2734個1019万4536円平成14年度12社1万1185個894万2510円平成15年度11社1万0509個840万7200円平成16年度11社1万3044個1020万4600円(合計売上金9351万8473円)【原告商品7】平成9年4社200個32万0000円平成10年18社1万3780個2189万2840円平成11年16社1万3553個2161万0735円平成12年16社1万2443個1983万9245円平成13年15社1万1159個1789万2332円平成14年11社7384個1175万5670円平成15年11社5399個863万5200円平成16年10社3930個628万4500円(合計売上金1億0823万0522円)[第3群に属する原告商品について]【原告商品5】平成7年6社168個18万9000円平成8年18社1万6224個1776万2585円平成9年18社1万0212個1148万2725円平成10年15社1万4041個1385万7950円平成11年17社1万1228個1115万3355円平成12年15社1万2328個1232万1800円平成13年14社5777個579万5160円平成14年10社3346個334万3890円平成15年10社7247個727万9245円平成16年9社1990個201万5000円(合計売上金8520万0710円)【原告商品6】平成7年8社672個68万2200円平成8年19社1万3816個1727万0115円平成9年18社1万9585個2577万1280円平成10年19社1万6502個1973万0265円平成11年17社2万0505個2407万5625円平成12年18社1万6044個1893万4344円平成13年14社9551個1139万9517円平成14年11社7134個855万5280円平成15年15社7809個926万8130円平成16年10社7846個920万2155円(合計売上金1億4488万8911円)【原告商品8】平成8年8社156個35万1000円平成9年21社1万0305個2295万5345円平成10年20社2万5317個4898万6545円平成11年16社1万5957個3158万0170円平成12年16社1万0559個2107万2860円平成13年13社4865個977万9460円平成14年12社5615個1119万3850円平成15年11社2289個454万3750円平成16年9社2010個404万6000円(合計売上金1億5450万8980円)(別表2)販売個数1個当たり利益額被告商品112830個×153円=1,962,990円被告商品238260個×180円=6,886,800円被告商品321730個×216円=4,693,680円被告商品424000個×360円=8,640,000円被告商品517270個×450円=7,771,500円被告商品65860個×540円=3,164,400円被告商品74500個×630円=2,835,000円被告商品84500個×720円=3,240,000円被告商品91500個×900円=1,350,000円(合計40,544,370円)
裁判長裁判官 田中俊次
裁判官 高松宏之
裁判官 西森みゆき