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関連ワード 類似性(類似) /  混同のおそれ(混同) /  商品の混同 /  模倣 /  営業上の利益 /  過失 /  競業関係 /  代表者 /  混同のおそれ(混同) / 
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事件 昭和 55年 (ネ) 1111号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 1981/07/20
権利種別 不正競争
訴訟類型 民事訴訟
主文 本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
全容
一 控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人の請求をいずれも棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は、主文同旨の判決を求めた。
二 当事者の主張は、次に記載するもののほか、原判決事実摘示第二に記載のとおりであるから、これをここに引用する(但し、「原告」を「被控訴人」と、「被告」を「控訴人」と読み替えるものとする。以下原判決引用部分について同じ。)。
1 控訴人(一) 原判決は、本件商標1ないし3の図柄の特徴を、「@黒色の太い枠からなる正方形の輪郭、その内部の地色を下方部分において白色、その他の部分において橙色とした点、A内部中央に、帽子をかぶり両手で投釣り用釣竿を持ち、両足をやや開いた人物を黒色で大きく影絵風に描いてある点、B「DAIWA」の文字の点」にあると認定しているが、右の@及びAに類似した図柄は、他の多くのメーカーにおいても商標としてこれまで使用され、市場に流通してきたものであつて、ひとり被控訴人の商品であることを特徴づける商標ではなくなつてしまつている。
すなわち、別紙に示す商標(1)ないし(6)は、被控訴人以外のメーカーの投釣用釣竿の商標で、以前より市場に流通するものの一部である(もつとも、これら商標の使用者、使用開始の時期、具体的使用態様は明らかでない。)が、これらはいずれも原判決が商標の類似性として掲げた特徴の大部分又は相当部分を備えていることからすると、原判決が認定するような図柄は、被控訴人の商品であることを特徴づけるような独創性ある図柄ではなく、釣具業界で投釣用釣竿であることを示すにすぎないものである。したがつて、本件商標1ないし3のうち、被控訴人の商品であることを特徴づけるものは、「DAIWA」とローマ字で大書した部分のみであり、控訴人標章(原判決のいう「被告標章」)1ないし3の使用によつて、商品の混同を生ずるおそれはない。
(二) 控訴人標章1ないし3及びこれを付した商品は、被控訴人の製品を下請製造している大平洋釣具製造株式会社笠間工場の次長である【A】と釣用品の総合問屋今西商事株式会社の専務取締役【B】の両名が、昭和四九年一一月ころ、【C】(控訴人代表者)方に来訪し、同人に対し、「大平洋釣具製造株式会社の製品である。心配ない商品なので売つて欲しい。」と交互に依頼したので、同代表者は、右【A】が、前記のとおり、被控訴人の製品を下請製造している大平洋釣具製造株式会社の工場の責任者の地位にあることをも考えて、それを信じて右依頼に応じたものである。
したがつて、仮に控訴人に、被控訴人の商品と混同を生じさせる行為があつて、
同人の営業上の利益を害したとしても、控訴人には過失がない。
2 被控訴人(一) 控訴人の(一)の主張について 釣具メーカーは数多く存在し、被控訴人と競業関係に立つているが、その多くは、販売市場において優位に立つ被控訴人の商品や商標を模倣しがちであり、別紙商標(1)ないし(6)の中にも被控訴人の商標を意識して作成されたとみられるものもある。現に、右商標中その出所を示しているものは、(5)のシマノのもののみでその余のものは、いずれのメーカーの商品に付されているものか、また、いずれの時期に使用されたものであるかが全く不明である。しかも、(1)、(4)の商標は、控訴人標章を作成した者によつて、これに一部変更を加えて作成されたものであり、(5)のシマノの商標も、「シマノ」のカタログ(甲第三一号証の一ないし一〇)には登載されていないことからみても、現実に商品に付された商標かどうかさえ疑わしい。
(二) 控訴人の(二)の主張について 控訴人は、昭和五〇年の初めには、被控訴人の商品である釣竿のいそかぜ全種を取扱つていた旨宣伝していたのであるから、その商品に付された商標の存在を知つていたはずである。また、控訴人は、被控訴人の製品を下請製造していた大平洋釣具製造株式会社の関係者からの販売依頼の言を信じたというが、その当時、被控訴人と同会社との下請関係が終了していたことは業界に周知の事実であり、同会社の関係者の持参した商品に被控訴人の釣竿と類似の釣竿が含まれていれば、被控訴人の商品との同一性について疑問をもつのが常識である。
このようなことからしても、控訴人が被控訴人の釣竿と同一の釣竿を販売した行為には、少なくとも過失があつたことは明らかである。
三 証拠関係(省略) 理 由一 当裁判所も、被控訴人の請求を認容すべきものであると判断するが、その理由は、左記の点を付加するほか、原判決の理由と同一であるから、これをここに引用する。
1 控訴人の(一)の主張について 別紙(1)ないし(6)の商標については、その使用者、使用時期、期間などが明らかでなく、本件において提出された証拠及び弁論の全趣旨に照らしても、このような商標が本件商標1ないし3の使用以前から釣具について広く使用されていたものとは認められない。仮にこのような商標が一部の業者によつて釣竿に使用された事実があつたとしても、そのことから、本件商標1ないし3について、商品の自他識別機能が「DAIWA」とローマ字で大書された部分にのみ限定されるものとは到底いえない。また、本件商標1ないし3と控訴人標章1ないし3とが、原判決の説示するとおり、互いに類似する商標であることは明らかであり、右のとおり、
別紙(1)ないし(6)の商標が一部の業者によつて釣竿に使用されたからといつて、このことが、本件商標1ないし3と控訴人標章1ないし3とが互いに類似するとした判断に影響を及ぼすものでないことはいうまでもない。
したがつて、控訴人の(一)の主張は採用できない。
2 控訴人の(二)の主張について 原審における控訴人代表者尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると、【C】(控訴人代表者)は、同人が【A】らから販売の依頼を受けたとされる昭和四九年一一月当時には、被控訴人の製品である釣竿にどのような商標が使用されていたかについて、これを充分承知していたものと推認するに難くない。そうとすれば、仮に控訴人主張のような事実があつたとしても、【A】から販売の依頼を受けた釣竿に使用されている商標が、本件商標1ないし3のいずれとも異なり、しかも、これと類似しているのであるから、【A】が、被控訴人の製品の下請製造をしている大平洋釣具製造株式会社の工場の責任者の地位にあるなどの事情があり、その商品が、同会社の製品であるから心配がない旨述べたからといって、この種釣具の販売業者である控訴人において、このような商品を販売することにより、被控訴人の商品である釣竿と混同を生じさせる行為をして同人の営業上の利益を害するについて少なくとも過失があつたとする認定をくつがえすに足りないことは明らかである。
したがつて、控訴人の(二)の主張も採用できない。
二 よつて、本件控訴は、理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第95条第89条、各規定を適用して、主文のとおり判決する。
裁判官 荒木秀一
裁判官 藤井俊彦
裁判官 清野寛甫
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